NNormalが提案する革新的なモジュラーデザインのトレイルランニングシューズ「Kboix(ケボッシュ)」が日本国内で3月3日に発売

スペイン発のトレイルランニング・ブランド、NNormal(ノーマル)はミッドソールが交換可能なモジュラー式のトレイルランニングシューズ「Kboix(ケボッシュ)」を日本国内で3月3日月曜日に発売します。販売されるのはNNormalオフィシャルオンラインストアでの45足のみ、3種類のミッドソールが付属して59,400円(税込)となります。

NNormalは、世界的なトレイルランナーであるキリアン・ジョルネと、スペインの老舗シューズブランド「カンペール」が2022年に共同で立ち上げたアウトドアブランドです。今回国内で発売される新コンセプトのモジュラー式のシューズについては2023年12月に開発中であることが発表されたのち、2024年11月にブランドの本国での公式サイトでの予約注文が始まっていました。

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「Kboix」は、耐久性と適応性を最優先に設計されたモジュラーデザインのシューズで、ミッドソールが交換可能であることが最大の特徴です。今回の日本での販売にあたってはランナーのニーズや地形に応じて選べる3種類のミッドソールが付属します。

  • Kb1 Soft: EExpureテクノロジーによるEVA超臨界発泡フォームで作られており、軽量で弾力性に優れる。筋肉の疲労を軽減し、効率的な回復をサポート。
  • Kb2 Reactive: TPU超臨界発泡フォーム素材で作られており、高い反発力と安定性を提供。スピードが重要な場面やテクニカルな地面のランニングに最適。
  • Kb3 Bounce: PEBA超臨界発泡フォームで作られており、高いクッション性と反発性を両立。加速性とクッション性を求めるランナーに最適。

アウトソールにはVibram Litebaseアウトソールを採用し、ソールの厚みを削減しながらも高いグリップ力や耐久性を発揮する技術で、シューズ全体の軽量化が実現されています。アッパーにはポリアミド繊維とケブラー繊維を混合した耐久性・軽量性に優れたMatryxジャカードを採用しています。

NNormal / Kboix(ケボッシュ)

非常に限られた数量での販売となり、再入荷予定もないため、購入するには発売当日に早めの対応が必要になりそうです。

試してみた・ランニングシューズの革新の可能性を体感できる

今回の日本国内でのKboixの発売にあたって、メディアなどの関係者向けの体験会が都内で開催され、筆者も参加しました。

試し履きのために渡されたKboixは一足のシューズに、あらかじめ装着されているミッドソールと、交換できる素材の異なる2種類のミッドソールが付属します。Matryxジャカードのアッパーが精悍なイメージです。

足を入れてみた感触では普通のシューズとあまり差はありません。ただ、一緒に試し履きをした人たちには、緩めにシューレースを締めた状態だとシューズの中のミッドソールがずれるという人もいました。シューレースは一番上までしっかり締めるのがよさそうです。

少し歩いてみると、ミッドソールとそれを覆うアウトソールの全体のボリューム感を感じます。足の接地面もやや幅広な感じです。ミッドソールを入れ替え可能な構造としたことで、シューズのボリュームや重さは増しているようです。高価なシューズではありますが、レースのためのシューズというわけではないようです。アウトソールのラグのパターンは、Kjarag(ジェーラグ)に似ています。

まずはTPU素材の「Kb2 Reactive」のミッドソールを入れてトレイルを走ってみました。幅広の厚底トレイルランニングシューズで、クッション性と反発性のバランスがよい印象です。レース仕様のシューズではないというものの、長時間のトレイルレースにも安心して使えそうです。

ある程度走ったところでミッドソールを入れ替えます。ミッドソールはシューズの本体にしっかりとはまっていて、引き抜いて挿し替えるのは最初は一苦労でした。シューレースを緩めると挿し替えやすくなりました。

PEBA素材の「Kb3 Bounce」に入れ替えて今度は舗装路を走りました。こちらは反発力が前面に出てきた感じで、ペースを上げると気持ちよく前に飛び出すような感覚がありました。PEBAはマラソンのレーシングモデルのシューズなどで最近使われるようになった素材で、NNormalではKjaragやTomir(トミール) 2.0で使われています。

後日、EVA素材の「Kb1 Soft」も試してみました。こちらは反発性よりもクッション性を強く感じました。いわゆるロードのトレーニング向けのシューズといった感じで、ゆっくり長時間走った場合でも足の疲労感を軽減してくれそうです。ハイキングや日常生活や旅行でも快適に使えそうです。

3種類のミッドソールを差し替えられるシューズというのは初めての経験ですが、履いて走ったり歩いたりする限りは差を感じることはありませんでした。ただ、ミッドソールの差し替えはちょっと手間がかかる印象で、頻繁に差し替えながら走るのは難しいかもしれません。また、VibramのMegagripのアウトソールの耐久性は高いでしょうが、アウトソールが摩耗してしまえばシューズとしては寿命を迎えることになります。ミッドソールが差し替えられるからといって寿命が伸びるというわけにはいかなさそうです。さらに雨や渡渉で水に使った場合、シューズから水が抜けにくいということももしかしたらあるかもしれません。

とはいうものの三つのミッドソールの特性の違いを活かして、同じシューズを異なるシーンで使い分けられるのは貴重な経験で、私の場合はシューズに対する愛着が増しました。

今回の「Kboix」は初回生産ロットのみの販売なので、実験的なコンセプトモデルという位置付けですが、走ることとそのための道具についてユニークな経験ができるでしょう。NNormalのアイデンティティである環境への配慮も忘れない製品設計がこれからどんな革新的なシューズを生み出すか。「Kboix」はそんな期待をさせてくれる一品です。

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