DC Weekly 2019年7月5日 – Western States、Marathon du Mont-Blanc、Lavaredo、Olympus、サロマ湖

6月の最終週の週末は海外でビッグレースが集中するスーパー・ウィークエンド。その結果をまとめてご紹介します。国内ではロードの100kmウルトラマラソンの人気大会、サロマ湖100kmウルトラマラソンが開催されました。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2019年中の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・サロマ湖100kmウルトラマラソンより。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan)

先週末のイベント

6月27日木曜日 – 29日土曜日:Quebec Mega Trail

  • Quebec Mega Trail (110k, 80k, 50k, 25k, 10k, 6k, 3k, 1k Vertical): カナダのケベック州ボープレのスキーリゾート、モンサンアン Mont-Sainte-Anneで開催。リザルトはこちらから。

6月27日木曜日 – 30日日曜日:Lavaredo, Marathon du Mont-Blanc

  • Lavaredo Ultra Trail (120k, 87k, 48k, 20k):イタリアのドロミーティで開催の120km 5,800mD+のレースがUltra-Trail World Tourの第11戦でした。男子は昨年のこの大会で3位だったティム・トレフソン Tim Tollefson(アメリカ)が12時間18分で優勝。2位にはシェン・ジアシェン Jiasheng Shen(中国)が12時間31分、サム・マカケオン Sam Mccutcheon(ニュージーランド)が12時間47分で続きました。トレフソンとシェンはUTMB®︎にも出場予定です。女子はカトリン・ゲッツ Kathrin Götz(スイス)が14時間59分で優勝。昨年のTDS®︎優勝のオードレー・タンギー Audrey Tanguy(フランス)が15時間24分で2位、フランチェスカ・プレット Francesca Pretto(イタリア)が15時間34分で3位でした。リザルトはこちら
  • Marathon du Mont-Blanc(90km, 42km, 23km, 10km, VK, Young Race):6月末のフランス・シャモニーで開催されるトレイルランニングの名大会です。リザルトはこちら
    • 90km du Mont-Blanc: 男子ではUTMB®︎で三度優勝、今春にはUTMFで優勝したことも記憶に新しいグザビエ・テベナール Xavier THEVENARD (フランス)が11時間4分で優勝。テベナールは2017年のこの大会でも優勝しています。やや大きな差を置いて11時間31分でパトリック・ブリンジェ Patrick Bringer(フランス)、11時間37分でジェルマン・グレンジェール Germain Grangier(フランス)が続きました。昨年のCCC®︎2位で今年のUTMB®︎に出場予定のチー・ミン Min Qi(中国)は7位でした。女子は13時間4分でケイティ・シード Katie SCHIDE (アメリカ、スイス在住)が優勝。マルティナ・バルマソイ Martina VALMASSOI (イタリア)が13時間23分、マリリン・ナカシェ Maryline NAKACHE (フランス)が13時間46分でトップ3に入りました。
    • 42km du Mont-Blanc: 日曜日に行われたGolden Trail Seriesの第二戦は今年も選手層の厚い見応えあるレースとなりました。女子では6月初めにポルトガルのトレイル世界選手権で2位となったルース・クロフト Ruth Charlotte CROFT (ニュージーランド)が4時間34分で昨年に続いて優勝。3分差の2位にシルビア・ランパッソ Silvia RAMPAZZO (イタリア)が4時間37分でフィニッシュ。ランパッソも世界選手権に出ていて6位になっていました。僅差の4時間38分で今年のZegamaで優勝したエリ=アン・デベルガール Eli Anne Dvergsdal(ノルウェー)が続きました。男子は21歳の新鋭で昨年のLimonextremeで優勝しているダビデ・マニーニ Davide MAGNINI (イタリア)が3時間47分でリードを守りきり、後続に7分もの差をつけて優勝。2位は3時間54分でナディル・マグエ Nadir MAGUET (イタリア)。上位の二人は昨年のLimoneでもワンツーフィニッシュをしています。3位に3時間56分でバルトロミー・プレゼドボジェスキ Bartlomiej PRZEDWOJEWSKI (ポーランド)。プレゼドボジェスキは今年のZagamaで2位でした。このほか、昨年の3位だったスティアン・アンゲルムント Stian ANGERMUND-VIK (ノルウェー)が4位、昨年のZegama優勝のレミ・ボネ Rémi BONNET (スイス)が5位。今年Zegama3位のティボー・バロニアン Thibaut BARONIAN (フランス)が6位。どんどん新しい選手が加わってレベルが高まっている欧州の競技シーンを象徴するレースとなりました。
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6月28日金曜日 – 29日土曜日:Peñalara, Olympus Marathon

