週末はびわ湖バレイでスカイランナー・ジャパンシリーズの大会が開催。戸隠、奥久慈など国内各地で大会が相次いで開催されました。トップの写真は兵庫県猪名川町で開催されたいながわ里山猪道トレイルランのものです。【追記・開催地の猪名川町について大阪府としていたのを訂正しました。2018.06.05】海外ではスカイランナー・ワールドシリーズのUltra Skymarathon Madeiraが行われました。今週末も国内各地で大会が目白押しです。当サイトでは6月10日日曜日に世界遺産に親しみながら走るロードのウルトラマラソンである、飛騨高山ウルトラマラソンのコース上からライブ速報をお届けしますのでお楽しみに。
(写真・いながわ里山猪道トレイルランで優勝した中谷亮太。Photo courtesy of いながわ里山猪道トレイルラン)
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トレイルランニング関連ニュース
トランスジャパンアルプスレース(TJAR)が2018年大会の書類選考合格者を発表:2年に一度開催される日本アルプスを縦断する415kmの大会は、今年2018年は8月11日土曜日から19日日曜日に開催されます。その大会に参加を希望した112人から大会が書類選考の合格者88人を発表しました。この後、6月23日、24日に南アルプスで開催される選考会を経て出場選手が決まりますが。88人の合格者のうち前回2016年完走者で選考会にスタッフとして参加する17人は選考会を免除されます。選考会合格者と免除者の合計は大会に参加できる30人を上回って抽選が行われる可能性が高そうです。
UTMBで気象条件に応じた必携装備へ追加アイテムを予め指定、などのアナウンス:UTMBは5月24日のニュースレターで、今年の大会のレギュレーションのアップデートや注意喚起を発表しています。
- 気象条件に応じた必携装備への追加アイテムの指定:UTMBの各レースには必携装備品が指定されていますが、熱波、低気温、悪天候の三つの状況が予想される場合に、必携装備に追加されるアイテムが予め指定されました。例えば熱波の場合にはサングラス、日よけ付きキャップ、日焼け止めクリーム、2リットル以上の水分、低気温の場合は目を保護するためのアイウェア、第三の防寒着(基本の必携装備品の長袖ミッドレイヤーのシャツと防水ジャケットの間に着用するもの)、十分な強度のあるトレイルランニングシューズ(薄底、超軽量のシューズは不可)、フリースかダウンジャケットの携行を推奨となっています。詳しくは大会ウェブサイトで。
- エイドでの食事用食器の持参:ドリンクを飲むためのカップはすでにエイドでは用いられていませんが(このためカップが必携品となっています)、今年から温かい食事を取るための紙皿、紙椀、プラスチックのナイフ・フォークもエイドでは使われなくなります。エイドでスープやパスタなどを食べる場合には、食器を携帯する必要があります。ただ、エイドでは果物やクッキー、パンやチーズなども提供され、これらについては食器を使う必要がないため、これらだけでよければ食器を携帯する必要はないことになります。
- ヘルス・ポリシーとクオーツ(QUARTZ)プログラムの導入:アンチ・ドーピングとは別に、トレイルランニング大会に参加する選手が自分の健康に関連するデータをITRAのウェブサイトを通じて登録し、大会のメディカル・ディレクターがそれをチェックして選手にアドバイスできる、という仕組み。今回はUTMBとしてはITRAのウェブサイトにアカウントを設けてデータを入力することを推奨する、としています。
- サポートクルーと応援の人たちに対するレース中の選手への配慮の要請:レース中の選手、特にトップを走る選手に対して群がること、コース上でトップの選手と一緒に写真や動画を撮ろうとすることを自粛することが要請されています。選手がトレイルランニングの本質であるコースでの自律、静寂の中での集中といった状況下で競技できるように配慮することが必要なため。これは昨年のキリアンやフランソワのことを考えれば、その趣旨は理解できるでしょう。
- 選手との並走禁止の注意喚起:サポートクルーや応援の人たちがエイドステーションの前後に明示されているゾーン以外で選手と並走することは禁止されており、違反した場合は選手に対してタイムに10分または15分のペナルティ加算、その結果としての順位の入れ替えもあり得るとの注意喚起がなされています。当サイトが見聞きした例では、選手の撮影のためにカメラを持って並走する行為も該当するとされています。
