志賀高原エクストリームトレイル 2018 リザルト #ShigaEx

冷たい雨の中のタフなレース。標高2000mを超える志賀高原の山岳エリアには雪やみぞれが混じりました。特に男子のレースは最後まで勝負がもつれることになりました。10月20日土曜日の志賀高原エクストリームトレイル Shigakogen Extreme Trailは長野県山ノ内町の志賀高原・硯川をメイン会場にロング56km、ミドル32kmなどのレースが行われました。ミドル32kmのレースはスカイランナー・ジャパンシリーズ Columbia Montrail Skyrunner® Japan SeriesのSky Classicシリーズ全4戦の最終戦。最終盤のフィニッシュへの登りでトップに立った牛田美樹 Miki Ushidaが男子のレースを制し、牛田は2015年、2016年に続いて3度目のジャパンシリーズ年間チャンピオンとなりました。女子はクイーン・高村貴子 Takako Takamuraが圧勝、昨年に続いてジャパンシリーズ年間ランキングを制しました。


(写真・志賀高原エクストリームトレイル・ミドル32kmで優勝した牛田美樹 Miki Ushidaと高村貴子 Takako Takamura。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)

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Skyrunner-Japan-Series-logo-768x744 「モントレイル志賀高原エクストリームトライアングル」として2014年にスタートし、2015年には完走率22.6%という伝説を作った大会は2016年に「志賀高原エクストリームトレイル」としてリニューアル。秋の志賀高原の見どころをめぐるコースで人気の大会です。今年のコースはスタートの横手山スキー場からスキーゲレンデを経て約3km、横手山まで標高差550mの登りの登りでスタート。ここからは赤石山、寺子屋峰、東館山と快適なトレッキングコースをたどり、スタートから17kmで一の瀬のダイヤモンドスキー場が最初のエイドとなります。ロング56kmのコースはここから北側の奥志賀高原の時計回りのループ24kmへ進みます。ミドル32mは一の瀬から蓮池、ビワ池を経て横手山スキー場へと戻ります。コース前半のような大きな山はありませんが蓮池の手前のジャイアントスキー場の登り、ビワ池を回った後のサンバレースキー場には手応えのある登りが控えます。さらにここからの最後の6kmほどは標高差300mほどを登ってフィニッシュすることになります。

大会前日の金曜日夕方、志賀高原は雨で時折ひょうが混じる不安定な天気。標高2300mの横手山の山頂には雪が舞うという状況でした。

ロング56kmのスタートは翌日20日日曜日の午前5時。日の出浜ではまだ1時間ほどあって選手はライトを頼りにしてのスタート。気温は5℃ほどでしたがこの時はまだ雨は降っていませんでした。しかしその3時間後、午前8時のミドル32kmがスタートする頃には雨が降り始めます。結局、その後は時々雨足が強まったり弱まったりしたものの、志賀高原は終日冷たい雨の1日となりました。

午前5時にスタートしたロング56kmの選手は朝もやの中を進んだ。

スカイランナー・ジャパンシリーズ Columbia Montrail Skyrunner® Japan SeriesのSky Classicシリーズ全4戦の最終戦となったミドル32kmのレースの、特に男子のレースはタイトな展開となりました。スタートから2.7kmの横手山山頂へのシングルトラックのトレイルでは近藤敬仁、牛田美樹、鈴木龍弥の3人が先頭集団でリード。ここから30秒差で矢嶋信、さらに30秒差で星野和昭と藤飛翔が続いていました。次に当サイトが上位選手の様子をお伝えしたのは赤石山、寺子屋峰、東館山を経た一の瀬(17km)。ここにトップで到着したのは星野和昭でした。二番手には近藤が1分差で続き、三番手に上がっていたのは平賀太智。平賀は星野から3分差でした。この時、牛田は平賀からさらに1分おいた四番手でした。

ミドル32kmのレースは午前8時にスタート。

スタートから2.7km、横手山へ向かう男子の先頭集団。左から近藤敬仁、牛田美樹、鈴木龍弥。

しかし、レースの行方はまだここでは決まりませんでした。西館山を経てジャイアントスキー場を登るあたりから上位選手の差は縮まり始めます。コース終盤となるサンバレースキー場(26.4km)を登るところでは近藤が先頭で20秒差で牛田。そのあとに星野、平賀で上位4人の差は1分以内という接戦に。「最後の緩やかな登りは得意」という牛田美樹 Miki Ushidaが残り6kmで上位集団から一気に抜け出して3時間21分で勝利を手にしました。牛田はジャパンシリーズがスタートした2015年から日本のスカイランニングのトップ選手としてリードする存在。昨年はケガでレースから離れた時期がありましたが、今年はSTYで優勝、富士登山競走で2位などの成績を残しています。この志賀高原では完全に復活したことを改めてアピールすることになりました。

終盤に先頭に立ってレースを制した牛田美樹がフィニッシュ。

牛田に先を譲って二番手を走っていた近藤は最後の数キロでコースからロストする不運に見舞われます。この間に平賀太智 Taichi Hiragaが先行し3時間26分、牛田から5分差の2位でフィニッシュ。21歳の大学生がシーズンを締めくくる今回の志賀高原で好成績を残しました。平賀から1分15秒差で近藤敬仁 Yoshihito Kondoが3位になりました。4位には星野和昭 Kazuaki Hoshino 、5位には矢嶋信 Makoto Yajima 、6位には藤飛翔 Tsubasa Fuji 。今回もユース世代や20代前半の選手の活躍が際立ちました。2位の平賀、6位の藤のほか、7位の岩井竜太 Ryuta Iwai 、8位の加藤晟人 Akihito Kato 、9位の服部一輝 Kazuki Hattori がトップ10に入っています。

