宮原徹が二連覇、吉住友里が女子新記録で優勝。2016年 上田バーティカルレース・太郎山登山競走 リザルト #UedaVK #上田VK

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日本におけるバーティカル・キロメーター(VK)の、さらには広く山を走るというスポーツの今後の大きな可能性を実感する歴史的なイベントとなりました。昨日5月3日(火)、2回目となる上田バーティカルレース・太郎山登山競走(上田VK)が長野県・上田市の太郎山で開催されました。2016年のスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)の開幕戦となる上級コース(5000m / 1000mD+)では宮原徹 / Toru Miyahara(滝ヶ原自衛隊)が昨年に続いて優勝、女子では大阪のマラソンランナー、吉住友里 / Yuri Yoshizumiが昨年の優勝タイムを大幅に上回るタイムでフィニッシュ。初開催となるユース日本選手権では馬場直人 / Naoto Baba(専修大)、高村貴子 / Takako Takamura(旭川医大)がそれぞれ優勝。二人はそれぞれ男女の総合でも2位となっており、大学生世代の活躍がレースのレベルを大きく引き上げる結果となりました。

以下の記事では上位選手のリザルトと、大会後に上田市内で開催されたスカイランニング世界選手権壮行会で発表された今年の世界選手権、ユース選手権の日本代表選手をご紹介します。

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参加者が倍増、ユース世代がめざましい活躍

UedaVK-2016_logo昨年、日本スカイランニング協会(JSA)が自ら開催する大会として始まったばかりの上田バーティカルレース・太郎山登山競走(上田VK)ですが、今年はSJSおよびユース日本選手権となった「猿飛佐助コース」(5000m / 1000mD+)に昨年の1.9倍となる約380人がエントリーし、この大会の注目度が高まっていることがうかがえます。

今年も昨年同様に天候に恵まれた好コンディションの中、午前9時半から概ね走力が高いランナーほど後からスタートする形で順にスタート。男子の優勝は事前の評判通りに宮原徹 / Toru Miyahara(滝ヶ原自衛隊)が勝ち取りました。富士登山競走の大会記録保持者で山の登りで圧倒的な強さを誇る宮原は日本におけるバーティカル・キロメーター(VK、5kmほどの距離で標高差1000mを登り切る山岳レース)の第一人者として、世界に知られる存在です。今回は昨年の自身の優勝タイムを1分17秒上回る42分57秒10で優勝。しかしレース後には「勝ちが見えたところで少し気が緩んだかもしれない」と振り返り、「VKの皇帝」には若干の余裕さえうかがえました。

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優勝した宮原徹 / Toru Miyaharaのフィニッシュ。

2位、3位には宮原から1分45秒差で馬場直人 / Naoto Baba(専修大)、上田瑠偉 / Ruy Ueda(montrail / MountainHardwear)が続き、二人の差はわずかに0.37秒という僅差でした。馬場はクロスカントリースキーでユース日本代表の経験を持つアスリートで、昨年は48分16秒で4位。今年は皇帝・宮原との差を昨年の4分から大きく縮める成長ぶり。上田は2014年ハセツネ・カップを大会新記録で優勝して以来、日本のトレイルランニング界のプリンスとして活躍していますが、VKは今回が初めての挑戦。宮原の安定した登りの力強さを目の前で見て、次のVKのレースでは今回の経験を生かしてもっと好成績を残したい、と話しました。ユースカテゴリー(16歳から23歳)に該当する20歳の馬場と23歳の上田はそれぞれユース日本選手権で優勝、準優勝となりました。

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上田瑠偉 / Ruy Uedaのフィニッシュ。僅差で馬場直人に続いて3位に。

4位には昨年のこの大会2位でVKで好成績を重ねている渡辺良治 / Ryoji Watanabe、5位には富士登山駅伝の常勝チームである滝ヶ原自衛隊の新牛込崇史 / Takashi Shinushigomeが続きました。

