前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。
(写真・先週末の美ヶ原トレイルラン 80kのスタート。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)
トレイルランニング関連ニュース
- 2018年TJAR・参加要項が発表に:2年に一度開催されるトランスジャパンアルプスレース(TJAR)の次回開催は来年2018年ですが、その次回大会の参加要項が発表されました。参加資格の大枠については前回から大きな変更はないようですが、日本語のスキルについては「日本語で通常の会話もしくは読み書きのできること。」とされ、従来のように日本語に「堪能」であることは求められなくなったことは、海外からの参加に少し門が開かれたといえるかもしれません。次回の開催日程などの詳細は今後発表される見込みです。
- Western Statesによるアンケート調査の結果が発表に:先々週末にアメリカでウエスタンステイツ Western Statesが開催されましたが、大会に参加したランナーを対象に行われたアンケートの結果が発表されています。アンケートはこれまで100マイルを走った経験、サポートクルーやペーサーがいたかどうかといったものから、使用したシューズやソックス、バックパックなどのメーカーについても調査されています。シューズについてはHoka、Altraの二強にSalomonを加えると過半数に。ソックスもInjinjiとDrymaxが二強。パックについてはUltimate Direction、Salomon、そしてNathanの3強が人気のようです。
先週末のイベント
6月30日金曜日 – 7月2日日曜日:Mont Albert
- Ultra Trail du Mont Albert / Canadian Skyrunning Festival (VK, 22k, 42k, 100k, 165k):カナダ・ケベック州ガスペジー国立公園で開催。カナダにおけるスカイランニング・フェスティバルという位置付けで開催されました。リザルトはこちら。
6月30日金曜日 – 7月1日土曜日:Altai Ultra Trail
- Altai Ultra Trail (155 km / 105 km / 50km / 30 km):ロシア・シベリアのベルーハ自然公園で開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。Asia Trail Masterのシリーズ戦です。
7月1日土曜日 – 2日日曜日:IAU 24時間世界選手権
- IAU 24H World Championships: イギリス・北アイルランドで開催された24時間走の世界選手権。1653mの周回コースを24時間で走る距離で競いました。男子では石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaが267.566kmを走って優勝し、世界選手権チャンピオンの座に輝きました。男子のレースは上位選手の接戦が続き、石川がトップに立ったのは23時間のラップが初めて。2位のヨハン・スティーン Johan Steene(スウェーデン)は266.515kmでその差はわずかに1kmほどでした。3位はセバスチャン・ビアロブレゼスキ Sebastian Bialobrzeski(ポーランド)でこちらも265.535kmと上位二人とは僅差でした。このほか、日本勢は4位に高橋伸幸 Nobuyuki Takahashi(264.506km)、14位に楢木十士郎 Toshiro Naraki(251.087km)で国別団体で金メダルを獲得しました。女子のレースはパトリシア・ブレズノウスカ Patrycja Bereznowska(ポーランド)が自身の持つ世界記録を2km上回る258.339kmで優勝。これは今回の世界選手権では男女総合で6位となる記録です。ブレズノウスカは2015年の24時間走世界選手権で5位となっていました。女子2位はアレクサンドラ・ニウィンスカ Aleksandra Niwinska(ポーランド)で251.078km、3位はカタリン・ナギィ Katalin Nagy(アメリカ)で248.970kmでした。4位と5位にアメリカのジーナ・スラビィGina Slabyがパム・スミス Pam Smithが続いたことで、国別団体はアメリカが金メダルとなりました。女子の日本代表は11位に松本ゆり Yuri Matsumoto(232.966km)、15位に青谷瑞紀 Mizuki Aotani(228.761km)、51位に岡さゆり Sayuri Oka(197.177km)、62位に柿崎美惠子 Mieko Kakizaki(185.080km)で国別団体では5位となりました。リザルトはこちら(男子個人、女子個人、男女の団体)。
