マウントフジ100 Mt. FUJI 100 2024 リザルト

コートニー・ドウォルターが富士山で6年前にも増してドラマティックな印象を残した1日となりました。

Mt. FUJI 100(旧 ウルトラトレイル・マウントフジ)は10回目となる大会を4月26-27日に開催しました。100マイルの「FUJI100mi」ではコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) が男女総合3位となる19時間21分で富士北麓公園・富士山の銘水スタジアムにフィニッシュ。この大会におけるアスリートのパフォーマンスとしては過去にないハイレベルなものだったことに加え、コース後半では男子のトップ10圏内を走る選手たちを1人また1人と抜き去っていく華麗なレース展開を見せました。

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(All Photo © Fuji Hakone Izu Trail Support)

今回の大会直前の23日水曜日には大会の開催される富士山麓エリアは終日雨となり、大会からはFUJI100miのコースの一部である竜ガ岳エリアについてコース変更の要否を判断すると発表されました。しかし、大会当日の24日木曜日は快晴となりコース変更は不要と発表されました。深夜12時のスタート後も、コースとなるエリアは午前中は快晴、午後は曇り空となって日差しの強さが抑えられたことから、トレイルランニングには最適な天候となりました。

今年の大会ではFUJI100miのコースでF1富士宮(25.3km)の手前にある送電線下を通るトレイルで選手の渋滞が発生し、締切時刻がF1で30分、F2麓(52.5km)で1時間、それぞれ延長されました。二日目の27日土曜日には二重曲峠(F7、K3)と富士吉田(F8、K4)の間にある杓子山でも選手の渋滞が発生。FUJI100mi、KAI70kともに富士吉田と北麓公園のフィニッシュの両方で締切時刻が1時間延長されました。

FUJI100miはコートニーが世界トップクラスの実力を発揮、男子ではデン・グオミン、チン・グイドゥがレースをリード

今回はFUJI100mi、KAI70kともに異例の深夜のスタートとなり、距離166.6km、累積標高7,039mの「FUJI100mi」は24日木曜日の24:00に富士山こどもの国をスタートしました。コース序盤のF1富士宮(25.3km)までの下り基調のセクション、上位集団がその後の天子山地の登り下りのセクションを経て早朝にF2麓(52.5km)に到着した時には、デン・グオミン Guomin Deng (CHN) 、川崎雄哉 Yuya Kawasakiチン・グイドゥ Guidu Qin (CHN) の三人に絞り込まれ、1分半の差で田村健人 Kento Tamuraが追う展開となっていました。

その後、川崎雄哉が足の不調から集団から遅れるようになり、F4北麓公園(97.4km)でリタイア。田村健人もF6山中湖きらら(122.5km)でリタイアとなります。

FUJI100miのスタート

FUJI100miのスタート

樹海のトレイルを走る川崎雄哉

樹海のトレイルを走る川崎雄哉

杓子山へ向かうデン・グオミン

杓子山へ向かうデン・グオミン

その後はデン・グオミンが安定した足取りで独りでレースをリードする一方、今回が初めての100マイルへの挑戦となるチン・グイドゥはエイドでやや苦しそうな表情を見せ、補給にも時間をかけるようになります。チンはF8富士吉田(147.8km)ではデン・グオミンに20分遅れで到着します。F8富士吉田にはチン・グイドゥに1分足らずの差で総合3番手でコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) も到着。F8を出てからはドウォルターがチン・グイドゥの前を走る場面もありました。レース後のコメントでチンが「自分には力は残っていなかったが、世界のトップレベルのアスリートであるコートニーから何かを学ぶために最後までついていこうと思った」と話した通り、チンは最後に残る力を振り絞ります。

富士山の銘水スタジアムのフィニッシュゲートにはデン・グオミンが19時間10分で到着して優勝。2018年のUTMFで10位となった経験を持ちますが、6年後の今回は見事にマウントフジ100の頂点に立ちました。2位にはチン・グイドゥが10分差の19時間20分で続き、最後の20kmでデン・グオミンとの差を大きく縮めて準優勝となりました。コース後半にも安定した走力で村田諒 Ryo Murataが20時間27分で3位となりました。この大会には初挑戦でのトップ3入りの快挙となりました。4位は西方勇人 Hayato Nishikataで、昨年の5位に続く好成績でした。5位は ”Casquette Verte” (緑のキャップ)のニックネームで知られるアレクサンドル・ブシェ Alexandre Boucheix (FRA)が続きました。

