4月25日(金)のスタートまであと4週間足らずとなったウルトラトレイル・マウント・フジ/Ultra Trail Mt. Fuji(UTMF)。Ultra-Trail® World Tourの第5戦となる今年のUTMFには世界で活躍する有力選手が多数参加します。この記事ではレースの観戦の参考に、今回のUTMFで注目のランナーを紹介します。
Sponsored link
今回のUTMFは一昨年と同じ時計回りで後半に天子山地がくるコースで開催。河口湖八木崎公園をスタート・フィニッシュとするコースは169.0km、累積標高差は9478mD+。4月25日(金)の午後3時にスタートで制限時間は46時間。2014年のUTMFのチャンピオンは男子は26日(土)の午前9時過ぎ、女子は同日午後3時過ぎに誕生します。
- STYは富士山こどもの国を26日(土)正午にスタート、時計回りに天地山地を経由して河口湖八木崎公園までの91.5km、累積標高差は4715mD+。制限時間は24時間。チャンピオンは男子が26日(土)の午後9時頃、女子は同日午後11時頃にフィニッシュする見込みです。
【UTMF女子】
女子でレースをリードしそうなのはヌリア・ピカス/Nuria Picas (スペイン・Buff)、ナタリー・マクレア/Nathalie Mauclair (フランス・LaFuma)、フェルナンダ・マシェール/Fernanda Maciel (ブラジル/スペイン・The North Face)の3人。ピカスはスペインの代表的なウルトラ/トレイルレースのCavalls del Ventで昨年まで3連勝。フランスのTemplierでも2連勝。初めての100マイルレースとなる昨年のUTMBで2位、今年のTransGrancanariaで優勝等、欧州で最も勢いある女性ランナーの一人。マクレアは昨年のTDSで優勝、レユニオン/Grand Raid Reunion – Diagonale des Fousで優勝という活躍ぶり。マシェールは2012年のSTYに出場して優勝、同年のUTMBで7位、今年はTransgrancanariaで3位に入っています。
そこに続いて入賞(5位)圏内に入りそうなのが次の選手たち。
- ネレア・マルチネス/Nerea Martinez (スペイン・Salomon):第一回UTMFで優勝したマルチネスがUTMFに戻ってきます。2011年UTMBで2位、2012年Andorra Ultra Trail – Ronda dels Cimsで優勝、2013年トル・デ・ジアン/Tor des Geantsで2位。今年はVibram HK100とTransGrancanariaでともに5位とやや控えめな結果。
- フランチェスカ・カネパ/Francesca Canepa (イタリア・Vibram):2012-2013年にトル・デ・ジアン/Tor des Geants優勝、2012年UTMB2位、2013年Andorra Ultra Trail – Ronda dels Cims優勝など、輝かしい実力。しかし、先月のTransgrancanariaでは力強い走りがみられなかったのが気になるところ。
カロリーヌ・シャブロ/Caroline Chaverot (フランス・HOKA One One):レースの記録が残るのは2012年からと日は浅いですが、2013年にはCCC優勝、80km du Mont-Blanc優勝などフランス国内のレースで活躍。欧州以外での初レースとなります。【家庭の事情から来日を見送り。2014.4.6】- マライア・サマルジャン/Maria Semerjian (フランス):UTMBで2011年に8位、2013年7位、Grand Raid Pyreneesで2012年に優勝。【追記しました。Merci エルワン/Erwan Le Brasさん!】
- ジュリア・ボッテガー/Julia Böttger (ドイツ・Salomon):2010年トル・デ・ジアン/Tor des Geantsで2位、2012年レユニオン3位など欧州のレースを中心に活躍する選手。
- ショーナ・ステファンソン/Shona Stephenson (オーストラリア・Inov-8):昨年のUTMFで2位だったステファンソンがさらに選手層が厚くなったUTMFに今年も参戦。
- マヌエラ・ヴィラセカ/Manuela Vilaseca (ブラジル/The North Face):昨年のSTYで優勝したヴィラセカはその後にUTMBで8位と健闘。今年のUTMFでの活躍に期待です。
- ノラ・セン/Nora Senn (ホンコン/スイス):2012年にはUTMFで3位、2013年にSTYで2位。
ルーリン・シン/Ru-Ling Xing (中国、The North Face):中国のベテラン女性ランナーでTNF 100 China (Beijing)では表彰台の常連。ヨーロッパやアメリカのレースにも出場しています。【追記・出場を見送り。2014.4.22】- 小川比登美/Hitomi Ogawa (日本、Patagonia/Vasque):UTMFでは2012年5位、2013年3位。昨年はUTMF以降大きなレースから遠ざかっているが、今年も活躍に期待。
- 網蔵久美子/Kumiko Amikura (日本):2012年のSTY2位、2013年UTMFで4位。今年も表彰台を期待。
- 伴明美/Akemi Ban (日本):UTMFでは2012年、2013年とも6位。今年こそは5位以内で表彰台に登れるか。
主なDNSのランナー(随時更新します)
- 鈴木博子/Hiroko Suzuki (日本、Salomon):UTMFで一昨年2位、昨年5位。当サイトが聞いた情報では今年はレースを見送る模様。
