DC Weekly | 先週末はレユニオン、トンプリエ、西米良、峨山道など、今週は宇都宮、山中温泉、Fairy Trailなど・2017年10月23日

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

(写真・タイで開催されたUltra-Trail Chiang Raiで優勝したジョアンナ・クルク Joanna Kruk。Photo courtesy of Asia Trail Master)

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トレイルランニング関連ニュース

キリアン、肩の手術を受ける:今年7月のHardrock 100で肩を脱臼しながらも優勝したキリアン Kilian Jornetですが、Hardrock以前にも脱臼していたことなどから関節唇損傷の治療のための手術を10月20日に受けました。手術は順調に終わり、3-5週間の肩の固定、完全な回復まで約半年を要するとのこと。このため、今年中に予定していた、イギリスのボブグラハム・ラウンド Bob Graham RoundのFKTは延期となります。キリアンは「完全に治るタイミングに備えて冬の計画を考えるつもり」と早くも次の挑戦に思いをめぐらせているとのことです。

先週末のイベント

10月19日木曜日 – 22日日曜日:Réunion, Templiers

  • Grand Raid Réunion:南インド洋の島、レユニオンで行われるトレイルランニングレースは今回が25回目の開催。全体のリザルトはこちらから。
    • 165km 9,700mD+のディアゴナル・デ・フゥ Diagonale des FousUltra-Trail World Tourの第18戦でした。レースはアンドレア・ヒューザー Andrea Huser(スイス)が序盤からリードし、26時間34分。男女総合で8位という好記録、後続を2時間28分差で引き離して昨年に続いて2連覇となりました。これによりヒューザーはUTWTの女子ランキングで現在首位になっています。2位になったのはエミリー・ルコントEmilie Lecomte(フランス)で27時間2分。3位は地元・レユニオンのマルセル・プイ Marcelle Puyで30時間58分でした。UTMBで4位となった日本の丹羽薫 Kaori Niwaは32時間38分で7位という好成績でフィニッシュ。これで丹羽はUTWTのランキングで女子6位です。このほかフェルナンダ・マシェール Fernanda Maciel(ブラジル)が8位、メラニー・ルセ Mélanie Rousset(フランス)が11位、モー・ゴベール Maud Gobert(フランス)、が19位。齋藤美紀 Miki Saitoは113km地点でリタイアしています。
    • ディアゴナル・デ・フゥ Diagonale des Fousの男子のレースは長い登り基調が続いた65km地点ではマキシム・カザジャス Maxim Cazajous(フランス)がリードし、8分差でジム・ウォルムズレー Jim Walmsley(アメリカ)、さらに5分でルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret(フランス)。この時、ベヌワ・ジロンデル Benoit Girondel(フランス)はトップから23分差の4位、アントワン・ギュイヨン Antoine Guillon(フランス)は同じく25分差の5位でした。しかし、カザジャス、ポムレの二人はこの後ペースを落として最後はリタイア。島中央部のテクニカルな圏谷の中のトレイルを抜けた113km地点にはウォルムズレーがトップで到着します。2位のジロンデルとの差は28分、3位のギュイヨンはさらに27分と大きく開いていて、このままウォルムズレーが優勝するかにみえました。しかし、島の北端への長くて急な下りのトレイルでウォルムズレーはここまでの疲労と胃の吐き気で走ることができなくなり、結局リタイアすることに。結果、優勝を手にしたのはフランスの31歳、ベヌワ・ジロンデル Benoit Girondelでタイムは23時間53分。昨年のUTMFにはグザビエ・テベナールとともに来日して短縮されたUTMFで6位となっていましたが、今回は大きなタイトルを手にしました。2位となったのはこの大会では安定して上位に入る鉄人、アントワン・ギュイヨン Antoine Guillonでタイムは24時間26分。3位はフランスのギヨーム・ボージス Guillaume Beauxisで25時間9分でした。ジム・ウォルムズレーは今年はウエスタン・ステイツ、UTMBに続いて終盤までレースをリードしながら最後に大きく調子を崩してレースから脱落という結果になりました。そして日本から参加した奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaが9位、26時間52分でフィニッシュしてトップ10入りする快挙でした。このほか、ディエゴ・パゾス Diego Pazos(スイス)が4位、セス・スワンソン Seth Seanson(アメリカ)が17位、サンゲ・シェルパ Sange Sherpa(ネパール)が18位、大瀬和文 Kazufumi Oseが20位。レジェンド・鏑木毅 Tsuyoshi Kaburakiは31時間46分、39位に。3回目の挑戦となったレユニオンでついに完走しました。このほか、グザビエ・テベナール Xavier Thévenard(フランス)は今回は出場を見送り、リタイアは上記のカザジャス、ポムレのほか、ジュリアン・ショリエ Julien Chorier(フランス)、シルバン・カミュ Sylvain Camus(フランス)もリタイアしています。

