2017年トレイル世界選手権 バディーア・プラタリア Badia Prataglia・Trail Sacred Forests リザルト #TrailWC

いわゆる「走れるトレイル」での50kmのレースでスペインとフランスが選手層の厚さを見せつけることになりました。日本代表チームもよく健闘して結果を残しました。今年のトレイル世界選手権 Trail World Championshipsは先週末の6月10日土曜日にイタリアのバディーア・プラタリア Badia Pratagliaで38カ国から男子153人、女子113人の各国代表選手が出場して開催。50km/3,000mD+のコースで男子は終盤に大逆転劇が展開され、スペインのルイス・アルベルト・ヘルナンド クリストファー・クレメンテ Cristofer Clementeが、1分差で優勝、準優勝を分け合うことに。3位にはトライアスロンのトップ選手として活躍し、国際的なトレイル・レースは初挑戦となったセドリック・フルールトン Cedric Fleureton(フランス)が入りました。女子のレースはフルマラソンで2時間38分という走力を持つアデリーヌ・ロシュ Adeline Rocheがレースをリードして優勝。優勝したロシュも2位のアマンディーヌ・フェラート Amandine Ferrato(フランス)も今回が国際的なレースへのデビューでした。女子3位はシルビア・ランパッソ Silvia Rampazzo(イタリア)。日本代表チームは前半にトップ10県内を走った近藤敬仁 Yoshihito Kondoが17位。 Yuya Kawasakiが30位、荒木宏太 が40位。女子では福地(斎藤)綾乃 Ayano Fukuchi, née Saitoが64位でフィニッシュしました。

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スタート前の日本代表チーム。左から荒木宏太、川崎雄哉、近藤敬仁、福地綾乃。 by Koichi Iwasa

男子はルイス・アルベルト・ヘルナンドが世界選手権2連覇

男子のレースを制したのはやはり優勝候補の筆頭とみられていたルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto Hernandoでした。今回の50kmのコースは累積標高差は3000mD+と大きいものの路面は林道やよく踏まれたトレイルが大半で、かなりのスピードレースになると見込まれていました。この日のルイスはアメリカの中距離のトレイルで実績を持つアンディ・ワッカー Andy Wacker(アメリカ)やトライアスロンのトップ選手であるセドリック・フルールトン Cedric Fleureton(フランス)とともにレースをリード。39km地点では先頭を走るフルールトンに2分差の2位でした。ここからコース最大の難所となる時折急な傾斜がある長い登りになると、ルイスは一気に勝負をかけます。コース後半には足がつり気味だったというフルールトンを抜き去り、4時間23分でフィニッシュ。昨年に続き、このトレイル世界選手権で2連覇を達成しました。80km以上の長距離での活躍が著しいルイスですが、ワッカーやフルールトンのようなスピードの持ち主をこの50kmのレースで制し、王者の新しい強さを見せつけることになりました。

優勝したルイス・アルベルト・ヘルナンド。Photo courtesy of Trail Sacred Forests

この日、2位はスペイン・カナリア諸島のトップアスリートでスカイランニングでは上位常連で知られるクリストファー・クレメンテ Cristofer Clementeでした。この日のクレメンテは序盤の9km地点では31位とトップからは離れてレースをスタート。39km地点でもトップから5分差の4番手。ここからルイスをあと少しで背中が見えるところまで追い詰めます。結局クレメンテはルイスからちょうど1分差の2位でフィニッシュ。50kmのスピードレースとなれば最初から上位についていくもの、というセオリーを覆す鮮やかなレースでした。

2位のクリストファー・クレメンテ。photo by Koichi Iwasa

3位にはフルールトン(フランス)、4位には優勝したルイスから6分差でアンリ・アンジオ Henri Ansio (フィンランド)。5位は同じく6分差でダニエル・ガルシア Daniel Garcia (スペイン) が続きました。

