IZU TRAIL Journey 伊豆トレイルジャーニー 2019 リザルト

天候に恵まれた1日となりましたが、レース展開は例年以上にタフなものとなりました。

7回目の開催となったIZU TRAIL Journeyは12月8日日曜日の午前6時に松崎新港をスタート。10月の台風の影響によりコースの前半部、仁科峠までは例年からは大幅に変更して開催されました。レースを制して今年のITJのチャンピオンとなったのは男子が関西で活躍する西村広和 Hirokazu Nishimura、女子はAsia Trail Masterのレースで勝利を重ねているベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova(スロバキア)でした。天候に恵まれたこと、コース変更によりコースの距離が例年よりやや短い68.3km 3,240mD+となったことから、制限時間である14時間以内の完走率は例年よりも高くなった模様です。

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(写真・今年のITJのコース上より。Photo by Kozo Okushima)

大会前日の土曜日は曇り空で冷え込んだ伊豆・松崎町。レースが始まる朝の松崎町の最低気温は2.9℃、仁科峠では1℃と冷え込みましたが、いつもは強烈な風は今日は穏やか。空は快晴で日中の日向では肌寒さを忘れるほどでした。

コース序盤は舗装林道を登った後、例年エイドが設けられる宝蔵院の手前で北へ向かう林道を下って白川のエイド(13.5km)へ。ここでは奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaが単独リード。横内佑太朗 Yutaro Yokouchiと山口純平 Jumpei Yamaguchiが1分差で続きそのすぐ背後に尾田賢典 Yoshinori Oda。この集団から1分半遅れて西村広和 Hirokazu Nishimuraが続いていました。コースはその後、県道59号線の舗装路から滝見林道へと標高差で600mほどを登り続けてから、林道の未舗装区間へと入りますが、この間に奥宮は続く選手たちに遅れを取ることに。白川のエイドから約27kmの間をおいた次のエイドとなる仁科峠(40.2km)には横内がトップ、わずかな差で山口が続いて到着して補給します。しかし横内から1分差の3番手でやってきた西村は補給をせずにエイドを通過。その姿をみた横内が慌ててエイドを後にします。

仁科峠からは伊豆山稜線歩道のトレイルを進みますが、西村はリードをキープ。達磨山(54km)を越えて下りに入ると、横内に比べてトレイルを走る経験で上回る西村はどんどんリードを拡大。修善寺総合会館のフィニッシュゲートを5時間53分というタイムでくぐって西村広和 Hirokazu Nishimuraが優勝を果たしました。コースが変更されたとはいえ、大会記録の6時間35分32秒(2013年、近藤敬仁)を想定以上に大きく上回る結果となりました。関西のレースでは常に上位に入るトップ選手ですが、最近は信越五岳110kで連覇、今年のスパトレイル72kで優勝と関東のレースでも活躍する機会が増えました。いつもは最初からレースをリードする展開が多い西村ですが、この日のITJでは落ち着いて後半にリードを奪うスマートな展開。「関西のランニング仲間の応援の声に応えたかった」という願いどおりの鮮やかな勝利となりました。2位には6分半の差で横内佑太朗 Yutaro Yokouchi。学生時代に箱根駅伝を経験し、今年はOSJ奄美50KやOSJおんたけ100kで優勝し、トレイル世界選手権で日本代表となっています。とはいえトレイルランニングはまだ始めたばかり。今後経験を積むことでトレイルランナーとしての活躍の機会も増えてきそうです。3位には6時間8分で鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka。7位となった今年のUTMFと同じく落ち着いたレース展開でトップ3に入りました。昨年6位の町田知宏 Tomohiro Machidaが4位に続きました。

前半を奥宮、横内とともにリードした山口純平 Jumpei Yamaguchiは5位でフィニッシュ。大学で陸上選手として活躍したのち今年社会人となった22歳は最近トレイルを走り始めたばかり。今回と同じくロードとトレイルを組み合わせた今年8月の筑波連山75kでは2位に40分近い差をつけて圧勝。今回はトレイルの下りでは苦戦気味でしたが、トレイルランニングやウルトラマラソンで今後注目の存在です。

女子のレースはベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicovaがスタートからフィニッシュまでリード。男女総合26位となる7時間5分で優勝。スロバキア出身の29歳でトレイルランニングに出会ったのは上海在住中に2018年。今シーズンはAsia Trail MasterのレースとなっているCordillera Mountain Ultra 50k(フィリピン)、Ultimate Tsaigu 80km(中国)、Vietnam Jungle Marathon 70km(ベトナム)などで優勝。最近母国に戻ったばかり。「アジアのワイルドなトレイルばかり走っていたので、今回の走れるコースでは苦戦しました。でも台風の影響にもかかわらず大会を開催してくださったことに感謝しています。」と話していました。女子2位にはこの大会で3度優勝している大石由美子 Yumiko Oishi。バドビチョワから14分差の7時間19分でした。この大会で2016年、17年、18年と2位になっている浅原かおり Kaori Asaharaが3位となりました。4位に渡邉ゆかり Yukari Watanabe、5位に上宮逸子 Itsuko Uemiyaが続きました。

IZU TRAIL Journey 2019 リザルト

リザルト速報はこちらから。

(女子)

  1. ベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova(スロバキア、T8 and Salomon/Suunto) 7:05:53
  2. 大石由美子 Yumiko Oishi(La Sportiva) 7:19:46
  3. 浅原かおり Kaori Asahara 7:32:17
  4. 渡邉ゆかり Yukari Watanabe 7:57:22
  5. 上宮逸子 Itsuko Uemiya 8:04:47
  6. 村井絢子 Ayako Murai 8:30:43
  7. 浅野菜穂子 Naoko Asano 9:03:30
  8. 上野朋子 Tomoko Ueno 9:04:09
  9. 浦谷美帆 Miho Uraya(ラビットフット) 9:10:05
  10. 飯嶋かおり Kaori Iijima 9:13:00
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(男子)

  1. 西村広和 Hirokazu Nishimura(鴨川走友会)5:53:30
  2. 横内佑太朗 Yutaro Yokouchi(TeamASICS)6:00:08
  3. 鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka(THE NORTH FACE)6:08:55
  4. 町田知宏 Tomohiro Machida 6:15:21
  5. 山口純平 Jumpei Yamaguchi(ELDORESO)6:18:33
  6. 奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya(adidas TERREX)6:20:09
  7. リチャード・コフラン Richard Coughlan (ニュージーランド・日本在住、Kiwi English Chino)6:20:30
  8. 藤岡学 Manabu Fujioka(WILD THINGS)6:21:40
  9. 木村隼人 Hayato Kimura(INJINJI)6:24:18
  10. 喜多村久 Hisashi Kitamura(日本・マレーシア在住、Uglow)6:28:56
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