2018年 飛騨高山ウルトラマラソン・プレビュー #飛騨高山ウルトラ #HidaTakayamaUltra

今週末の6月10日日曜日は 飛騨高山ウルトラマラソン 。大会が開催される岐阜県高山市は江戸時代の城下町、商人町として発展し、今も当時の街並みが残る日本の原風景がみられることで知られます。さらに北アルプスの槍ヶ岳をはじめとする飛騨山脈への玄関口でもあり、山々の麓に点在する奥飛騨温泉郷も人気です。飛騨高山ウルトラマラソンはこの高山市の東西をぐるりとめぐる100kmと71kmのロードのコースで行われ、100kmの累積獲得高度は2,489mD+という国内屈指の激しいアップダウンのあるウルトラマラソン。今年の参加者数は100kmと71kmをあわせて3,457人と過去最高となっています。そしてこの大会はウルトラマラソン世界遺産シリーズの大会の一つです。

当サイト・DogsorCaravanでは先月の野辺山100kmに続いて、今年で7回目となる飛騨高山ウルトラマラソンについて、コース上や大会会場からライブ速報をお届けします。主にTwitterアカウント・@DogsorCaravanで上位選手のレース展開やコースでみつけた飛騨高山ウルトラマラソンの魅力を写真や動画を交えて紹介していきます。この機会にぜひフォローしてお楽しみください。

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thenorthface-squarelogo今回の飛騨高山ウルトラマラソンのライブレポートはThe North Faceにご協賛いただいてお送りします。

スタート・フィニッシュの会場となるのは高山市のスポーツ施設が集まる飛騨高山ビッグアリーナ。6月10日日曜日の午前4時45分に100kmの第一ウェーブの選手がスタート。続いて、午前5時に100kmの第二ウェーブ、午前5時15分に71kmがスタートします。制限時間は100kmが14時間で71kmが11時間。100kmの大会記録は男子が7時間21分26秒(石川佳彦、2017年)、女子が8時間21分24秒(中村麻季子、2017年)、71kmの大会記録は男子が4時間47分30秒(東田薫、2015年)、女子が6時間12分48秒(兼本裕子、2015年)です。

前半に標高差600mの大きな登り、108段の階段上りがある千光寺

飛騨高山ウルトラマラソンは高山の市街地の西側にある飛騨高山ビッグアリーナをスタート。東へ向かって市内を流れる宮川を横断すると、観光名所である高山の古い街並みを駆け抜けます(3.5km地点)。コースは次第に市街地を離れ、林道の登りで美女ヶ池やキャンプ場のある美女高原(16.7km地点)に向かいます。ここまでで標高差で約300mは登っています。コースは旧朝日村となる第一関門・道の駅ひだ朝日村(21.8km)へと一旦下りますが、関門のエイドを出ると川沿いの林道の登りに入ります。途中でカクレハ高原キャンプ場(29.5km地点)を経由して第二関門・飛騨高山スキー場(39.2km地点)まで、標高差600m以上の登りが続きます。ここがコース前半のハイライトといえそうです。第二関門を出るとまもなく40km地点付近にあるコース最高地点(1,345m)を通過します。

飛騨高山ウルトラマラソンのコース概要図(大会ウェブサイトより)

ここから岩滝トンネル(50km地点)までの10kmは標高差600mの下り。ここをどう走るかは後半を走る足に大きく影響しそうです。長さ600mの丹生川トンネルの中にある55km地点を経て第三関門の丹生川支所(57.2km地点)まで緩やかな下りが続きます。

第三関門を出て60km地点を過ぎたところが100kmと71kmのコースの分岐点で、71kmのコースは残り10km余りでフィニッシュとなる飛騨高山ビッグアリーナへ。一方で100kmのコースは後半の難所、千光寺へ向かいます。江戸時代に円空が残した円空仏で知られる千光寺ですが、飛騨高山ウルトラマラソンでは仁王門から本堂(61.9km地点)への108段の階段上りが待ち受ける場所として知られています。千光寺を越えると急な下りで谷に下り、荒城川沿いの緩い下りで第四関門・国府B&G海洋センター(74.1km地点)へ。ここからは宮川沿いを上流へと緩やかに登っていき、90km地点手前までの約15kmで標高差250mの登り。高山清見道路の下をくぐるとコースは下りに転じて、第五関門・公文書館(93.3km地点)を経て緩やかな下りで飛騨高山ビッグアリーナへとフィニッシュします。

