DC Weekly | 先週末はRing of Steall Skyrace・スカイランニング世界選手権、信越五岳、今週は上州武尊山、フォレストレイルなど・2018年9月17日

イギリス・スコットランドでは木曜日から日曜日までスカイランニング世界選手権ミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズGolden Trail Seriesのレースが開催され、宮原徹 Toru Miyahara(VK、7位)、三浦裕一 Yuichi Miura(Ultra、10位)、高村貴子 Takako Takamura(Sky、10位)をはじめ日本の選手も結果を残しました。一方国内では信越五岳が昨年雨で短縮された100マイルのレースが想定通りのコースで初めて開催されました。日曜日にはアンドラでマウンテンランニング世界選手権も。今週末は上州武尊山スカイビュートレイルに注目です。

(写真:今年のトル・デ・ジアン Tor des Geantsより。Photo by Stefano Jeantet, Tor des Geants)

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先週末のイベント

9月7日金曜日 – 15日土曜日:Albania

  • Albania – The Hidden Treasure (220km 6 stages): 東欧のアルバニアで開催されたステージレース。主催者のGlobalLimitsFacebookページによれば女子のレースで日本人のいまにしさゆりさん(フィリピン在住?)が30時間33分で首位となって優勝しています。

9月9日日曜日 – 16日日曜日:Tor des Geants

  • Tor des Geants(330k): イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州で開催のシングルステージの330kmを制したのはフランコ・コレ Franco Collé(イタリア)で74時間3分で優勝。2014年に続いて2度目の勝利となりました。2位は昨年のこの大会で7位のガレン・レイノルズ Galen Reynolds(カナダ)が37分差で続いて2位。その2時間51分後に3位でピーター・キーンゼル Peter Kienzl(イタリア)。女子は昨年のTDG2位で今年はAndorra Ultra Trail 170kで4位のシルビア・トリゲロス Silvia Aihoa Trigueros Garrote(スペイン)が87時間50分で優勝。2位タイのシシーラ・トネッティ Scilla Tonetti(イタリア)、3位はジェイミー・アーロンズ Jamie Aarons(イギリス)とは8時間以上の大差をつけました。日本の鳥海宏太 Kota Toriumiは80時間58分で5位。昨年の20位を大きく上回る快挙でした。昨年鳥海とタイで20位だった小野雅弘 Masahiro Onoはコース中盤の165km地点でリタイアしています。速報サイトはこちら

男子優勝のフランコ・コレ Franco Collé(イタリア)Photo by (c) Stefano Jeantet , Tor des Geants

女子優勝のシルビア・トリゲロス Silvia Aihoa Trigueros Garrote(スペイン) Photo by (c) Giacomo Buzio, Tor des Geants

9月13日木曜日 – 16日日曜日:Skyline Scotland(スカイランニング世界選手権)

