せっかく走ったのにログを見られない?Garmin Connect復旧までの対策を考える。 #GarminOutage

7月23日(木)に発生したGarmin Connectのサービスダウンについて、当サイトも昨夜お伝えしました。三日目の25日(土)にはGarminのシステムがランサムウェア「WastedLocker」による攻撃を受けたことが現在調査にあたっている関係者筋から確認された、という情報がありました。

三日経ってもスマホアプリからもウェブからもGarmin Connectにアクセスできなくないことや、Garminから現在の状況や今後の見通しについてアップデートがない状態が続いていることからすると、復旧には時間がかかると考えた方がよさそうです。

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とはいえ、ランニングや自転車を日々楽しんでいるアスリートの皆さんにとってGarmin Connectが使えないと、そのままではランニングの記録はデバイスの小さい画面を操作して見るしかなく、ソーシャルメディアでシェアしたりすることも難しくて不便に感じます。そして、もしランサムウェアによって誰かがGarminを攻撃したのだとすれば、Garmin Connectにアップロードしているこれまでのアクティビティのデータ、日々の心拍数や睡眠時間、体重、ストレス、VO2maxといったプライベートなデータが外部に流出する危険もあるかもしれません。Garmin社内でバックアップデータが保存されていたとしても、保存の仕方によってはそれも攻撃者によって暗号化されてしまっていてGarminにはなす術がない可能性もあります。最悪の場合はアスリートの過去のアクティビティログが戻ってこないこともあるかもしれません。

こうした状況を踏まえて、GarminユーザーとしてGarmin Connectが復旧するまでにやっておいた方がよさそうなことを考えてみました。

アカウントとパスワードを使い回している場合は変更を

Garmin Connectを利用するためのアカウント名(メールアドレス)とパスワードも攻撃者に流出した可能性があります。そうすると、そのアカウントとパスワードの組み合わせを使って他のウェブサービスへ不正にログインされるかもしれません。アカウント名とパスワードの組み合わせを他のサービスでも使っている場合には、そのウェブサービスのパスワードを変更しておいた方がいいでしょう。できればスマホやPCのパスワード管理機能やパスワード管理アプリ(1Passwordなど)で推測されにくいランダムなパスワードを作って管理しておきたいところ。

fenixシリーズなどではタッチ決済ができるGarmin Pay機能が利用できます。Gamin Payを使うにはデビットカードなどの情報をGarmin Connectのモバイルアプリを使って登録します。Garminではカード番号をユーザーのデバイスやGarminのサーバーに保存しない、としているので今回のランサムウェア攻撃によって勝手にGarmin Payが使われてしまうということはなさそうです。でも念のためGarmin Payに登録しているカードの利用記録を時々確認しておいた方がよさそうです。

これまでのアクティビティのログがデバイスに保存されているのを確認

ランサムウェアの影響でGarmin Connectがシャットダウンしたとしても、ユーザーの手元にあるGarminのデバイスがウィルスに感染したりしたわけではありません。これまでのアクティビティのログはGarmin Connectにアップロードした後もデバイスのメモリーに保存されています。どのくらいまで遡って保存されているかはデバイスの種類やアクティビティの長さや数にもよりますが、筆者のfenix 6Xにはこのデバイスを使い始めた昨年12月から158回のアクティビティのログが残っています。

音楽機能を持つGarminデバイスをMacに接続し、Android File Transferで開いたところ。過去のアクティビティがFITファイルで保存されている。

音楽機能を持つGarminデバイスをMacに接続し、Android File Transferで開いたところ。過去のアクティビティがFITファイルで保存されている。

Garmin Connectにスマホ経由ですぐにアップロードすることはシステムが復旧するまでできませんが、今まで通りにランニングや自転車、水泳、ハイキングといったアクティビティのログをとっておけば、復旧してからアップロードできるはずです。

とはいえ、Garmin Connectにはコースを作って保存してデバイスに転送する、といった機能もあるわけで、Garminデバイスの少なからぬ機能はGarmin Connectに依存しています。やっぱり早く復旧してほしいですね。

Garminデバイスは付属のUSBケーブルを使ってPCに接続すればドライブとしてPCに認識されます(他社のデバイスだとこれができないことがあるのでこの点は助かります)。マウントされたドライブのフォルダ「Garmin」の中のフォルダ「Activity」にある”.fit”ファイルが毎回のアクティビティのログです。もしデバイスのメモリーの容量が残りわずかだったりする場合には、このフォルダをPCにコピーしておけば手元のバックアップとすることができます。

なお、筆者が使っているfenix 6シリーズのように音楽機能を備えているデバイスをMacのPCに接続してもドライブとして認識されません。その場合はAndroid File Transferというユーティリティーソフトをインストールして起動すると、Garminデバイスの中のフォルダやファイルを一覧したり操作できるようになります。その名前の通り、GoogleがAndroid端末のメモリーにMacからファイルを読み書きするためのソフトですがGarminデバイスのメモリーも同様に読み書きできます。

Garmin Connect復旧までは、必要ならば手作業でサードパーティのサービスにアップロード

今後Garmin Connectが復旧すれば、デバイスに蓄積されていたサービスダウン中のアクティビティはこれまで通りモバイルアプリでGarmin Connectにアップロードされるでしょう。ちょっと不便ですが気長に待ちましょう。

しかし、そうやって気長に待てない気持ちもよくわかります。今日走ったコースや距離、タイムを一目で確認したくなります。アクティビティをソーシャルメディアでシェアしたい場合もあるし、最近はバーチャルのランニングイベントで走ったことの証拠として送信したいというニーズもあるでしょう。そして、StravaやTrainingPeaksといったサードパーティのサービスにアクティビティが送信できないのがストレス、というアスリートも多いはず。実際、Garmin Connectがサービスダウンした23日午後からはStravaへのアクティビティ送信件数は半分近くに落ち込んでいます。Twitterは世界中のGarminユーザーの嘆きの声で満ちています。

StravaのウェブサイトによればGamin Connectが停止した23日午後からはアップロード件数が半分近くに落ち込んでいる。

StravaのウェブサイトによればGamin Connectが停止した23日午後からはアップロード件数が半分近くに落ち込んでいる。

しかし、Gaminデバイスから”.fit”形式のファイルを取り出すことができれば、サードパーティのサービスにアップロードしてGarmin Connectと同様にアクティビティの詳細なデータを一覧することができます。以下ではStravaの場合を紹介します。StravaやTrainingPeaksは基本機能は無料のアカウントを使えば利用できるので、Garmin Connectのバックアップとして使い始めるのもいい考えだと思います。

Stravaのウェブ版の右上にある「+」ボタンから「アクティビティをアップロード」を選択。

Stravaのウェブ版の右上にある「+」ボタンから「アクティビティをアップロード」を選択。

「ファイルを選択」から".fit"形式のファイルをアップロード。25個までまとめてアップロードできる。

「ファイルを選択」から”.fit”形式のファイルをアップロード。25個までまとめてアップロードできる。

詳細なデータにこだわらないなら、".fit"形式のファイルをアップロードせずにランニングの距離やタイムを直接入力することも可能。

詳細なデータにこだわらないなら、”.fit”形式のファイルをアップロードせずにランニングの距離やタイムを直接入力することも可能。

Garminユーザーにとっては少々不便が続きますが、筆者もユーザーの一人としてGarmin Connectが無事に復旧するよう祈っています。

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