7月1日土曜日:美ヶ原、びわ湖バレイ
- 美ヶ原トレイルラン(80k/45k/ほか):長野県長和町。当サイトのリザルト記事でもご紹介したように、雨のためにコースが大幅に変更されて林道中心の約75kmのコースで開催されました。男子は6時間44分で東徹 Toru Higashiが優勝。2位に8分差で矢嶋信 Makoto Yajima、3位に大瀬和文 Kazufumi Oseが続きました。女子は前半に岩村聖華がリードしますが、後半に逆転した星野由香理 Yukari Hoshinoが8時間43分で優勝。2位には浅原かおり Kaori Asahara、3位に岩村聖華 Seika Iwamuraとなりました。一昨年の2015年に続いてスカイランニング日本選手権・Sky Ultraカテゴリーの大会となっていて、2015年に男女それぞれで優勝した東と星野が再び日本選手権チャンピオンとなりました。また男子トップ3の東、矢嶋、大瀬、女子優勝の星野が来年開催予定のスカイランニング世界選手権日本代表チーム入りの資格を満たしました。リザルトはこちら。
- びわ湖バレイスカイレース/Biwako Valley SkyRace(20km, VK):滋賀県大津市。バーティカル(4km, +900mD+)の男子は33分ちょうどで宮原徹 Toru Miyaharaが優勝、35分35秒で新牛込崇史 Takashi Shinushigomeが2位、38分14秒で宮川朋史 Tomofumi Miyagawaが続きました。女子は吉住友里 Yuri Yoshizumiで41分31秒、2位の木下久美 Kumi Kinoshitaは49分52秒、3位の滝澤空良 Sora Takizawaが50分47秒。同日開催のスカイレースは雨のためコースが変更に。スタート直後の打見山山頂のループを経て山から降りる1A山麓駅までの7kmがカットされ、山麓駅をスタートする13kmのコースで行われました。男子で接戦を制したのは近藤敬仁 Yoshihito Kondoで1時間27分22秒でフィニッシュ。今シーズンのSJSシリーズ戦をリードする加藤聡 Satoshi Katoは32秒差の1時間37分54秒でした。3位には西澤誠二 Seiji Nishizawaが入り、1時間30分51秒でした。女子は高村貴子 Takako Takamuraが1時間51分13秒で優勝。2位は長谷川香奈子 Kanako Hasegawaで2時間6分41秒、3位には向井成美 Narumi Mukaiで2時間9分37秒でした。VK、スカイレースともにスカイランナー・ジャパンシリーズのシリーズ戦第3戦でした。VKとスカイレースが同日に開催されるコンバインドに挑んだ選手は多くなかったようですが、男子では中谷明生 Akio Nakatani、女子は木下久美 Kumi Kinoshitaがそれぞれ優勝しました。リザルトはこちらから。次のスカイランナー・ジャパンシリーズのシリーズ戦は7月15日の野沢温泉バーティカル・キロメーターです。
7月2日日曜日:北丹沢、日光100km
- 北丹沢12時間山岳耐久レース(44k):神奈川県相模原市。日本のクラシック・レースで最終盤での競り合いを制して男子優勝を果たしたのは大学生の名取将大 Masahiro Natoriで4時間39分23秒でフィニッシュ。1分差で石川朋奈 Tomona Ishikawaが2位。3位は成瀬康夫 Yasuo Naruseでした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします。
- 日光100kmウルトラマラソン(100km、62km):栃木県日光市。今年初開催のロードのウルトラマラソンで、ウルトラマラソン世界遺産シリーズの一戦でした。100kmの男子優勝は豊永哲央で7時間22分15秒、女子優勝は楠瀬祐子で8時間54分50秒でした。トレイルランニングでもおなじみの名前では男子2位に西原隆之(7:40:02)、5位に鳥海宏太(8:03:32)、6位に高橋和之(8:14:00)、女子5位に矢田夕子(9:47:22)、でした。リザルトはこちら。
今週末のイベント
7月4日火曜日:Mount Marathon