先週末のイベント
5月25日金曜日 – 6月2日土曜日: Bhutan
- Bhutan – The Last Secret (200k, 6 stages): ブータンで開催される200km、6ステージのステージレースは1日金曜日に最後の第6ステージを終えて閉幕。45人の参加者のうち、42人が完走しています。リザルトはこちら。
5月31日木曜日 – 6月3日日曜日: Chartreuse Terminorum
- Chartreuse Terminorum(300km):レイドライトのファウンダー、ベヌワ・ラヴァルさんが地元、フランス・シャトリューズで開催するフランス版のBarkley Marathons。5周で300kmを完走となるコースを1周16時間の制限時間で走る、というフォーマットです。今年は39人の参加者のうち10人が2周目へ進み、うち2人が3周目へ進んで約40時間で3周目を完走し、ここでレースを終えることにしています。初開催の昨年は36人が参加して6人が1周目を完走、一人が2周目を完走、3周目の完走者はなしだったので、昨年よりは少し先まで進んだ選手が多かったことになります。
6月1日金曜日 – 2日土曜日: Ultra Skymarathon Madeira
- Ultra SkyMarathon® Madeira (56k): 北大西洋のマデイラ島(ポルトガル)で開催される56km 4,100mD+のレースはMigu Run Skyrunner World SeriesのSky Extraカテゴリーの第二戦で、ランキングにより得られるポイントが50%増しとなるボーナス・レースでした。男子のレースはアンドレ・ジョンソン André Jonsson(スウェーデン)、ドミトリ・ミチャエフ Dmitry Mityaev(ロシア)、ジョナサン・アルボン Jonathan Albon(イギリス)の3人がリードし、たびたび先頭が入れ替わる激しいレースとなりました。制したのはジョナサン・アルボンで、5時間47分でフィニッシュして優勝。2位になったアンドレ・ジョンソンは7分差の5時間54分でフィニッシュ。トップを走っていたところから後半はペースを落としましたが、最後に先行していたミチャエフやマルコ・デ・ガスペリ Marco De Gasperi(イタリア)を抜いて2位になりました。3位はミチャエフで5時間56分でした。この他、ミチャエフから1分足らずの差でパウ・カペル Pau Capell(スペイン)が4位、5位がダニエル・ユング Daniel Jung(イタリア)。ガスペリは8位でした。女子は、エミリー・フォレスバーグ Emilie Forsberg(スウェーデン)がレースをリードしましたが、残り10kmのところでラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)に追いつかれ、そのままデバッツが優勝。6時間45分で、2位のフォレスバーグとの差は42秒差でした。6時間57分の3位にヌリア・ピカス Nuria Picas(スペイン)でした。この他、4位にヒラリー・ゲラルディ Hillary Gerardi(アメリカ)、5位にエカテリーナ・ミチャエワ Ekaterina Mityaeva(ロシア)。ミラ・ライ Mira Rai(ネパール)が14位、マルチナ・ヴァルマソイ Martina Valmassoi(イタリア)が15位、日本の星野由香理 Yukari Hoshinoは18位でした。この他23km女子はアンナ・フロスト Anna Frostが優勝しています。リザルトはこちら。次のMigu Run Skyrunner World Seriesのレースは6月16日のLivigno SkyMarathon(イタリア)となります。こちらはSky Classicのレースでポイントが50%上乗せとなるボーナスレースです。Sky Extraカテゴリーは7月7日のHigh Trail Vanoise(フランス)が次のレースとなります。
6月2日土曜日 – 3日日曜日: Kettle Moraine
- Kettle Moraine 100: アメリカ・ウィスコンシン州で開催される100マイルのトレイルランニングレース。リザルトはこちら。
