DC Weekly 2019年1月23日

先週末、当サイトが現地からお伝えしたVibram Hong Kong 100は欧米からも有力選手が多数参加する中で中国勢が上位を独占する結果になりました。イギリスでは426kmの超ウルトラレースで女子選手が男女を通じた大会記録を12時間も短縮して優勝。徳島県の千羽海崖トレイルランニングレースはトレイル世界選手権日本代表選考レースとして有力選手が集まるレースになりました。アメリカでは石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaが100マイルのトレイルレースに初挑戦で優勝を勝ち取りました。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・アリゾナ州で開催のCold Water Rumble 100で優勝した石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaさん。Photo courtesy of Yoshihiko Ishikawa)

ニュース

2018 Ultra Runner of the Year(北米):選手もお伝えしていたUltraRunning誌が主催する、北米のウルトラランナーを対象にする”Ultra Runner of the Year”は第1位に女子はコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter、男子にジム・ウォルムズレイ Jim Walmsleyを選びました。1位から10位までのリストは次の通りとなります。

女子

  1. Courtney Dauwalter
  2. Camille Herron
  3. Darcy Piceu
  4. Kelly Wolf
  5. Kaytlyn Gerbin
  6. Keely Henninger
  7. Amanda Basham
  8. Sabrina Stanley
  9. Katie Schide
  10. Kaci Lickteig

男子

  1. Jim Walmsley
  2. Jeff Browning
  3. Rob Krar
  4. Dylan Bowman
  5. Hayden Hawks
  6. Jason Schlarb
  7. Zach Bitter
  8. Mark Hammond
  9. Mario Mendoza
  10. Jared Hazen

先週末のイベント

1月13日日曜日 – 20日日曜日:Spine Race

  • MONTANE® Spine® Race(426km):先々週末にスタートした、イギリス・イングランドを南北に背骨のように貫くロングトレイル、Pennine Wayをコースを南から北へと縦走するイベントで、コースは426km 16,230mD+。イギリスの女子選手、ジャスミン・パリス Jasmin Parisが83時間12分23秒でフィニッシュ。これは男女全体でトップでフィニッシュしたばかりでなく、これまでの大会記録を12時間以上短縮する大記録でした。大記録であることに加えて、コース後半では他の選手と一緒に行動しない単独行、レース中に1歳の娘に授乳、と驚きのエピソードも伝えられています。そのパリスと途中まで一緒にコースを進んでいたユージニ・ソレ Eugeni Roselló Solé(スペイン)はフィニッシュまで残り6kmとなったところで力尽き、レスキューチームに救護を受けてリタイアすることになりました。男子で優勝したのはパリスが今回その記録を破った大会記録保持者であイエン・キース Eoin Keith(アイルランド)でタイムは98時間18分23秒でした。日本からは男子10位となった朽見太朗 Taro Kuchimi(123時間11分)を含めて3人が完走しています。リザルトはこちらから。
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世界トップクラスのトレイルランナーがたどり着いた心と身体の関係。6月のDeep Japan Ultra 100参戦を前にゲディミナス・グリニウス Gediminas Griniusが東京で語ったこと。

