DC Weekly | 先週末はハセツネ、Koumi、道宗道、今週は尾瀬岩鞍VK、Limoneなど・2017年10月12日

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

(写真・厳しいレースとなった今年のハセツネCUPのスタート。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)

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トレイルランニング関連ニュース

  • マウンテンランニングの世界チャンピオンがドーピング違反で失格に:9月27日に世界マウンテンランニング協会(WMRA)は、今年8月6日にイタリアの歴史ある山岳レース・Giir di Mont (32k)の中で行われたWMRAマウンテンランニング長距離世界選手権 World Mountain Running Long Distance Championshipsで優勝した男子選手、ペトロ・マム Petro Mamu(エリトリア)がドーピング検査の結果、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の禁止物質リストにある喘息治療薬が検出されたと発表。同時に前週に行われた短距離のマウンテンランニング世界選手権でも4位となったマムから禁止物質が検出されていました。マムは当初2年間の出場資格停止処分となるはずでしたが、禁止物質の服用を認めて国際陸連(IAAF)に協力したことから処分期間は2017年9月19日からの9ヶ月間に短縮されました。これにより、マムは来年の世界選手権にも出場できる見込みです。WMRAは「マムが審査に協力したことは好ましいとしつつも、処分期間の短縮によりドーピング行為の抑止力が弱まることを懸念する」としています。マムの失格により、今年のマウンテンランニング長距離世界選手権の男子は金メダルがフランチェスコ・パピ Francesco Puppi(イタリア)、銀メダルがパスカル・エグリ Pascal Egli(スイス)、銅メダルがテイト・ポルマン Tayte Pollmann(アメリカ)となりました。

先週末のイベント

10月6日金曜日 – 8日日曜日:100 Miles Sud de France, Grindstone

  • 100 Miles Sud de France (164k):ピレネー山脈のフランス側にあるFont-Romeuを出発して地中海の海岸までの164km 8,000mD+のレース。フランスのシリーズ戦・Ultra Mountain National Tourの一つです。リザルトはこちら
  • Grindstone 100:アメリカのバージニア州スウォープで開催。100マイルで7100mD+のコースは途中で折り返して同じコースで戻るピストン型。リザルトはこちら

10月6日金曜日 – 7日土曜日:Flagstaff

  • Flagstaff SkyRace® (55k, 39k, VK):アメリカ・アリゾナ州のアリゾナ・スノーボール・リゾートで開催。アメリカのスカイランニング・ナショナルシリーズのレースでした。リザルトはこちら

10月7日土曜日 – 9日月曜日:Koumi 100, Ultra-Trail Guara Somontano

  • OSJ Koumi 100:八ヶ岳の東麓、松原湖高原スケートセンターを会場に、32kmの周回コースを5周する100マイルレース。男子は田中”JR”裕康が22時間30分8秒で優勝。田中は2015年のこの大会で優勝してその際のタイムを上回りました。47分差で柴本貴弘で2位、3位は松井啓で田中から2時間19分差でした。女子は鈴木潤子が30時間24分48秒で優勝。昨年に続く2連覇で女子のコースレコードを更新しました。2位は湯浅綾子で30時間59分、3位は宮崎美智子で31時間19分でした。完走者の中にはレジェンド・横山峰弘の名前もあり、タイムは32時間16分でした。126人の完走者に対し、DNFは154人に及びました。しかし、前回の完走者は72人でしたので、4回目の開催となった今年は大会の参加者は昨年から倍近く増えた模様です。リザルトはこちら
  • Ultra Trail Guara Somontano HG (102k, 52k, 38k):102km、52kmのレースはSpain Ultra Cupのシリーズ戦として開催されました。リザルトはこちら

Koumi 100の男子表彰台。Photo by Soken Nishina

10月7日土曜日 – 8日日曜日:Arkansas, Mesastila, Hounslow Classic

  • Arkansas Traveler (100m):アメリカ・アーカンソー州で開催の100マイルで今年で27回目という歴史ある大会。リザルトはこちら
  • Asia_Trail_MasterMesastila Peaks Challenge (100 km (7700 hm) / 65 km (4300 hm) / 42 km (2600 hm)):インドネシア・中部ジャワの本格的な山岳コースで開催。Asia Trail Masterのシリーズ戦でした。リザルトはこちら
  • The Hounslow Classic 23km/68km:オーストラリアのニューサウスウェールズ州ブラックヒースを会場に開催。渓谷をつなぐコースからなるコースはスカイランニングのナショナルシリーズ戦の一つとなっています。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
これも読む
三浦裕一・2023年 ハセツネCUP 大会前インタビュー

