2018年 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン・リザルト #野辺山100km #Nobeyama100km

世界トップクラスのアスリートから、ウルトラ初挑戦のランナーまで、それぞれに充実した1日となったことでしょう。週末に開催された第24回星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」(野辺山100km)は、100km、71km、42kmの三つのレースに参加する2,805人が気温2℃の20日日曜日早朝に南牧村社会体育館をスタート。終日快晴、最高気温は野辺山で15℃と恵まれたコンディションの1日でした。71kmのレースでは、公務員ランナーでありながら日本のマラソン界のスター、そして先月のボストンマラソンで優勝したばかりの川内優輝 Yuki Kawauchiが出場し、大会新記録となる4時間41分55秒で優勝しました。100kmでは林絵里 Eri Hayashiが女子の歴代4位となる9時間12分57秒で優勝。男子優勝は出口光 Hikaru Ideguchiでした。

Sponsored link


(写真・南八ヶ岳林道の登りを力強く走る川内優輝 Yuki Kawauchi。 Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan)

thenorthface-squarelogo今回、当サイトではThe North Faceにご協賛いただき、 Twitterアカウント・@DogsorCaravanでこの大会のライブ速報をお送りしました。ライブ速報の一覧はTogetterのまとめでご覧いただけます

71km: あの川内優輝選手が圧巻の走りをみせて優勝

今回の大会では71kmの部に川内優輝選手が出場したことが大きな話題となりました。今回、川内は一般参加者と同じように自分で大会にエントリーしていて、大会直前まで本当にあのボストンマラソン優勝の川内優輝が出場するのか、主催者でも半信半疑でした。

しかし、午前5時にスタートするとその直後にウルトラマラソンを走るとは思えない猛スピードで一人の選手が飛び出します。スタート直後のループを経てから日本鉄道最高地点(約8km地点)を川内は24分台で通過。42km、100kmも含めて続く選手まですでに3分30秒もの差が開いていました。最初の10kmの川内のラップは34分17秒。次に当サイトが川内を見たのは南八ヶ岳林道の途中で標高1900mに近い18km地点。標高差で600m近くをダブルトラックの林道で登り、ピークまであと数百メートルというところでしたが、まるでトラックを走っているようなスピードと安定したリズムで駆け抜けていきました。

42km地点の八峰の湯(小海町)は2時間39分で通過。ここでも42kmの優勝選手とは20分以上に差が広がります。マラソンの距離を超えたあと、コースは松原湖を経て千曲川を渡る小海大橋まで長い下りを経て、北相木村、南相木村へとロードで登ることになりますが、川内のペースは安定したままで、71kmのコースのフィニッシュとなる滝見の湯(南相木村)に4時間41分55秒でフィニッシュ。この大会に71kmの部ができた最初の年に作られた大会記録、4時間48分13秒(2002年、山本恭規)を6分以上短縮しました。川内は例年6月の隠岐の島ウルトラマラソンで50kmのレースを走っていますが、今回はさらに距離を延ばした71kmでもウルトラマラソンの実力を披露することになりました。

71kmのレースを大会新記録で優勝した川内優輝

71kmの男子のレースは2位に5時間11分で小野喜之。小野のタイムはこれまで大会記録を持っていた山本恭規の2002年から2006年の5つの優勝タイムと2005年2位の吉田雅広に次ぐもので、こちらも好記録となりました。3位には5時間23分で坂口享 Toru Sakaguchi が続きました。昨年優勝の越将俊 Masatoshi Koshi は4位となっています。

71kmで2位になった小野喜之が序盤の鉄道最高地点を通過

71kmの女子は能勢結希 Yuki Nose が6時間29分33分で、後続を30分引き離して優勝。今回で2015年からの四連覇を果たしたほか、2006年、2007年の連覇も合わせて6回目の優勝です。2位は矢野淳子 Junko Yano(6時間59分44秒)、3位に神原百合 Yuri Kambara(7時間24分33秒)が入りました。

