DC Weekly | 先週末は尾瀬岩鞍VK、Limone、今週はレユニオン、トンプリエ、西米良、峨山道など・2017年10月17日

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

(写真・先週末の尾瀬岩鞍VKで行われたキッズレースにて。マウンテンランニング世界チャンピオンのジョー・グレイも小学5、6年生と一緒に走った。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)

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先週末のイベント

10月14日土曜日 – 15日日曜日:Oil Creek、Mount Falaza

  • Oil Creek 100:ペンシルベニア州のオイルクリーク州立公園で開催。約50kmの周回コースを3周する100マイルでした。リザルトはこちら
  • Asia_Trail_MasterMount Falaza Ultra Trail (50k, 39k, 12k):極東ロシアのシホテ・アリニ山脈の南端に位置するファラザ山で開催されるレースでAsia Trail Masterのシリーズ戦。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

10月14日土曜日:尾瀬岩鞍VK、Limone

  • Skyrunner-Japan-Series-logo-768x744尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター:群馬県の尾瀬岩倉ホワイトワールドで開催。今回はスカイランナー・ジャパンシリーズのVKカテゴリーの最終戦でした。男子はアメリカのマウンテンランニングのトップアスリート・ジョー・グレイ Joseph Grayが皇帝・宮原徹に2分差で勝って優勝を勝ち取りました。女子は吉住友里が昨年に続いて連覇。ジャパンシリーズは宮原と吉住が年間チャンピオンと決まりました。当サイトのリザルト記事もぜひご覧ください。
  • Limone Extreme Skyrace (29k):イタリア北部・ガルダ湖の湖岸の町、リモーネを舞台に開催されるスカイランニングの大会。スカイランナー・ワールドシリーズのSky Classicカテゴリーの最終戦でした。男子のレースはベテランのマルコ・デ・ガスペリ Marco De Gasperi(イタリア)と19歳のジャン・マルガリト Jan Margarit(スペイン) の競り合いとなり、最終盤の岩場の下りで先行したガスペリが3時間7分で勝利を勝ち取りました。2位に続いたマルガリトとの差はわずかに26秒。3位はドイツのステファン・ノップ Stefan Knopfで3時間10分。女子ではトーブ・アレクサンデルソン Tove Alexandersson(スウェーデン)3時間31分で優勝。オリエンテーリングでは世界選手権優勝4回、スキー・オリエンテーリングでは同じく8回優勝というトップ・アスリートがスカイランニング初登場でその実力を発揮しました。2位のミシェル・マイアー Michelle Maier(ドイツ)は12分差の3時間43分。3位はラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)で3時間45分でした。リザルトはこちら。ワールドシリーズのSky Classicカテゴリーは男子はマルコ・デ・ガスペリ Marco De Gasperi、女子はLimoneでは5位だったシェイラ・アビレス Sheila Avilés(スペイン)がそれぞれ年間チャンピオンに。女子ではレース前までランキング首位だったラウラ・オルゲ Laura OrgueがLimoneで11位に終わり、年間チャンピオンを逃しました。ワールドシリーズではSky UltraとSky Extremeも合わせたオーバーオール・ランキングもこの日確定しました。男子はイギリスのジョナサン・アルボン Jonathan Albon、女子はマイテ・マイオラ Maite Maiora(スペイン)が年間チャンピオンと決まりました。日本の選手ではSky Classicで男子の上田瑠偉が14位、松本大が47位。女子の高村貴子が22位となりました。ワールドシリーズのランキング詳細はこちらから。
  • Lake Padden Trail Half Marathon:アメリカ・ワシントン州。米国陸連のトレイル・ハーフマラソン全米選手権となる大会です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • MaXi-Race Ecuador (30k, 20k, 10k):エクアドルの首都・キトの郊外で開催。リザルトはこちら
  • TransJeju (100k, 50k, 10k): 韓国の最南端に位置する火山の島、済州島(チェジュ島)で開催。50kの女子では9月のZao Skyrace 28kで3位となったパク・スージ Sooji Park(韓国)が7時間6分で優勝。男子は長田豪史 Goshi Osadaが5時間55分、小林慶太 Keita Kobayashiが5時間57分と日本勢が優勝、準優勝。男子3位はカナダのジュリアン・ベイカー Julien Bakerで6時間0分でした。このほか、キム・ジンワン Jinwan Kim(韓国)が6時間27分で7位でした。100kでは日本の松崎将博 Masahiro Matsuzakiが12時間6分で2位に、高橋和之 Kazuyuki Takahashiが12時間25分で4位に、谷哲郎 Tetsuro Taniが14時間9分で5位でした。リザルトはこちら
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10月15日日曜日:Kinabalu、東京女子、四尾連、富士山原始林、南アルプスMM、小辺路、生駒

