[DC] プレビュー・Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race 2015 #hk100ultra

2015年となった今年も様々なトレイルランニングのイベントが注目されていますが、年明け早々に世界の注目が集まるのが香港で開催されるビブラム・ホンコン100ウルトラトレイルレース/Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(HK100)です。昨年に続いてUltra Trail World Tourの開幕戦として1月17日土曜日に開催されるこの100kmのトレイルランニングレースの模様を、当サイトは現地からライブ速報でお届けします。

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1600人のランナーが参加した2014年のレースのスタート。Photo by Vibram® HK 100

 

Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Raceのコース

HK100_logo.jpgHK100は香港のリゾートエリアであるSai Kung/西貢にあるPak Tam Chung/北潭涌をスタート。序盤はSai Kungの広大な自然公園のトレイルやビーチを巡るコースで比較的アップダウンは少ないルートを進みます。コースがアップダウンを増し始めるのはCP4のYung Shue O/榕樹澳(45km)付近から。CP5のKei Ling Ha/企嶺下(52km)ではドロップバッグを受け取れます。大規模なエイドステーションが置かれるCP6のGilwell Camp/基維爾訓練營(65km)まではエイド間の距離が最も長い区間。ここからCP7のBeacon Hill/筆架山(73km)の間は南側に広がる香港の大都会の眺めが楽しめます。

HK100のコース概要図。大会ウェブサイトより。

HK100のコース概要図。大会ウェブサイトより。

CP7からCP8のShing Mun Dam/城門水塘(83km)の間には野生の猿が住むエリアへ。補給食を奪われないように要注意。CP8を出ると、フィニッシュまでに急な登りを経て3つの大きなピークを越えることになります。まずはNeedle Hill/針山(532m)、そしてGrassy Hill/草山(647m)を経て急坂を下りてCP9のLead Min Pass/鉛礦坳(90km)へ。ここから最後にして最大の登り(標高差560m)の登りでTai Mo Shan/大帽山 (957m)へ。残り4kmは標高差400mの下りでフィニッシュのRotary Club Park/大帽山扶輪公園へと駆け下りることになります。

Vibram® Hong Kong 100の高低図。後半に大きなアップダウンが控えている。大会サイトより

Vibram® Hong Kong 100の高低図。後半に大きなアップダウンが控えている。大会サイトより

HK 100のスケジュール

ビブラム・ホンコン100ウルトラトレイルレース/Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(HK100)のスタートは1月17日土曜日の午前8時(日本時間同日午後9時)で制限時間は18時間。午後5時半(日本時間午後6時半)頃には最初のフィニッシャーがRotary Club Parkへとやってくる見込みです。

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2011年から開催されて今回が4回目となるこの大会の今年の参加者は1800人強。これまでの大会記録は男子がライアン・サンデス/Ryan Sandesの9時間54分57秒(2012年)、女子はクレア・プライス/Claire Priceの11時間58分04秒(2013年)となっています。

当サイトが現地からライブ速報でHK100の模様をお届けします

UTWT-Ultra Trail World Tour logoUltra Trail World Tourの開幕戦として注目されるビブラム・ホンコン100ウルトラトレイルレース/Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(HK100)について、当サイトは香港に入って現地からその模様をお届けします。レース中の上位選手や日本からの参加選手の状況を写真を交えてお送りするほか、注目選手のインタビューやエピソードなどもご紹介する予定です。

Women / 女性

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クレア・プライス/Claire Price

 

フランチェスカ・カネパ/Francesca Canepa

フランチェスカ・カネパ/Francesca Canepa

今年のHK100でも、レースをリードすることになるのはフランチェスカ・カネパ/Francesca Canepa(イタリア)でしょう。昨年UTWT 4位、2012年、2013年トル・デ・ジアン優勝、2013年はAndorra Ultra Trail Ronda dels Cims優勝、Eiger Ultra Trail優勝、2014年はHK100優勝、Transgrancanaria2位、Lavaredo Ultra Trail2位、Eiger Ultra Trail優勝といった実績は他の女子選手から抜きん出ているといえます。昨年のHK100では優勝はしたものの終盤に体調を崩して大幅にペースを落としています。今年は大会記録の更新を期待したいところ。カネパとともに優勝を狙うのは地元香港を拠点に活動する二人の優勝経験者。クレア・プライス/Claire Price(香港/イギリス)はHK100のコースレコードホルダー(2013年優勝)で2012年には2位。欧州では2011年CCCで2位、2013年TDSで2位といった結果を残していて、2013年UTMFでは8位でした。直近では昨年12月のTNF100 Hong Kongで優勝しています。ノーラ・セン/Nora Senn(香港/スイス)は
2012年のHK100で優勝していて、日本でも2012年UTMFで3位、2013年STYで2位になっています。

