前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。
(写真・Ultra Gobiを完走した岩崎勉。Photo courtesy of Lloyd Bercher / Ultra Gobi)
先週末のイベント
9月23日土曜日 – 30日土曜日:Grand to Grand Ultra
- Grand to Grand Ultra (273 km, 6 stages):アメリカ・アリゾナ州とユタ州にまたがるエリアで開催されるステージレース。今回はフランスのエリック・クラバリー Erik Claveryが29時間34分で優勝。女子優勝はエリカ・テルブランシェ Erica Terblancheで40時間4分でした。全体では92人が完走、27人がリタイアでした。リザルトはこちら。
9月26日火曜日 – 29日金曜日:Half MDS – Fuerteventura
- Half MDS (120km, 3 stages):カナリア諸島のフエルテベントゥーラ島で開催。毎年4月にモロッコで開催されるサハラマラソン Marathon des Sables(MDS)の姉妹大会として今年初めて開催される大会で、3ステージ4日間で計120kmというちょうどMDSの半分のコースとなります。優勝したのはレミジオ・フアマン Remigio Huaman Quispe(ペルー)でした。女子はアナ・マリー・ワトソン Anna Marie Watson(イギリス)が優勝。リザルト速報はこちら。11月にはMDSの姉妹大会として、ペルーでMDS Peruが開催されます。
9月28日木曜日 – 10月4日水曜日:Ultra Gobi
- Ultra Gobi (400km):中国・ゴビ砂漠で開催。400kmのシングルステージ、マーキングなし、装備や補給食は持参というルール。レースはイタリアのニコラ・バッシ Nicola Bassiが3日と10時間30分で優勝。女子は参加者5人で完走者はド・ジャンユン Jianyun Douただ一人だけで5日と12時間20秒でフィニッシュしています。日本の岩崎勉は男子14位(4日と23時間31分)でした。リザルトはこちら。
9月29日金曜日 – 30日土曜日:Spartathlon, Bear 100
- Spartathlon (246k):ギリシャで開催されるウルトラマラソンで、アテネからスパルタまでの246kmがコース。男子ではアレクサンドル・ソロキン Aleksandr Sorokin(リトアニア)が22時間4分で優勝。大会記録はヤニス・クーロス Yiannis Kourosが1984年に記録した20時間25分で、今回のソロキンのタイムはクーロスが記録した4回の優勝タイムに続く歴代5位となる好記録です。2位にラデク・ブルンナー Radek Brunner(チェコ)、3位はニコラオス・シデリディス Nikolaos Sideridis(ギリシャ)。今年のIAU24時間走世界チャンピオンの石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaは23時間20分で4位でフィニッシュしています。女子はパトリシア・ベレズノウスカ Patrycja Bereznowska(ポーランド)が24時間47分で優勝。これは大会記録の25時間7分(2015年、カタリン・ナギー Katalin Nagy <アメリカ>)を20分短縮する大会新記録でした。ベレズノウスカは24時間走世界記録保持者で今年のIAU24時間走世界選手権で優勝しています。2位、3位にはスザンナ・マラズ Zsuzsanna Maraz(ハンガリー)とアレクサンドラ・ニウィンスカ Aleksandra Niwińska(ポーランド)でした。リザルトはこちら。
- The Bear 100: アメリカのユタ州とアイダホ州にまたがるエリアで開催。男子ではジェフ・ブラウニング Jeff Browningが18時間28分で優勝。先行していたマーク・ハモンド Mark Hammondがペースを落とした後半に着実にリードを広げるスマートなレースでした。ハモンドはリタイアし、ラース・ケレングトローン Lars Kjerengtroenが1時間差で2位、ルーク・ジェイ Luke Jayが3位、ティモシー・オルソン Timothy Olsonが4位でした。女子はハンナ・グリーン Hannah Greenが24時間22分で優勝しています。リザルトはこちら。
9月30日土曜日 – 10月1日日曜日:粟ケ岳
- Mt. Awa Vertical Kilometer、Mt .Awa Sky Race (30k): 新潟県三条市の粟ケ岳で開催。土曜日は5.5km 1,100mD+のバーティカル・キロメーターが行われ、こちらはスカイランナー・ジャパンシリーズのレースとなった土曜日のVKは宮原徹が47分21秒、吉住友里が1時間1分20秒で優勝。日曜日のスカイレース(27km 2000mD+)は吉田岳生が3時間44分、滝澤空良が6時間5分でそれぞれ優勝しています。スカイレースは制限時間内の完走者が約20名に止まったとのこと。リザルトはこちら。
