前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。
トレイルランニング関連ニュース
UTMB®︎に40kmの新レース、MCCが今年2018年から登場:UTMB®︎は今年2018年の大会で40kmの新レース、MCC(Martigny-Combe-Chamonix)を開催することを発表しました。MCCはUTMB®︎の大会日程初日となる8月27日月曜日に午前8時にスイスの町・マルティニ Martignyをスタート。UTMB®︎やCCC®︎、OCCとは異なるコースでシャモニーに向かう40km 2,300mD+のレースとなります。このレースは大会をサポートしている皆さんとの絆を深めることが目的で、大会ボランティア、モンブラン周辺地域の在住者、大会パートナーの関係者からエントリーを受け付けます。その後、4月13日時点で全部で1000人の出場枠が埋まらなかった場合には今年の大会エントリーの抽選で外れた応募者からエントリーを受け付ける、としています。日本からこのMCCに興味を持つ人は少ないかもしれませんが、世界的なトレイルランニング大会となったUTMB®︎が地域との結びつきを深めようとしている点が注目されます。
先週末のイベント
3月2日金曜日 – 4日日曜日:Translantau
- Translantau (100k, 50k, 25k):香港・ランタオ島で開催の100kmなどのトレイルランニングレース。先週のこのコラムで紹介した有力選手のうち、ベド・スヌワル Bed Snuwar(ネパール)、ケーシー・モーガン Casey Morgan(イギリス)、ジョン・エリス John Ellis、大瀬和文 Kazufumi Ose、小林慶太 Keita Kobayashは実際には出場を見送りました。
- 100kのレースでは、序盤となるスタートから10-20kmのコース上で数人の集団がコースマーキングを正規のコースとは違う方向に付け替えたり、エイドの食品を持ち去ってコース脇に投げ捨てたりといった妨害行為を繰り返す、という事態があった模様です。この出来事の影響を受けて、上位集団を走っていた原良和 Yoshikazu Haraや土井陵 Takashi Doiを含む選手はロストを繰り返すことになりました。レースの結果は香港在住のジェレミー・リッチー Jeremy Ritceyが14時間15分で優勝。土井はロストにより一時はトップから44分遅れとなっていましたが、その後もレースを続けて、フィニッシュではリッチーにわずか1分差の2位となりました。上位二人から1時間以上おいて3位にアントワン・エピネット Antoine Epinetteが15時間19分でフィニッシュ。原良和は序盤のロストを受けてこの日はDNFとしました。女子のレースは妨害行為の影響はあまりなかった模様で矢田夕子 Yuko Yadaがレースをリードして60km地点では後続に約28分差。しかし、ここからのLantau Peak、Sunset Peakの登りくだりでジャスミン・ゴー Jasmine Goh(シンガポール)がペースを上げます。結局ジャスミン・ゴーが16時間53分で女子優勝、53分差で矢田夕子が2位に。3位はジェニー・アレクサンダー Jenny Alexander(イギリス)でした。
- 50kのレースはキム・ジスブ Jisub Kim(韓国)が5時間21分、枝元香菜子 Kanako Edamotoが6時間30分でそれぞれ男女で優勝しています。
- リザルトはこちら。
3月3日土曜日 – 4日日曜日:小江戸大江戸200k、Cordillera Mountain Ultra
- 小江戸大江戸200k(ロード):埼玉県川越市の蓮馨(れんけい)寺をメイン会場にして開催される人気のロードのウルトラマラソン。390人がエントリーして245人がフィニッシュした200kmのレースは20時間9分で高橋伸幸が男子優勝。2位に白倉嵩大(22時間23分)、3位は吉清一博(22時間34分)でした。女子は佐藤恵里が男女総合6位となる23時間44分で優勝。2位に廣澤志保(25時間15分)、3位に中本逸恵(26時間33分)となりました。42人がエントリーして21人がフィニッシュした230kmでは赤松亮が23時間17分、どいあやが35時間9分でそれぞれ優勝しています。リザルトは速報サイトから。【追記・完走者数を修正しました。2018.03.06】