1月19日土曜日:Hong Kong、HURTなど

  • Vibram Hong Kong 100 (100k):Ultra-Trail World Tourの開幕戦は香港から。コースが前年までから一部変更され、距離は約7kmほど長くなりました。レースは男子優勝のシェン・ジャシェン Jiasheng Shen、女子優勝のルー・ヤンチュン Yangchun Luを始めトップ3は中国勢が独占。トップ10にも多くの中国の選手が入って中国勢が席巻した大会となりました。当サイトでは大会を現地で取材し、リザルト紹介記事をまとめています。
今年のHK100のスタート。
  • HURT 100:ハワイ・ホノルルから近い3つのパートからなる周回コースを5周する100マイル。男子は元プロサッカー選手のネイト・ジャクワ Nate Jaquaが22:37:54で優勝。2位はトレバー・フックス Trevor Fuchsで23:24:32、アメリカ在住の藤岡正純 Masazumi Fujiokaが23:38:57で昨年に続いて3位に入りました。4位には井原知一 Tomokazu Ihara が24:21:19。井原は2017年のこの大会で6位となっていました。さらに日本勢は11位に田中”JR”裕康 Hiroyasu Tanaka(27:12:03)、15位に渡邉孝浩 Takahiro Watanabe(28:45:44)。女子は昨年のHardrock 100で優勝しているサブリナ・スタンレー Sabrina Stanleyが28:28:06で優勝。2位にソランジェ・サクスビー Solange Saxby(29:07:16)、3位にアンナ・アルブレヒト Anna Albrecht(29:54:55)でした。リザルトはこちら
  • Long Haul 100:アメリカ・フロリダ州タンパ近郊で開催される100マイルのトレイルランニングレースで、大きな登り下りはない自然の遊歩道を使ったコースとなっています。100km、50km、12.5kmの部を合わせても70人ほどの参加者の小規模な大会です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • Asia_Trail_Master
  • Tahura Trail (42k):インドネシアのジャワ島西部のバンドンで開催されるトレイルランニングレースで2019年のAsia Trail Masterの開幕戦です。男子ではモハマド・アフィンディ・ビン・ヌディン Mohamad Affindi Bin Nudinが4:27:40で優勝、2位にパブロ・ディアゴ Pablo Diago Gonzalezá(スペイン)が2分差で続き、3位には水越友洋 Tomohiro Mizukoshiという結果になりました。女子は中島明日香 Asuka Nakajimaが5:42:59で優勝。中島は昨年11月のBTS Ultra 100(インドネシア)でも優勝しています。2位はスリ・ワーユニ Sri Wahyuni(5:56:29)、3位はミラ・マーリナ Mila Marlina(6:35:44)でした。リザルトはこちら
  • Coldwater Rumble Trail Runs(100M, 52M, 52K, 20M, 20K, 4M):アメリカ・アリゾナ州。100マイルのコースは累積獲得高度2,399mD+で高低差は比較的少ないレースとなります。このレースで日本のウルトラマラソンの第一人者、石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaが参戦して18:39:27で優勝しています。周回コースを5周する100マイルですが3周目にトップに立ってからはリードを守りました。女子はトーニャ・キーズ Tonya Keyesが23:11:08で優勝でした。リザルトはこちら
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1月20日日曜日:千羽海崖、小岱山

  • 千羽海崖トレイルランニングレース(37k, 13k):徳島県海部郡美波町、牟岐町。太平洋に面した冬でも温暖な気候の中で1月に開催される大会。37kmのレースは今年6月にポルトガルで開催されるトレイル世界選手権の日本代表選考レースのひとつとなっていました。男子のレースはレース後半に先頭に立った森本幸司 Koji Morimotoが3時間56分56秒で優勝。6分差で堀江謙一 Kenichi Horieが2位(4時間02分41秒)、西村広和 Hirokazu Nishimuraが3位(4時間13分11秒)でした。女子では秋山穂乃果 Honoka Akiyamaがリードして5時間01分39秒で優勝。2位に斎藤綾乃 Ayano Saito(5時間15分33秒)、3位に岩村聖華 Seika Iwamura(5時間21分26秒)となりました。優勝した森本、秋山は日本代表内々定資格を満たしました。リザルトはこちら。日本代表選考レースは2月10日のOSJ奄美ジャングルトレイルが最後となります。
  • Shodai Adventure Mountain 小岱山トレイルランニング(20k / 14k):熊本県玉名市の蓮華院誕生寺(奥の院)。大会当日は雨となったためコースが一部変更され、2km短縮されて開催されました。ロング男子は大山賞之が2時間27分22秒で優勝。2位の反中祐介がわずか2秒差で続きました。3位は平山賢一で2時間33分51秒でした。女子は前田美帆が2時間50分32秒で優勝、カロール・フック Carole Fuchs(フランス)が3時間18分17秒で2位、3位は中熊恵で3時間20分01秒。同じくコースが2km短縮されたショートのレースは山下慎一郎(1時間28分15秒)、井上美由紀(1時間56分05秒)が優勝しています。リザルトはこちら

今週末のイベント

1月26日土曜日:有度山、伊平屋、TNF100 Thailand、Ultra Easy

  • 有度山トレイル三昧(9k, 5k):静岡市清水区船越堤公園で開催。翌日日曜日とあわせて二日間の日程で開催されるイベントの初日に「トレイルランニングミニレース」として9kmと5kmのレースが開催されます。9kmの男子のレース優勝者には故・相馬剛さんにちなむ「相馬杯」が贈られます。
  • 伊平屋ヴィレッジトレイル(30k, 15k, 5k):沖縄県・伊平屋島で今回が3回目の開催。沖縄県で最北に位置する伊平屋島の海と山をコースとする大会で、今年はコースが一新されています。
  • The North Face 100 Thailand (100k, 75k, 50k, 25k, 15k):タイ・バンコク近郊で開催のトレイルランニングレース。100kmのレースは50kmのコースを2周するコースで、標高差は最大で200mほどとなっています。
  • The Ultra Easy (100k):ニュージーランド・ワナカで開催。100kmのコースの累積獲得高度は4,700mD+となっています。42kmや12kmのレースも行われます。

1月26日土曜日:Rizal Mountain Run

  • Rizal Mountain Run(50k):フィリピンのマニラ郊外のサン・マテオを拠点に開催。今年が3回目となる大会は50km / 2600mmD+の他、30km、15kmのレースも行われます。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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