三人に続く名前は次のランナーの皆さん。

  • リサ・ボルサニ/Lisa Borzani(イタリア):昨年のトル・デ・ジアンで2位。TDSでは昨年2位、2013年に3位。
  • チョウ・ピュイヤン/周佩欣/Wyan Chow Pui Yan(香港):昨年のHK100でカネパから+33分で2位。昨年はTransLantau 50k、TNF 100 Hong Kongでそれぞれ3位など。
  • マリヤ・ニコロバ/Mariya Nikolova(ブルガリア):Lavaredo Ultra Trailで2013年に11位、2014年に18位。2013年UTMBで22位。
  • ワン・ヤフェン/王雅芬/Wang Ya Fen(台湾):ロードのウルトラマラソンが盛んな台湾で活躍、直近ではSoochow International Ultramarathonの48時間走で7位。
  • Nampetch Porntharukcharoen(タイ):昨年のTNF100 Thailandで優勝。
  • シャノン・レイ・リット/Shannon Leigh Litt(ニュージーランド):ニュージーランドのタフな100マイルレースで知られるNorthburn 100の100kで2013年に2位、2014年に3位。
  • シャリ・アドリアン・カーロ/Xari Adrian Caro(スペイン):2013年にTransgrancanariaで4位、Andorra Ultra Trail Ronda dels Cimsで4位。
  • ドン・リー/东丽/Dong Li(中国):昨年の80km du Mont-Blancで9位。
  • ステファニー・ケース/Stephanie Case(カナダ):2013年UTMBで11位。
  • エリザベート・マルガースドッティル/Elisabet Margeirsdottir(アイスランド):2014年UTMBで17位、UTMFで15位など。
  • シルビア・トリゲロス/Silvia Ainhoa Trigueros(スペイン):2013年UTMBで5位。
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Men / 男性

優勝候補は?

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2013年UTMBで12のアイテ・タマン/Aite Tamang(左)

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昨年優勝のティルサ・タマン/Tirtha Bahadur Tamang(中央)、準優勝のベド・スヌワル/Bede Bahadur Sunuwar(右)

今年のHK100の優勝争いに絡んでくるランナーとして名前が挙がるのは、まず昨年の優勝、準優勝のティルサ・タマン/Tirtha Bahadur Tamang(ネパール)、ベド・スヌワル/Bede Bahadur Sunuwar(ネパール)でしょう。中盤まで上位を占めていた国際的なトレイルランニングレースで経験豊富なランナーたちを追い続け、終盤に鮮やかなスパートでかわしたレース展開が今年も見られるかもしれません。ティルサ・タマン/Tirtha Bahadur Tamangは現在27歳でAnnapurna 100kでは2013年に2位、ベド・スヌワル/Bede Bahadur Sunuwarは28歳。さらに二人の先輩格で2012年のHK100で2位、2013年のUTMBで12位と結果を残しているアイテ・タマン/Aite Tamang(ネパール)。今年もネパールのトレイルランニングの父、Ramesh Bhattachanが指導するランナーがHK100で活躍するでしょう。

原良和/Yoshikazu Hara

原良和/Yoshikazu Hara

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ブラド・イクセル/Vlad Ixel

 

さらに見逃せないのがブラド・イクセル/Vlad Ixel(オーストラリア)。2013年からトレイルランニングのレースで活躍し始め、昨年のHK100で3位となってからも、TNF 100 Thailand、Trans Lantau 50k、TNF 100 Hong Kongの50kで優勝。欧州でも本格的な山岳レースのIce Trail Tatentaise (65k)で12位などの活躍ぶり。欧州では昨年の Transgrancanariaで6位、UTMBで7位で注目を浴びたソンドル・アムダール/Sondre Amdahl(ノルウェー)が出場。日本勢で優勝争いに一番近いのはやはり原良和/Yoshikazu Hara(日本)でしょう。100kmという距離やHK100の序盤の走りやすいコースは原が得意とするレースのはず。昨年12月の Soochow International Ultramarathonでの24時間走([DC] 24時間走で285kmで日本新記録、世界歴代2位・原良和/Yoshikazu Haraさんの東呉国際ウルトラマラソン/Soochow University International Ultra Marathonレースレポート)からのリカバリーが気になりますが、回復は順調な模様です。

トップ10を狙えるのは?

