milestone Trailmaster レビュー

今年、100kmや100マイルといったトレイルランニングに挑戦したいと考えている皆さんにとってはそろそろ近くの山でトレーニングを始める頃でしょうか。そんな皆さんはどうぞギアの準備もお忘れなく。

大阪発のヘッドランプ・ブランド「milestone」の「Trailmaster」は額の部分のライトユニットと後頭部のバッテリーが独立しているツーピース構造のヘッドランプ。機能性と強度、軽量性のバランスを追い込んだ、トレイルランニングのレースに最適なヘッドランプです。

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シンプルなデザインと構造でフィット感が高い

まず前頭部にくるライトユニットは光色が違う二つのLEDライトが縦に並ぶミニマルな構造。ソリッドな外装はよくみると金属製とすることでライトの放熱を可能にしているようです。同様の他社の光量の多いヘッドランプは放熱のためのスリットを設けたりするために横長でサイズは大きくなりがちなので、このTrailmasterのライトユニットはとても小さく感じます。

このライトユニットとヘッドマウントは、その片側から出ている樹脂の台座にライトユニットの側面から出ているバッテリーケーブルの根元の軸がはめ込まれている、というシンプルな構造です。このあたりは軽量性を追求する中で実用上問題のない最小限の強度を確保したと思われます。しかしこのシンプルな構造のおかげで、ライトの照射角は天頂から足下まで180度を無段階で調整可能。走るペースにあわせてどれくらい先を照らすか調整したり、立ち止まって手元の地図や装備を確認したり、誰かと出会って立ち止まるときには自分の目の前を照らしたりといった操作は片手で簡単にできます。

後頭部にくるバッテリーホルダーは樹脂製で思い切り肉抜きがされたシンプルな構造。まず、ライトユニットとケーブルで繋がれたバッテリーキャップを専用のケース一体型のリチウムイオン電池にはめ込みます。そしてバッテリーをホルダーに差し込み。防水性はトレイルランニングには必要十分なIPX5を取得しています。

前頭部と後頭部をつなぐベルトユニットはゴムベルトに「Quick Dial System」(QDS)を組み合わせたもの。QDSは左右の側頭部にくるダイヤルを回転させることでワイヤーが巻き取られてバッテリーホルダーを後頭部に密着させることができるというもの。締めたり緩めたりが素早くできるほか、締め具合を細かく調整することを可能にしています。

実際に試してみると、QDSはダイヤルの中心のリリースボタンを押しながらバッテリーホルダーを引っ張ると簡単にワイヤーを引き出せます。頭に装着してから左右のダイヤルを両手で手前へと回転させるとワイヤーが巻き取られます。キャップをかぶっている場合、何も被っていない場合と状況にあわせた調整も簡単。装着感もあまり違和感がないことにも気づきます。ライトユニット、バッテリーユニット共に縦長なので頭との接触面が狭く感じること、QDSのおかげで後頭部がベルトで覆われないこと、が快適な装着感につながっているように思いました。

ライトユニットがついているヘッドマウントとバッテリーケースの裏側にはフォームラバーが貼られている。

光量のバリエーションが豊富、ウォームライトに切り替え可能

Trailmasterのライトユニットには外見でわかるように二つのLEDライトがあり、上がクールライト、下がウォームライトとなっています。クールライトは一般的なヘッドランプに用いられる昼白色に近く、ウォームライトはオレンジ色の電球色に近い色。霧が濃い時はヘッドランプで照らしても霧に光が拡散してしまって何も見えなくなることがありますが、波長の長い黄色の光は霧の中でも通過性が高くて光が届きやすいとされます。このようなウォームライトを使えるヘッドランプは貴重な存在です。実際に試した印象ではクールライトとウォームライトでは同じ光量でも雰囲気が違う(主観的ですがウォームライトの方が周りが落ち着いて見える)ように感じました。霧が出ていない場合でも気分転換に切り替えてみるのもいいかもしれません。

ライトの明るさは強(300ルーメン)、中(160ルーメン)、弱(80ルーメン)の三段階で調節可能。バッテリー残量が少なくなった場合にセービングモード(30ルーメン)に切り替わり、約1.5-2時間の使用が可能です。それぞれのモードでの使用時間は次の通りとなります。

  • HIGH(強):300ルーメンで3.5時間→セービングモード最大2時間 <計5.5時間>
  • MID(中):160ルーメンで7時間→セービングモード最大2時間 <計9時間>
  • LOW(弱):80ルーメンで17時間→セービングモード最大2時間 <計19時間>

Trailmasterの照射時間のイメージ。milestoneのウェブサイトより。

さらに850ルーメンという大光量を照射するブーストモードも備えます。ブーストモードは高熱を発するため5秒間で元のモードに戻りますが、一時的に遠くの物陰を確認するには威力を発揮します。

機能豊富で操作しやすいが、事前に十分慣れておきたい

ライトの操作に使うのは額のライトユニットの電源ボタンと調光レバーのみ。これらでライトのオン・オフ、光量の調整、電源のロックといった操作ができますが、押す回数や長押しの感触については実際にレースなどで使う前に操作には慣れておきたいところです。

電源ボタンを押すと最初にクールライトが点灯し、さらに電源ボタンを押すとウォームライトとクールライトが交互に切り替わります。光量は最初はMID(中)になっていて、調光レバーを上に押すとHIGH(強)、下に押すとLOW(弱)へ。調光レバーの2秒長押しでブーストモードに切り替わり、5秒後に元のモードに戻ります。どの点灯状態からも電源ボタンの2秒長押しで電源オフに。

