国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
(写真・8月1日のSpartan Trail World Championship開幕戦、Fjällmaraton 100kで優勝したSimen Hjalmar Wästlund(ノルウェー) Photo by Jonas Höglu)
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トレイルランニング関連ニュース
Izu Trail Journey、コロナ対策と二つ目のレースについて状況をアップデート
今年は12月13日に開催予定のIzu Trail Journeyは昨夜の2020年8月10日(月)夜、ライブ配信を行い、大会総合プロデューサーの千葉達雄さんが今年の大会の運営方針の検討状況をライブ配信で説明しました。新型コロナウィルスの感染対策として参加選手、ボランティアの皆さんに直前2週間の検温などの健康管理を求める、レース中のエイド運営の見直し、私的サポートの禁止といったと大会そのものの運営のほか、大会前日の受付を三島市でも行うといったより幅広い大会運営についても見直すことを説明しています。こうした見直しの一環として、例年に準じた72kmのレースに加え、エイドステーションを設けない28kmのレースも開催する方針とのこと。もっとも、大会開催の可否については新型コロナの感染状況を見極めて8月下旬に判断される予定で、依然今年の大会が中止となる可能性はあります。72kmのレースは来年2021年に開催予定のトレイル・マウンテンランニング世界選手権の日本代表選考レースの一つとなっています。
トレイルランニングの新しい世界シリーズ戦、”Spartan Trail World Championship”が開幕
北米を中心に、オブスタクルレース(障害物レース)のブランドとして知られるSpartan Raceが今年から “Spartan Trail World Championship”(STWC)を立ち上げ、今年4月のPatagonia Run(アルゼンチン)で開幕し、来年2月のTransgrancanariaでの最終戦まで7レースがラインナップされていました。しかし目下のコロナ禍で開幕戦のPatagonia Runが11月に延期となるなどした結果、先々週の8月1日にスウェーデンで開催されたフィヨールマラソンFjällmaratonがシーズン開幕戦となりました。大会は新型コロナウィルス対策のため、オープンレースとエリートレースを分けてスタートする形式を取ることになりました。
STWCの”Trail Ultra”カテゴリーとなる100kのレースでは100kmのレースには初挑戦というSimen Hjalmar Wästlund(ノルウェー)が8時間50分で優勝。昨年のUTMB®︎チャンピオン、パウ・カペル Pau Capell(スペイン)を相手に終始リードをキープして約15分差をつけての優勝は相当な実力の持ち主です。パウ・カペルは2位で9時間4分、3位はヨハン・ランツ Johan Lantz(スウェーデン)で9時間35分。このほか男子では昨年のUTMFで6位だったカール・ソーマン Carl Johan Sörman(スウェーデン)が6位、2018年UTMB®︎で3位のジョルディ・ガミト Jordi Gamito(スペイン)が同着の6位となっています。女子のレースはスペインのトップアスリート、アサラ・ガルシア Azara Garciaが10時間37分で優勝。2位はアンナ・カールソン Anna Carlsson(スウェーデン)で11時間2分、3位にレナ・トリレーフ Lena Trillelv(スウェーデン)で11時間16分という結果でした。リザルトはこちら。
大会オリジナルのKIA Fjällmaraton 43kもSTWCの”Trail Run”カテゴリーのレース。Olle Kalered(スウェーデン)が大会記録を4分上回る3時間27分の大会新記録で優勝。10分半の差でMårten Boström(フィンランド)が3時間38分で2位に。3位はJesper Lundberg(スウェーデン)で3時間42分でした。女子のレースはオリエンテーリング選手で2018年のスカイランニング世界選手権金メダリストのトーブ・アレクサンデルソン Tove Alexandersson(スウェーデン)が大会新記録の3時間52分で優勝。男女総合で6位という好成績で2位には16分という大差でした。2位はFanny Borgström(スウェーデン)で4時間9分、3位はJohanna Åstrom(スウェーデン)で4時間18分でした。リザルトはこちら。