- Mt. Marathon Race:アメリカ・アラスカ州シューワード。海のそばの町から標高920mまで登って下りてくる5kmのコースはテクニカルで、選手にはケガする人が続出という過激な山岳レース。その始まりは1915年にさかのぼり、毎年独立記念日に開催される人気の大会です。
7月4日火曜日 – 7月9日日曜日:Andorra Ultra Trail
- Andorra Ultra Trail (233k / 170k / 112k / 83k / 42.5k / 10k):スペインとフランスに挟まれたピレネー山脈の中にあるアンドラ公国で開催。世界屈指の山岳コースで近年日本でも人気が高まっています。こちらの大会については追って別の記事でご紹介します。
7月6日木曜日 – 7月8日土曜日:Corsica
- Ultra Trail di Corsica (110k):地中海のコルシカ島は巨大な山脈があってアウトドアファンの間では人気ですが、そこで開催されるトレイルランニング大会です。108.4kmのコースの累積獲得高度は7,150mD+。フランスの長距離トレイルレースのシリーズ戦、Ultra Mountain National Tourの一戦です。
7月7日金曜日 – 7月9日日曜日:Vanoise, Buff Epic, Ehunmilak, Verbier
- High Trail Vanoise (70k / 39k / 18k / VK / Mini): フランス・バルディゼールで開催。70kmのレースがスカイランナー・ワールドシリーズのSky Ultraのシリーズ戦となっているほか、大会全体がスカイランニング欧州選手権、VKはVertical Kilometer World Circuitと様々なタイトルがかかった大きな大会です。70kmのレースではルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto Hernando、ニコラ・マルタン Nicolas Martin、アサラ・ガルシア Azara Garcia、メーガン・キンメル Meghan Kimmelなど、スカイランニングのトップ選手が集結するレースとなります。
- BUFF® Epic Trail (105k, 42k, 21k, VK):スペイン・カタルーニャのバルデボイで開催。昨年のスカイランニング世界選手権が開催されて注目を集めた大会です。今年も42kmのレースがスカイランナー・ワールドシリーズのSky Classicのシリーズ戦です。
- Ehunmilak Ultra Trail (168k, 88k, 42k): スペイン・バスク自治州のベアサインを拠点に開催されるトレイルランニングレース。こちらの大会の168kmのレースに日本から山本健一 Kenichi Yamamotoが参加します。当サイトも現地から大会の模様をお伝えします。大会の詳細については当サイトの記事をご覧ください。
- Trail Verbier St Bernard (111k, 61k, 29k, 6k): スイス・ヴァレー州のスキーリゾートして有名なヴェルビエを拠点に開催。111kmのコースの累積獲得高度は8,400mD+とかなりのもの。
7月8日土曜日 – 9日日曜日:Kilian’s Classik
- KILIAN’S CLASSIK (25k, 45k, 10k, 17k): キリアンの名を冠した大会でピレネー山脈の中の村、フォン・ロムーで開催されます。
- Luchon Aneto Trail (75k / 45k /14k):こちらもピレネー山脈のフランス側で開催される大会で、フランスの山岳トレイルレースのシリーズ戦であるOver the Mountain running Challengeの一戦です。
7月8日土曜日:志賀高原マウンテントレイル
- 志賀高原マウンテントレイル(40k、13k):長野県志賀高原で開催。山室忠さんがプロデュースする大会です。40kのレースには男澤ヒロキ、土屋克則、松永紘明、浦野裕之、鈴木博子がエントリーしています。
7月9日日曜日:外秩父
- トレニックワールド in 外秩父 50km & 43km:埼玉県寄居町など。「50km」のコースは寄居町から毛呂山町へと至る49.8km 2,888mD+のコースです。
- Whiteface Skyrace (19mile): アメリカ・ニューヨーク州ウィルミントンで開催。アメリカのスカイランニング・ナショナルシリーズの大会です。