  • WORLD SKYRUNNING CHAMPS LOGO COL POSSalomon Skyline Scotland(VK, 52k, 29k, 52k):イギリス・スコットランドのキンロックリーバン Kinlochlevenで開催。4つのレースが開催され、それぞれが今年のスカイランニング世界選手権ミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズ MiguRun Skyrunner World Series、そしてSalomon Golden Trail  Seriesとなりました。中でも29kmのRing of Steall Skyrace™は世界選手権とGolden Trail Seriesが重なってさらに有力選手が集まりました。
    • Salomon Mamores VK™: 13日木曜日開催。5km 1000mD+のバーティカルキロメーターがスカイランニング世界選手権のVKの部。女子はラウラ・オルゲ Laura Orgué(スペイン)が51分35秒でチャンピオンに。リナ・エルコット Lina El Kott Helander(スウェーデン)が52分34秒で2位、ヒラリー・ジェラルディ Hillary Gerardi(アメリカ)が52分53秒で3位。日本の 小川ミーナ Mina Ogawaは35位、その2秒差で吉住友里 Yoshizumi Yuriが36位。優勝タイムからは約12分半。髙村貴子 Takako Takamuraは出場を見送りました。男子ではレミ・ボネ Remi Bonnet(スイス)が39分23秒でレースを制して世界チャンピオンに。ノルウェーのトール・ルドビクセン Thorbjørn Ludvigsenが41分49秒、スティアン・アンゲルムンド Stian Angermund-Vikが41分50秒で2位、3位を分け合うことになりました。日本の宮原徹 Toru Miyaharaは優勝タイムから4分39秒差で7位に。18位に新牛込崇史 Takashi Shinushigome、23位に永里剛城 Goki Nagasato、30位に五郎谷俊 Shun Goroutaniが続きました。リザルトはこちら
    • Salomon Ben Nevis Ultra™: 14日金曜日開催。悪天候のため、大会前日にコースが変更されて52km 3,820mD+から47.5km 1,640mD+に。スタートも3時間繰り下げての開催でした。世界選手権のUltraのレースでした。女子優勝はラグナ・デバッツ Ragna Dabats(オランダ)で4時間36分20秒。5月のトレイル世界選手権に続いて世界チャンピオンのタイトルを手にしました。2位は14分差でヘマ・アレナス Gemma Arenas Alcazar(スペイン)、さらに4秒差でマリア・ピラ Maria Mercedes Pila Viracocha(エクアドル)が3位。序盤にデバッツに続いていたミラ・ライ Mira Rai(ネパール)は11位。日本の星野由香理 Yukari Hoshinoは19位、丹羽薫 Kaori Niwaは37位でした。男子はジョナサン・アルボン Jonathan Albon(イギリス)が3時間48分2秒で優勝。12分33秒差の2位にアンドレ・ジョンソン Andre Johnsson(スウェーデン)、3位に前回、前々回の世界チャンピオンであるルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto Hernando(スペイン)が入りました。日本の選手は三浦裕一 Yuichi Miuraが10位で優勝タイムから25分53秒差。15位に東徹 Toru Higashi、24位に矢嶋信 Makoto Yajima、38位に大瀬和文 Kazufumi Ose。リザルトはこちら
    • Salomon Ring of Steall Skyrace™: 15日土曜日開催で29km 2500mD+。世界選手権のSkyの部のレースであり、Golden Trail Seriesの第5戦ともなっていました。女子は終始トーブ・アレクサンダーソン Tove Alexandersson(スウェーデン)が3時間46分28秒で優勝。現在26歳で昨年のLimonextreme 30kで優勝していましたが、今回は世界チャンピオンの座を手にしました。2位のビクトリア・ウィルキンソン Victoria Wilkinson(イギリス)は7分半の差。ウィルキンソンは昨年のマウンテンランニング長距離世界選手権となったGiir di Mont 30kで5位、今年のマウンテンランニングW杯のレースとなったUltramarathon Gorski 36.6kで5位などの成績をあげていますが、スカイランニングでは久々の好成績となりました。3位には前々週のRut 25kで優勝のホーリー・ペイジ Holly Page(イギリス)。日本の高村貴子 Takako Takamuraは優勝タイムから23分49秒差で10位と健闘しました。女子のリザルトはこちら。男子は後半に入ってからキリアン Kilian Jornet(スペイン)がナディル・マグエ Nadir Maguet(イタリア)を交わして先行しますが二人の差はわずか。キリアンがリードを広げたのは最後の下りとなる残り数キロになってから。3時間4分34秒で大会新記録での優勝でした。マグエは1分31秒差で2位。3位はスティアン・アンゲルムンド Stian Angermund-Vik(ノルウェー)でした。日本の近藤敬仁 Yoshihito Kondoは38位(3時間49分58秒)、松本大 Dai Matsumotoは39位(3時間50分50秒)、加藤聡 Satoshi Katoは46位(3時間54分51秒)でした。リザルトはこちら。Golden Trail Seriesはこれまでの5戦の結果をもとに上位選手が招待される最終戦、The Otter Trailが南アフリカで10月20日に開催されます。
    • Salomon Glen Coe Skyline™: 17日日曜日開催の52km 4,750mD+のコースは悪天候のため変更されて32km 2,700mD+となりました。昨年までワールドシリーズのSky Extremeシリーズに位置付けられていたテクニカルな山岳レースでミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズ MiguRun Skyrunner World SeriesのSky Extraシリーズ第6戦です。女子はTromso、Kimaで優勝、今週末はVKで3位だったヒラリー・ジェラルディ Hillary Gerardi(アメリカ)が4時間17分で優勝。わずか7秒で2位になったのはジャスミン・パリス Jasmin Paris(イギリス)。3位は8分差でブリタニー・ピーターソン Brittany Peterson(アメリカ)でした。男子は前日のスカイレースに続いてキリアン Kilian Jornet(スペイン)が3時間37分で優勝。このレースで昨年に続いて二連覇となりました。3分差の2位は金曜日のUltraで2位のアンドレ・ジョンソン Andre Johnsson(スウェーデン)。3位はダニエル・ユング Daniel Jung(イタリア)となりました。リザルトはこちら。ミグラン・スカイランナー・ワールドシリーズは次回、9月29日にSky ExtraシリーズのUltra Pirineu 110kが開催されます。