  • Mt. Kinabalu International Climbathon (26k):マレーシア・ボルネオ島の高峰、キナバル山の山頂を目指す登山マラソン。今年はエリート選手だけが参加できる標高4095mの山頂を通る26kmのレースのみが開催され、男子は昨年に続いてサフレイ・サンピン Safrey Sumping(マレーシア)が2時間18分で優勝。2分差の2時間20分でレル・キプチルチル Lel Kipchirchir(ケニア)が2位、ダブド・シンパット Daved Simpat(マレーシア)が3位。女子はこちらも昨年優勝のサンディ・カトロナ Sandi Menchi Catlona Abahan(フィリピン)が3時間4分で優勝、2位はアヒネ・ビンチ・ダイニング Ahineh binti Dainin(マレーシア)で3時間9分、3位はバレンティン・ジェプケモイ Valentine Jepkemoi Serem(ケニア)が3時間28分でした。リザルトはこちら
  • 東京女子トレイルラン(14km):東京都青梅市。永山公園を拠点に女性のみが参加できるという大会。優勝は石川奈都子で1時間22分13秒でした。2位は1時間30分41秒で巻野陽子、3位は田畑寧音で1時間30分55秒。リザルトはこちら
  • 市川三郷 四尾連稜線トレイルラン(35km/16km/8km):山梨県市川三郷町。35kmのレースは例年よりトレイルの割合が増えたコースとなっています。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 富士山原始林トレイルラン in 精進湖・本栖湖(20k/17k):山梨県富士河口湖町の旧精進小学校を会場に開催。ロングコースの男子は細野松宏が1時間33分12秒、女子は青木玲子が2時間15分48秒でそれぞれ優勝。リザルトはこちら
  • 南アルプスマウンテンマラソン(46k, 17k):南アルプスの南端に位置する静岡県川根本町で開催。今年が2回目となる大会でトレイルと林道を組み合わせた全体的には走れるコースとなっています。46kmは近藤敬仁渡部春雅がそれぞれ男女で優勝しています。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 小辺路 TRAIL JOURNEY in 十津川(58km, 36km):奈良県十津川村。熊野古道・小辺路の一部をコースとしており、個人ではアクセスに時間がかかる小辺路のトレイルを走ることができる貴重な大会。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
  • 生駒チャレンジ登山大会:大阪府交野市の私市水辺プラザを会場に開催。32kmのトレイルランでは男子は中根宏太が2時間27分、女子は楠田涼葉が3時間2分でそれぞれ優勝。リザルトはこちら
  • くわどり謙信公トレイル(25km, 8km, 4km):新潟県上越市。くわどり湯ったり村を会場にした25kmのコースの累積獲得高度は1480mD+。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。コース上で24人のランナーがクロスズメバチに刺されるという出来事が日曜日のニュースとなっています。二人が救急搬送されたものの命に別状はなかった模様です。