  • Gran Trail Peñalara (116k, 65k, 11k):スペイン・マドリード近郊、ペニャララ山(2428m)のピークを踏む山岳トレイルレース。リザルトは大会ウェブサイトに掲載されています。
  • Olympus Marathon (42.2km, VK): ギリシャ・オリンポス山で開催。金曜日に開催された4.3kmのVKはVertical Kilometer World Circuitの第4戦でした。男子はカミラ・カパロス Camille Caparros(フランス)が39分41秒、女子はジェシカ・パラダン Jessica Paradin(フランス)が48分3秒でそれぞれ優勝。日本の吉住友里 Yuri Yoshizumiがパラダンに1分18秒差の2位(51分21秒)となりました。この大会は5月末のSantana VK(マデイラ島)に続いてポイントが50%増しとなるボーナスレース。今回の結果を受けた現在の女子ランキングはパラダンが首位で吉住が2位で続いています。VKWCの次のレースは7月27日にイタリアで開催され、距離9.7kmで3,030mを登るBEI K3となります。続いて土曜日には44km 3,200mD+のOlympus Marathonが行われました。。こちらはミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズの第7戦でした。男子のレースはザイト・アイト・マレク Zaid Ait Malek(スペイン)が4時間31分で優勝。1分半差の2位はキリル・ニコロフ Kiril Nikolov(ブルガリア)、マレクから3分差で3位にペレ・オーレル Pere Aurell(スペイン)が続きました。昨年優勝のディミトリオス・テオドラカコス Dimitrios Theodorakakos(ギリシャ)はケガのためリタイアしています。女子は2017年にこのコースで大会記録を作ったラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)とエリサ・デスコ Elisa Desco(イタリア)の間のレースとなり、デスコが大会記録を2分半上回る5時間15分の新記録で優勝。デバッツは1分半の差(しかし自身の大会記録は上回るタイムで)2位となりました。3位にはトップから5分差でアナリス・ルセ Anne-Lise Rousset(フランス)でした。ワールドシリーズの次のレースはボーナスポイントが加算される「SuperSky Race」となるBuff Epic Trail 42kで7月14日に開催です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

6月29日土曜日 – 30日日曜日:Sentul Hill

  • Sentul Hill Trail Run (110k, 65k, 35k, 18k): インドネシア・西ジャワ州ボゴールのセンチュール高原で開催。110kmのレースでは安藤晃英 Akihide Ando(日本)が19時間23分で優勝した模様です。女子はルース・テレジア Ruth Theresia(インドネシア)が27時間47分で唯一のフィニッシャーとなりました。65kmではアリエフ・ウィスモヨノ Arief Wismoyono(9時間10分)、ナカジマ・アスカ Asuka Nakajima(10時間35分)、35kmではヨネダ・ミチオ Michio Yoneda(4時間30分)、アニー・テオ Annie Teo(6時間2分)がそれぞれ優勝しています。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
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6月29日土曜日:Western States, 美ヶ原

  • Western States 100: アメリカ・カリフォルニア州。アメリカにおける100マイルレースの起源であり、アメリカのウルトラランニングの象徴的な存在といえる大会はUltra-Trail World Tourの第12戦でした。昨年大会記録で優勝し、今回が4回目のウェスタン・ステイツとなったジム・ウォルムズレイ Jim Walmsleyは序盤に先頭に立ってから、今回はフィニッシュまで危なげないレースを見せました。その結果は昨年の自身による大会記録14時間30分4秒を20分以上上回る新記録、14時間9分28秒で優勝でした。2位にはチームメイトのジャレド・ヘイゼン Jared Hazenが14時間26分で続きました。3位は今回が初めてのウェスタン・ステイツとなったトム・エバンス Tom Evans(イギリス)で14時間59分でフィニッシュ。女子は昨年優勝したコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalterが100km地点までリードしますが、故障のため80マイル地点(129km)でリタイア。続いていたクレア・ギャラハー Clare Gallagherがトップに立ちますが、残り11kmとなったところでブリタニー・ピーターソン Brittany Petersonに追いつかれます。しかし残る力を振り絞ったギャラハーはリードを奪い返して17時間23分25秒でフィニッシュ。大会記録(16時間47分19秒、2012年のエリー・グリーンウッド)に次ぐ歴代2位のタイムで昨年のドウォルターのタイムを3分半上回りました。ピーターソンが9分差の17時間34分で2位、2016年優勝のケイシー・リックタイ Kaci Lickteigが17時間55分で3位になりました。リザルトはこちら
  • 美ヶ原トレイルラン(90k/80k/45k/ほか):長野県長和町、ブランシュたかやまスキー場をメイン会場に開催されました。
    • 90km:<男子>優勝・矢嶋信(10時間57分)、2位・比嘉邦浩(11時間53分)、3位・北原一樹(12時間28分)、<女子>優勝・大石由美子(13時間28分)、2位・浅原かおり(14時間35分)、3位・中野沙知(15時間11分)
    • 80km:<男子>優勝・奥山聡(8時間25分)、2位・菊嶋啓(9時間13分)、3位・浦野裕之(9時間18分)、<女子>優勝・澤田由紀子(10時間47分)、2位・星野由香理(11時間01分)、3位・星野緑(11時間55分)
    • 45km:<男子>優勝・牛田美樹(3時間47分)、2位・半田佑之介(3時間51分)、3位・栗原正明(4時間3分)、<女子>優勝・吉田香織(4時間10分)、2位・岩村聖華(4時間44分)、3位・新保佳代(5時間5分)

