国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
(写真・Golden Trail World Series 第3戦、Dolomyth Run で優勝したジュディス・ワイダー Judith WYDER。Photo Photo @The Adventure Bakery / Dolomyth Run / Golden Trail World Series)
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先週末開催のイベント
7月12日水曜日 – 16日日曜日
Eiger Ultra Trail by UTMB (E250, E101, E51, E35, E16)
スイス・グリンデルワルトを拠点にアイガー山麓のトレイルをコースとする大会でUTMBワールドシリーズの大会でした。101kmの「E101」ではハンネス・ナンバーガー Hannes Namberger (GER) が11:38、カタリーナ・ハルムト Katharine Harmuth (GER) が13:17が男女それぞれのレースを制しました。51kmの「E51」はエミリー・フォルシュベリ Emelie Forsberg (SWE) が5:59、ペーター・エングダール Petter Engdahl (SWE) が4:48でそれぞれ優勝。大会の直前には今年のモンブランでのUTMBにキリアンが出場すると発表して話題になりました。そのキリアンはこの大会の16kmのレースを完走してランニング・ストーンを得たことで前年トップ3の選手としてモンブランの出場権も獲得しました。E101優勝のナンバーガー、E51優勝のエングダールとともに今年のUTMBで5度目の優勝を目指すことになります。リザルトはこちら。当サイトではEiger Ultra Trail by UTMBのリザルト紹介記事も公開しています。
7月14日金曜日 – 16日日曜日
Hardrock 100
アメリカ・コロラド州シルバートン。146人の選手がコロラド州のサンフアン山脈で開催される100マイルの山岳トレイルランに挑みました。
3週前のウェスタン・ステイツでの大会新記録での優勝に続いてのビッグイベントへの挑戦で注目されたコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalterは26時間14分8秒、男女総合4位で女子優勝。今年の反時計回りのコースでは14年ぶりの新記録(これまでの記録は2009年のダイアナ・フィンケル Diana Finkel による27時間18分24秒)、時計回りと反時計回りを通じた記録では自身による26時間44分36秒(2022年、時計回り)を上回る新記録となりました。レース前半では先行するアン-リセ・ルセ Anne-Lise Rousset Seguret (FRA)が先行し、ドウォルターに対して10分近くまで差を広げましたが、後半に入るとドウォルターが一気に差を縮めて先頭に立ちました。ルセは総合7位となる27時間29分55秒で女子2位でフィニッシュ。3位にはアニー・ヒューズ Annie Hughes が32時間13分3秒、4位に宮﨑喜美乃 Kimino Miyazaki (JPN)が34時間17分16秒で続きました。
男子のレースは2021年のUTMB準優勝の30歳、オーレリアン・デュナン・パラス Aurélien Dunand-Pallaz (FRA) がスタートから単独でリードし続けて23時間0分7秒でシルバートンにフィニッシュ。歴代8位となる好成績でした。中盤に2位に上がったベニャ・マルミソレ Beñat Marmissolle (FRA) は暑さで苦戦する選手の中で着実にコースを進み続け、23時間50分で2位に。3番手にはこちらもコース終盤で順位を上げたハビエ・ドミンゲス Javier Dominguez (ESP) が26時間12分という結果でした。アメリカ勢ではアーレン・グリック Arlen Glickが26時間43分で4位、2018年優勝のジェフ・ブラウニング Jeff Browning が27時間17分で5位。2021年に2位だったディラン・ボウマン Dylan Bowmanは後半で苦戦してエイドで長い休憩を取ることになりましたがが、30時間25分でシルバートンに到着して9位でした。
リザルトはこちら。
Vermont 100 (100m, 100k)
アメリカ北東部、バーモント州で開催される100マイルと100kmのトレイルランニング大会。目下、バーモント州で発生した水害が大会の開催エリアにも被害をもたらしており、7月11日に主催者は今年の大会をキャンセルすることを発表しました。
Prokletije SkyRace & SkyUltra (30k, 50k, VK)
東ヨーロッパ、モンテネグロで今年のスカイランニング欧州選手権 Skyrunning European Championships となる大会が開催されました。欧州21カ国が参加してバーティカル、スカイウルトラ、スカイの3競技が行われました。初日のバーティカルではルイソン・コワフェ Louison Coiffet (FRA) が 37分51秒、ナイアラ・イリゴヤン Naiara Irigoyen (ESP) が44分11秒でそれぞれ男女の金メダルを獲得。翌日の55km 4,400mD+のスカイウルトラでは男子はクリスティアン・ミノッジョ Cristian Minoggio (ITA) が6時間15分、女子はヘマ・アレナス Gemma Arenas (ESP) が7時間59分で金メダル。最終日の30km 2,150mD+のスカイは男子がロレンツォ・ベルトラミ Lorenzo Beltrami (ITA) で3時間17分、女子がマルタ・マルチネス Marta Martinez (ESP) で4時間0分で金メダル。バーティカルとスカイのコンバインドはマルチン・ニルソン Martin Nilsson (SWE)が男子金、オリビア・マノーネ Olivia Magnone (FRA)が女子金でした。国別団体はスペインが金、イタリアが銀、チェコが銅となりました。
