Amazfitの主力モデルに追加された新機能をチェックしたところ、やはりランニングウォッチとしての完成度は高いです。
Amazfit(アマズフィット)が10月13日に先行販売を開始したスマートウォッチ「Amazfit GTR 4」と「Amazfit GTS 4」は同ブランドの主力シリーズの新製品です。当サイトでも発売前日に東京都内で行われた発表会の直後にこの新製品の概要をお伝えしています。
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「Amazfit GTR 4」と「Amazfit GTS 4」はそれぞれウォッチフェイスが円形と角形で、ディスプレイの画素数やバッテリーの持続時間に差があるものの、そのほかのハードウェアや機能は同じです。現在は公式オンラインストアのほか主要ECサイトで先行販売中で、11月からリアルの店舗でも取り扱い予定。両モデルとも31,900円(税込)となっています。
業界初のデュアルバンド円偏波GPSアンテナ技術+6つの衛星測位システムに対応でより正確なランニングの記録が可能に
フィットネス機能が充実し、GPSランニングウォッチとしても使えるAmazfitの主力モデルですが、GTR 4 / GTS 4はデュアルバンド円偏波GPSアンテナ技術は初めて搭載したとしています。これは衛星からの測位信号を受信する際にL1とL5という二つの周波数で受信することで精度を高める技術。これにより電波が受信しづらく測位精度が落ちやすい、高層ビルの谷間や木々に電波が遮断されやすい森林の中、高くそびえる崖の下といった場所でもより速く正確に測位が可能となります。
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従来のAmazfitのスマートウォッチでは昨年発売のGTR 3、GTR 3 Pro、今年発売のGTS 4 miniでは「シングルバンド円偏波GPSアンテナ」技術、角形のGTS 3では「シングルバンド直線偏波GPSアンテナ」技術を用いていたとのこと。
加えて、衛星測位システムではこれまでのGPS、GLONASS、GALILEO、QZSS、Beidouに加えて、インドをカバーするNavICも含めた6つのシステムが使用できるようになっています。
今回の試用ではGPSの受信が難しい環境で試す機会がありませんでした。ただ、これまでは都心部でのランニングイベント、マラソン大会などでは現在地の測位のずれをよく経験しているので、これがなくなるのはGPSランニングウォッチとしては大きなアドバンテージです。
加えて、ナビゲーション機能もスマホのZeppアプリ経由でGPXファイルをインポートして、ランニングやハイキング中にウォッチ上でリアルタイムでナビゲートが可能(今後のOTAファームウェアアップデートで可能になる予定)。これは今年夏に登場したアウトドア向けモデル「T-Rex 2」と同等の機能となります。この機能については当サイトのレビュー記事で詳しくレビューしています。
このほか、ランニングやサイクリングなどのアクティビティでは設定画面から「トレーニング」を選ぶことでインターバルトレーニングのテンプレートを設定できるように。ランニング前のウォームアップとして、ランと休憩のそれぞれの時間とセット数、ランニング後のクールダウンを促す表示が出せます。
(1)ランニングなどのアクティビティを起動し設定へ。(2)トレーニングを選ぶ。(3)インターバルトレーニングの設定が可能となり、ウォームアップのテンプレートの設定と(4)リラックス(クールダウン)の有無を設定できる。
「運動場でのランニング」というアクティビティを選択すると200mと400mのどちらのトラックか、どのレーンを走るか、が選択できます。これにより「トラックランモード」となり、自動でラップタイムを正確に計測し、スマート軌道補正により、GPSログも正確に補正されます(筆者はトラックで走るチャンスがなかったので、下のAmazfitの資料で詳細をお伝えします)。
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「筋力トレーニング」というアクティビティでは、スクワット、シットアップなどのエクササイズ(15種類、OTAアップデート後は25種類)をウォッチが自動で判別し回数もカウント。セットの間の休憩時間も自動で記録します。そしてワークアウト終了後はZeppアプリでどの筋肉がどれだけの運動をしたかが表示されます。(筋トレの習慣がない筆者ですが、スクワットや腕立て伏せをしてみると、確かのその回数を正確にカウントしていました。下のAmazfitの資料で詳細をお伝えします。)
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バッテリーの持続時間については、先日の発表会のレポートでお伝えしていますが、今回レビューした角形のGTS 4の場合は、毎日1-2時間くらいのランニングでGPSトラッキングをするようなヘビーユースのケースでは4日間とされています。今回のレビューでもほぼ同じくらいの持ち時間でした。高精度のGPSモードで16時間となります。丸型のGTR 4はヘビーユースで7日、高精度GPSモードで25時間と60%増しとなるので、ウルトラディスタンスのトレイルランニングやマラソンではGTR 4が選択肢となるかもしれません。
外部アプリとの連携の弱さやタッチ決済非対応は課題だが、フィットネスとヘルスケアについては充実したスマートウォッチ
ここまで紹介したランニングなどのアクティビティに関するフィットネス機能に充実した新機能が盛り込まれたほか、ヘルスケア関連では、ウォッチ裏面の光学センサーが初搭載の「Bio Tracker 4.0 PPG」へとアップデート。新世代のセンサーとなってことで運動中の心拍データの精度がGTR 3 / GTS 3に比べて5%向上しています。また、睡眠モニタリングはこれまで夜間の睡眠のみをトラッキングしていましたが、昼寝も仮眠としてトラックされるほか、睡眠スケジュールを設定することで昼間の睡眠をメインの睡眠として記録することもできるようになっています。
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今年発売されたAmazfitの製品のうち、今回発売のGTS4(中)、GTS4mini(左)、T-Rex 2(右)を並べた。下段のウォッチ裏側のセンサーをみると、最新世代のGTS4ではLEDと光学センサーの数や配置がより複雑になっていた。

Zeppアプリの中の睡眠の画面では「仮眠」をトラッキングできる。日中でも20分以上の睡眠状態を検知すると仮眠としてトラッキングする(左)。スマホとウォッチの両方で睡眠についての設定ができるが睡眠スケジュールの設定ができるのはウォッチのみ(中)。ウォッチで睡眠スケジュールを昼間に設定すれば、昼間の睡眠がメインとしてトラッキングされる。夜間勤務などの場合には便利な設定だ(右)。
もともとAmazfitが強みとするフィットネスとヘルスケア関連では、今回のGTR 4 / GTS 4にも容赦なく最先端の機能を投入してきました。一方で、サードパーティのアプリやサービスとの連携では競合のスマートウォッチにまだ及ばないのは確か。Stravaやadidas Runningのスマホアプリに連携してデータをアップロードできるほか、GoProのアクションカメラをリモート操作できるミニアプリもあるのですが、そのほかのミニアプリはZepp Healthcare(Amazfitを製造販売する会社)が作る小さな機能を持つものばかりです。ただ、このGTR 4 / GTS 4には新世代の「Zepp OS 2.0」が搭載されていて、今後はアプリを通じた機能の拡張にも期待したいところ。Apple PayやGarmin Payのようなタッチ決済機能については、先日の発表会でも質問が多かったですが、現時点で具体的な予定は明らかにされていません。
ただ、スマートウォッチに求められる機能のうち、フィットネスとヘルスケアが充実していれば十分だという消費者は多いはず。トレイルランニングやハイキングのファンにとっては、シックなデザインの中に衛星測位によるGPSトラッキングやナビゲーションと実用性のある持続時間のバッテリーを備えるGTR 4 / GTS 4は魅力的な存在です。競合する様々な製品の中からAmazfitを選ぶのはもはや価格だけではない、と感じました。
Amazfit GTR 4 / GTS 4の販売されるECサイトへのリンク
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