- カロリーヌ・シャブロ/Caroline Chaverot (フランス・HOKA One One):家庭の事情から来日を見送ることにしたとのこと。
- ルーリン・シン/Ru-Ling Xing (中国、The North Face)
【UTMF男子】
最近の実績やコンディションをみるとやはりレースをリードするのはフランソワ・デンヌ/François D’Haene (フランス・Salomon)とライアン・サンデス/Ryan Sandes (南アフリカ・Salomon)、そしてイケル・カレラ/Iker Karrera (スペイン・Salomon)となるでしょう。
フランソワ・デンヌは現在28歳。昨年のレユニオン/Grand Raid Reunion – Le Diagonale des Fousでは完璧なレースで優勝。昨年はほかにも80km du Mont-Blancで優勝、2012年には103kmに短縮されたUTMBで優勝しています。一方、サンデスは32歳。砂漠マラソンでの活躍を経て2011年のLeadville 100で優勝。2012年Western Statesで2位。今年も3月のTransGrancanariaで鮮やかな優勝で注目されたばかり。その直後には南アフリカ/レソトのロングトレイル、Drakensberg Grand Traverse(207km)で最速記録を更新しています。カレラは39歳。2011年のUTMBでキリアン、ミゲルとグループでレースを引っ張って2位に入った姿で世界に知られた後も出場するレースのほとんどで優勝する安定ぶり。特に昨年はトル・デ・ジアン/Tor Des Geantsで大会記録を更新して優勝しています。
今、勢いのある三人が富士山で世界の注目を集めるでしょう。
さらに上位での活躍しそうなのはセバスチャン・シニョー/Sebastien Chaigneau (フランス・The North Face)。昨年はHardrock 100の優勝が話題となったセバスチャンが昨年3位だったUTMFに戻ってきます。また、さらにアメリカからは長い金髪をなびかせてシャツなしで走る姿があまりに印象的なトレイルランニング界のロックスター、アントン・クルピチカ/Anton Krupicka (アメリカ・New Balance/Buff)が来日。昨年のUTMBではリタイアしましたが中盤ではトップに立って実力の健在を印象づけています。【ケガの回復が遅れており、レース参加を見送り。2014.4.16】そして日本からは原良和/Yoshikazu Hara (日本・HOKA One One)。海外では殆ど無名だった原の昨年のUTMFでの優勝は世界を驚かせました。昨年以上に有力選手がそろう今年も日本人の魂にあふれた走りに期待です。
さらにトップ10で表彰台をねらえそうなランナーが続きます(順不同)。
- マイク・フート/Mike Foote (アメリカ・The North Face):北米勢が鬼門としていたUTMBで2011年に11位、2012年の103kmで3位、2013年に5位。
- ジョー・グラント/Joe Grant (アメリカ・Inov-8/Buff):2012年Hardrock 100で2位。
- デイブ・マッキー/Dave Mackey (アメリカ・HOKA One One):50マイルや100kのレースに強く2011年にはUltraRunners of the Yearを受賞。今年1月にはVibram HK100で8位に入っています。
- ニック・クラーク/Nick Clark (アメリカ/イギリス・ALTRA):アメリカのレースでは上位の常連、Western Statesでは昨年まで4年連続でトップ10に入っています。昨年はGrand Slumにチャレンジし、そのうちのWasatch100で優勝、Leadville100で2位。
- ゲイリー・ロビンス/Gary Robbins (カナダ・Salomon):昨年のUTMFで4位。今年も1月のHURT 100で優勝し、体調はよさそうです。
- トーマス・ロルブランシュ/Thomas Lorblanchet (フランス・ASICS):フランスのハセツネともいうべきTemplierで4度優勝。アメリカのレースでも2012年のLeadville100で優勝しています。
- エマニュエル・ゴール/Emmanuel Gault (フランス・ASICS):2011年CCC優勝など、欧州で活躍するランナー。3月30日に開催された80kmのトレイルレース・Eco Trail de Parisで優勝したばかりです。
- アントワーヌ・ギュイヨン/Antoine Guillon (WAA/HOKA One One):昨年のUTMFで7位。どんなレース展開でも自分のペースを乱さない安定ぶりで昨年のレユニオンでは4位。今年はUltra Trail World Tourのレースを中心に積極的に世界のレースにチャレンジする模様。
- リオネル・トリベル/Lionel Trivel (フランス・HOKA One One):昨年のUTMFで10位。昨年は続くトル・デ・ジアン/Tor des Geantsで4位となる活躍をみせています。
- ブレンダン・デイビス/Brendan Davies (オーストラリア・Inov-8):昨年のUTMFで5位に入ったオーストラリアのスピードランナー。UTMFの直後のTNF 100 Australiaで大会記録を更新して優勝しています。
- ジョン・ティッド/John Tidd (ウルグアイ/アメリカ):昨年のUTMFで6位。その後のUTMBでも9位で表彰台に登っています。50歳を過ぎながらも粘り強い走りをみせるベテランです。
- 相馬剛/Tsuyoshi Soma (日本・OMM):信越五岳3連覇、ハセツネで二度優勝の日本の第一人者は今シーズンから富士山をベースにガイドサービス・Fuji Trailheadを起業。シーズン初の大きなレースに期待が集まります。昨年のUTMFはトップから3:50で21位。