7月15日土曜日 – 16日日曜日
OSJ Ontake 100(100k, 100マイル)
長野県王滝村。猛暑の中でのレースとなり、100kmの男子では前半からリードした志村史雄が9:47で優勝、16分差で昨年優勝の万場大が10:03で2位。小野寺祐太が10:28で3位でした。女子は冨澤いずみが12:17で優勝、金原佳代子が12:27で続き、境なつきが12:37で3位に。100マイルは中根孝太が終始リードして12:55で優勝し、荒川純が13:48、山本諒馬が14:07で続きました。女子は内山みちこが18:23で優勝、2位は河原愛美が18:41、3位は井上千鶴で18:53でした。リザルト速報はこちら。
Piz Tri Vertical / Fletta Trail
イタリア北部のロンバルディア州マロンノで開催。マウンテンランニングの歴史に残るレースが行われてきたレースで、二日間にわたるWMRAのW杯 Valsir Mountain Running World Cupのダブルヘッダーが行われました。
土曜日のPiz Tri Verticalは3.5kmで標高差1000mを登ります。女子レースではこの大会で5回の優勝経験を持ち、大会記録保持者であるアンドレア・マイヤー Andrea Mayr (AUT) が37分14秒で優勝し、自身のコース記録を更新しました。スカウト・アドキン Scout Adkin (GBR) が38分59秒で2位、フィラリーズ・キサン Philaries Kisang (KEN) が39分49秒で3位に。男子ではパトリック・キプネゲノ Patrick Kipngeno (KEN)が32分3秒で優勝し、こちらも大会新記録でした。フィレモン・キリアゴ Philemon Kiriago (KEN) が34分4秒で2位、ジョー・スチュワード Joe Steward(イギリス)が34分35秒で3位となりました。
日曜日のFletta Trailは21km 1,110mD+のレースで今回が60回目の開催なりました。登り、下りともに走りやすいコースです。女子は前日のPiz Tri Verticalのトップ5がスタートラインに揃います。アンドレア・マイヤー Andrea Mayr (AUT) がレースをリードしますが、その後にジョイス・ニェル Joyce Njeru (KEN) が追いつき、最後はニェルが1時間39分5秒で優勝しました。マイヤーは40秒差の1時間39分45秒で2位、フィラリーズ・キサン Philaries Kisang (KEN) が1時間41分13秒で3位となりました。男子のレースでは、フィレモン・キリアゴ Philemon Kiriago (KEN) がリードしてそのまま逃げ切ります。1時間24分22秒で優勝して、新たなコース記録を樹立しました。フィリモン・アブラハム Filimon Abraham (GER) が1時間27分14秒で2位、チェーザレ・マエストリ Cesare Maestri (ITA) が1時間28分49秒で3位でした。
リザルトはこちら(Piz Tri Vertical、Fletta Trail)。
WMRAのW杯は今週末の7月22日にフランスのサンジェルヴェで行われるLa Montee Du Nid D’Aigleへと続きます。
Tahoe Rim Trail Enurance Runs (100m, 50m ,55km)
アメリカのカリフォルニア州とネバダ州にまたがるコースで開催。100マイルは男子優勝はニカデマス・デラローザ Nickademus De La Rosaで20:35、女子優勝は25:17でクレア・ウォルトン Clair Walton (GBR)。ウォルトンは2度目の優勝となります。リザルトはこちら。
7月15日土曜日
DoloMyths Run (22km)
イタリア北部・カナゼイで開催。22km 1,750mD+のDoloMyths Run Skyraceが今年のGolden Trail World Seriesの第3戦でした。
男子はエルハウシン・エラザウイ Elhousine ELAZZAOUI (MAR) が2:04でGTWSのレースで初勝利を収めました。彼はレースの最もテクニカルなセクションで先頭に立ち、そのままゴールまで独走して勝利を掴みました。1分差の2:05で2位にロベルト・デロレンジ Roberto DELORENZI (SUI) が続きました。デロレンジにわずか6秒差で、3位にフレデリック・トランシャン Frédéric TRANCHAND (FRA) が2:06でフィニッシュしています。4位にはスティアン・アンゲルムント Stian ANGERMUND (NOR)、5位にダニエル・パティス Daniel PATTIS (ITA) が続きました。
女子はジュディス・ワイダー Judith WYDER (SUI) が2:24で勝利しました。昨シーズンはケガでGTWSには参戦していませんでしたが、このDolomythで見事な復帰です。2位はソフィア・ラウクリ Sophia LAUKLI (USA) で2:26、3位はカリーナ・カルソリオ Karina CARSOLIO (MEX)で2:28でした。4位にマレン・オサ Malen OSA (ESP) 、5位にアリス・ギャギ Alice GAGGI (ITA) が続きました。
リザルトはこちら。