    レユニオンを完走した鏑木毅。Photo by Jérôme Désire

  • Festival des Templiers (76k, 100k):フランス南部の中央山塊に位置するミヨー Millauで開催。メインイベントである76km 3,540mD+のレース、グラントレイル・デ・トンプリエ Grand Trail des Templiersはフランス国内の有力選手が集中するレースであり、日本を含む海外からも有力選手が参加するレースとして注目度を高めています。リザルトはこちら。
    • 女子はルース・クロフト Ruth Croft(ニュージーランド)とイーダ・ニルソン Ida Nilsson(スウェーデン)がリードし、最後にレースを制したのはルース・クロフトで、7時間27分でフィニッシュ。2位のイーダ・ニルソンは6分半の差の2位。3位にはエミリー・フォスバーグ Emelie Forsberg(スウェーデン)がニルソンから12分差で続きました。今年のTDS優勝のミンミ・コトカ Mimmi Kotka(スウェーデン)は5位に。日本の星野由香理 Yukari Hoshinoは9時間38分で14位でした。このほか、今年のトレイル世界選手権優勝のアデリーヌ・ロシュ Adeline Roche(フランス)やカミーユ・ヘロン Camille Herron(アメリカ)はリタイア、今年のUTMBチャンピオンのヌリア・ピカス Nuria Picas(スペイン)はDNS。
    • 男子は序盤の5-6人の先頭集団からセバスチャン・スぺーラー Sebastien Spehlerが抜け出し、23km地点では後続に1分のリード。その後をこの大会で5度優勝しているニコラ・マルタン Nicolas Martin(フランス)が懸命に追います。しかし、スペーラーが中盤につけた差を守りきって6時間38分で優勝。6分差でマルタンが2位となりました。3位は終盤にペースを上げたアレックス・ニコルス Alex Nichols(アメリカ)がトップから10分差の6時間49分。途中まで3位だった今年のOCCで優勝のマルク・ラウエンスタイン Marc Lauenstein(スイス)はニコルスに先を譲って4位でフィニッシュ。スカイランニングで活躍し、70kmを超える距離を走るのは珍しいスティアン・アンゲルムント Stian Angermund-Vik(ノルウェー)は8位でした。日本の奥山聡 Satoshi Okuyamaは8時間41分で53位でした。
  • Grand Raid des Cathares (174k): フランス・カルカソンヌで開催。174kmの累積獲得高度は7,700mD+。日本から参加した梅原弘行 Hiroyuki Umeharaが6位となっています。タイムは28時間9分で、優勝タイムからは3時間41分でした。101km、40kmのレースも合わせて開催されました。
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10月21日土曜日 – 22日日曜日:六甲キャノンボール、カッパドキア