優勝したルイス・アルベルト・ヘルナンドのフィニッシュ。Photo courtesy of Trail Sacred Forests

各国の上位3人のタイムの合計で競う国別団体表彰では優勝のルイス、2位のクレメンテ、5位のガルシアでスペインが金メダルを獲得。銀メダルは3位にフルールトン、6位にルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret、14位にベヌワ・コリ Benoit Coriが入ったフランス。銅メダルはアメリカが獲得。9位にマリオ・メンドーザMario Mendoza、15位にコディ・リード Cody Reed、20位にアンディ・ワッカーと欧州勢中心のレースで存在感を示しました。

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日本代表チームは近藤敬仁 Yoshihito Kondoが快調な滑り出しで19km地点で9位を走ります。しかしその後のコース後半に現れる大きな登りに苦しむことになり順位を落とします。しかし最後は4時間48分、日本代表男子の歴代最高位となる17位でフィニッシュ。川崎雄哉 Yuya Kawasaki荒木宏太 Kota Arakiはともに前半で健闘したものの後半の長い登りでペースを落とすことになり 川崎は30位、荒木は40位でフィニッシュ。3選手にフィニッシュ後に話を聞いたところでは、コース後半の登りが想像以上に厳しかったとのこと。欧州各国チームに比べればコースについての情報は手に入りにくいことが弱点となったともいえそうです。国別表彰では日本は8位になっています。

39km地点の近藤敬仁。Photo by Koichi Iwasa

日の丸を掲げて川崎雄哉がフィニッシュ。Photo courtesy of Trail Sacred Forests

38km地点での荒木宏太。photo by Koichi Iwasa

女子はフランス勢が席巻、新女王アデリーヌ・ロシュがデビュー

女子のレースで優勝したのはアデリーヌ・ロシュ Adeline Roche(フランス)でした。現在32歳のロシュはフルマラソンのPRが2時間38分31秒(2010年)というスピードの持ち主ですが、トレイルランニングのレースは今年3月にフランス代表選考レースだったTrail Ventouxが初めて(優勝)。この日は最初からレースをリードし、後続に2分差をつけていましたが、最終盤では胃のトラブルから厳しい表情に。そこに2番手を走っていた同じフランスのアマンディーヌ・フェラート Amandine Ferratoが後ろから迫ります。フィニッシュではロシュとフェラートの差はわずか3秒差。フィニッシュではお互いの検討を称えあいます、このあと、2013年、2015年のトレイル世界選手権チャンピオンのナタリー・マクレア Nathalie Mauclairが5位に入り、チーム・フランスが国別団体の金メダルを獲得。2011年以来5回連続で女子優勝はフランス人選手が獲得しています。

38km地点でレースをリードするアデリーン・ロシュ。Photo by Koichi Iwasa

優勝したアデリーヌ・ロシュのフィニッシュ、背後には2位のアマンディーヌ・フェラートの姿。Photo courtesy of Trail Sacred Forests

3位には先々週のゼガママラソンで2位だったシルビア・ランパッソ Silvia Rampazzo(イタリア)がトップ二人から11分差でフィニッシュ。4位にラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)、5位はナタリー・マクレアでした。国別団体ではフランスの金メダルに続いたのは銀メダルがイタリア、銅メダルがスペインでした。

日本代表では福地(斎藤)綾乃 Ayano Fukuchi, née Saitoが6時間26分で完走、64位となりました。

9km地点の福地綾乃。Photo by Koichi Iwasa

40km地点のエイドで補給する福地綾乃。Photo by Koichi Iwasa

リザルト

全体のリザルトはこちら(IAUの公式記録は男子がこちら女子がこちら)。国別団体のリザルトはIAUのウェブサイト男子女子)から。

男子 Men

男子の表彰台。左から2位のクリストファー・クレメンテ、優勝のルイス・アルベルト・ヘルナンド、3位のセドリック・フルールトン。photo by Koichi Iwasa