今週末のイベント

10月19日木曜日 – 22日日曜日:Réunion, Templiers

  • Grand Raid Réunion:南インド洋の島、レユニオンで行われるトレイルランニングレースは今回が25回目の開催。日本でもその存在がよく知られるようになってきました。島を縦断する165km 9,700mD+のディアゴナル・デ・フゥ Diagonale des FousUltra-Trail World Tourの第18戦で最後のセリエ・レーベルのレースとなります。19日木曜日の午後10時(日本時間20日金曜日午前3時)にスタートし、2684人のエントリーのうち、日本からは21人が参加します。このほか、111km 6,500mD+のトレイル・デ・ブルボン Trail de BourbonUltra-Trail World Tourの第19戦でチャレンジャー・レーベルのレースです。こちらは20日金曜日の午後9時(日本時間21日土曜日午前2時)にスタート。さらに65kmのマスカリン La Mascareignes、185km 10,650mD+のコースを3人のリレーで走るリレー・ゼンブロカル Relais Zembrocalと合わせて4つのレースが行われます。
    • 女子ではUTMBで2位のアンドレア・ヒューザー Andrea Huser(スイス)のほか、エミリー・ルコントEmilie Lecomte(フランス)、メラニー・ルセ Mélanie Rousset(フランス)、モー・ゴベール Maud Gobert(フランス)、フェルナンダ・マシェール Fernanda Maciel(ブラジル)、そして地元レユニオンのクリステル・ベルナール Christine Benardマルセル・プイ Marcelle Puy、そして今年のUTMBで4位となった丹羽薫 Kaori Niwa(日本)が上位を走りそうです。日本からは齋藤美紀 Miki Saitoも参加します。
    • 男子はレユニオンの経験が豊富なアントワン・ギュイヨン Antoine Guillon(フランス)が優勝候補の最右翼となるでしょう。そして、今年のUTMBで注目されて5位でフィニッシュしたアメリカのジム・ウォルムズレー Jim Walmsleyがレユニオンに参戦。どんな走りを見せるのが注目です。このほか、ルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret(フランス)、グザビエ・テベナール Xavier Thévenard(フランス)、セス・スワンソン Seth Seanson(アメリカ)、ジュリアン・ショリエ Julien Chorier(フランス)、シルバン・カミュ Sylvain Camus(フランス)、マキシム・カザジャス Maxim Cazajous(フランス)、ディエゴ・パゾス Diego Pazos(スイス)、そして先日の信越五岳で優勝のサンゲ・シェルパ Sange Sherpa(ネパール)も今年のレユニオンに出場します。日本からは大瀬和文 Kazufumi Ose奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya、そしてレジェンド・鏑木毅 Tsuyoshi Kaburakiが3回目のレユニオンに挑みます。
  • Festival des Templiers (76k, 100k):フランス南部の中央山塊に位置するミヨー Millauで行われる大会で、14のレースにのべ1万3千人が参加するという世界有数のトレイルランニング・イベント。そのメインイベントとなるのは76km 3,540mD+のレース、グラントレイル・デ・トンプリエ Grand Trail des Templiersです。「フランスのハセツネ 」ともいえる、フランス国内の有力選手が集中するレースとして知られていましたが、近年では日本を含む海外からも有力選手が参加するシーズン終盤のビッグイベントとなっています。2,632人がエントリーしているこのレースのスタートは22日日曜日午前6時(日本時間同日午後1時)です。
    • 女子はカロリーヌ・シャヴェロ Caroline Chaverotが出場を見送りました。そうした中で上位を競うことになりそうなのは今年のイタリアでのトレイル世界選手権で優勝したアデリーヌ・ロシュ Adeline Roche(フランス)、今年のTransvulcania優勝のイーダ・ニルソン Ida Nilsson(スウェーデン)、今年のUTMBチャンピオンのヌリア・ピカス Nuria Picas(スペイン)。そこにエミリー・フォスバーグ Emelie Forsbergルース・クロフト Ruth Croft(ニュージーランド)、カミーユ・ヘロン Camille Heron(アメリカ)、ミンミ・コトカ Mimmi Kotka(スウェーデン)が続く展開となるでしょうか。日本からは星野由香理 Yukari Hoshinoが参戦します。
    • 男子はこの大会で5度優勝しているニコラ・マルタン Nicolas Martin(フランス)が最有力。そこにスカイランニングで活躍するスティアン・アンゲルムント Stian Angermund-Vik(ノルウェー)、今年のOCCで優勝したマルク・ラウエンスタイン Marc Lauenstein(スイス)、アレックス・ニコルス Alex Nichols(アメリカ)、シルバン・コー Sylvain Court(フランス)などが続きます。日本からは今年はハセツネCUPを見送ってこの大会に焦点を合わせる奥山聡 Satoshi Okuyamaが出場します。
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10月21日土曜日 – 22日日曜日:六甲キャノンボール、カッパドキア