6月2日土曜日:モントレイル戸隠、びわ湖バレイ
- モントレイル 戸隠マウンテントレイル(20k, 12k):長野県・戸隠スキー場を会場に開催。前週のゼガマから帰国したばかりの上田瑠偉がロング20kmを1時間42分で優勝しています。2位は馬場直人で1時間45分、3位はハセツネ30k優勝の城武雅で1時間46分でした。女子は2時間9分で福島舞が優勝、2位の柿本恵理とは16分と差を広げました。3位は大松知恵で2時間26分。リザルトはこちら。
- びわ湖バレイスカイレース/Biwako Valley SkyRace(20km, VK):滋賀県・びわ湖バレイを会場に開催。スカイレース、VKともにColumbia Montrail Skyrunner Japan Series(SJS)のレースです。VKは宮原徹が33分21秒で優勝。2位の永里剛城は34分22秒で61秒差。3位は八田康裕で37分0秒でした。女子は44分5秒で吉住友里が勝利、2位の高村貴子は47分56秒で3分51秒差。女子3位は木下久美で49分4秒。リザルトはこちら。20kmのスカイレースはコースが変更(スタート・フィニッシュが山頂から山麓に)されて開催。星野和昭が2時間43分で優勝。吉田岳生が2時間46分で2位、安田隼人が2時間47分で3位。女子は高村貴子が3時間0分52秒で優勝。15分差で長坂恵子が2位、3位は楠田涼葉で3時間23分。斎藤綾乃が3時間32分で4位になっています。スカイレースは地域選手権の一つ、近畿選手権となっていて、吉田岳生と楠田涼葉が近畿チャンピオンを獲得した模様です。リザルトはこちら。SJSの次の大会はSky Classicカテゴリーが7月27日の富士登山競走、VKカテゴリーが9月23日の烏帽子バーティカルキロメーターとなる他、6月9日にスカイランニング日本選手権・Speedカテゴリーの真田バーティカル100が行われます。
6月3日日曜日:七時雨山、奥久慈、上州八王子丘陵、奥武蔵、忍野高原、いながわ里山
- CALDERA TRAIL(34k、10k、3k): 岩手県七時雨山で開催の七時雨(ななしぐれ)マウンテントレイルフェスの中で開催されます。例年の35kのコースは一部変更されて34kmに。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
- OSJ奥久慈トレイルレース(60k, 30k):茨城県大子町など。袋田の滝から男体山、竜神大吊橋、東金砂神社というコースはテクニカルなトレイル、10キロ以上続く林道と様々な顔を持つ国内屈指の難コースです。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
- 上州八王子丘陵ファントレイルin太田:群馬県太田市・八王子山公園。太田市から桐生市にまたがる八王子丘陵で今回4回目の開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
- 奥武蔵ウルトラマラソン(78km):埼玉県毛呂山町。今回で24回目となる78km 2127mD+のウルトラマラソン。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
- 富士忍野高原トレイルレース(31k/21k/14k):山梨県忍野村。富士山麓の杓子山、立ノ塚峠、二十曲峠などを通るコースで開催。リザルトはこちら。
- いながわ里山猪道トレイルラン (20k, 5k):兵庫県猪名川町。大島地区の大野山を含むコースで開催。昨年まで11月の開催でしたが今年は6月に時期を移しての開催となりました。20km 1550mD+レースは中谷亮太が2時間19分49秒で優勝。続いての2位・女子優勝が吉住友里で9分差の2時間28分。前日のびわ湖バレイからの連戦でした。男子2位は三原大輔(2時間32分)、3位は足立伸一(2時間32分)、女子2位は向井成美(2時間46分)、3位は志水るみ(2時間54分)でした。リザルトはこちら。
- T2T Tower Climb:アメリカ・ニューヨークのワンワールド・トレードセンタービルで開催されるビルを一気に駆け上るバーティカル・ランのイベント。Vertical World Circuitのシリーズ戦です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
