DC Weekly | 先週末はBandera、トレイルランニングフォーラム、今週はHURT100、TransNT、千羽海崖・2018年1月10日


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前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。【追記・デイブ・マッキーの脚についての記述を訂正しました。2018.1.11】

(写真・トレイルランニング・フォーラムのパネルディスカッションの第二部「トレイルランニングと安全」の模様。 Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)

トレイルランニング関連ニュース

  • 2017 Ultra Runner of the Year(北米)が発表に:UltraRunning誌が主催する、北米のウルトラランナーを対象にその年最も活躍したアスリートを選ぶ”Ultra Runner of the Year”は例年より少々遅れて、1月8日に第10位に選ばれた男女のアスリートが発表され、以降は毎日男女一人ずつ第一位まで発表される見込みです。
  • UTMBが2018年大会へのプレエントリーを締め切り:当サイトがまとめた過去と比較できる締め切り時点での全体のエントリー状況は次の通り。2018年のUTMB®︎プレエントリーは、日本からの申し込み件数は昨年をやや下回りましたが、全体では4つのレースのいずれも2014年以来では過去最高の申し込み件数となりました。この間、必要な資格ポイントのハードルは上がっていることを考えれば、UTMB®︎の人気は高まり続けていることがわかります。とりわけ57kmのOCCは定員の3.7倍という人気ぶりで、まずは一番距離の短いOCCでUTMB®︎に参加しようという人が増えているということがいえそうです。抽選結果は1月11日木曜日午前10時(日本時間同日午後6時)に発表されます。
    • UTMB:2014年226%→2015年218%→2016年193%→2017年198% →2018年228%
    • CCC:2014年174%→2015年142%→2016年145%→2017年182% →2018年196%
    • OCC:2014年164%→2015年255%→2016年164%→2017年239% →2018年370%
    • TDS:2014年88%→2015年83%→2016年106%→2017年118% →2018年138%
    • PTL:2018年102%
  • Trail-Running Forum 2018が開催日本トレイルランナーズ協会が1月8日に開催しました。
    • 午前中の屋内・屋外でのセミナーに続いて、午後はパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションの第一部は「日本のトレイルランナーは世界でどこまで戦えるのか?」というテーマで、鏑木毅、大瀬和文、上田瑠偉、丹羽薫、吉住友里の皆さんが登壇。
    • 第一部のあと、昨年11月にFunTrails 100k & 50kで参加者がレース中に事故で亡くなったことについて、レースディレクターである奥宮俊祐さんが登壇。事故後の経過については追って大会ウェブサイトに報告書を掲載する予定で、昨年の年末には秩父御岳山でご遺族やランニング仲間の皆さんと一緒に供養をしたとのことでした。今後については「大会をやめるべきかと思い悩んだが、ご遺族も含め多くの人から「続けてほしい」と励まされた。今後、多くの人に楽しんでもらえるイベントにしていきたい」という決意を話しました。また今回の経験から、トレイルランニングを安全に楽しむにはランナーが救護の知識を持つことが有効なはず、としてトレイルランナーを対象にしたウィルダネス・ファーストエイド(WFA)の講習会をウィルダネス・メディカル・アソシエイツ・ジャパン(WMAJ)と協力して開催していく、として医師でトレイルランナーでもあるWMAJの稲垣泰斗さんから大会での救護体制についての実情と課題の説明がありました。
    • パネルディスカッションの第二部は「トレイルランニングと安全」をテーマに、千葉達雄さんがモデレーターとなり、石川弘樹、宮地由文、田中正人、望月将悟の皆さんが登壇。トレイルランナーが身につけるべき山の知識や経験については「山岳会などに入らずに山を楽しもうという人が増えている」(田中さん)現状では「まずは山岳保険に必ず加入するよう呼びかけることが必要。長い目では多くのスポーツと同じようにトレイルランニングでも公認指導者制度を確立して、トレイルランニングの経験を積んだ人が周囲に知識を伝えていく体制を作りたい」(宮地さん)といった見方が出されました。そうした中では「トレイルランニングの大会は山を知るうえではいい機会」(石川さん)だとして、大会が参加者に安全のための知識を身につける場を設けるよう協会として力を入れるべきとの意見も示されました。このほか、大会で必須装備を設けることの是非、下りで前のランナーを抜く際のルールの要否といった点が話題になりましたが、トレイルランナーの自覚や判断が大事ではあるものの、「大会を開催する以上は主催者に責任があることは忘れてはいけない」(宮地さん)という言葉が印象的でした。また、アウトドアスポーツ全般について日本では海外に比べて十分に市民権を得るに至っていない現状において「日本のアウトドアスポーツの将来はトレイルランニングが根付くかどうかにかかっている」(田中さん)とのコメントもありました。
    • イベントの最後を締めくくる挨拶の中で協会会長である鏑木毅さんからは、今後日本におけるトレイルランニングの協会を一本化して、スポーツ行政の中で地位を認められることが課題、との見方が示されました。