9月30日土曜日:富士山麓、Birkie Trail Run, Skyrhune
- 富士山麓トレイルラン(18k/10k):富士河口湖町、鳴沢村で開催。足和田山、紅葉台を通るコースを往復する18kmと、片道のみの10kmのレースが行われました。18kmの男子は北原一樹が1時間39分20秒で優勝。1分42秒差で草薙眞一郎が2位、3位は市川陽大。女子は1時間57分49秒で篠崎理紗が優勝。飯田菜美子、佐藤敦子が2位、3位で続きました。10kmは真田卓也、渡邊綾がそれぞれ男女のチャンピオンとなりました。リザルトはこちら。
- Editor’s Note: 今回の富士山麓トレイルランには当サイトの岩佐も参加。久々のレースは、前半の足和田山から三湖台、樹海のトレイルを快適に楽しみましたが、後半はまさかのハンガーノックで這う這うの体でフィニッシュ。この大会は福田六花さんのプロデュースで今年で11回目。いつも福田六花さんのバンドが会場を盛り上げますが、ゲストとして「シャケ」こと木暮”shake”武彦さんが出演することはあまり知られていないかもしれません。超絶ギターソロを目の前で見られる貴重な機会を今回も楽しみました(もちろん、六花さんも絶好調、いつもの歌声を大いに楽しみました)。
- Birkie Trail Run (100k, Marathon, Half-Marathon, 5k):アメリカ・ウィスコンシン州。アメリカ陸連のトレイル・ハーフマラソン全米選手権となっていた21kmではジョー・グレイ Joe Grayが1時間10分11秒でチャンピオンに。グレイは10月の尾瀬岩鞍VKに参戦する予定です。2位には40秒差で ジャスティン・グルンワルドJustin Grunewald。3位はタイラー・シーグル Tyler Sigl、4位は今年のCCC優勝のヘイデン・ホークス Hayden Hawksでした。女子はアシュレイ・ブラソバン Ashley Brasovanが1時間18分30秒で優勝、男女総合で7位という好記録でした。リザルトはこちら。
- La Skyrhune (21km):フランス領バスク(ペイ・バスク・フランセ)にあるアスカン Ascainで開催。21km 1700mD+のレースは男子はティボー・バロニアン Thibaut Baronianが1時間53分で優勝。女子はイングリ・マター Ingrid Mutterが2時間19分で優勝しました。リザルトはこちら。
10月1日日曜日:アサマ2000、斑尾、蒜山
- アサマ2000スカイレース(12k):群馬県。浅間山が間近な高峰温泉を会場に開催。JSAジュニアシリーズのレースとなったジュニアのレースは3kmの小学生のレースで男子は小学生高学年の加藤大雅が12分5分で優勝。2位の前田志颯に40秒の大差でした。女子は織田晃帆が14分14秒で優勝しています。12kmの中学生・高校生の部では松本良介が1時間11分、渡部春雅が1時間18分でそれぞれ男女で優勝しました。リザルトはこちらから。
- Madarao Forest Trails 50k(50k/16k):2007年から続く人気の50km。50kの部では西村広和が4時間5分で優勝。昨年の大会で自身が出した3時間57分の大会記録に続く歴代2位のタイムでした。2位の西村好康とは12分差。3位は服部正秋。女子は福島舞が5時間21分で優勝。2015年に5時間19分で優勝して以来2回目の優勝でした。2位は5時間36分で青木奈和子、3位は中島陽子でした。リザルトはこちら。【追記・昨年2016年の大会ではコースの保護のために例年とはコースが一部異なるため、3時間57分という西村広和の優勝タイムは大会記録としては参考記録となり、今回の4時間5分が大会記録となる模様です。】
- 水見色トレラン(3時間):高山・市民の森(静岡市)で開催。一周3.5kmの周回コースを3時間で何周できるかを競いました。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
- 新庄・蒜山 スーパートレイル(70k, 25k):岡山県新庄村・真庭市の蒜山周辺の山岳エリアで開催。74.5kmのレースでは谷川照樹が8時間23分で優勝。山本俊介が8時間52分で2位、大槻文悟が8時間54分で3位。女子は夏目泰子が11時間3分で優勝、2位は菅谷美沙都で11時間5分。3位は奥田千恵で11時間45分でした。男子の優勝タイム、女子の1-4位のタイムは昨年の第一回大会のタイムを上回りました。来年の大会からAsia Trail Masterのシリーズ戦となります。リザルトはこちら。