週末はRing of Steall Skyraceの翌日にGren Coe Skylineに出場、両方で優勝したキリアン・ジョネット Kilian Jornet。Photo by Ian Corless

9月14日金曜日 – 15日土曜日:Run Rabbit Run

  • Run Rabbit Run (100m / 50m) : コロラド州スチームボートスプリングスで開催。トレイルランニングにおいてはかなり高額な賞金が贈られることで知られる大会。100マイル男子はジェイソン・シュラーブ Jason Schlarbが18時間1分で優勝。40分差で4月のUTMFで8位だったマーク・ハモンド Mark Hammond。3位はジェフ・ブラウニング Jeff Browning(19:02)でした。女子は21時間35分でミシェル・イーツ Michele Yatesがシュラーブとともに12,500ドルの賞金を獲得。2位はエンマ・ロカ Emma Roca(スペイン)で22時間26分、3位はケリー・ブラクスブールト Kerrie Bruxvoortで23時間57分でした。リザルトはこちら
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9月15日土曜日 – 17日月曜日:信越五岳

  • 信越五岳トレイルランニングレース(100mile, 110k): 新潟県妙高市、長野県長野市、信濃町、飯綱町、飯山市にまたがる信越高原で開催。土曜日夜に先に100マイルがスタートした時には多少雨がぱらついていたようですが、コースは短縮なしで予定通りに開催されました。
    • 初開催の100マイルの優勝者は奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya(19:18:59)、高島由佳子 Yukako Takashima(23:16:07)となりました。奥宮はスタート直後から先頭集団を走り、中盤以降は先頭を譲ることなく次第に差を広げる王道のレースで勝利を手にしました。レース序盤では先日のTDS®︎︎︎13位の杉本諭 Satoshi Sugimoto、この大会の110kmのレコードホルダーである原良和 Yoshikazu Hara、110km優勝経験者の永田務 Tsutomu Nagataが奥宮とともにレースをリード。しかし、後半に入って順位を上げていったのが田中”JR”裕康 Hiroyasu “JR” Tanakaでした。大橋林道(131km)では奥宮に続いていた杉本に追いつき、戸隠スキー場(143km)では杉本に4分差をつけて2番手に浮上。この差をキープする形で田中裕康は19時間46分の2位でフィニッシュ。3位には杉本諭で田中とは2分40秒差でした。4位には鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka、5位に高橋和之 Kazuyuki Takahashi、6位に花岡尚賢 Naoyoshi Hanaokaとなりました。永田務は60位で完走、原良和はリタイアとなりました。女子は高島由佳子の圧勝で23時間16分は男女総合で20位。2位の内山みちこ Michiko Uchiyama(26:25:52)との差は3時間以上も開きました。女子3位には成田志保 Shiho Narita(27:52:28)が入りました。また、来年、50歳でUTMB®︎に再び挑むプロジェクト「NEVER」に取り組む鏑木毅 Tsuyoshi Kaburakiが今回の100マイルに参戦。男子63位(27:13:10)で完走しています。リザルト(速報)はこちらから。
    • 110kmのレースの男子は西村広和 Hirokazu Nishimuraが11:10:02で優勝。5分41秒差で辻友寛 Tomohiro Tsujiが2位に(11:51:43)。3位は伊藤健太 Kenta Ito(12;45:08)。女子は澤田由紀子 Yukiko Sawadaが15:32:25で優勝。2位に山室宏美 Hiromi Yamamuro(15:38:27)、3位は今田麻紀子 Makiko Imada(15:48:02)という結果でした。リザルト(速報)はこちらから。

信越五岳の100マイルを完走した鏑木毅 Tsuyoshi Kaburaki。Photo by (c) 計測工房

9月15日土曜日 – 16日日曜日:IMTUF

  • IMTUF (Idaho) 100: アメリカ・アイオワ州Burgdorf Hotspringsをスタート・フィニッシュする100マイル。累積獲得高度が約5400mD+のコースで制限時間は36時間。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
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9月16日日曜日:マウンテンランニング世界選手権、丹後100km