100km: 林絵里、出口光がそれぞれ初優勝

女子のレースは林絵里 Eri Hayashiが優勝。先月のUTMFで7位となってひと月足らずですが、女子の歴代4位となる9時間12分57秒という好タイムでした。この大会では2016年に10時間37分でフィニッシュしていますが、昨年の日光100kmでの2位(9:00:58)に続いて最近の好調ぶりを発揮しました。2位には11分差の9時間23分1秒で中村麻季子 Makiko Nakamura 。当サイトのプレビューでの紹介から漏れていましたが、昨年の飛騨高山100kmで優勝(8:21:24)、OSJおんたけ100kで優勝、今年4月の富士五湖118kで2位となっています。3位は先月のSTYで3位の秋山穂乃果 Honoka Akiyama で9時間34分34秒でした。

100kmで女子優勝の林絵里

男子のレースはスタートからレースをリードし続けた出口光 Hikaru Ideguchi が8時間5分6秒でフィッシュして初挑戦のこの大会で優勝を勝ち取りました。関西在住の出口は100kmの自己ベストが7時間17分(2014年京丹後100km)という実力の持ち主で、今年は南横ウルトラマラソン(台湾)100kmで優勝。野辺山では今回初優勝です。この日、2位になったのは佐藤雄太郎 Yutaro Sato。こちらも当サイトのプレビューから漏れていましたが、オリエンテーリングでジュニア世界選手権に出場した経験を持つ24歳で昨年の信越五岳110k(短縮されて52km)で4位、今年のハセツネ30kで8位、上田スカイレースで5位と最近トレイルランニングで頭角を表しているアスリートです。佐藤は優勝の出口から11分差でした。3位は間宮秀幸 Hideyuki Mamiya 。間宮は71km地点では6番手で2番手の佐藤から11分差、3番手の青木光洋から4分差でしたが、最後の難関となる馬越峠への登りで5番手だった高橋聰を抜き、峠を越えてから並走していた青木と高橋和之を捉えて3番手になり、そのまま3位、8時間17分58秒でフィニッシュ。2位の佐藤との差を2分弱まで詰める見事なレースを見せました。間宮は昨年の白山白川郷100kmを7時間36分で優勝しています。

レースを終始リードして100kmを優勝した出口光

100kmで2位になった佐藤雄太郎

終盤に順位を上げて3位でフィニッシュした間宮秀幸

42km: 赤間比呂志、太田美紀子が優勝

42km男子は赤間比呂志 Hiroshi Akama がレースを終始リードして3時間2分20秒で優勝。この42kmで三連覇中で100km世界選手権5位(2014年)の実績を持つ髙田由基 Yoshiki Takada は今過去の自身のタイムに及ばず、トップから5分差の2位でフィニッシュ。3位は松元伸一 Shinichi Matsumoto で3時間12分でした。女子は2016年I00km世界選手権で5位、昨年のサロマ湖100kmで3位の太田美紀子 Mikiko Otaが3時間23分で勝利。吉村友香 Yuka Yoshimuraが2位、金井知香 Chika Kanai が3位となりました。

これも読む
ウェスタン・ステイツ:コートニー・ドウォルターが女子の大会記録を78分更新、トム・エバンスが英国人初の男子優勝

3人がユプシロン、16人がデカフォレストを達成

100kmの20回完走者には大会より「ユプシロン」の称号が与えられます。今回はすでに19回完走している4人のうち、武藤彰男(埼玉県)、中沢丈雄(東京都)、松橋賢治(埼玉県)の3人の皆さんが完走して、新たに「ユプシロン」となりました。これで「ユプシロン」は12名となります。10回完走者に与えられる「デカフォレスト」には今回21人が挑戦。以下の16人が完走して新たに「デカフォレスト」となりました。「デカフォレスト」の達成者数はこれで203人になりました。

高橋憲司(群馬県)、山田利房(千葉県)、犬塚鉄平(神奈川県)、青木玄(神奈川県)、飯野潤二(山梨県)、根来直城(和歌山県)、沖津功(石川県)、田中実(山梨県)、高山博士(長野県)、飯泉大輔(長野県)、山口亮(埼玉県)、佐藤昇(東京都)、柴崎宏眞(東京都)、鏡畑良弘(東京都)、田中英樹(神奈川県)、中澤順子(群馬県)