- 土佐塩の道トレイルランニングレース(25k, 50k):高知県香南市。「土佐塩の道」をたどるコースで開催されました。50kでは木村進が5時間24分、小泉陽子が6時間28分、25kでは三島康生が2時間7分、福原千帆海が2時間34分でそれぞれ優勝しています。リザルトはこちら。
- 英彦山修験道トレイルin東峰村(36k, 24k):九州の修験道の山として知られる英彦山(ひこさん)で開催。36kmのコースの累積獲得高度は3,600mD+。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
- Lantau 2 Peaks (23k):香港・ランタオ島。香港のトレイルランニングのシーズン入りを告げる大会で優勝したのは男子がジェフ・キャンベル Jeff Campbellで2時間47分。女子はエミリ・サンペ Emilie Saint-Péで3時間42分でした。リザルトはこちら。
今週末のイベント
10月6日金曜日 – 8日日曜日:100 Miles Sud de France, Grindstone
- 100 Miles Sud de France (164k):ピレネー山脈のフランス側にあるFont-Romeuを出発して地中海の海岸までの164km 8,000mD+のレース。この他にも112km、75kmのレースもあります。フランスのシリーズ戦・Ultra Mountain National Tourの一つです。
- Grindstone 100:アメリカのバージニア州スウォープで開催。100マイルで7100mD+のコースは途中で折り返して同じコースで戻るピストン型。
10月6日金曜日 – 7日土曜日:Flagstaff
- Flagstaff SkyRace® (55k, 39k, VK):アメリカ・アリゾナ州のアリゾナ・スノーボール・リゾートで開催。金曜日にVK、土曜日に55km、39kmのレースが開催され、いずれもアメリカのスカイランニング・ナショナルシリーズのレースです。
10月7日土曜日 – 9日月曜日:Koumi 100, Ultra-Trail Guara Somontano
- OSJ Koumi 100:八ヶ岳の東麓、松原湖高原スケートセンターを会場に、32kmの周回コースを5周する100マイルレース。林道、ロード、トレイルがミックスされたコースとなっています。
- Ultra Trail Guara Somontano HG (102k, 52k, 38k):スペイン北部のラ・シエラ・イ・カニョネス・デ・グアラ自然公園 Parque Natural de la Sierra y Cañones de Guaraで開催。102km、52kmのレースはSpain Ultra Cupのシリーズ戦となっています。
10月7日土曜日 – 8日日曜日:Arkansas, Mesastila, Hounslow Classic
- Arkansas Traveler (100m):アメリカ・アーカンソー州で開催の100マイルで今年で27回目という歴史ある大会。
- Mesastila Peaks Challenge (100 km (7700 hm) / 65 km (4300 hm) / 42 km (2600 hm)):インドネシア・中部ジャワのメサスティラ・リゾートで開催。100kmの累積獲得高度は7,900mD+に達し、コース上の5つのピークの中には標高3000mを超えるものもあるという本格的な山岳コースです。こちらはAsia Trail Masterのシリーズ戦です。
- The Hounslow Classic 23km/68km:オーストラリアのニューサウスウェールズ州ブラックヒースを会場に開催。渓谷をつなぐコースからなるコースはスカイランニングのナショナルシリーズ戦の一つとなっています。
10月7日土曜日:Cuyamaca、Gorbeia Suzien
- Cuyamaca 100k:アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郊外で開催。三つのループコースからなる100kmのレースです。
- Gorbeia Suzien (31.2k):スペイン・バスクで開催される31km 2400mD+のレースで、今年はスカイランニング欧州選手権のSkyカテゴリーの大会となっています。
10月8日日曜日 – 9日月曜日:ハセツネ
- ハセツネカップ・日本山岳耐久レース(71k):東京の奥多摩、あきる野で開催される日本トレイルランニング回のクラシック・レースです。当サイトは今年もコース上からライブ速報をお届けしますのでどうぞお楽しみに。今回の有力選手を紹介するプレビュー記事はこちらから。
10月8日日曜日:五箇山・道宗道
- 世界遺産 五箇山・道宗道トレイルラン大会(36k/16k):富山県南砺市。古道「道宗道(どうしゅうみち)」をベースとするコースは36kmという距離ながら累積獲得高度は2,620mD+に達します。