ダイジェスト・Day 2 雨の中、続々と上高地へ #TJAR2018

2018年のトランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Race(TJAR) は13日月曜日に大会二日目に入りました。前夜から朝の雨の中を薬師岳、双六小屋、槍ヶ岳と選手は進み、この日のうちに参加選手の半数が上高地チェックポイント(104km地点)に到着しています。先頭を走ったのは朝は石田賢生、その後上高地には男澤博樹がリード。その後木曽谷へのロードでは吉藤剛が先頭に立っています。当サイトでは大会の制限時間(8日間)となる8月19日日曜日まで、およそ一日一回のペースでその日のTJARのダイジェストをお送りします。このダイジェストをお送りするにあたっては、トレイルランニングの撮影で著名なフォトグラファー、小関信平 Shimpei Koseki、後藤武久 Takehisa Goto、藤巻翔 Sho Fujimaki、茂田羽生 Hao Modaの皆さんに写真をご提供いただいています。また昨年発売された4人の写真家による写真集「TJAR」についてもこの記事で紹介しています。

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(写真・上高地・小梨平に到着して笑顔の垣内康介。Photo by © 藤巻翔 Sho Fujimaki)

トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Raceの概要については当サイトの記事もご覧ください。

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本日深夜12時スタート・期間中のダイジェストはDCで。トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Race #TJAR2018

2018.08.11

雨の中を進んだ二日目、前回よりはややスローな展開

TJAR-logo二日目の13日月曜日、日本各地は先月から高気温が続く中、局地的にゲリラ豪雨に見舞われる不安定な天気でした。TJARのコースである北アルプス・薬師岳などでも前夜から朝にかけては雨が降った様子です。1日目に先頭を走った石田賢生はこの日の午前7時過ぎには双六小屋のチェックポイント(80km地点)をトップで通過。大会Facebookページによればこの時「ちょっと頭が痛くて」と話していた石田はこの後ペースダウン。代わって双六小屋では石田から57分差の4番手だった男澤博樹が快調に足を進めます。槍ヶ岳山荘(86km地点)には男澤博樹が午前10時26分に最初に到着、そのまま上高地(104km)にもトップで14時25分ごろ到着。

二日目の朝、上高地・小梨平にトップで到着した男澤博樹。Photo by 藤巻翔 Sho Fujimaki

しかし、二日目の夕方になると後続の選手が男澤に追いつき始めます。この日の深夜には吉藤剛が一人先頭を走り、垣内康介、佐幸直也、男澤博樹、雨宮浩樹が前後しながら進んでいる、という展開です。

大勢の応援に迎えられる吉藤剛、上高地・小梨平にて。Photo by 藤巻翔 Sho Fujimaki

前回の2016年大会では天候に恵まれたこともあって、二日目の夜には4選手が旧木曽駒高原スキー場(172km)で休止していましたが、今回は三日目に入った午前2時ごろに先頭の吉藤が薮原駅付近(157km)を進んでいるという状況。上高地の通過選手で見ても2016年には三日目に入るまでに20人が通過していますが、今回は15人。今年は前回よりはやや遅い展開といえそうです。

雨宮浩樹は雨で濡れた足の手入れ。上高地・小梨平にて。Photo by 藤巻翔 Sho Fujimaki

また、大会Facebookページによればこの日、北アルプスで落石のためケガをした女児を近くにいた参加選手の鹿野颯太が救護して下山まで付き添った、という出来事がありました。レースよりも安全と救護を優先する立派な行動でした。

槍ヶ岳山荘(約86km地点)通過順位

  1. 男澤博樹 二日目10:26
  2. 吉藤剛 二日目10:37
  3. 江口航平 二日目11:05
  4. 石田賢生 二日目11:13
  5. 船橋智 二日目11:18
  6. 佐幸直也 二日目11:45
  7. 雨宮博樹 二日目11:45
  8. 垣内康介 二日目11:53
  9. 近内京太 二日目12:00
  10. 片野大輔 二日目13:07
  11. 有吉俊博 二日目13:41
  12. 望月将悟 二日目14:02
  13. 阿部公一 二日目16:18
  14. 鹿野颯太 二日目16:50
  15. 星加博之 二日目17:15
  16. 柏木寛之 二日目17:41
  17. 細田典匡 二日目17:40
  18. 古澤法之 二日目17:48
  19. 原一平 二日目17:48
  20. 中野洋平 二日目18:00
  21. 高島伸介 二日目18:03
  22. 及川耕太郎 二日目18:20
  23. 岡田泰三 二日目18:25
  24. 前田圭紀 二日目18:31
  25. 福山智之 二日目18:42
  26. 高田全希 二日目13:43
  27. 大坪穂高 二日目20:01
  28. 秋元恒郎 二日目20:32
  29. 岩崎勉 二日目21:20
  30. 竹内雅昭 二日目21:31

今回、食料は無補給で完走を目指す望月将悟。スタートから背負ってきた食料で上高地で食事中。Photo by 藤巻翔 Sho Fujimaki

3日目に入った午前2時すぎの各選手の状況は次の通りでした。GPSトラッキングのための端末の都合から、選手は上高地のチェックポイントを通過するまでトラッキングができませんが、以下に挙げた以外の選手も槍ヶ岳から上高地に向けて下りているところ、と考えられます。

  • 薮原駅付近(157km):吉藤剛
  • 境峠付近:垣内康介、佐幸直也、男澤博樹、雨宮浩樹
  • 奈川寄合渡付近(131km):船橋智、江口航平
  • 古宿付近:片野大輔
  • 奈川渡ダム付近(126km):有吉俊博
  • 沢渡付近:柏木寛之、石田賢生
  • 中ノ湯温泉付近:望月将悟
  • 上高地(104km):鹿野颯太、及川耕太郎、古澤法之
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三日目は中央アルプスへ、上位選手は南アルプスに

三日目の14日火曜日は午前8時に上高地チェックポイントで関門締め切り。上位の選手は中央アルプスを木曽駒ヶ岳、宝剣山荘、空木岳と進むことになります。しかし、先頭の吉藤をはじめ上位選手は徹夜で進んでいるので、どこかで休息も必要なはず。中盤の選手はTJARではおなじみの木祖村・薮原のスーパー「まると食品」での朝食も楽しみなはず。三日目の朝7時時点では、近内京太、吉藤剛、男澤博樹、垣内康介の4人がすでに木曽駒ケ岳への登山道に入っています。上位は午後に駒ヶ根市に下り、市内の舗装路25kmを経て、大会で唯一のデポバッグが受け取れる市野瀬(224km)に着くのは夕方か夜になるでしょう。市野瀬を出るといよいよ南アルプス・仙丈ケ岳へと向かうことになります。

参考

さらに写真(上高地・小梨平にて (c) Sho Fujimaki)

さらに写真(双六小屋にて (c) Takehisa Goto)

双六小屋での岩崎勉。過去4度出場して2度の完走しているTJARのベテラン選手。

双六小屋での竹内雅昭。この後の上高地では胃の調子を崩して苦しみながら出発。前回出場してリタイアしている。今回は選手の中で最年長。

北アルプスの真ん中にある双六小屋には多くの人が集まり、TJARの選手に声援を送った。

写真集「TJAR」

TJARを追い続けている4人の写真家(藤巻翔、小関信平、後藤武久、宮上晃一)。昨年発売されたその珠玉の写真集「TJAR」は現在も購入可能です。当サイトの紹介記事発売記念イベントのレポートはこちら

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  • 体裁:オールカラー160ページ/ボックス付き
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    • 1冊ずつにシリアルナンバー入り
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