  • Mt.Rokko Cannonballrun (100k, 50k):六甲全山縦走路を走る人気のイベントですが、台風21号の接近でフィニッシュ地点が繰り上げになりました。
  • Cappadocia Ultra-Trail (110k / 60k / 30k):トルコでも最も有名な観光地、世界遺産のカッパドキアをコースとするレースはUltra-Trail World Tourの第20戦でチャレンジャー・レーベルのレースでした。110kの男子優勝はゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)で10時間56分でした。2位はブルガリアのアンドレイ・グリディン Andrey Gridinで12時間21分、3位はルーマニアのラドゥ・ミレア Radu Mileaで12時間26分。女子はブルガリアのマリヤ・ニコロワ Mariya Nikolovaが14時間26分で優勝。イタリアのクリスティアナ・フォラドー Cristiana Folladorが14時間56分、エレナ・ポリコワ Elena Polyakova(ロシア、トルコ在住)が15時間22分でした。リザルトはこちら
  • Asia_Trail_MasterCOMPRESSPORT UTN 100 (100k, 50k):タイ北部のラオスと国境を接するナーン県で開催。今年が初開催でAsia Trail Masterのシリーズ戦です。100kmの男子は14時間47分でタイのサンヤ・カーンサイ Sanya Khancaiが優勝。カーンサイに続く総合2位になったのは女子優勝のピチャナン・マハコット Phitchanan Mahachotでした。
  • Ultra-Trail Chiang Rai (120k, 66k):こちらもタイの最北部、チェンライで開催されるトレイルランニングの大会。こちらもAsia Trail Masterのシリーズ戦です。122kmのレースで優勝したのはマウンテンバイクやアドベンチャーレースでの活躍でも知られるタイのジェイ・ジャンタラブーン Jantaraboon Kiangchaipaiphanaで14時間35分。ジェイから7時間半の差でロバート・ブッチャー Robert Butcher(イギリス)とポモンコル・プトン Pommongkol Phuthong(タイ)の二人が同時にフィニッシュしてタイの2位、22時間1分でした。女子はオーストラリアのジョアンナ・クルク Joanna Krukが23時間45分で優勝。2位、3位はともにタイのランナーでモンサ・スントロウィット Montha Suntornwitが27時間7分、ウォラパン・キジャワジ Woraphan Kijawasdiが31時間18分でした。
  • Autumn 100:イギリス・ロンドンから西に行ったテムズ川に沿ったコースでの100マイルのレース。累積獲得高度は1,170mD。リザルトはこちら

10月21日土曜日:志賀高原エクストリーム、Hong Kong Island 50、KV de Fully

  • 志賀高原エクストリームトレイル(54k, 32k, 8k):長野県・志賀高原で開催。志賀高原の見どころをもれなく見ることができるというコースでロング54kは小川壮太が6時間20分で優勝。須賀暁が5分差で2位、3位の松永紘明が6時間38分でした。女子は9時間27分で川本和美が優勝、2位に上野朋子(9時間55分)、3位に中澤重美(10時間43分)でした。リザルトはこちら

志賀高原エクストリームで優勝した小川壮太。Photo by (c) 計測工房

  • MSIG HK50 Series – Hong Kong Island (24 km / 50 km):香港の香港島で開催の50kmのレースは男子はジャスティン・アンドリュース Justin Andrews(アメリカ)が4時間41分36秒で勝利、20秒差で2位となった台湾のチン・チョウ Ching Chouを制しました。3位はケビン・エフス Kevin Fs(アイルランド)で4時間52分。女子はマリー・マクノートン Marie McNaughton(ニュージーランド)が5時間56分19秒で後続に大きなリードで優勝。2位は台湾のワン・ティンクオ Wan Ting Kuo(6時間33分)、3位はフランスのエミリー・サンペ Emilie Saint-pé(6時間42分)でした。リザルトはこちら
  • Garmin Mourne Skyline Mountain-Trail Race (35k):イギリス・北アイルランドのニューカッスルで開催。イギリスのスカイランナー・ナショナルシリーズのレースでした。リザルトはこちら
  • Kilomètre Vertical® de Fully: スイスで開催されるバーティカル・キロメーター(VK)の大会で、1000mの標高差を登り切るコースは1.92kmと短く、急坂ではありますがタイムが出やすいVKのレースとして知られています。今年の大会ではイタリアのフィリップ・ゲッツ Philip GoetschがVKの世界新記録となる28分53秒で優勝。2014年のこの大会でイタリアのアーバン・ゼンマー Urban Zemmerが出した29分42秒を更新しました。女子はクリステル・デワル Christel Dewalle(フランス)が35分10秒で優勝。女子のVKの世界記録はデワルが2014年に記録した34分44秒です。なお、デワルは今年春にドーピング違反で出場資格停止となっていたのが9月に期間が終了しています。リザルトはこちら。このレースで今年のVertical Kilometer World Circuitは閉幕。全17戦から6つのリザルトの獲得ポイントの合計で決める年間ランキングはスティアン・アンゲルムンド Stian Angermund-Vik(ノルウェー)とラウラ・オルゲ Laura Orgué(スペイン)が男女それぞれのチャンピオンと決まりました。年間ランキングの結果はこちら
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ランボーズことRun boys! Run girls! Trail Running Clubが2022年度新規メンバーを募集開始、12月12日まで