6月30日日曜日:サロマ湖、FAIRY TRAIL

  • サロマ湖100kmウルトラマラソン(100k, 50k): 北海道北見市、湧別町、佐呂間町で開催。100kmウルトラマラソンの大会としては例年世界的にみてもハイレベルな大会。今年の大会では曇り空で肌寒い最高のコンディションで男子は昨年の風見尚の世界記録を、女子も昨年の藤澤舞の優勝タイムを上回るペースとなりましたが終盤に入ってペースが全体に落ちる展開となりました。レースは板垣辰矢 Tatsuya Itagakiが3回目、藤澤舞 Mai Fujisawaが二連覇で4回目となる優勝を男女それぞれで勝ち取りました。昨年世界選手権で二回連続のチャンピオンとなった山内英昭 Hideaki Yamauchiは3位。実業団ランナーとして注目された大塚良軌 Yoshiki Otsukaは途中で単独リードする場面もありましたが5位、同じく実業団アスリートで富士登山競走二連覇の五郎谷俊 Shun Gorotaniは中盤で大きくペースを落としましたが完走しました。当サイトのレポート記事はこちら
  • FAIRY TRAIL びわ湖高島トレイルランニング in 朽木(60k, 40k, 20k): 滋賀県高島市。リザルトは大会ウェブサイトから。
    • 60km:<男子>優勝・大杉哲也 Tetsuya Osugi(7時間9分)、2位・谷口公基 Koki Taniguchi(7時間28分)、3位・上山達也 Tatsuya Ueyama(7時間31分)、<女子>優勝・向井成美 Narumi Mukai(8時間39分)、2位・夏目泰子 Yasuko Natsume(9時間10分)、3位・内田彩子 Saiko Uchida(9時間23分)
    • 40km:<男子>優勝・辻友寛 Tomohiro Tsuji(4時間8分)、2位・板垣渚 Nagisa Itagaki(4時間26分)、3位・東翔太 Shota Higashi(4時間28分)、<女子>優勝・楠田涼葉 Suzuha Kusuda(5時間12分)、2位・山本可奈子 Kanako Yamamoto(5時間45分)、3位・薄井智尋 Chihiro Usui(5時56分)
    • 20km:<男子>優勝・黒河輝信 Terunobu Kurokawa(1時間42分)、2位・古川裕一 Yuichi Furukawa(1時間51分)、3位・吉田岳生 Takeo Yoshida(1時間55分)、<女子>優勝・棚田のぞみ Nozomi Tanada(2時間27分)、2位・中川梓 Azusa Nakagawa(2時間52分)、3位・藪上恵 Megumi Yabukami(2時間55分)
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今週末開催のイベント

7月4日木曜日 – 6日土曜日:Corsica

  • Ultra Trail di Corsica (107.7km, 66.8km, 32.5km, 16.4km): 地中海のコルシカ島で開催。107.7km 7,200mD+の「Ultra-Trail di Corsica」、66.8km 3,880mD+の「Restonica Trail」などのレースが開催されます。

7月5日金曜日 – 6日土曜日:High Trail Vanoise

  • High Trail Vanoise (70k, 42k, 20k, 9k, VK): フランス・バルディゼールで開催。今年はスカイランナー・ワールドシリーズなどのシリーズ戦には加わっていません。

7月7日土曜日 – 7日日曜日:Trail Verbier St Bernard

  • Trail Verbier St Bernard (111k, 73k, 43k, 29k): スイス・ヴァレー州のスキーリゾートして有名なヴェルビエを拠点に開催。111kmのコースの累積獲得高度は8,400mD+となります。

7月6日土曜日:志賀高原

  • 志賀高原マウンテントレイル(40k、14.8k): 長野県志賀高原で開催。山室忠さんがプロデュースする大会です。40kのレースには福井哲也、駒村俊介、大瀬和文、浦野裕之、上宮逸子、吉住友里、山室宏美がエントリーしています。

7月7日日曜日:北丹沢、中央アルプス

  • 北丹沢12時間山岳耐久レース(44k): 神奈川県相模原市。青根緑の休暇村を会場に開催される44.24kmのレース。鐘撞山や姫次への急登、山深いトレイル、7月初旬の蒸し暑さで知られるクラシックレースは今回で21回目の開催。スカイランニング東日本選手権(SKY)の大会です。男子では昨年優勝の三浦裕一のほか、谷允弥、名取将大、成瀬康夫、小林彰人、近藤敬仁、工藤祐輔、キム・ジソプ Jisup Kim、東徹、中川大輔。女子では昨年それぞれ優勝、準優勝の大石由美子、田中真紀高村貴子、立石ゆう子、チャン・ボヨン Boyoung Jangの各選手がエントリーしています。
  • 中央アルプススカイラインジャパン (35k、18k、10k、4k): 長野県駒ヶ根市、宮田村で今回初開催。木曽駒ヶ岳の麓となるエリアで35km 3,000mD+、18km 1,500mD+などのレースが開催されます。

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