STWCの次のレースはアメリカ・カリフォルニア州で9月12日に開催のKodiak Big Bearとなっています。
コロラドトレイルに挑戦中のコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter、500kmを走ってから挑戦を中止することに
昨年のUTMB®︎チャンピオン、コートニー・ドウォルター Courtney Dauwalterがアメリカ・コロラド州の486マイル(782km)のコロラドトレイルのFKTに向けて8月5日(水)午後2時(日本時間6日午前5時)ごろにスタートしたことは当サイトでもお伝えしていました。その後、順調に進んでいましたが310マイル(約499km)に達していた6日目の8月10日(月)朝(日本時間同日夜)に体調不良のため挑戦を中止しています。TailwindのInstagramアカウントが紹介するサポートクルーの話ではサポート車での休憩中の息が荒く、救急外来での診断を受けたところパルスオキシメーター(血中酸素濃度を測る機器)の数値が低く急性気管支炎との診断を受けて治療を受けて回復に向かっている模様です。
モンブランの氷河が大規模な崩落の危機、クールマイユールで住民が避難、フェレ谷への道路は閉鎖に
先週伝えられたニュースによればモンブランのイタリア側、プランパンシュー(Planpincieux、イタリア語でプランピンチエウクス)氷河で巨大な氷塊が迫り出して崩落しそうな状況にあるとして、住民75人が避難し、氷河の麓に当たるフェレ谷へと繋がる道路を閉鎖するなど警戒体制をとっているというニュースがありました。
温暖化が進む中でモンブランの氷河が溶け出しているというニュースはたびたび伝えられています。UTMB®︎のコースと見比べてみると崩落の恐れがある氷河はコースからはフェレ谷を挟んだ向かい側となります。フェレ谷を通る道路はグラン・コル・フェレへと向かうアルニューバ Arnouvaのエイドやその先にあるエレナ小屋 Refuge Hélèneへのアクセスに不可欠な道路です。
先週末開催のイベント
8月8日土曜日 – 10日月曜日
嬬恋スカイラン
群馬県嬬恋村。7月の初めから毎週末に開催されてきた大会の最後となる週末にはエリート部門のレースが開催され、これはスカイランニング特別交流戦として国内の有力選手が集まる大会となりました。リザルトは大会ウェブサイトから。
土曜日のバーティカルは標高差600mの登りを二本走った合計タイムで争うもので吉住友里 Yoshizumi Yuri (1時間2分)、上田瑠偉 Ueda Ruy (46分46秒)がそれぞれ男女のレースを制しました。女子では高村貴子 Takamura Takako が1時間6分で2位、3位は楠田涼葉 Kusuda Suzuha が1時間7分。男子は近江竜之介 Ohmi Ryunosuke が50分57秒で2位、小田切将真 Odagiri Shoma が52分20秒で3位に続きました。合わせて行われた中高生の部は登り一本のタイムだけであらそわれ、小林華蓮 Kobayashi Karen (32分55秒)、近江仁之助 Ohmi Jinnosuke (30分5秒)がそれぞれ男女のチャンピオンとなりました。
日曜日のスカイレースは往復コースを3往復する24km 1,860mD+のコースで行われ60人が参戦。こちらは高村貴子が後続を16分以上引き離す2時間44分で勝利。楠田涼葉が3時間0分で2位、若林綾 Wakabayashi Aya が3時間14分で3位。男子では上田瑠偉が2時間5分で圧勝、前日のバーティカルとあわせて二冠に。13分差の2時間18分で近江竜之介が続き、3位には上正原真人 Kamishohara Masato が2時間20分でした。高校生を対象とするミドル部門は2往復のコースで行われて近江仁之助(1時間39分)と小林華蓮(1時間51分)、中学生対象のショートは1往復で小幡莉子 Obata Riko (56分14秒)と滝澤漣 Takizawa Ren (51分22秒)がそれぞれ優勝しています。
日曜日には登りはロープウェーを使い、下りだけを6時間繰り返す「爆坂RUN」も開催されました。
大阪 夏の陣・くろんど輪舞曲(ロンド)180K(180k, 120k, 60k)