午前中の屋外でのセミナー

有力選手が登場したパネルディスカッション第一部

Funtrails 100k & 50kについて報告する奥宮俊祐さん

トレイルランニング大会での救護体制について話す医師の稲垣泰斗さん

先週末のイベント

 1月6日土曜日:Bandera 100k

  • Bandera Endurance Run (100k, 50k, 25k):アメリカ・テキサス州で開催。100kmのレースが今年も米国陸連(USATF)のトレイル100km全米選手権であり、そして男女上位2名がウェスタン・ステイツへの出場権を得られるGolden Ticket Raceの一つとなっていました。男子ではマリオ・メンドーザ Mario Mendozaが8時間7分で優勝、コディ・リード Cody Reedが8時間24分で2位となり、二人はウェスタン・ステイツへの出場権を獲得。3位はジャレド・バーディック Jared Burdickで8時間40分でした。女子は昨年2位のカミーユ・ヘロン Camille Herronが9時間56分で優勝。女子2位は1時間以上の差となる11時間0分でミシェル・イーツ Michele Yates、3位は11時間48分でアンナ・ヘイリー Anna Haileyでした。ウェスタン・ステイツへはミシェル・イーツが辞退したのでヘロンとヘイリーが出場権を獲得しています。なお、合わせて開催の50kでは2015年の事故で両脚左脚の膝から下を失い義足を着けることとなったデイブ・マッキー Dave Mackeyが事故以来初めてのレースを5時間58分で完走しています。【追記・デイブ・マッキーの脚についての記述を訂正しました。2018.1.11】リザルトはこちら
これも読む
DC Weekly 2022年10月18日 BackYard Ultra世界選手権、ソウル100k、秋田、常陸国、富士山原始林

今週末のイベント

 1月13日土曜日:HURT 100、Long Haul 100、TransNT

  • HURT 100:ハワイ・ホノルルから近い3つのパートからなる周回のトレイルコースを5周する100マイルです。133人のエントリーの中には日本からの10人も含まれています。スタートは13日土曜日午前6時(日本時間14日日曜日午前1時)で、こちらで通過速報のライブトラッキングを見ることができます。
  • Long Haul 100:アメリカ・フロリダ州タンパ近郊で開催される100マイルのトレイルランニングレースで、大きな登り下りはない自然の遊歩道を使ったコースとなっています。100km、50km、12.5kmの部を合わせても70人ほどの参加者の小規模な大会です。
  • TransNT (57k):香港でTranslantauを開催するチームが今年初めて開催する大会。コースはタイモーシャン Tai Mo Shanをコース後半で通過するニューテリトリー(New Territory)を東から西に横断します。大会当日は638人がエントリーしているレースについてLivetrailでライブトラッキングをみることができます。

1月14日日曜日:千羽海崖

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