10月7日土曜日:Cuyamaca、Gorbeia Suzien

  • Cuyamaca 100k:アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ郊外で開催。三つのループコースからなる100kmのレースです。リザルトはこちら
  • Gorbeia Suzien (31.2k):スペイン・バスクで開催される31km 2400mD+のレースで、今年はスカイランニング欧州選手権のSkyカテゴリーの大会でした。男子はアリツ・アヘア Aritz Egea(スペイン)が3時間2分55秒、女子はイングリド・マター Ingrid Mutter(ルーマニア)が3時間37分47秒でそれぞれ欧州チャンピオンとなりました。欧州選手権は10月13日にイタリアでLimone Extremeの開幕イベントとして開催されるVKカテゴリーのGrèste della Mughéra Vertical Kilometer® が最終戦となります。リザルトはこちら

10月8日日曜日 – 9日月曜日:ハセツネ

  • ハセツネカップ・日本山岳耐久レース(71k):今年の日本トレイルランニング界の事実上の日本選手権は、暑さで脱水症状、胃腸の不具合を訴える選手が続出する厳しいレースになりました。そうした中で昨年優勝の高村貴子 Takako Takamuraは9時間17分と昨年の自身のタイムを24分上回り、歴代3位となる好タイムで2連覇を果たしました。女子は2位に福地綾乃 Ayano Fukuchi、3位に星野緑 Midori Hoshinoが続きました。男子のレースは万全のコンディションではない中で上田瑠偉が先頭を引っ張る中、上田に続いた有力選手は浅間峠から先に上位から脱落していく展開となりました。42km地点の月夜見から上田に続いたのは前半にペースを抑えたという小川壮太、そして吉原稔でした。結局、上田瑠偉 Ruy Uedaは後半は脚の攣りと腹痛に苦しみながらも7時間46分で2回目の勝利を手にします。2位で続いたのはなんと吉原稔 Minoru Yoshiharaで、日の出山で小川壮太を捉えて上田から5分差でフィニッシュ。3位には小川壮太 Sota Ogawaが入り、若手が活躍した今回のハセツネでスマートな走りでトップ3入りを果たしました。当サイトでは今年もライブ速報をお届けしました。リザルト紹介記事はこちらからご覧ください

10月8日日曜日:五箇山・道宗道

  • 世界遺産 五箇山・道宗道トレイルラン大会(36k/16k):富山県南砺市。古道「道宗道(どうしゅうみち)」をベースとするコースは36kmという距離ながら累積獲得高度は2,620mD+に達します。36kmのレースはエティエンヌ・ロドリゲス Etienne Rodriguez(オーストラリア)が4時間20分30秒で優勝。アジアやオーストラリアの大会に出場していて、最近では昨年のMSIG HK50で3位となっています。2位は僅差の4時間21分で安田隼人、3位は島田正叡で4時間26分でした。女子は5時間23分で桑原絵理が優勝。2位に黒田清美(5時間34分)、3位は道下恵(5時間38分)でした。リザルトはこちら

今週末のイベント

10月14日土曜日 – 15日日曜日:Oil Creek、Mount Falaza

  • Oil Creek 100:ペンシルベニア州のオイルクリーク州立公園で開催。クリーク(川)の両岸のトレイルを一周する約50kmの周回コースを3周する100マイルです。
  • Asia_Trail_MasterMount Falaza Ultra Trail (50k, 39k, 12k):極東ロシアのシホテ・アリニ山脈の南端に位置するファラザ山で開催されるレース。ウラジオストクの近郊となります。こちらはAsia Trail Masterのシリーズ戦です。

