トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Race(TJAR) は15日火曜日に大会四日目に入りました。この日、全員が中央アルプスの登山道を踏破して駒ヶ根市内に到着。垣内康介、近内京太、船橋智、吉藤剛が現在、レースをリードしていて、6日目の朝には南アルプス・三伏峠に到着する見込みです。
当サイトでは大会の制限時間(8日間)となる8月19日日曜日まで、およそ一日一回のペースでその日のTJARのダイジェストをお送りします。このダイジェストをお送りするにあたっては、トレイルランニングの撮影で著名なフォトグラファー、小関信平 Shimpei Koseki、後藤武久 Takehisa Goto、藤巻翔 Sho Fujimaki、茂田羽生 Hao Modaの皆さんに写真をご提供いただいています。また昨年発売された4人の写真家による写真集「TJAR」についてもこの記事で紹介しています。
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(写真・大会4日目、空木岳へ向かう片野大輔。Photo by © 小関信平 Shimpei Koseki)
トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Raceの概要については当サイトの記事もご覧ください。
四日目の今日も全員がレース続行中、中央アルプスから駒ヶ根へ
魚津市・早月川河口をスタートして四日目に入った8月15日水曜日。この日の深夜までに今回参加の30人全員が中央アルプスの登山道を下山し、駒ヶ根市・菅の台バスセンターに到着しました。ここまで一人もリタイアすることなく後半に入るのは、例年にない快挙です。
上位で進んでいる垣内康介、男澤博樹は昨夜の日付が変わる前には駒ヶ根市を横断するロード区間に入ります。船橋智、吉藤剛、男澤博樹も未明のうちに続いた模様で、約25kmを経た市野瀬(223km)には近内京太が早朝にトップで到着。後続を待たずに5時21分には市野瀬を出発して南アルプスに向かいました。5時54分には2番手の垣内康介、6時4分に3番手の船橋智、6時36分に4番手の吉藤剛が相次いで到着。この4人がコース後半の南アルプスでも上位を走ることになりそうです。
次いで5番手で市野瀬に8時59分に到着したのは男澤博樹。手早く市野瀬を出発しましたが、 仙丈ヶ岳へと標高差1000m以上を登ったところでなぜか逆戻りで下山。市野瀬でレインジャケットを忘れたのを取りに戻ったのだといい、無事にジャケットを見つけて再び仙丈ヶ岳へ向かいました。再び市野瀬を出たに戻ってきたのは18時近くで、およそ9時間のロス【追記・修正しました。2018.08.16】。大きなロスで本人も動揺したに違いありませんが、レインジャケットは競技規則に決められた必携装備で、何よりもこれから長い南アルプスの縦走で命を守る大事なアイテム。さすがの冷静な判断でした。
結局、四日目の深夜12時までに16人の選手が市野瀬に到着した模様。前回2016年は三日目の午後3時36分にトップの望月将悟が到着し、四日目のうちに22人が市野瀬に入っていたので、今年はそれより10時間くらい進行が遅くなっていることになります。なお、今回必要な補給食を全て最初から背負う無補給での完走に挑んでいる望月将悟はこの日の四日目午後4時31分に市野瀬に到着しています。
宝剣山荘(約180km地点)通過順位
タイムの後に↑(上矢印)、→(右矢印)を伏した選手は上高地(104km)から順位が上昇、または横ばいだった選手です。
- 近内京太 三日目10:39(↑)
- 吉藤剛 三日目11:23
- 垣内康介 三日目12:02(↑)
- 男澤博樹 三日目12:16
- 船橋智 三日目12:57(→)
- 江口航平 三日目13:30
- 佐幸直也 三日目16:24(→)
- 雨宮博樹 三日目18:47
- 片野大輔 三日目18:47(↑)