女子では吉住友里 / Yuri Yoshizumiが51分49秒87で、2位以下に約7分の大差で圧勝。小林由貴の昨年の優勝タイムからも7分弱を縮めています。国内のVKでの女子選手としてはこれまでにないハイレベルな成績です。吉住は大阪の市民ランナーとしてフルマラソンで2時間37分というスピードの持ち主で、一昨年からトレイルを走っています。今は山を走ることが新鮮で楽しくて仕方がないといい、その小柄な体からは想像できない力を発揮しました。2位には58分47秒で高村貴子 / Takako Takamura。大学ではスキー部で、昨年のハセツネ・カップで3位となって注目を集めています。3位は高村から約1分差で福田由香理 / Yukari Fukudaが入りました。福田は昨年のスカイランニング日本選手権のウルトラカテゴリーとなった美ヶ原80kで優勝するなど長距離に強い印象でしたが、VKでも実力の高さを示しました。4位にはベテランの加藤揚子 / Yoko Kato、5位に昨年優勝の小林由貴 / Yuki Kobayashi。小林は途中でコースを見失って引き返すハプニングもあって二連覇を逃すことになりました。

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太郎山山頂で女子上位選手が笑顔を見せる。左から7位の岩楯志帆、3位の福田由香理、2位の高村貴子、5位小林由貴、優勝の吉住友里。

女子のユース日本選手権は高村貴子が優勝、2位は19歳の池田華子 / Kako Ikedaとなりました。

Skyrunner_Series_Japan_logo今回の結果をみてみると印象に残るのはユース世代の活躍が昨年と比べても著しく、これからのVKあるいはスカイランニングをリードしていくことを予見させました。今回のユース選手権上位の馬場直人、上田瑠偉、高村貴子は今回の大会全体をリードしたことをご紹介しましたが、このほかにもユース選手権男子3位の和田優一 / Yuichi Wadaは男子7位、ユース4位の吉野大和 / Yamato Yoshinoが同8位、ユース5位の名取将大 / Masahiro Natoriが同9位となるなど、上位をユース世代が占めました。

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今回の大会で活躍した大学生の選手。左から荒井俊亮、井下田雄亮、藤飛翔、吉野大和、名取将大、上田瑠偉、鈴木龍弥、阿部圭祐。

今回が2回目の開催となった上田VKですが、前回よりも参加者は増え、大会前後のイベントも充実、山頂のフィニッシュ地点も賑わいが増しました。上田が日本におけるスカイランニングの拠点であることを示す存在として、この大会がこれから存在感を高めていくことを予感させました。

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全力のフィニッシュを見せた小川壮太。

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今年最初のスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)・ウィナービブを身につけた宮原徹(右)と吉住友里。

リザルト

大会のリザルトのリンクはこちら:猿飛佐助コース(スカイランナー・ジャパン・シリーズ)真田幸村コース

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猿飛佐助コース(スカイランナー・ジャパン・シリーズ)

女子 / Women

  1. 吉住友里 / Yuri Yoshizumi 51:49.87
  2. 高村貴子 / Takako Takamura(TECNICA) 58:47.34
  3. 福田由香理 / Yukari Fukuda(Altra) 59:50.62
  4. 加藤揚子 / Yoko Kato 1:01:23.74
  5. 小林由貴 / Yuki Kobayashi(岐阜日野自動車) 1:01:50.14
  6. 大松知恵 / Chie Omatsu 1:03:12.05
  7. 岩楯志帆 / Shiho Iwadate 1:05:12.33
  8. 小川ミーナ / Mina Ogawa 1:06:04.46
  9. 須藤吉仕子 / Kishiko Suto 1:07:09.59
  10. 田中真紀 / Maki Tanaka 1:07:36.24
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女子の表彰台。左から4位の加藤揚子、2位の高村貴子、優勝の吉住友里、3位の福田由香理、5位の小林由貴。

男子 / Men

  1. 宮原徹 / Toru Miyahara(滝ヶ原自衛隊) 42:57.10
  2. 馬場直人 / Naoto Baba(専修大) 44:42.70
  3. 上田瑠偉 / Ruy Ueda(montrail / MountainHardwear) 44:43.07
  4. 渡辺良治 / Ryoji Watanabe 45:04.28
  5. 新牛込崇史 / Takashi Shinushigome(滝ヶ原自衛隊) 45:18.99
  6. 牛田美樹 / Miki Ushida(inov–8) 45:36.03
  7. 和田優一 / Yuichi Wada 46:24.68
  8. 吉野大和 / Yamato Yoshino 47:15.56
  9. 名取将大 / Masahiro Natori(La Sportiva) 47:46.88
  10. 松本翔 / Sho Matsumoto(日税ビジネス) 47:57.80
  11. 近藤敬仁 / Yoshihito Kondo(The North Face) 48:05.09
  12. 宮川鉄也 / Tetsuya Miyagawa 48:07.67
  13. 小川壮太 / Sota Ogawa(Salomon) 48:14.08
  14. 八嶋宏晃 / Hiroaki Yashima (滝ヶ原自衛隊) 48:51.20
  15. 今井洋二 / Yoji Imai 49:12.40
  16. 市川竜太郎 / Ryutaro Ichikawa(滝ヶ原自衛隊) 49:29.55
  17. 石井克弥 / Katsuya Ishii 49:34.56
  18. 佐々木侑一 / Yuichi Sasaki(滝ヶ原自衛隊) 49:38.77
  19. 東徹 / Toru Higashi(asics) 50:04.79
  20. 加藤慎也 / Shinya Kato 50:20.02
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男子の表彰台。左から4位の渡辺良治、2位の馬場直人、優勝の宮原徹、3位の上田瑠偉、5位の新牛込崇史。