  1. ルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto Hernando (スペイン) 4:23:31
  2. クリストファー・クレメンテ Cristofer Clemente (スペイン) 4:24:31
  3. セドリック・フルールトン Cedric Fleureton  (フランス) 4:28:03
  4. アンリ・アンジオ Henri Ansio (フィンランド) 4:29:24
  5. ダニエル・ガルシア Daniel Garcia (スペイン) 4:29:30
  6. ルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret  (フランス) 4:30:47
  7. ミゲル・カバレロ Miguel Caballero (スペイン) 4:37:20
  8. ジリ・シパ Jiri Cipa (チェコ) 4:38:49
  9. マリオ・メンドーザ Mario Mendoza (アメリカ) 4:41:32
  10. パブロ・マヌエル・ビラ Pablo Manuel Villa (スペイン) 4:42:19
  11. ヤノシュ・コワルゼク Janosch Kowalczyk(ドイツ) 4:42:30
  12. クリスティアン・ピツァッティ Christian Pizzatti(イタリア)4:42:56
  13. エリオ・フモ Hélio Fumo(ポーランド)4:43:06
  14. ベヌワ・コリ Benoit Cori (フランス)4:44:15
  15. コディ・リード Cody Reed (アメリカ) 4:44:56
  16. ステファノ・ファントス Stefano Fantuz (イタリア) 4:45:21
  17. 近藤敬仁 Yoshihito Kondo(日本) 4:48:31
  18. トム・エリク・ハルバーセン Tom Erik Halvorsen (ノルウェー)4:49:43
  19. ニコラ・マルタン Nicolas  Martin (フランス) 4:50:09
  20. アンディ・ワッカー Andy Wacker (アメリカ) 4:50:24
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30 川崎雄哉 Yuya Kawasaki (日本) 4:59:18

40 荒木宏太 Kota Araki (日本) 5:09:19

女子 Women

女子の表彰台、左から2位のアマンディーヌ・フェラート、優勝のアデリーン・ロシュ、3位のシルビア・ランパッソ。Photo by Koichi Iwasa

  1. アデリーヌ・ロシュ Adeline Roche (フランス) 5:00:44
  2. アマンディーヌ・フェラート Amandine Ferrato (フランス) 5:00:47
  3. シルビア・ランパッソ Silvia Rampazzo (イタリア) 5:11:07
  4. ラグナ・デバッツ Ragna Debats (オランダ) 5:14:16
  5. ナタリー・マクレア Nathalie Mauclair (フランス) 5:16:10
  6. セリーヌ・ラファイエ Celine Lafaye (フランス) 5:19:17
  7. ライア・カニェス Laia Cañes (スペイン) 5:19:36
  8. ルーシー・ジャスミン Lucie Jamsin (フランス) 5:21:08
  9. サンドラ・コブルミュラー Sandra Koblmüller (オーストリア) 5:22:25
  10. エリザベス・フラデラー Elizabeth Fladerer (ドイツ) 5:25:18
  11. マイヤ・オラヴァマキ Maija Oravamäki (フィンランド) 5:25:22
  12. グロリア・リタ・グイディチ Gloria Rita Giudici (イタリア) 5:25:36
  13. ラディア・アルバートソン Ladia Albertson (アメリカ) 5:27:51
  14. アンナ・コメット Anna Comet (スペイン) 5:27:59
  15. バーバラ・バニ Barbara Bani (イタリア) 5:28:25
  16. サンドラ・マルタン Sandra Martin (フランス) 5:29:44
  17. ジョー・ミーク Joanna Meek (イギリス) 5:31:34
  18. フランジズカ・エッター Franziska Etter (スイス) 5:34:15
  19. ミカエラ・メルトバ Michaela Mertova (チェコ) 5:34:32
  20. ドミニカ・ステルマハ Dominika Stelmach (ポーランド) 5:36:12
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64 福地綾乃 Ayano Fukuchi (日本) 6:26:29

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