10月22日日曜日:西米良、秋葉丘陵、峨山道、氷ノ山

  • Skyrunner-Japan-Series-logo-768x744西米良スカイランニングクエスト(38k):宮崎県の西米良村で開催のこの大会も、今年は台風21号の接近による暴風雨が見込まれたため、金曜日には大会の中止が決まりました。この大会が最終戦となっていた今シーズンのスカイランナー・ジャパンシリーズのSky Classicカテゴリーはすでに開催された4レースの結果を持って確定となり、男子は加藤聡 Satoshi Kato(経ケ岳、菅平で優勝、びわ湖と蔵王で2位)、女子は高村貴子 Takako Takamura(菅平、びわ湖、蔵王で優勝)が2017年のチャンピオンに決まりました。男子は近藤敬仁 Yoshihito Kondoが銀、吉野大和 Yamato Yoshinoが銅に、女子は桑原絵理 Eri Kuwabaraが銀、折戸小百合 Sayuri Oritoが銅となりました。年間ランキングの詳細はこちらから。
  • 秋葉丘陵トレイルランニングレース(50k/10k):新潟県秋葉区。今年は少し距離が伸びて50kmの大会として開催される予定でしたが、こちらも台風21号の影響で38kmに短縮して開催されました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 峨山道トレイルラン(77k):石川県羽咋市から輪島市へと北上する77kmのコースで開催予定でしたが、金曜日の深夜には台風の接近のためフィニッシュを繰り上げて50kmのレースとすることが発表されていました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • OSJ氷ノ山山系トレイルレース(78k):兵庫県香美町ほか。こちらも金曜日には週末の台風21号接近の予報を受けて大会中止を発表。昨年も直前に起きた地震を受けて中止されたため2年連続での中止となりました。
  • SHKP Vertical Run for Charity – Race to Shanghai IFC:中国・上海で開催されるビルの階段を一気に駆け上がるバーティカルランのイベント。Vertical World Circuitの第8戦です。254mの高さを1,460弾の階段で登り切ります。リザルトはこちらに掲載される見込みです。Vertical World Circuitの第9戦は11月12日に大阪・あべのハルカスで開催のHarukas Skyrunとなります。

今週末のイベント

10月28日土曜日 – 29日日曜日:Javelina Jundred

  • Javelina Jundred (100m / 100k):アメリカ・アリゾナ州。砂漠地帯の周回コースを5周する100マイルはハロウィン直前の週末に開催され、アメリカのシーズン最終盤の100マイルレースとなります。今年のUltra-Trail World Tourの第21戦でチャレンジャー・レーベルの大会です。

10月28日土曜日:Mogan、Eco Trail Funchal

  • Mogan Ultra 凯乐石莫干山越野赛 (65k, 30k):中国・杭州市郊外のMogan Shan 莫干山で開催。Hong Kong 100のレースディレクターであるJanet NgとSteve Bremmerがレースディレクターとして初めて開催する大会です。
  • Eco Trail Funchal – Madeira Island (80k, 40k, 25k, 15k): マデイラ島フンシャルで開催。80kmの累積獲得高度は5,200mD+となるコースで開催されます。

10月29日日曜日:Mapawa、南魚沼、宇都宮、Fairy Trail

  • Asia_Trail_MasterMapawa Trail Run (50k, 25k, 6k): フィリピン・ミンダナオ島で開催。50km 2,400mD+のコースで開催されるAsia Trail Masterのシリーズ戦の一つです。
  • 南魚沼コシヒカリRUN in 石打(21k/10k): 新潟県南魚沼市。6kmのトレイルの周回コースでのソロ、駅伝のほか、ロードのハーフマラソンも行われ、レース後にはコシヒカリの新米のご飯も振る舞われます。
  • 宇都宮トレイルラン(17k/8k/4k): 栃木県宇都宮市。17kmのトレイルランニングのほか、林道を使った累積獲得高度が942mD+というロードのハーフマラソンも行われます。
  • FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルランニング in 朽木(60k, 40k, 19k): 滋賀県高島氏。鏑木毅さんのプロデュースで開催される今年の大会には新たに60kmの部が加わっています。
  • OSJ山中温泉トレイルレース(74k): 石川県加賀市。山中温泉をメイン会場とする70kmを超える本格的な大会です。
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