こうしてみると選手にとっての飛騨高山ウルトラマラソンの最大のポイントは第二関門・飛騨高山スキー場の前後にある長い登りと下りでしょう。特に下りは勢いよく走れてペースを一気に上げたくなるでしょうが、後半を考えるとここでは足に余り負担をかけない方が賢明でしょう。このあたりのバランスをどうするかがレースの結果を左右しそうです。

飛騨高山ウルトラマラソンの有力選手

今回の飛騨高山ウルトラマラソンの有力選手をご紹介します。様々な情報を元にもれなくご紹介するように努力していますが、選手紹介に加えるべき選手の紹介や、情報の誤りのご指摘を歓迎いたします。この記事のコメント欄でお知らせいただければ幸いです。

100km 女子

飛騨高山の100kmの女子は中村麻季子が2014年から昨年まで4連覇しています。そしてその優勝タイムは2014年の9時間12分26秒から昨年の8時間21分24秒(大会記録)まで年々自身の記録を更新していて、昨年は男女総合で11位になっています。今回も昨年の自身のタイムを上回ることができるか、男女総合トップ10に入るかどうかに注目です。中村は飛騨高山以外では2017年にトレイルのレースでOSJおんたけ100kmで優勝、熊野古道トレイル50kで2位。今年に入って富士五湖118kで2位、野辺山100kmで2位となっています。

中村に続いてトップ3を目指すのは地元の坂上由美子。飛騨高山では2014年に72kmのレースで2位。翌年からは100kmに出ていて、2015年に2位(9:19:45)、2016年に3位、2017年に4位となっています。同じく地元からの参加で昨年の飛騨高山100kmで中村に続いて2位(9:31:07)になった伊藤絵美も今年の大会に挑みます。中村、伊藤に続いて昨年3位(9:34:02)の丸山有紀は今年の富士五湖118kmで7位、野辺山100kmで4位。2016年にはトレイルの白馬国際50kで2位になった経験も持ちます。このほか、昨年のサロマ湖100kmで8位(8:43:09)の西岡真紀がエントリーしており、飛騨高山は初出場ながら上位が期待されます。

このほかにも次の皆さんが上位を目指します。

  • 佐野亜弓:この大会で2015年に6位、2016年に2位(9:47:49)。2015年には美ヶ原45kで2位。
  • 杉浦美詠子:2012年の第一回からこの大会で完走を重ねていて、2015年には3位に(9:58:48)。
  • 石丸実希:この大会で2017年に5位(10:06:41)。
  • 岡田奈巳:この大会で2017年に6位(10:09:36)。

加えて次の皆さんにも注目です。

  • 五百田富士子:この大会で2016年に10位、2017年に13位(10:41:07)。
  • 水野いづみ:昨年の峨山道トレイル50kで4位、中能登トレジャートレイル50kで4位。この大会では昨年14位(10:49:10)。
  • 塩入ゆうこ:2016年のこの大会で8位(10:40:50)。
  • 山本英美:2016年のこの大会の71kmで5位、2017年の100kmで16位(10:54:53)。今年の富士五湖118kmで16位。

100km 男子

昨年のこの大会で優勝した石川佳彦はそのわずか3週後の昨年7月に行われたIAU24時間世界選手権で270.870kmを走って優勝。昨年は12月の台湾・Soochow Ultramarathonでも24時間走を走って266.938kmで優勝。こうした活躍からIAUのAthlete of the Yearに選ばれています。この他にも昨年は宮古島100km、台湾の南横ウルトラマラソン100km、富士五湖118kmでそれぞれ優勝、スパルタスロン246kmで4位という活躍ぶりで、日本のウルトラマラソン界を代表するアスリートです。今年はすでに宮古島100kmで2位、富士五湖118kmで優勝。今回の飛騨高山では自身の昨年のタイム、7時間21分26秒に挑戦します。

石川に続いて上位が期待されるのはまず、先月の野辺山100kmで終盤に力強い走りで3位(8:17:58)となった間宮秀幸。2016年の飛騨高山で2位(7:44:35)、昨年2017年の白山白川郷100kmで優勝(7:36:40)しています。その昨年の白山白川郷100kmで間宮に続いて2位(7:55:11)だった真辺健一。昨年のこの大会で8位(8:17:21)だったほか、今年の富士五湖118kでは5位になっています。この大会は初出場ですが、昨年のサロマ湖100kmで18位(7:28:29)だった斎藤良介にも注目です。伊豆大島100kmで2014年優勝、2015年、16年に2位。昨年の富士五湖118kmで7位になっています。