- 石川弘樹/Hiroki Ishikawa(日本・Patagonia/Montrail):日本のトレイルランナーなら誰もが知る第一人者。2012年のUTMFではリタイア。
- 奥宮俊祐/Shunsuke Okunomiya(日本・Montail/MountainHardwear):日本のトレイルランニング界の人気者、ハセツネなど国内レースでの活躍に加え、2011年Western Statesで13位。今年1月のVibram Hong Kong 100では7位の実績。2012年UTMFで6位。【追記しました。2014.4.22】
- 山本健一/Kenichi Yamamoto(日本・Houdini):2012年UTMF3位、同年Grand Raid Pyrenees優勝、2013年Andorra Ultra Trail – Ronda dels Cimsで2位で欧州でも知られた存在。
- 望月将悟/Shogo Mochizuki(日本・La Sportiva):トランス・ジャパン・アルプスレース(TJAR)で2連覇。2012年UTMFでは4位。
横山峰弘/Minehiro Yokoyama(日本・The North Face):2012年UTMFではガッツあふれる走りで5位、今年は秋にレユニオン/Grand Raid Reunion出場も予定。【インフルエンザからの回復が遅れて出場を見合わせ。2014.4.24】- 山屋光司/Koji Yamaya (日本):UTMFでは一昨年6位、昨年8位。年々注目が高まるこの大会での今年の活躍に注目。
- 西城克俊/Katsutoshi Saijo (日本・Patagonia/Altra):UTMFでは一昨年8位。2013年はアメリカの100kのトレイルレース。Waldo 100kで8位。
- 礒村真介/Shinsuke Isomura (日本):一昨年のUTMFで9位。
さらにさらに、世界各地で活躍するランナーも参戦。世界のファンの注目を集めます。なかには富士山を世界に羽ばたくきっかけとする選手が現れるかもしれません
- ストン・ツアン/Siu Keung (Stone) Tsang (ホンコン・Champion System Adventure/The North Face):ホンコンを代表するトレイルランナー。昨年のUTMBでは男子17位に入っています。
ユン・ヤンキアオ/Yun Yan Qiao (中国・The North Face):昨年のVibram HK100で優勝のほかTNF 100 China (Beijin)では上位常連などアジアのレースでは知られた存在。今年は3月のTawaweraで2位となり、世界的なレースでブレイクしそうな予感です。【追記・出場を見送り。2014.4.22】- シン・ジェドゥク/Sim Jae-Deok (韓国):ハセツネでの優勝で日本のトレイルランナーにもおなじみのシンがUTMFに参戦。昨年は柴又100kで2位となりました。【訂正・STYに出場。】
- ティモ・マイヤー/Timo Meyer (ドイツ):日本のレースも走っているマイヤー。昨年はTaraweraで6位、Leadville100で6位、そして今年のHURT100で2位など海外のレースでの活躍を聞くことが増えています。【訂正・STYに出場。】
- ジェレミー・リッチー/Jeremy Ritcey (香港・カナダ、Salomon):2012年はSTYで4位。昨年のUTMFはリタイアでした。
- フランソワ・ファーブル/Francois Faivre (フランス・LAFUMA/JULBO):UTMBで2011年に9位、2012年の103kmで7位です。
- クリストフ・ルソー/Christophe Le Saux (フランス、WAA/HOKA One One):昨年のUTMFで長いパーマの髪が印象に残ったルソーが今年も来日。2011年トル・デ・ジアン/Tor des Geantsで2位など。昨年のUTMFでは13位。
- ヴァンサン・デレブレ/Vincent Delebarre (フランス、WAA/HOKA One One):第二回UTMB優勝で欧州では知られるランナーがTeam WAAのメンバーとして来日します。
- ファブリス・アマン/Fabrice Armand (フランス、レユニオン・Salomon):Grand Raid Reunionの開催されるレユニオンで活躍するランナーです。
ジェライ・デュラン/Yeray Duran (スペイン・カナリア諸島、Buff):カナリア諸島をベースに活躍するランナーで、今年のTransGrancanariaでは世界の競合を相手に4位に入り地元を沸かせています。【追記・出場を見送り。2014.4.22】Jordi Bes Ginesta (スペイン、The North Face/Compressport):昨年のCCCで優勝しています。【追記・出場を見送り。2014.4.22】- Marcelo Sinoca (ブラジル・The North Face):昨年のSTYで7位、今年はUTMFに挑戦です。
主なDNSのランナー(随時更新します)
- アントン・クルピチカ/Anton Krupicka (アメリカ・New Balance/Buff):ケガの回復が遅れており、レース参加を見送り。
- Jordi Bes Ginesta (スペイン、The North Face/Compressport)
- ジェライ・デュラン/Yeray Duran (スペイン・カナリア諸島、Buff)
- ユン・ヤンキアオ/Yun Yan Qiao (中国・The North Face)
- 横山峰弘/Minehiro Yokoyama(日本・The North Face)