  • WMRA Mountain Running Championships 2018: WMRA(世界マウンテンランニング協会)が主管する第34回マウンテンランニング世界選手権はピレネー山脈の中の国、アンドラ公国のカニーリョ Canilloで開催されました。11.93kmで累積獲得高度1,028mの登り中心のコースで行われたシニアのレースの女子はケニアのルーシー・ワンブイ Lucy Wambui Murigiが連覇。1時間4分55秒でした。2位はモード・マシス Maude Mathys(スイス)で1時間6分0秒、3位はビオラ・ジェレガト Viola Jelegat(ケニア)で1時間6分26秒。男子はケニア勢がトップ3を独占し、ロバート・シェモンジェス Robert Chemonges(55:37)、ジョエル・アイコ Joel Ayeko(55:38)、ビクター・キプランガット Victor Kiplangat(55:54)という結果に。3人についていったものの離されたジョー・グレイ Joe Grayが4位(57:08)となりました。このほか併せて行われたジュニアのレースでは男女のトップ3のうち五人までウガンダの代表選手が占める結果となり、東アフリカ勢が活躍した世界選手権となりました。リザルトはこちら。国別団体のリザルトはこちら
  • 歴史街道丹後100km ウルトラマラソン(100km / 60km):京丹後市で開催。丹後の日本海沿いのコースを走るロードのウルトラマラソン。100km男子は富高一成(7:24:28)、女子は向井成美(8:44:01)が優勝しました。ウルトラマラソン 世界遺産シリーズのレースです。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

女子優勝のルーシー・ワンブイ Lucy Wambui MIRIGI (ケニア) Photo courtesy of WMRA

男子優勝のロバート・シェモンジェス Robert Chemonges(右)、2位のジョエル・アイコ Joel Ayeko(左)。Photo courtesy of WMRA

今週末のイベント

9月22日金曜日 – 9月28日木曜日:Grand to Grand

  • Grand to Grand Ultra (273 km, 6 stages): アメリカ・アリゾナ州とユタ州にまたがるエリアで開催されるステージレースです。

9月23日土曜日 – 9月24日日曜日: NC24、Vietnam

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9月24日曜日 – 9月25日月曜日: 上州武尊山

  • 上州武尊山スカイビュートレイル(129k, 75k, 32k: 群馬県川場村、片品村、みなかみ町で開催。上州武尊山で開催されていた山田昇記念杯登山競走大会がリニューアルして今回が8年目。エントリーリストから当サイトが注目する有力選手をご紹介します。
    • スカイビュートレイル120
      • 小島弘道2017年120kで2位
      • 武藤尚一郎2017年120kで5位、2016年120kで優勝、2015年120kで3位
      • 小林誠治2018年スパトレイル72k優勝
      • 北原一樹2017年白馬国際52kで7位
      • 木村大志 2016年信越五岳110kで3位
      • 谷允弥 2018年OSJ新城32kで3位
      • 外池翔太郎2016年OSJおんたけ100kで9位
      • 大石由美子2017年120kで優勝
      • 加藤揚子2017年120kで2位、2016年120kで優勝
      • 政正恵2017年120kで3位、2016年60kで優勝、2015年120kで優勝
      • 枝元香菜子2017年70kで優勝
      • 西田由香里2017年70kで5位、2015年120kで2位
      • 望月千幸2017年白馬国際52kで優勝、2018年スパトレイル72kで2位
      • 秋山穂乃果 2018年STYで3位、2018年スパトレイル72kで優勝
    • スカイビュートレイル70
      • 三浦裕一2017年120kで優勝、2016年30kで2位
      • 五十嵐太博2017年70kで優勝、2016年60kで優勝
      • 水越友洋2017年70kで2位、2016年60kで5位、2015年60kで4位
      • 松本陽介2017年70kで3位、2017年神流40kで3位
      • 町田知宏2017年30kで3位、2016年30kで3位、2015年30kで優勝
      • 宗石和久2017年30kで4位、2016年30kで優勝
      • 狩野幸子2017年70kで2位、2016年60kで2位、2015年60kで優勝
      • 渡邉ゆかり2017年30kで優勝
    • スカイビュートレイル30
      • 吉田亮太2017年30kで2位
      • 渡部春雅2017年スリーピークス八ヶ岳優勝、南アルプスマウンテンマラソン優勝

9月23日土曜日: 青鳩トレイル

  • 青鳩トレイル大磯〜大山大会: 神奈川県大磯から大山まで駆け上がるコースで3回目の開催。NPO野外活動(自然体験)推進事業団がプロデュースする大会です。

9月24日曜日: 仙台泉ヶ岳、Forestrail

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