Golden Trail World Seriesの次のレースはスイスのSierre-Zinalで8月12日開催。50周年を迎える大会が第4戦のホストとなります。
Audi Power of Four Trail Run (50k, 25k, 10k)
コロラド州アスペンで、50km、25km、10kmの三つのレースが行われました。リザルトはこちら。
7月16日日曜日
The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉(65km, 37km, 14km)
長野県・野沢温泉村。野沢温泉スキー場を会場に行われる大会は例年にもましての猛暑のレースでした。今年もGolden Trail National Seriesのジャパンシリーズの第二戦となる37kmのレースは女子は冨井菜月が4:45で優勝。1分余りの差で石原菜美が4:47で2位、瀧波美緒が4:51で3位でした。男子は小笠原光研が3:36で昨年に続いて連覇。松本翔太が3:38で2位、田村健人が3:39で3位でした。
このほか、65kmでは枝元香菜子が8:18で女子優勝、尾藤朋美が8:37、池内明子が9:15でトップ3に。男子は荒木諒が7:31でレースを制し、柴田幸生が7:45で2位、田中遼太郎が8:02で3位。14km女子は大石沙也加が1:37で優勝、上原紫織が1:40で2位、小野寺利絵が1:42で3位。同男子は杉山喜紀が1:09で優勝、石田寛雄が1:09で2位、岡嶋智己が1:13で3位でした。
リザルトはこちら。
今週末開催のイベント
7月21日金曜日 – 25日火曜日
Tahoe 200
カリフォルニア、ネバダの両州にまたがるタホ湖に沿ったトレイルで行われる200マイルのトレイルランニングイベント。100kmのレースもあわせて行われます。昨年に続いて今年も6月に開催予定でしたが、今年はコース上の残雪が多いことから7月に開催時期が変更されています。来年の大会は6月に開催することがすでにアナウンスされています。
7月21日金曜日 – 23日日曜日
Golden Ring Ultra-Trail (100km, 80km, 50km, 30km, 20km, 10km, 5km)
ロシア・ウラジーミル州スーズダリ Suzdalで開催。観光地としても知られる「黄金の環」の都市群の一つで古代から中世の教会建築が世界遺産となっている古都をメイン会場とする大会。
7月21日金曜日 – 22日土曜日
Schlegeis 3000 Skyrace (VK 4.9km, Skyrace 34km, 17k)
オーストリア西部、チロル州のツィラータール Zillertalで開催。34km 2400mD+の「スカイレース」がスカイランナー・ワールドシリーズの第8戦となります。
Speedgoat by UTMB (50k, 28k, 21k, 10k)
アメリカ・ユタ州のスノーバード・スキーリゾートで開催。UTMBワールドシリーズのレースで50km、28km、21km、11kmの四つのレースが行われます。
Cascade Crest 100
アメリカ・ワシントン州のシアトル郊外で開催の100マイルのトレイルランニングレース。今年はコース後半で工事が行われていることから、ぐるりと一周する通常のコースではなく、コース前半を往復する100マイルのコースで開催されます。
High Lonesome 100
アメリカ・コロラド州のサワッチ山地をコースとする101マイル 7,160mD+のトレイルランニングレース。2017年にスタートしたレースですが人気の高いイベントです。最近ではその価値観に賛同できないとUTMBワールドシリーズの大会をエントリー資格から外したことでも話題になりました。
7月22日土曜日 – 23日日曜日
OMM LITE Hakuba, Otari
長野県白馬村、小谷村。ラン&ハイクでのロゲイニング形式の「LITE」と、自転車の「BIKE」の二つのイベントが行われます。
SkyRace Comapedrosa (24km)
ピレネー山脈のアンドラで開催。スカイランニングのイベントとして知られてきた大会ですが、今年は「Merrell Mountain Festival」の中のイベントとしてVertical Comapedrosa(8km 1,483mD+)、Skyrace Comapedrosa(24km 2,375mD+)、Skyrace Arinsal(19km 1,456mD+)の三つのレースが行われます。
7月22日土曜日
La Montee du Nid d’Aigle (19.5km)
フランス・サンジェルべで開催。距離20kmで標高差2000mの登りのみのレースで今年で36回目を迎えます。
Tatra SkyMarathon (42km, 36km, 15.5km)
ポーランドのタトリ山脈をコースとし、コシチェリスコ Kościeliskoの町を拠点とする42km 3300mD+の山岳レース。
Trans D’Havet (80km, 42km, 24km)
イタリア北部・バルダーニョをメイン会場にして開催される、80km、42kmなどのトレイルランニングレース。
7月23日日曜日
シン・大雪山トレイルジャーニー (60km, 40km, 15km)
北海道遠軽町白滝。フィールズの企画で開催されてきた大会は昨年再開。そこから再度名前を改め、新たな企画のもとで開催されます。Asia Trail Masterのシリーズにも加わりました。
霧島・えびの高原 エクストリームトレイル(63k/30k)
宮崎県えびの市・鹿児島県霧島市、湧水町。九州で有数の長距離トレイルランニング大会として2013年から開催されている大会。今回も当サイトが大会のライブ配信をサポートします。
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