- 有吉俊博 三日目18:47(↑)
- 及川耕太郎 四日目 00:07(↑)
- 柏木寛之 四日目 03:26(↑)
- 古澤法之 四日目 05:40(↑)
- 望月将悟 四日目 03:18
- 鹿野颯太 四日目 03:54(↑)
- 高島伸介 四日目 03:56(↑)
- 原一平 四日目 05:40(↑)
- 前田圭紀 四日目 05:36(↑)
- 石田賢生 四日目 05:57
- 阿部公一 四日目 05:35
- 高田全希 四日目 05:41
- 星加博之 四日目 07:03
- 細田典匡 四日目 07:03
- 秋元恒郎 四日目 08:52
- 中野洋平 四日目 08:52(↑)
- 岡田泰三 四日目 09:50
- 大坪穂高 四日目 10:19(↑)
- 竹内雅昭 四日目 10:14(↑)
- 福山智之 四日目 10:13
- 岩崎勉 四日目 12:32
市野瀬(約223km地点)到着順位
- 近内京太 四日目5:21出発
- 垣内康介 四日目5:54
- 船橋智 四日目6:04
- 吉藤剛 四日目6:36
- 男澤博樹 四日目8:59
- 江口航平
- 佐幸直也
- 有吉俊博
- 片野大輔
- 雨宮博樹
- 望月将悟 四日目16:31
- 及川耕太郎
- 高島伸介
- 阿部公一
- 古澤法之
- 石田賢生
4日目の深夜0時すぎの各選手の状況は次の通りでした。
- 塩見岳(257km)手前:近内京太
- 熊野平小屋(250km)手前から塩見岳の間:吉藤剛、垣内康介
- 三峰岳手前:船橋智
- 横川岳から先、三峰岳まで:江口航平、佐幸直也
- 仙丈ヶ岳への登り:有吉俊博、雨宮浩樹、望月将悟、片野大輔、男澤博樹
- 市野瀬チェックポイント:古澤法之、及川耕太郎、高島伸介、阿部公一、石田賢生
- 駒ヶ根市・天竜大橋をすぎて中沢峠まで:星加博之、原一平、大坪穂高、岡田泰三
- 駒ヶ根市内:細田典匡、高田全希、福山智之、岩崎勉、秋元恒郎
- 駒ヶ根高原・菅の台付近:中野洋平、竹内雅昭、
- トラッキングエラー:柏木寛之、前田圭紀、鹿野颯太
五日目はコース後半の核心部、南アルプスへ
本日16日木曜日は五日目正午が市野瀬チェックポイントの関門締め切り時刻となっています。すでに各選手とも駒ヶ根に下りているので、30人全員が市野瀬をクリアする可能性は高そう。三伏峠(263km)には昨年の望月は市野瀬から21時間で到着しています。現在レースをリードしている近内、垣内、船橋、吉藤は五日目の早朝に三伏峠を通過するでしょう。ちなみに昨年の望月は市野瀬から二日(45時間20分)で南アルプスの登山道から下りて井川オートキャンプ場(残り舗装路70km)に到着しています。ここから考えると、今回のトップの選手は6日目(17日金曜日)午前に井川に到着。日付が変わる前に7日切りで大浜海岸にフィニッシュするかもしれません。
写真
参考
- 大会サイト
- 大会からのお知らせ
- 大会サイトによる各選手の状況についてのアップデート
- 大会による全選手の現在位置がリアルタイムで把握できるマップ(大会開催中に掲載)
- Twitterのハッシュタグ #TJAR2018 のタイムライン
写真集「TJAR」
TJARを追い続けている4人の写真家(藤巻翔、小関信平、後藤武久、宮上晃一)。昨年発売されたその珠玉の写真集「TJAR」は現在も購入可能です。当サイトの紹介記事、発売記念イベントのレポートはこちら。
- 価格:15,000円(税込/送料別途かかります)
- 体裁:オールカラー160ページ/ボックス付き
- 主な内容
- 1冊ずつにシリアルナンバー入り
- 布貼りハードカバー・ボックス付き
- 2002年第1回大会から2016年第8回大会までのレースデータを紹介
- 「TJAR」大会概要、ショートヒストリー、トピックス、年譜等を掲載
- 大会コースマップと大会プロフィール(高低表)付き
- 購入は販売ウェブサイトから。
- 写真集「TJAR」のFacebookページ