ユース日本選手権・女子 / Women

  1. 高村貴子 / Takako Takamura 58:47.34
  2. 池田華子 / Kako Ikeda 1:15:00.40
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ユース日本選手権・男子 / Men

  1. 馬場直人 / Naoto Baba 44:42.70
  2. 上田瑠偉 / Ruy Ueda 44:43.07
  3. 和田優一 / Yuichi Wada 46:24.68
  4. 吉野大和 / Yamato Yoshino 47:15.56
  5. 名取将大 / Masahiro Natori 47:46.88

2016年スカイランニング世界選手権、ユース世界選手権の日本代表が発表に

Buff_Epic_Trail-logo上田VKの開催された3日の夜、上田市内で今年のスカイランニング世界選手権の日本代表選手壮行会が開催され、この中で日本代表選手団のメンバーが発表されました。これらの日本代表選手はあらかじめ発表されていた通り、昨年の日本選手権の各レースや海外のレースの結果や、各選手の意向をもとに決定されました。スカイランニングで最高峰のイベントとなる世界選手権は今年7月22日から24日にスペイン・カタルーニャのピレネー山脈の中の町、バル・デ・ボイ / Vall de Boíで開催されるBUFF® Epic Run Aigüestortesとなります(当サイト関連記事)。

Gransasso-logoあわせて今年のユース世界選手権の日本代表選手も紹介されました。こちらは16歳以上23歳以下の選手を対象とする世界選手権で、イタリアで開催されるグランサッソ・スカイレース / Gran Sasso Skyraceにおいて開催されます(当サイト関連記事)。こちらは7月29–30日開催です。

世界選手権日本代表に対して、JSA代表の松本大さんからは「各選手には、国別ランキングの加点の対象となるのは各レースで男子上位30位、女子上位15位を上回ることを目標にしてほしい。その結果として国別表彰で日本が10位以内に入ることを日本選手団の目標にする」との激励と決意表明がありました。またユース世界選手権日本代表には、「大会まで学業とスポーツの両立を心掛けるとともに、現地で世界から集まるユース世代の選手と交流を深めてほしい。さらにイタリアでの経験を日本に持ち帰って仲間と共有してほしい」と話しました。

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2016年スカイランニング世界選手権の日本代表選手の皆さん。

スカイランニング世界選手権日本代表選手

VK

  • 渡辺良治 / Ryoji Watanabe
  • 岩楯志帆 / Shiho Iwadate

SKY

  • 岩楯志帆 / Shiho Iwadate
  • 小川ミーナ / Mina Ogawa
  • 長谷川香奈子 / Kanako Hasegawa
  • 松本大 / Dai Matsumoto
  • 牛田美樹 / Miki Ushida
  • 近藤敬仁 / Yoshihito Kondo
  • 星野和昭 / Kazuaki Hoshino
  • 上田瑠偉 / Ruy Ueda

ULTRA

  • 福田由香理 / Yukari Fukuda
  • 丹羽薫 / Kaori Niwa
  • 小川壮太 / Sota Ogawa
  • 東徹 / Toru Higashi

スカイランニング・ユース世界選手権日本代表選手

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世界選手権の翌週に開催のユース世界選手権に日本代表として出場する皆さん。

  • 高村貴子 / Takako Takamura
  • 池田華子 / Kako Ikeda
  • 上田瑠偉 / Ruy Ueda
  • 藤飛翔 / Tsubasa Fuji
  • 名取将大 / Masahiro Natori
  • 鈴木龍弥 / Ryuya Suzuki
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