  • Mt.Rokko Cannonballrun (100k, 50k):六甲全山縦走路を走るトレイルランニングの高いですが、ユニークな私設エイドなどで知られる人気のイベントです。宝塚から須磨浦公園までの片道のみの56km、往復の112kmをソロ、あるいは二人や数人のグループで走るなどいくつかのカテゴリーに分かれて好みのスタイルで走ります。
  • Cappadocia Ultra-Trail (110k / 60k / 30k):トルコでも最も有名な観光地、世界遺産のカッパドキアを走る大会。玄関口となるウルギュップを起点に、ギョレメなどの主なポイントとつないだコースとなっています。Ultra-Trail World Tourの第20戦でチャレンジャー・レーベルのレースです。
  • Asia_Trail_MasterCOMPRESSPORT UTN 100 (100k, 50k):タイ北部のラオスと国境を接するナーン県で開催。今年が初開催でAsia Trail Masterのシリーズ戦です。
  • Ultra-Trail Chiang Rai (120k, 66k):こちらもタイの最北部、チェンライで開催されるトレイルランニングの大会。こちらもAsia Trail Masterのシリーズ戦です。
  • Autumn 100:イギリス・ロンドンから西に行ったテムズ川に面したGoringとStreatleyの二つの村を拠点にした100マイルのレース。累積獲得高度は1,170mD+となっています。

10月21日土曜日:志賀高原エクストリーム、Hong Kong Island 50

  • 志賀高原エクストリームトレイル(54k, 32k, 8k):長野県・志賀高原で開催。山田琢也さんのプロデュースで、横手山を拠点に志賀高原の見どころをもれなく見ることができるコースとなっています。ロング54kには小川壮太、加藤淳一、菊嶋啓、松永紘明が参加予定。
  • MSIG HK50 Series – Hong Kong Island (24 km / 50 km):香港の香港島で開催の50kmのレースで、ビクトリアピークをスタートするコースで行われます。
  • Garmin Mourne Skyline Mountain-Trail Race (35k):イギリス・北アイルランドのニューカッスルで開催。イギリスのスカイランナー・ナショナルシリーズのレースで35kmの距離に累積獲得高度は3,370mD+というコース。

10月22日日曜日:西米良、秋葉丘陵、峨山道、氷ノ山

10月14日土曜日 – : フランソワ・デンヌ François D’Haeneがジョンミューア・トレイルのFKTに挑戦中

先週お伝えしましたがフランソワ・デンヌ François D’Haeneがアメリカ・カリフォルニア州の代表的なロングトレイルである、ジョンミューア・トレイル John Muir Trail(JMT)のFKT(Fastest Known Time、最速走破記録)に挑戦しています。デンヌは14日土曜日にマウント・ホイットニーを出発し、ヨセミテまでの356km・累積獲得高度14,000mD+の挑戦をスタートしました。本稿執筆の時点ではスタートから2日と15時間が経過し、すでに287kmを走破。2014年にレオ・パンティラト Leor Pantilatが記録した3日と7時間36分のペースを10時間近く上回っており、特に不具合なく順調にコースを進んでいる模様です。デンヌの現在地はDotvisionのサービスで確認できるほか、Salomon RunningのFacebookページフランソワ・デンヌのInstagramでアップデートが投稿されています。【追記:その後、フランソワ・デンヌは2日19時間26分でヨセミテに到着。レオ・パンティラトの記録を12時間10分短縮して新記録を達成しました。】

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