使用していないときに不意にスイッチが入って電池を消費しないようにするロック機能ももちろん備えていて、消灯時に電源ボタンを2秒長押しするとライトが点滅してロック(ロック時はロック解除)します。

このように電源ボタンと調光レバーだけで多彩な機能を操作できるのですが、行動中に指先だけでライトをオン・オフしたり、上下に押す力を感知して動作する(レバーは物理的に上下しない)調光レバーで光量を切り替えたりするには、事前に操作に慣れておく必要はあるように思いました。とはいえ、物理的に動くスイッチやボタンを使わないことによって、軽量小型化や耐久性が実現しているのでしょう。

Oman by ®︎で使ってみました。

昨年11月に中東のオマーンで開催された137kmのトレイルランニングレース、Oman by UTMB®︎に筆者が参加しましたが、その際にメーカーの「マイルストーン」よりTrailmasterを試用させていただきました。

手元にTrailmasterが届いてみるとまずパッケージのデザインにびっくり。外側のプラスチックのフードを外そうとするとパッケージにプリントされたランナー(よく見るとマイルストーンのアンバサダー、土井陵さん)が動いているように見える、という凝った作りです。

事前に夜の自宅の近くのトレイルでQDSを使ったフィット感の調整や、片手でのライトの切り替えといった操作を試しました。上のように説明すると複雑に感じますが、実際に自分の手でやってみると直感的な操作なのですぐに慣れました。

Oman by UTMB®︎は午後7時30分にスタートするのでスタート直後から日が昇る午前6時ごろまでは最初からライトが必要です。スタート直後の小さな町の中をたくさんの地元の皆さんの声援を受けて走り抜けると、漆黒の闇の中のトレイルへと向かいます。この辺りは前後に選手もたくさんいて、車も入れる林道のようなセクションで走りやすいので、光量はLOW(弱)。ライトはウォームライトにしていました。レース当日は霧は出ていませんでしたが、自宅では電球色のライトを使うことが多いのでウォームライトの方が落ち着くだろう、と考えたため。

Trailmasterを装着してOman by UTMB®︎のスタートへ。

スタートから3時間もするとコースは荒涼とした岩場の間を進むようになってきました。こういうところでは石の段差に足のつま先を引っかけやすく、数は多いもののやや控え目なコースマーキングを見落とさないように、Trailmasterをよりはっきり見えるクールライドに切り替え、光量はMID(中)に設定しました。

エイドステーションについたら、目の前のボランティアの皆さんに強い光が当たらないようにライトの照射角をぐっと手前に変えます。これも片手でライトユニットをつまんでひねるだけ、とわかりやすい操作です。

当サイトのレポート記事ですでにご紹介している通り、筆者は52km地点で制限時間に間に合わずリタイア、となってしまいました。夜が明けたのはリタイアになる2時間くらい前で、この夜の10時間ちょっとはライトを点灯したままでしたが、光量は変わることなくそのまま。バッテリーのインジケーターをみてもまだ半分はバッテリーが残っているようにみえました。これであれば、競技規則で必携装備となっている予備のバッテリーが一つあれば、2回目の朝までは十分持ちこたえられそう。つまり、100マイルレースを40時間くらいで完走する想定なら、予備とあわせてバッテリー二つで十分余裕です。

軽さとフィット感の高さが魅力、夜間のトレイルをしっかり走るならTrailmasterはおすすめ

山に行くなら想定外のトラブルに備えて必ずヘッドランプを持っていくというのは常識です。しかしトレイルランニングのレースのように夜間に積極的に行動することをあらかじめ想定している場合は、大光量のライト、大容量のバッテリー、激しい動きでもブレないフィット感、直感的な操作、軽さと強度のバランスといった具合に、トラブルに備えて常備するヘッドランプとは求められるスペックが違ってきます。こうしたレース仕様のヘッドランプは各社から高機能なものが発売されていますが、Trailmasterはシンプルなデザインと構造で高いフィット感を実現したところ、霧に強いウォームライトに切り替え可能なのが大きな特長です。

とはいうものの、シンプルな構造だけに長期間繰り返し使用した場合の耐久性は気になります。ライトユニットを一点で支えるヘッドマウントの構造とか、バッテリーにキャップをはめてライトユニットと接続する仕組みは、念のため本番で使う前に毎回動作チェックをしておきたいところ。

他社のレース仕様モデルのように周囲の明るさに応じて光量を変える、といった複雑な機能はありませんが、Trailmasterはシンプルで直感的な操作感と、装着した時の頭へのフィット感の高さが大きな魅力。さらにウォームライトを使いたいなら貴重な選択肢となります。道具の機能や限界を理解した上で、自分の挑戦に必要十分なギアを求めるトレイルランナーには見逃せない製品です。

milestone Trailmaster MS-F1

color: GBグラファイトブラック
price: ¥17,500(税別)
明るさ:最大約850ルーメン(ブースト時)
電池寿命:約17時間(LOW時)、約7時間(MID時)、約3.5時間(HIGH時)
防水機能:IPX5(防噴流形)
照射距離:約80m
本体サイズ:フロント(35x40x35 mm)、リア(60x80x40 mm)
本体質量:約105g(本体のみ)、約180g(電池込み)
付属品:専用リチウムイオンバッテリー MS-LB1、USBケーブル、トップベルト

milestone リチャージャブルバッテリー MS-LB1

color: GBグラファイトブラック
price: ¥4,200(税別)
電池容量:3300 mAh
充電時間:約3時間
入力:DC5V 2.1A
寿命サイクル:約400回
使用環境温度:0〜40℃
本体サイズ:28×28.7×82.8 mm
本体質量:約75g
付属品:USBケーブル

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