DC Weekly 2020年2月17日 – Coastal Challenge、Ultra-Trail Koh Chang、Black Canyon Ultras、Shotover Moonlight

新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大が日に日に日本でも大きなニュースとなっています。東京マラソンがエリート選手のみのレースとすることを決め、今後は国内のトレイルランニングイベントにも影響するかもしれません。このほか、先週ニュージーランドで開催されたタラウェラ・ウルトラマラソンで日本から参加した選手が亡くなられたというニュースも伝わっています。大会の結果は今週は主に海外についてお伝えします。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

Sponsored link



(写真・先週末のTarawera Ultramarathon。Photos by © Kurt Matthews / Tarawera Ultramarathon)

トレイルランニング関連ニュース

  • 新型コロナウィルス、中国や香港のトレイルランニング、ウルトラランニング界に影響:当サイトの記憶では1月18日のHong Kong 100を取材したときにはまだ新型コロナウィルスと肺炎の話題は香港でもまだ小さな話題でしかありませんでしたが、その翌週にはトレイルランニングの世界にも影響が及んできました。香港では今週末の2月21-23日に予定されていたソロとステージのトレイルレース、Victoria 162も今年の大会開催を見送りました。このほか3月29日に香港で開催予定だったアジア・クロスカントリー選手権も11月か12月に開催を延期するとのニュースもありました。中国本土のトレイルランニング大会については当サイトでは網羅的に確認していませんが、多くの大会が中止や延期となっている模様です。外出を禁じられている中国のランナーの中には室内で家具の間を66km走り続けた人もいるそうです。
  • 東京マラソン、一般参加のレースを取りやめてエリート選手のみで開催:新型コロナウィルスによる肺炎が広がる中で、東京マラソンは3月1日開催予定の大会で一般参加のレースは行わず、男女約200人のエリート選手のみでレースを行うことを本日2月17日に決めました。抽選の狭き門を経て出場予定だったのは3万8千人ですが、男子は2時間21分、女子は2時間52分といった資格を満たしたエリート選手約二百人、車いすの部のエリート選手約30人のみのレースとなります。男子マラソンは東京オリンピックの日本代表選手枠をかけたレースとなります。
    • 7万人が参加して2月8-9日に開催予定だった香港マラソンの中止が決まったのは1月25日。この時は1月31日開催予定だった香港のトレイルレース、9 Dragons Ultraは予定通り開催するとしていましたが、その後大会直前に中止と発表しています。日本でも規模にかかわらず、ランニングイベントは開催可否の判断を迫られると考えた方がよさそうです。
  • タラウェラ・ウルトラマラソンで日本人ランナーが完走を目前に救急搬送、その後亡くなる:2月8日にニュージーランドで開催されたタラウェラ・ウルトラマラソン Tarawera Ultramarathonについては当サイトでもその結果をお伝えしました。この大会の100マイルのレースに神奈川県から出場した日本人の選手が2月9日日曜日に完走まであとまもなくのところで走れなくなり、大会救護スタッフの手当てを受けたのち病院に搬送されていました。その後、12日水曜日にその選手は亡くなられたことが現地で報道されました。ご家族やご友人、関係者の皆様にお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。

先週末のイベント

2月9日日曜日 – 15日土曜日

The Coastal Challenge (230km, 6 stages)

南米コスタリカで開催の六日間のステージレースです。ステージを通じた総合成績で男子の優勝はコディ・リンド Cody Lind(アメリカ)でした。第一、第二ステージでトップのマウリシオ・メンデス Mauricio Mendez(メキシコ)が第三ステージで4位に終わって以後はDNFに。第四ステージ以降はリンドがトップを走りました。2位にはエリック・アグエロ Erick Agüero Sequeira(コスタリカ)、3位にアンディ・サイモンズ Andy Symonds(イギリス)で最終日は3人が一緒にフィニッシュテープを切りました。女子はケイトリン・ガービン Kaytlyn Gerbin(アメリカ)が全6ステージで女子トップを守って優勝。2時間8分の差で2位はナタリア・ロペス Natalia López Arrieta(コスタリカ)、3位はアシュトン・ケック Ashton Keck(アメリカ)でした。リザルトはこちら

2月14日金日

Jackpot Ultra Running Festival 100マイル

ネバダ州ヘンダーソン。100マイルのロードウルトラマラソンの今年の全米選手権でした。女子の全米チャンピオンはマリサ・リザック Marisa Lizakで15時間15分。男子は2018年UTMFで8位のマーク・ハモンド Mark Hammondが13時間4分で優勝。男女とものこの大会の大会記録を更新しました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

2月15日土曜日 – 16日日曜日

Fourmidable (50K, 35K, half marathon, 13k)

アメリカ・カリフォルニア州オーバーンで開催。50kmのレースは昨年のLavaredo Ultra-Trail優勝のティム・トレフソン Tim Tollefsonが出場して昨年に続いて優勝。女子はリンゼー・トレフソン Lindsay Tollefsonが優勝し、夫婦でともに勝利を手にしました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