79km地点の馬越峠へ向かう急坂

リザルト

以下はいずれも大会ウェブサイトに掲載されている速報です。

100km男子

  1. 出口光 Hikaru Ideguchi 8:05:06
  2. 佐藤雄太郎 Yutaro Sato 8:16:04
  3. 間宮秀幸 Hideyuki Mamiya 8:17:58
  4. 高橋和之 Kazuyuki Takahashi 8:31:05
  5. 青木光洋 Mitsuhiro Aoki 8:31:05
  6. 依田光央 Mitsuo Yoda 8:40:17
  7. 小畑哲也 Tetsuya Obata 8:42:35
  8. 高橋聰 Satoshi Takahashi 8:47:23
  9. 田所真之 Masayuki Tadokoro 8:49:06
  10. 中原理行 Masayuki Nakahara 8:53:43

100km女子

  1. 林絵里 Eri Hayashi 9:12:57
  2. 中村麻季子 Makiko Nakamura 9:23:01
  3. 秋山穂乃果 Honoka Akiyama 9:34:34
  4. 丸山有紀 Yuki Maruyama 9:56:46
  5. 關利絵子 Eriko Seki 10:23:22
  6. 杉原美穂 Miho Sugihara 10:30:24
  7. 石原佳代 Kayo Ishihara 10:38:05
  8. 天野みなみ Minami Amano 10:49:25
  9. 久保田文 Aya Kubota 10:51:14
  10. 針谷香苗 Kanae Harigaya 10:58:29

71km男子

  1. 川内優輝 Yuki Kawauchi 4:41:55
  2. 小野喜之 Yoshiyuki Ono 5:11:43
  3. 坂口享 Toru Sakaguchi 5:23:17
  4. 越将俊 Masatoshi Koshi 5:42:15
  5. 上杉拓也 Takuya Uesugi 5:47:39
  6. 宮崎忠勝 Tadakatsu Miyazaki 5:53:42
  7. 岡本直也 Naoya Okamoto 6:04:07
  8. 海川悟 Satoru Kaigawa 6:09:46
  9. 玉木康博 Yasuhiro Tamaki 6:17:46
  10. 中村敏久 Toshihisa Nakamura 6:24:44
これも読む
STRAVA JAPAN AWARDS 2022・コロナからニューノーマルへの転換期に活躍した7名が受賞

71km女子

  1. 能勢結希 Yuki Nose 6:29:33
  2. 矢野淳子 Junko Yano 6:59:44
  3. 神原百合 Yuri Kambara 7:24:33
  4. 原田裕子 Yuko Harada 7:38:39
  5. 須田美紀 Miki Suda 8:11:14
  6. 湯澤みのり Minori Yuzawa 8:14:37
  7. 上野朋子 Tomoko Ueno 8:16:50
  8. 木村麻里 Mari Kimura 8:18:09
  9. 雨宮千春 Chiharu Amemiya 8:24:36
  10. 鈴木千史 Chifumi Suzuki 8:25:46

42km男子

  1. 赤間比呂志 Hiroshi Akama 3:02:20
  2. 髙田由基 Yoshiki Takada 3:07:33
  3. 松元伸一 Shinichi Matsumoto 3:12:50
  4. 平田明寛 Akihiro Hirata 3:13:13
  5. 山際将典 Masanori Yamagiwa 3:14:52
  6. 熊本匠 Takumi Kumamoto 3:19:31
  7. 原慎弥 Shinya Hara 3:25:37
  8. 二見隆亮 Takaaki Futami 3:28:54
  9. 古清水映二 Eiji Koshimizu 3:34:56
  10. 加藤晃司 Koji Kato 3:49:37

42km女子

  1. 太田美紀子 Mikiko Ota 3:23:39
  2. 吉村友香 Yuka Yoshimura 3:29:04
  3. 金井知香 Chika Kanai 4:05:40
  4. 市場慶子 Keiko Ichiba 4:15:34
  5. 山岡あやの Ayano Yamaoka 4:17:14
  6. 山本純子 Junko Yamamoto 4:22:09
  7. 内藤佐恵子 Saeko Naito 4:28:03
  8. 鶴見みゆき Miyuki Tsurumi 4:29:34
  9. 三枝幸子 Sachiko Saegusa 4:33:55
  10. 岩田雅美 Masami Iwata 4:39:19
この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link