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このほか、トップ10が期待されると当サイトが予想するのは次の皆さん。

  • 澤原雄一:この大会で2012年と2014年に2位、2015年に6位。この大会でのPBは8:09:50。
  • 近藤俊介:2017年のこの大会で4位(8:06:31)。
  • 宮崎忠勝:この大会の第二回大会で優勝(7:59:16)しており、第一回大会から昨年まで6回完走、昨年は5位。今年のSTYで13位。
  • 小野順雄:2012年のこの大会で3位(8:10:01)、2013年に5位。
  • 宮城要:この大会で2012年の第一回で優勝(8:00:58)。その後2013年、14年、15年に3位、16年に6位、17年に9位。
  • 沢崎賢治:2013年のこの大会で2位(8:07:32)。

次の皆さんはこれまでの飛騨高山で上位に入った経験を持つ皆さんです。

  • 白木学:2017年のこの大会で12位(8:23:08)。
  • 中嶋茂雄:2017年のこの大会で14位(8:40:05)。
  • 大須賀伸弥:2016年のこの大会で9位(8:40:37)。
  • 長谷川雅也:2015年のこの大会で11位(8:40:29)。
  • 早坂研:2016年のこの大会で12位(8:42:31)、同年のOSJおんたけ100kmで14位。
  • 江端孝則:2017年のこの大会で19位(8:44:15)。
  • 池内雅裕:2016年のこの大会で13位(8:45:14)。
  • 日置和徳:2016年のこの大会で15位(8:49:35)。さくら道250kmで2017年、2018年ともに5位。
  • 西松敏昭:2015年のこの大会で15位(8:48:53)。
  • 稲垣竹彦:2012年のこの大会の72kmで6位。
  • 八幡紀之:2014年のこの大会の71kmで6位。2015年白馬国際50kで6位。

71km 女子

71kmの女子のレースでは2013年と2014年、2017年に優勝している松下直子が優勝候補といえそうです。この他にも2015年、16年の71kmにも出ていてそれぞれ2位。2017年の6:15:02が自己ベストのタイムで、今年のUTMFでは24位になっています。さらに、昨年2位(6:17:22)の加納佐知子や、2015年と2017年に3位(PBは2015年の6:25:55)の緒方雅子が優勝争いに加わるでしょう。緒方はトレイルのレースでは房総半島横断70kで昨年12月に優勝、今年のUltra-Trail Australiaで14位という記録を残しています。

さらに女子の注目選手は次の皆さんです。

  • 小澤清子:2014年からこの大会の71kmに毎年出ていて2015年には4位(6:44:30)。
  • 生田宏美:2017年のこの大会71kmで6位(7:01:12)。
  • 木内和恵:2017年のこの大会71kmで9位(7:09:37)。今年の富士五湖100kmで12位に。
  • 西村直子:2015年のこの大会71kmで10位(7:23:43)。
  • 仙石十三子:2015年のこの大会71kmで11位(PBで7:27:53)、2016年は8位。
  • 岩田まゆみ:2016年のこの大会71kmで9位(7:35:17)。
  • 佐藤真耶:昨年2017年のこの大会100kmで9位(10:34:41)。

71km 男子

男子は次の皆さんに上位が期待されます。

  • 谷口善隆:この大会の71kmに2013年から毎年出場し、2013年3位、2014年5位、2015年4位となった後2016年と17年に連覇、PBは17年の5:00:36。
  • 生駒卓也:2017年のこの大会71kmで2位(5:01:28)。2016年には野辺山100kmで2位に。
  • 山口拓海:2017年のこの大会71kmで3位(5:08:14)。
  • 長谷川淳:この大会の71kmに2012年から2016年を除く5回出場。4位となった昨年は5:12:28でPBを記録。
  • 岡村豊明:この大会の71kmでは2012年、13年に優勝。2014年と16年は2位、17年は9位。PBは2014年の5:26:36。
  • 赤木敏彦:2014年からこの大会の100kmに4度出場し、昨年は3位(8:01:52)。今回は71kmにエントリーしています。
  • 樋山邦治:2013年から毎年この大会の100kmに出場して2014年には優勝(8:06:54)。今回は71kmにエントリー。
  • 梶田泰葵:2016年のこの大会71kmで3位(5:39:05)。
  • 大島雄治:2016年のこの大会71kmで5位(5:54:44)、2015年には6位(5:33:45)。
  • 宮地健太:2017年のこの大会71kmで5位(5:26:19)。

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