- Gone Nuts 101: オーストラリア・タスマニア島の北部で開催。山の岩場から海沿いの渡渉まで、豊かなタスマニアの自然を体験できる大会で100km、50km、25kmのレースが開催されました。100kmのレースにはいいのわたる Wataru Iinoが出場して優勝、25kmでは菊川恵大 Keita Kikugawaが優勝しています。
- Cordillera Mountain Ultra (50k):フィリピン・ルソン島のウゴ山南麓で開催される大会で今年で3回目の開催。50km 2,640mD+のレースがAsia Trail Masterのレースでした。男子ではハリー・ジョーンズ Harry Jones(イギリス、タイ在住)が6時間20分で優勝、16分差の2位にジョン・レイ・オニファ John Ray Onifa、3位は日本の松永紘明 Hiroaki Matsunagaでした。女子はカロール・フックス Carole Fuchs(フランス、タイ在住)が優勝。2位にノベナ・マナクネス Novena Manacnes、3位にビットビット・ベイ・マリテス Bitbit Bay Maritesとなりました。次のAsia Trail Masterのイベントは3月17日にベトナムで開催されるDalat Ultra Trail (70k)となります。
今週末のイベント
3月9日金曜日 – 11日日曜日:Gaoligong by UTMB
- Gaoligong by UTMB (160k, 125k, 55k) : 中国・雲南省。中国南西部のミャンマーとの国境に近い高黎贡山(ガオリゴンシャン)で開催。古くは雲南とチベット、インドを結んで茶や馬の交易のための通商路となっていたことで知られています。レースは100マイルのGaoligong Ultraとして2016年に開催され、今回はUTMB®︎の姉妹大会として、MGU(160.3km 8381mD+)、RCE(125km 6610mD+)、THT(55km 2381mD+)の3つのレースが開催されます。9日金曜日の午前6時(日本時間午前7時)にRCE、午前7時30分(同午前8時30分)にTHT、午後8時(同午後9時)にMGUがそれぞれスタートします。レース中の通過情報などはLiveTrailのウェブサイトから。有力選手は次の通り。
- MGU(160km)
- ダニエル・ローソン Daniel Lawson(イギリス):2016年のGaoligong Ultraで優勝(タイ)、2017年Ultra Gobi 400k優勝。
- ゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア):2016年UTMB®︎で2位、2016年UTWT年間チャンピオン。
- マイク・ワーディアン Michael Wardian(アメリカ):2017年Tarawera Ultramarathon 102kで8位、Ultra Gobi 400kで15位。
- ミン・チー Qi Min(中国):2017年HK100で優勝。
- 丹羽薫 Kaori Niwa(日本):UTMB®︎で2016年女子8位、2017年女子4位。
- RCE(125km)
- ヘイデン・ホークス Hayden Hawks(アメリカ):2017年CCC®︎優勝。
- 上田瑠偉 Ruy Ueda(日本):2016年CCC®︎で2位、ハセツネCUPで2014年、2017年優勝。
- ベロ・メシナ Velo Messina(フランス):2016年 Ultra Gobi 400kで女子優勝。
- サマンサ・チャン Samantha Chan(香港):2017年HK100で女子13位、TDS®︎で女子13位。
- THT(55km)
- ネイサン・モンターギュ Nathan Montague(イギリス):2016年のGaoligong Ultraで3位。2017年Ultra Gobi 400kで3位。
- ジェイソン・シュラーブ Jason Schlarb(アメリカ):2016年Hardrock 100優勝(タイ)、2014年UTMB®︎で4位。
- スンマヤ・ブッダ Sunmaya Budha(ネパール):2016年スカイランニングアジア選手権・MSIG Lantau 50kで2位。
- MGU(160km)
3月11日日曜日:房総丘陵、十和、北郷森林セラピー
- 房総丘陵・養老渓谷トレイル(30k, 14k): 千葉県市原市。今年で10回目となる春の房総で開催の大会です。
- 十和トレイルランニング(17k, 10k): 高知県四万十町で開催。
- 北郷森林セラピートレイル(22k, 7k): 宮崎県日南市北郷町。第6回目となる今回は7kmのショートコースが加わりました。