FUJI100miで優勝したデン・グオミンのフィニッシュ

FUJI100miで優勝したデン・グオミンのフィニッシュ

FUJI100miを3位でフィニッシュした村田諒

FUJI100miを3位でフィニッシュした村田諒

女子のレースはコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) が19時間21分でフィニッシュ、2018年に続いてこの大会で二度目となる勝利となりました。この日のコートニーは女子の選手の中では終始先頭を走りましたが、コース中盤からは前を走る男子選手を1人また1人と追い抜いていく力強いレース展開をみせました。F6山中湖きららには総合4位で到着しますが、3位だった田村を置いて3番手でエイドを出発。前述の通りF8富士吉田を出てからは2番手を走る場面もありました。最後は男子2位のチン・グイドゥにわずか30秒差、男子優勝のデン・グオミンとはわずか11分差で総合3位でのフィニッシュでした。コースは毎年少しずつ違いがあるものの、この大会で女子選手が22時間以内で走った記録はなく、歴代の男子選手の優勝タイムと比べても遜色のない、驚異的なパフォーマンスでした。ちなみにドウォルターが2018年に優勝した際のタイムは23時間57分で、その年の男子優勝タイムはディラン・ボウマン Dylan Bowmanによる19時間21分21秒でした。

樹海のトレイルを走るコートニー・ドウォルター

樹海のトレイルを走るコートニー・ドウォルター

忍野村から山中湖へと向かう平尾山を走るコートニー・ドウォルター

忍野村から山中湖へと向かう平尾山を走るコートニー・ドウォルター

杓子山へ向かうコートニー・ドウォルター

杓子山へ向かうコートニー・ドウォルター

女子2位には清宮由香里 Yukari Seimiyaが23時間36分で続きました。優勝したドウォルターとの差は開きましたが歴代の女子優勝選手のタイムに並ぶ好タイムでの準優勝でした。学生時代から陸上競技に取り組んできましたが、近年は競技を中心とする生活からは離れていました。2年前からトレイルランニングを始め、昨年は信越五岳110kmでの優勝、ITJ70kでの準優勝で注目を集めます。山梨県在住で初めて走る100マイルは県内開催のこのレースで、と決めていたといいます。女子3位は今シーズンは9 Dragons Ultra 50/50で優勝、Lantau 70で2位など香港のイベントで活躍するアンジー・ヤン Angie Yan (HKG) が26時間15分で続きました。昨年のこの大会で4位だった細川由美 Yumi Hosokawaが今年も4位に。一昨年のこの大会で準優勝の矢野淳子 Junko Yano が5位となりました。

FUJI100miを2位でフィニッシュした清宮由香里

FUJI100miを2位でフィニッシュした清宮由香里

当サイトではFUJI100mi女子優勝のコートニー・ドウォルターとのレース後にインタビューを公開しています。

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KAI70kはアンドレウ・シモン、吉住友里が優勝

「FUJI100mi」のコース後半にあたる距離69.4km、累積標高3,493mの「KAI70k」は富士北麓公園・富士山の銘水スタジアムをスタート、フィニッシュとするレースです。

男子はアンドレウ・シモン Andreu Simon Aymerich (ESP)、長田豪史 Goshi Osada(日本)、イ・シンジン Xingjing Li(中国)の三人がリードしてレースが始まりました。レース前半で一度は遅れをとる場面がありましたが、アンドレウ・シモンは山中湖きらら(K2、25.3km)を出てからトレイルに入ると一気に二人を引き離して単独リードを奪います。後続選手に対する差を広げ続け、7時間7分で優勝。ケガのため当初予定していたFUJI100miでの100マイルレースデビューは叶わなかったものの、KAI70kでは圧倒的な強さを見せました。「100マイルを走るために、この大好きな日本に再び来るつもりです」とレース後に話しました。

2位をめぐってはイ・シンジンが前を走り長田がそのすぐ後ろで追うという展開が続きましたが、終盤で長田がイ・シンジンを交わして7時間29分で争いを制しました。長田とイ・シンジンの差はわずか2分ほどでした。4位には7時間34分で笠木肇 Hajime Kasagi 。笠置からは37分の間をおいて中才雄介 Yusuke Nakasaiが8時間11分で5位で完走しました。