上記に加えてトップ10を狙いそうなのは次の皆さん。

  • HK100-2014-Okunomiya-finish.jpg

    奥宮俊祐/Shunsuke Okunomiya

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    ストン・ツアン/Stone Tsang

    奥宮俊祐/Shunsuke Okunomiya (日本):昨年はハセツネで自己ベストを更新して3位となるなど国内で活躍する奥宮は積極的に海外のレースにもチャレンジしており、昨年はEiger Ultra Trailで6位に。昨年のHK100でも序盤に積極的に上位集団で走って7位に入っています。コースとレースの雰囲気を知っている今年は昨年よりも有利といえるでしょう。

  • ストン・ツアン/曾小強/Stone Tsang Siu Keung(香港):UTMBで一昨年、昨年に17位となるなど、現在アジアでUTMBのトップ10に最も近いトレイルランナーの一人。昨年はUTMFでも11位と活躍。HK100では2013年に2位、2014年に9位に入っています。
  • アントワーヌ・ギュイヨン/Antoine Guillon(フランス):UTMFで2013年に7位、2014年に4位となるなど、日本でもおなじみのアントワーヌ。昨年はTransgrancanariaで5位、Lavaredo Ultra Trailで12位、Grand Raid Reunionで12位などの結果でUTWTの年間4位。昨年のHK100では14位でした。
  • シリル・コワントル/Cyril Cointre(フランス):2013年のUTMFで9位だったシリルも昨年はTransgrancanariaで8位、Lavaredo Ultra Trailで9位などの結果でUTWTの年間9位でした。昨年のHK100で11位。
  • 大瀬和文/Kazufumi Oose

    大瀬和文/Kazufumi Oose

    大瀬和文/Kazufumi Oose(日本):すでに国内のトレイルレースでは表彰台の常連となった大瀬は昨年のUTMFで19位、UTMBで22位。今シーズンは世界の舞台でより高い結果を目指します。

  • ジェレミー・リッチー/Jeremy Ritcey(香港/カナダ):2011年の第1回HK100で2位となって以来、今回5回目の完走を狙うジェレミーは2012年STYで4位など、日本でも結果を残しています。昨年はHK100で16位となったあと、TransLantau 100kで優勝。
  • クリストフ・ルソー/Christophe le Saux(フランス):クリストフも2013年、2014年にUTMFで来日(ともに13位)。昨年はUTWTのレースを中心に多くのレースに出場し、UTWT年間11位。トル・デ・ジアンではWAAのチームメイトであるアントワーヌと一緒に3位でフィニッシュしています。
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    永田務/Tsutomu Nagata

    永田務/Tsutomu Nagata(日本):日本のトレイルランナーの間では永田の名前は知られていないかもしれません。しかし、2013年のサロマ湖で6:44:33で3位となり、昨年は富士五湖チャレンジ72kmで優勝、アメリカ・アリゾナ州の100マイルトレイルランニングレースであるColdwater Rumbleで2位([DC] 永田務さんがアリゾナの100マイル・トレイルレースで2位に・昨年サロマ湖3位 #ColdwaterRumble100)。スピードが求められるHK100は得意とするレースでしょう。

日本の有力ランナー

1800人を超えるランナーが出場する中で日本からも93人がエントリーしています。上記以外で活躍が期待される日本の有力選手には次のような方々がいます。

  • 山屋光司/Koji Yamaya:2012年UTMFで6位。OSJおんたけウルトラでは2013年に100kで3位、2014年は100マイルで2位。
  • 小林慶太/Keita Kobayashi:2014年UTMFで8位。その後もSPA TRAILで優勝するなど、今年の活躍が期待される存在。
  • 横内宣明/Noriaki Yokouchi:ハセツネの上位常連で昨年は12位。
  • 吉野剛/Tsuyoshi Yoshino:「裸足ランニング」で著名なランニング・コーチ。

参考

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