10月14日土曜日:尾瀬岩鞍VK、Limone

  • Skyrunner-Japan-Series-logo-768x744尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター:群馬県の尾瀬岩倉ホワイトワールドで開催。3回目の開催となる今回もスカイランナー・ジャパンシリーズのVKカテゴリーの最終戦となっています。標高差1000mを5kmで登るエキスパートコースのほか、距離3kmで累積獲得高度700mD+のチャレンジコースやキッズスカイレースも開催されます。エキスパートコースの有力選手は次の皆さん。当サイトでは今回の尾瀬岩鞍バーティカルキロメーターを現地で取材し、主な結果は速報でお伝えする予定です。
    • 男子はアメリカのマウンテンランニングのトップアスリートで、Pikes Peak Ascentで対決した宮原徹が別格の強さと認めるジョー・グレイ Joseph Grayが日本のスカイランニングに初登場。バーティカルの皇帝・宮原徹との直接対決に注目です。さらに先日の蔵王VKでトップ3に入った永里剛城新牛込崇史も出場。若手では吉野大和や高校生の近江竜之介。先週のハセツネを走ったばかりの本村佑太栗原健誌古城武士も。さらに藤飛翔宮川朋史鈴木龍弥も登場です。
    • 女子はVKのクイーン、吉住友里が登場。ジャパンシリーズで上位常連の滝澤空良小川ミーナ須藤吉仕子も顔を揃えます。そして9月の信越五岳110k(短縮されて52km)で優勝した福島舞が尾瀬岩鞍でVKに挑戦します。
  • Limone Extreme Skyrace (23k):イタリア北部・ガルダ湖の湖岸の町、リモーネを舞台に開催されるスカイランニングの大会。23kmのレースはスカイランナー・ワールドシリーズのSky Classicカテゴリーの最終戦で、ポイントが20%加算されるボーナスレースです。男子ではアリツ・アヘア Aritz Egea(スペイン)、マルコ・デ・ガスペリ Marco De Gasperi(イタリア)、ジャン・マルガリト Jan Margarit(スペイン) の3人が年間チャンピオンの座をこのレースで争います。さらにスチアン・アンゲルムンド Stian Angermund-VikRémi Bonnet レミ・ボネも。女子はラウラ・オルゲ Laura Orgué(スペイン)、ヒラリー・ジェラルディ Hillary Gerardiシェイラ・アヴィレス Sheila Avilésオイハナ・アスコルベベイシア Oihana Azkorbebeitiaラグナ・デバッツ Ragna Debatsが年間チャンピオンの座を狙います。合わせて開催されるGrèste della Mughéra Vertical Kilometer® は欧州選手権、そしてVertical Kilometer World Circuitの大会となります。
  • Lake Padden Trail Half Marathon:アメリカ・ワシントン州。米国陸連のトレイル・ハーフマラソン全米選手権となる大会です。
これも読む
DC Weekly 2021年9月21日 Tor des Geants、Run Rabbit Run、Ring of Steall Skyrace、Grigne SkyMarathon

10月15日日曜日:Kinabalu、東京女子、四尾連、富士山原始林、南アルプスMM、小辺路、生駒

  • Mt. Kinabalu International Climbathon (26k):マレーシア・ボルネオ島の高峰、キナバル山の山頂を目指す登山マラソン。以前は山頂をコースとするエリートレースと、山頂まではいかない一般レースが毎年開催されていましたが、2015年に地震の影響で大会が中止されてからは大会の形式が毎年変更されていて、今年はエリート選手だけが参加できる標高4095mの山頂を通る26kmのレースのみが開催されます。
  • 東京女子トレイルラン(14km):東京都青梅市。永山公園を拠点に女性のみが参加できるという大会です。KFCトライアスロンクラブが主催するイベントです。
  • 市川三郷 四尾連稜線トレイルラン(35km/16km/8km):山梨県市川三郷町。35kmのレースは例年よりトレイルの割合が増えたコースとなっています。
  • 富士山原始林トレイルラン in 精進湖・本栖湖(20k/17k):山梨県富士河口湖町の旧精進小学校を会場に開催。福田六花さんがプロデュースする大会で富士の樹海の中を走るコースとなっています。
  • 南アルプスマウンテンマラソン(46k, 17k):南アルプスの南端に位置する静岡県川根本町で開催。今年が2回目となる大会でトレイルと林道を組み合わせた全体的には走れるコースとなっています。
  • 小辺路 TRAIL JOURNEY in 十津川:奈良県十津川村。熊野古道・小辺路の一部をコースとしており、個人ではアクセスに時間がかかる小辺路のトレイルを走ることができる貴重な大会。57.8kmの距離で累積獲得高度は3,540mD+というかなり大きなアップダウンのある本格的なコースです。このほか36km 1,719mD+のレースも行われます。
  • 生駒チャレンジ登山大会:大阪府交野市の私市水辺プラザを会場に開催。トレイルランの上級の部は私市から高安山までの生駒山脈を縦走する32kmのコースです。

10月14日土曜日 – : フランソワ・デンヌ François D’Haeneがジョンミューア・トレイルのFKTに挑戦

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フランソワ・デンヌ / François D’Haene

先月、UTMBで優勝したフランソワ・デンヌ François D’HaeneがFKT(Fastest Known Time、最速走破記録)に挑戦します。デンヌが挑戦するのはアメリカ・カリフォルニア州の代表的なロングトレイルである、ジョンミューア・トレイル John Muir Trail(JMT)。マウント・ホイットニーからヨセミテまでの356kmで累積獲得高度は約14,000mD+。現在の最速記録は2014年にレオ・パンティラト Leor Pantilatが記録した3日と7時間36分。JMTに入るには国立公園の通行許可が必要で、その準備には6ヶ月を要するとのこと。このため、現地の天候の良い日を選ぶことなく、10月14日土曜日にFKTへの挑戦をスタートします。デンヌの挑戦の模様はSalomon RunningのFacebookページフランソワ・デンヌのInstagramでアップデートが投稿される予定です。

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