これも読む
DC Weekly 2022年9月21日 信越五岳、ソロキンが24時間走で世界新、Pikes Peak Ascent / 新城スパルタントレイル上位を4月のアルゼンチンのシリーズ戦に招待

Ultra-Trail Koh Chang (100km, 70km, 35km, 13 km)

Asia_Trail_Master タイのリゾート地、チャーン島で開催。Asia Trail Masterのレースとなったのは100km。男子はフィリピンの28歳、アーニー・マカネラス Arnie Macanerasがリードしますが、65kmを過ぎたあたりから失速。一昨年の70kmのレースで優勝したポール・ダン Paul Dunnが残り10kmを過ぎてからマカネラスを捉え、18時間21分でフィニッシュして優勝しました。40分差でマカネラスが2位。その9分後に喜多村久 Kitamura Hisashiが3位で完走しました。女子は香港在住のフレデリン・アルベルト Fredelyn Alberto(フィリピン)が男女総合4位の20時間3分でフィニッシュして優勝。2位にはモンサ・スントーンウィット Montha Suntornwit、3位にロレッタ・ヘンダーソン Loretta Hendersonという結果でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

Coast To Coast Night Trail Ultra (100k, 70k, 50k, 25k, 13k)

インドネシア、ジョクジャカルタで開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

2月15日土曜日

Black Canyon Ultras 100k/60k

【追記・ウェスタンステイツへの出場権についての記述を修正しました。20200217】アメリカ・アリゾナ州で開催。100kmのレースはウェスタンステイツへの出場権をかけたGolden Ticket Raceの一つです。女子はカミラ・ヘロン Camille Herronが男女総合10位の9時間21分で優勝。6分差の2位はセシリア・フロリ Cecilia Flori(イタリア、ニュージーランド在住)で9時間27分。9時間31分でステファニー・オーストン Stephanie Auston(オーストラリア)が3位。ヘロンはすでに出場権を得ているので、フロリとオーストンがウェスタンステイツのチケットを手にしました。男子はヘイデン・ホークス Hayden Hawksが7時間55分でただ一人8時間を切るタイムでフィニッシュして優勝。2位にはチャーリー・ウェア Charlie Wareが8時間19分。ホークスはすでにウェスタンステイツの出場権を得ているので、2位と3位の二人がウェスタンへのチケットを獲得。エリオット・カーディン Elliot Cardin(カナダ)がわずか8秒差で3位になりました。リザルトはこちら。次のGolden Ticket Raceは3月28日のGergia Death Raceです。

2月16日日曜日

ふどうの森トレイルラン(44k, 22k, 3k)

岐阜県関市。関市、各務原市、坂祝町にまたがるコースで開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

2月17日月曜日

Shotover Moonlight Mountain Marathon(42k, 30k, 21k)

ニュージーランド南島、クイーンズタウン近郊で開催。日本から42kに参加した上宮逸子 Itsuko Uemiyaが6時間9分で女子総合3位(エイジカテゴリー優勝)となりました。女子総合ではベリンダ・ラルフ Belinda Ralph(オーストリア)が5時間42分、男子総合ではスコット・ホーカー Scotty Hawker(ニュージーランド、オーストラリア在住)が4時間19分でそれぞれ優勝。リザルトはこちら

これも読む
DC Weekly 2023年7月31日 富士登山競走、Royal Gran Paradiso・マスターズ・スカイランニング世界選手権、100kmアジアパシフィック選手権

今週末開催のイベント

2月22日土曜日- 23日日曜日

小江戸大江戸200k(ロード)

【追記・大会は予定どおり開催されることが発表されています。20200219】埼玉県川越市の蓮馨(れんけい)寺をメイン会場にして開催される、川越と東京を結ぶジャーニートリップは今回が10回目の開催。230kmと200km、115kmには川越から東京都心までを往復する大江戸コースが含まれています。230kmと200km、小江戸コース90kmのスタートは22日土曜日の午前8時。参加選手の途中経過を見ることができる速報サイト(200km230km115km90km)が用意されます。

2月22日土曜日

三浦半島縦断トレイルラン大会(37k、13k)

NPO野外活動(自然体験)推進事業団が主催する、三浦海岸から朝比奈小学校(横浜市金沢区)まで三浦半島を北上するトレイルランニング大会。

善通寺五岳山 空海トレイル(45k, 30k, 15k)

【追記・21日金曜日正午までに四国で感染者が確認された場合に中止と予告されています。20200219】香川県善通寺市。弘法大師・空海生誕地とされる善通寺の西側の五つの山(香色山<こうしきざん>、筆ノ山<ふでのやま>、我拝師山<がはいしさん>、中山<なかやま>、火上山<ひあげやま>)をめぐる15km 1311mD+の周回コースで開催され、今回が2回目です。

2月23日日曜日

(中止)石垣島オーシャンビュートレイル(63k, 32k)

【追記・2月18日夜、大会を中止とすることが発表されました。20200219】沖縄県石垣市。石垣島の東海岸、西海岸をコースとし、63kmのコースはあわせると島を2周するのと同じ距離になります。今回が3回目の開催。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link