大阪府交野市。大阪府民の森・くろんど園地に設けられる8.6kmの周回コースで開催。18人がソロで参加した180kmは土井陵が31時間57分でトップでフィニッシュ。亀高育雄(36時間32分)、いいのわたる(37時間21分)に続いて女性でトップの丹羽薫が39時間14分で完走。120kmは54人がスタートして11人が完走。完走者は全員が男性で優勝は植田一太(23時間3分)、2位に伊藤直(23時間14分)、3位に安東毅(23時間18分)。82人がスタートした60kmは山田勝(9時間30分)、太田展弘(9時間44分)、織林翔(9時間55分)が男子トップ3。女性は三村希実(11時間39分)、宮崎真衣(12時間53分)、中尾嘉弥(13時間39分)がそれぞれ1位、2位、3位となりました。リザルトは大会ウェブサイトから。
8月8日土曜日
North Downs Way 100m
イギリス・ロンドン南郊のノースダウンズウェイ・トレイルで開催。この大会は感染対策を行った上で開催される予定です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
8月9日日曜日
Ubaye Trail Salomon (42k, 23k, 12k)
フランス南部のバルスロンネットを拠点に開催。大会開催の模様が既にYouTubeなどに公開されており、スタート前の選手やフィニッシュ地点の観客のみなさんがマスクをしている様子が分かりますが、そのほかはこれまでと特に変わらない様子で大会が行われた模様です。42km女子はケイティ・シード Katie Schide(アメリカ、スイス在住)が4時間14分45秒で優勝し、マチルダ・サーニュ Mathilde Sagnes(4時間15分22秒)、カミラ・ブリュイアス Camille Bruyas(4時間16分23秒)がトップ3に入りました。男子はティボー・バロニアン Thibaut Baronian(フランス)が3時間35分17秒で優勝し、2位にジュリアン・ミシェロン Julien Michelon(3時間35分45秒)、3位にテオ・デティエンヌ Théo Detienne(3時間41分29秒)。Golden Trail Franceシリーズの一戦となった今回の大会は、フランスで久々に有力選手が集まるハイレベルな大会となりました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
今週末開催のイベント
8月12日水曜日
(中止)Mongolia Sunrise to Sunset (100km、42km)
モンゴル・フブスゴル国立公園で開催される大会で100km 3,365mD+というコース。モンゴルにおいては厳しい検疫体制が継続されており、大会は「延期」で入国や移動に関する規制が緩和されれば9月または10月に大会を開催する可能性があるとしています。
8月13日木曜日 – 16日日曜日
(中止)Challenge du Montcalm (109k, 42k, 25k)
ピレネー山脈のフランス側、アリエージュでVKから109kmまでの5つのレースが開催される大会。今年は中止に。
8月14日金曜日 – 15日土曜日
(中止)Swiss Alps 100 (50k, 100k)
スイス・ヴァレー州の東端、ローヌ川の源流部で開催。スイスでは新型コロナウィルスによるイベント開催の制限は緩和されつつありますが、現状ではボランティア・スタッフの安全や医療スタッフの人数を十分確保できないとして中止を決めています。大会では5月16日から8月16日までバーチャル大会を開催中。これは期間中に合計800km、または400kmを走るというものとなっています。
8月15日土曜日
(中止)Iron Legs (60k, 80k, 100k)
カナダ・アルバータ州で開催。大会は中止となっていますが、8月15日から21日にバーチャルレースを開催。都合の良い時にそれぞれのレースに相当する距離を走ってログをアップデートするというものです。
8月16日日曜日
宮崎鏡洲の森トレイル(26k, 13k)
宮崎市鏡洲の宮崎自然休養林で開催。5月24日に予定されていた大会が8月16日に延期されていました。感染拡大の状況を見極めた結果、8月に入ってから宮崎県内在住者に参加を限定することを発表しています。
前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。