今週末のイベント
6月8日金曜日 – 6月10日日曜日: Scenic Trail
- Scenic Trail (113k, 54k, 27k, 11k, VK): スイス南部のイタリア語圏であるティチーノ県で開催。大会ロゴなどを昨年のものから一新しての開催。
6月8日金曜日 – 9日土曜日: San Diego
- San Diego 100: アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郊外で開催される今年で17回目の100マイル・トレイルランニングレース。
6月9日土曜日 – 10日日曜日: 6666, South Dawns Way
- Grand Raid 6666 (114k / 45k /12k): 南フランスの118km 6900mD+などのコースで開催。フランスのトレイルランニング界の鉄人、アントワン・ギュイヨン Antoine Guillonがプロデュースする大会です。
- South Dawns Way 100m: イギリス、イングランド南部のサウス・ダウンズ・ウェイトレイルで行われるポイント・トゥ・ポイントの100マイルで累積獲得高度は4000mというコースです。
6月9日土曜日:真田バーティカル100
- 真田バーティカル100 (300 meters):長野県菅平高原。スカイライントレイル菅平(昨年までの菅平スカイライントレイルランレースから改称)の一部として9日土曜日に開催。昨年の初開催から今回が2回目の開催となります。スキー場の表太郎ゲレンデの距離300mで標高差100mを一気に登るという競技で、予選から始まり、上位の選手が準々決勝(男子のみ)、準決勝、決勝と勝ち進む形式で行われます。スカイランニング日本選手権のスピード・カテゴリーの大会となっています。
6月10日日曜日:武甲山、八重山、スリーピークス八ヶ岳、菅平、飛騨高山ウルトラ、Fairy Trail
- 秩父の名山・武甲山トレイルラン(27km): 埼玉県秩父市。秩父市の羊山公園をスタートして武甲山へ。終盤の役8キロはロードで羊山公園へと戻ってフィニッシュ。「新緑の奥武蔵トレイルランシリーズ」の3rdステージとなっています。
- 八重山トレイルレース(38k, 21k):山梨県上野原市。八重山から日原峠などハセツネCUPでもおなじみの山々を経由するコースで開催されます。NES第3戦となります。
- スリーピークス八ヶ岳トレイル(38k/23k): 山梨県北杜市。三分一湧水館を拠点に八ヶ岳中腹の編笠山、三ツ頭、八ヶ岳横断歩道などを通るコースで開催される人気の大会です。注目選手としては小川壮太、山本健一、牛田美樹、平賀太智、名取将大、別府浩司、田中”JR”裕康、山田琢也、大塚浩司、福島舞、鈴木潤子、黒田清美、大松知恵、高澤真澄、湯浅綾子、浅原かおり、がエントリーしています。
- 菅平スカイライントレイルランレース(50k/22k/5k):長野県菅平高原。昨年までの菅平スカイライントレイルランレースから名称を改めて今回が11回目の開催。コースが一部変更になり、これまでの42kmのレースは50kmとなりました。コース前半の菅平の西側のループに保基谷岳へ向かうサブループが加わった分がその内訳となります。この他、従来の避難小屋から子根子岳に登る登山道が修復中のため、菅平牧場から従来コースに入っていなかった根子岳に登って子根子岳に向かうことになっています。
- 飛騨高山ウルトラマラソン(100km、71km): 岐阜県高山市。ロード100kmのウルトラマラソンですが、累積高度は3839mD±(獲得高度はその半分)とかなりアップダウンのあるコース。ウルトラマラソン世界遺産シリーズの大会です。当サイトでは現地からこの大会についてライブ速報をお送りします。
- FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルランニング in 朽木(60k, 40k, 20k): 滋賀県高島市。昨年までは10月末の開催でしたが、今回は開催時期を6月に移しての開催。昨年の大会から60kmのレースが加わる予定でしたが、台風接近の影響で大会全体が中止となったため、60kmは今年が初開催ということになります。鏑木毅さんのプロデュースです。
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