Gaoligong By UTMB®、リザルトと写真

【編者より:3月9日から11日に中国・雲南省で、Gaoligong By UTMB®が開催されました。ミャンマーとの国境に近い高黎貢(ガオリゴン)山で昨年までGaoligong Ultraとして開催されていた大会は、今年からUTMB®︎のライセンスを得てGaoligong By UTMB®としてリニューアル。MGU(160.3km 8381mD+)、RCE(125km 6610mD+)、THT(55km 2381mD+)の3つのレースに中国だけでなく海外からも多くの選手が参加しました。当サイトではレース直後にDC Weeklyのコラムでリザルトを紹介していますが、以下では大会のプレスリリースを翻訳してご紹介します。写真はいずれもGaoligong By UTMB®から提供されたもので、それぞれの写真に示されたフォトグラファーによるものです。】


今回が第一回大会となったGaoligong By UTMB®が3月11日日曜日の午後2時に閉幕しました。フィニッシュゲートがおかれたへシュン 和順は中国と南アジアをつなぐ通商路である南シルクロードの経由地として知られます。この日は中国だけでなく海外からも集まった選手たちが高黎貢(ガオリゴン)山地を何時間もかけて走ってようやくフィニッシュする姿を一目見ようと集まった地元の人たちや観光客でにぎわいました。この大会を主催したのは中国とフランスの関係者からなる合同チームです。風光明媚な地でありながら、国外ではまだあまり知られていないこの地で開催された大会は大成功を収めました。中国は観るものを圧倒する大規模な大会を作り出すことに優れているといわれますが、このGaoligong By UTMB®も例外ではありません。今回は25カ国から1850人のランナーが参加しました。

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55kmのレース、THTは予想された通りに中国と海外の選手たちによる激しいレースとなりました。 Tea and Horse Trail(茶馬古道)から名付けられたTHTでは中国のリ・ユンギ Yungui Li 李云贵がアメリカのジェイソン・シュラーブ Jason Schlarbを制して優勝。シュラーブは国際的なトレイルランニング大会で優勝した経験を持ち、UTMB®︎では2014年に4位となっている選手です。5時間4分45秒で優勝したリ・ユンギは「ゴールが近づいたところで振り返ってみたら、あのアメリカ人選手の姿が見えないくらい引き離しているとわかったので、やっとペースを落とすことができました」と笑顔で振り返りました。2位のシュラーブは18分差でフィニッシュ。3位になったのは中国のアマン・ネルカイリデ Nuerkailide Aman 阿曼·努尔开里得で2位とはわずか1分差でした。

今回の大会で最も注目すべき好成績を挙げたのはTHTで女子優勝のスンマヤ・ブッダ  Sunmaya Budhaでした。ネパール人の19歳のブッダは女子のレースを終始リードして、男子選手に続いて総合6位となる5時間44分49秒で優勝。2位のメレディス・エドワーズ Meredith Edwards(アメリカ)とはおよそ1時間20分もの大差です。3位はファン・シャンピン Changping Fan 范昌萍(中国)。ヒマラヤの高地に住んでトレーニングを積んでいるスンマヤ・ブッダの実力の高さが示されることになりました。

125kmのRCEでは二人の若い選手が全力でぶつかりました。日本の上田瑠偉 Ruy Uedaと中国のシェン・ジアシェン Jiasheng Shen 申加升はともにColumbiaのチームメイトです。しかし、この日は地元である雲南省の標高の高いところに住んでトレーニングをしているシェン・ジアシェンが日本の上田を上回りました。レース後半に先頭に立ったシェンはそのまま上田を1時間引き離して13時間36分で優勝。ダニエル・フェルナンデス Daniel Perez Fernandez(スペイン)がシェンから約2時間半後に3位でフィニッシュしています。

RCEの女子のレースはアン・ハン Han An 安寒(19時間58分)とペン・チアン Qian Peng 彭茜(20時間46分)の二人の中国人選手が優勝、準優勝を占めました。キアン・ペンと7分差で香港のサマンサ・チャン Samantha Chanが3位に。チャンはレース後半に2位で走っていたところに胃のトラブルでペースを落としましたが、最終盤には2位のペン・キアンを猛烈に追い上げる走りを見せました。

160kmのMGUは100マイルの経験豊富な選手が勝利を勝ち取りました。大会のメインイベントとなるMGUの男子のレースはミン・チー Qi Min(中国)とゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)が優勝候補とみられていました。しかしそのことがプレッシャーとなったのか、ミン・チーはレース前半に先頭に立ちながらも体調を崩して70km過ぎでリタイア。結果、グリニウスが19時間58分46秒で勝利を手にしました。

同じく上位が見込まれていた有力選手では、昨年の(前身となる)大会で優勝しているダニエル・ローソン Daniel Lawson(イギリス)が5位で完走、100kmのロードウルトラマラソンの世界選手権で銀メダルを獲得した経験を持つマイケル・ワーディアン Michael Wardian(アメリカ)がリタイア。二人とも胃腸のトラブルに苦しみました。そうした中でグリニウスに続いて2位、3位に入ったのはいずれも地元の中国人選手でそれぞれロ・カンファ Canhua Luo 罗灿华(20時間46分34秒)、チン・ヤンチョン Yanzhong Qin 秦延忠(23時間57分18秒)でした。優勝したグリニウスは「Gaoligong By UTMB®はモンブランのUTMB®︎よりも厳しいレースだと感じた」と話しました。

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MGUの女子ではUTMB®︎で二度優勝しているクリッシー・メール Krissy Moehl(アメリカ)が27時間19分38秒で優勝。2位に続いたのは昨年のUTMB®︎で4位の丹羽薫 Kaori Niwa(日本)で29時間26分49秒、3位はグ・ハイヤン Haiyan Gu 顾海燕(中国)で31時間21分27秒でした。

Gaoligong By UTMB®が開催された週末は、中国のソーシャルメディアに大会の写真や参加選手が自らの経験を伝える投稿があふれました。今回の大会は無事その目的を果たし、今年残念ながら出場するチャンスを得られなかった人たちは来年2019年こそは参加しようという決意を固めることになりました。

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