2位となった平賀太智。

サンバレースキー場を登る星野和昭。

女子のレースは髙村貴子 Takako Takamura が終始レースをリードして3時間55分で優勝。2位とは39分の大差で、男女総合で16位となる好成績でした。今シーズンの高村は4月の粟ケ岳VK・VK日本選手権、5月の上田スカイレース・SKY日本選手権、6月のびわ湖バレイスカイレースで優勝し、9月のRing of Steall Skyrace・世界選手権で10位に。2週前のハセツネCUPでも三連覇した後、医学生として卒業試験を終えてその足で参加した志賀高原でも圧倒的な強さを見せました。

スカイランナー・ジャパンシリーズの年間チャンピオンとなった高村貴子。

女子2位となったエリザベス・ハンフリー Elizabeth Humphries(オーストラリア)。

女子のレースでは、オーストラリアから参加したエリザベス・ハンフリー Elizabeth Humphries が4時間34分で2位に。3位には4時間46分で田中真紀 Maki Tanaka が続きました。田中は今年のシリーズ年間ランキングで高村に続く2位を獲得。4位には宮坂康子 Yasuko Miyasaka 、5位に須藤吉仕子 Kishiko Suto 、6位に柿本恵理 Eri Kakimoto が入りました。

女子3位の田中真紀 Maki Tanaka。今年のシリーズ年間ランキングで2位となった。

スカイランナー・ジャパンシリーズ Columbia Montrail Skyrunner® Japan Seriesはこの志賀高原で全日程を終了。来シーズンは4月21日の「粟ケ岳スカイレース」が2019年ミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズ Migu Run Skyrunner® World Seriesの開幕戦となることが決まっており、国内外のスカイランニングファンの注目が集まることになります。

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なお、志賀高原のロング56kmのレースは男子で小川壮太 Sota Ogawa が三連覇。6時間12分でフィニッシュしています。2分差の2位に町田知宏 Tomohiro Machida が続き、3位は丸山智明 Tomoaki Maruyama 。女子は9時間21分で井原妙重 Tae Ihara が優勝。2分差で井上海埜哩 Minori Inoue が2位、3位は岩崎恵利 Eri Iwasaki でした。

リザルト

大会全体のリザルトはこちら

ミドル32km・スカイランナージャパンシリーズ(Sky Classicシリーズ)

男子 Men

  1. 牛田美樹 Miki Ushida (inov-8) 3:21:44
  2. 平賀太智 Taichi Hiraga 3:26:42
  3. 近藤敬仁 Yoshihito Kondo 3:27:57
  4. 星野和昭 Kazuaki Hoshino 3:29:02
  5. 矢嶋信 Makoto Yajima 3:31:22
  6. 藤飛翔 Tsubasa Fuji 3:35:22
  7. 岩井竜太 Ryuta Iwai 3:38:16
  8. 加藤晟人 Akihito Kato 3:38:25
  9. 服部一輝 Kazuki Hattori 3:41:49
  10. 宮川朋史 Tomofumi Miyagawa 3:42:38

女子 Women

  1. 髙村貴子 Takako Takamura (UltrAspire)3:55:18
  2. エリザベス・ハンフリー Elizabeth Humphries 4:34:17
  3. 田中真紀 Maki Tanaka 4:46:38
  4. 宮坂康子 Yasuko Miyasaka 5:01:21
  5. 須藤吉仕子 Kishiko Suto 5:08:40
  6. 柿本恵理 Eri Kakimoto 5:14:45
  7. 西川ヒカル Hikaru Nishikawa 5:32:09
  8. 西内宮佳江 Mikae Nishiuchi 5:33:07
  9. 本間樹良来 Kirara Honma 5:33:39
  10. 影山絢子 Junko Kageyama 5:52:32
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ロング56km

男子 Men

  1. 小川壮太 Sota Ogawa (HOKA ONE ONE)6:12:09
  2. 町田知宏 Tomohiro Machida 6:14:25
  3. 丸山智明 Tomoaki Maruyama 6:27:32
  4. 高島繁和 Shigekazu Takashima 6:50:53
  5. 佐藤雄太郎 Yutaro Sato 6:54:28
  6. 堀江智史 Satoshi Horie 6:57:02

女子 Women

  1. 井原妙重 Tae Ihara 9:21:03
  2. 井上海埜哩 Minori Inoue 9:23:11
  3. 岩崎恵利 Eri Iwasaki 9:55:59
  4. 片岡千尋 Chihiro Kataoka 10:10:55
  5. 松浦祐美子 Yumiko Matsuura 10:28:54
  6. 柴田みち子 Michiko Shibata 10:32:01

2018年スカイランナー・ジャパンシリーズ Columbia Montrail Skyrunner® Japan Series・Sky Classicシリーズ

全体のリザルトはこちらから。

男子 Men

  1. 牛田美樹 Miki Ushida 230ポイント
  2. 星野和昭 Kazuaki Hoshino 190ポイント
  3. 近藤敬仁 Yoshihito Kondo 185ポイント
  4. 吉田岳生 Takeo Yoshida 173ポイント
  5. 安田隼人 Hayato Yasuda 133ポイント

女子 Women

  1. 高村貴子 Takako Takamura 350ポイント
  2. 田中真紀 Maki Tanaka 210ポイント
  3. 須藤吉仕子 Kishiko Suto 189ポイント
  4. 宮坂康子 Yasuko Miyasaka 126ポイント
  5. エリザベス・ハンフリー Elizabeth Humphries 120ポイント
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