女子のレースの前半はステファニー・ホウ Stephanie Marie Howe が先頭を走り、地元在住の吉住友里 Yuri Yoshizumiが追うという展開で始まりました。転機は山中湖きららからの山岳区間で、吉住が先頭に立つとそのままリードを広げて8時間7分44秒で勝利。2位には岩井絵美 Emi Iwai が8時間26分14秒で続き、3位は秋山穂乃果 Honoka Akiyama で8時間35分32秒でした。4位には今回のニューヒーロー賞を受賞した小川咲絵 Sakie Ogawaが8時間46分で続きました。序盤をリードしたステファニー・ホウ Stephanie Marie Howe (USA)は8時間48分で5位でした。

FUJI100mi リザルト

リザルト速報はこちらから。

女子 Women

  1. コートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) 19:21:22
  2. 清宮 由香里 Yukari Seimiya (JPN) 23:36:55
  3. アンジー・ヤン Angie Yan (HKG) 26:15:46
  4. 細川 由美 Yumi Hosokawa (JPN) 26:34:02
  5. 矢野 淳子 Junko Yano (JPN) 26:46:03
  6. リウ・ジュン Jun Liu (CHN) 27:22:40
  7. 新屋 祐希 Yuki Shinya (JPN) 27:27:13
  8. 坪井 光穂 Miho Tsuboi (JPN) 27:27:35
  9. 枝元 香菜子 Kanako Edamoto (JPN) 27:32:12
  10. 市村 浩美 Hiromi Ichimura (JPN) 29:05:53
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男子 Men

  1. デン・グオミン Guomin Deng (CHN) 19:10:34
  2. チン・グイドゥ Guidu Qin (CHN) 19:20:52
  3. 村田 諒 Ryo Murata (JPN) 20:27:14
  4. 西方 勇人 Hayato Nishikata (JPN) 20:59:36
  5. アレクサンドル・ブシェ Alexandre Boucheix (FRA) 21:02:14
  6. 土井 陵 Takashi Doi (JPN) 21:26:12
  7. 板垣 渚 Nagisa Itagaki (JPN) 21:41:47
  8. ウォン・ホーチュン Ho Chung Wong (HKG) 21:48:31
  9. 佐口 達也 Tatsuya Saguchi (JPN) 21:57:46
  10. 河崎 鷹丸 Takamaru Kawasaki (JPN) 21:59:05

KAI70k リザルト

女子 Women

  1. 吉住 友里 Yuri Yoshizumi (JPN) 08:07:44
  2. 岩井 絵美 Emi Iwai (JPN) 08:26:14
  3. 秋山 穂乃果 Honoka Akiyama (JPN) 08:35:32
  4. 小川 咲絵 Sakie Ogawa 08:46:46 (JPN) 08:46:46
  5. ステファニー・ホウ Stephanie Marie Howe (USA) 08:48:09
  6. 板橋 黎華 Reika Itabashi (JPN) 09:10:12
  7. 福田 恵里佳 Erika Fukuda (JPN) 09:14:04
  8. 山内 菜摘 Natsumi Yamauchi (JPN) 09:18:05
  9. 小谷 奈穂 Naho Kotani (JPN) 09:25:38
  10. 冨井 菜月 Natsuki Tomii (JPN) 09:53:57
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男子 Men

  1. アンドレウ・シモン Andreu Simon Aymerich (ESP) 7:07:34
  2. 長田 豪史 Goshi Osada (JPN) 07:29:09
  3. イ・シンジン Xingjing Li (CHN) 07:31:02
  4. 笠木 肇 Hajime Kasagi (JPN) 07:34:10
  5. 中才 雄介 Yusuke Nakasai (JPN) 08:11:18
  6. 町田 知宏 Tomohiro Machida (JPN) 08:18:50
  7. 高口 剛介 Gosuke Koguchi (JPN) 08:21:18
  8. 森本 幸司 Koji Morimoto (JPN) 08:21:57
  9. 木村 隼人 Hayato Kimura (JPN) 08:22:11
  10. 山谷 良登 Yoshito Yamatani (JPN) 08:24:48
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