DC Weekly 2021年10月11日 サハラ砂漠マラソン、KOUMI 100、尾瀬岩鞍VK、Ultra SkyMarathon Madeira

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

こちらの記事をベースにプラスアルファの解説や、ゲストのインタビューをライブ配信またはプレミア配信でお届けする「DC Weekly LIVE+」を10月11日月曜日21時からお届けします。ゲストのMarathon des Sablesで女子2位の尾藤朋美さん、KOUMI 100男子優勝の鬼塚智徳さんのインタビューを番組中でご覧いただきます。

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(写真・Marathon des Sablesで女子2位となった尾藤朋美 BITOH Tomomi。Photo © CIMBALY / Frank Oddoux)

先週末開催のイベント

10月1日金曜日 – 11日月曜日

Marathon des Sables(サハラ砂漠マラソン) (250km, 6 stages)

モロッコ南部のサハラ砂漠で開催される7日間のステージレース。6つのステージ(うち一つは二日間にわたる長距離のステージ)で構成される合計約250kmで、チャリティ目的のタイムを計測しない最後のステージ以外は1日に30kmから80kmを走る砂漠のレースで、水と寝泊まりするテントの他は7日間に必要な補給食や装備を携行するのがルールとなります。コロナ禍による延期で例年の4月から10月に変更されて開催された今回は例年より乾燥と高い気温が選手を苦しめ、672人の参加者の完走率は52.5%。大会の途中でフランス人の50代男性の選手一人が亡くなるという悲劇もありました。

男子では今回もラシッド・エルモラビティ Rachid El Morabityモハメド・エルモラビティ Mohamed El Morabityの兄弟がそれぞれ8度目の優勝(21時間17分)と、4度目の準優勝(21時間32分)。3位にはメリル・ロベール Merile Robert(フランス)が22時間39分で入りました。アジス・ヤシュウ Aziz Yachouはタイムではロベールを上回って3番手でしたが、必携装備を紛失したことから1時間のペナルティが加算されたことから4位に。5位にはUTMB®︎で3位のマチュー・ブランシャール Mathieu Blanchard(フランス)が続きました。

女子は前回2位のアジサ・ラジ Aziza Rajiが優勝(30時間30分)。長距離の第4ステージで2位以下に2時間23分の大差をつけて勝利を確実なものにいました。2位には日本の尾藤朋美 BITOH Tomomiが34時間39分で続きました。今回がこの大会に初挑戦の尾藤はステージ1の6位からステージが進むごとに調子をつかんで順位をあげて、第4ステージで3位、第5ステージで首位に。ロードのウルトラマラソン、トライアスロン、障害物レース(OCR)、トレイルランニングと幅広く好成績を挙げてきましたが、今回は国際的な大会で表彰台に立ちました。3位はアイシャ・オムラニ Aicha Omrani(フランス)で35分47秒でした。リザルトはLiveTrailから。

当サイトではYouTubeでのライブ配信番組 DC Weekly LIVE+で尾藤さんとのインタビューをお送りします。

女子トップ3。左が女子2位の尾藤朋美 BITOH Tomomi。Photo © CIMBALY

女子トップ3。左が女子2位の尾藤朋美 BITOH Tomomi。Photo © CIMBALY

10月6日水曜日 – 9日土曜日

Otter African Trail Run (42k)

南アフリカのツィツィカマ国立公園の海岸沿いのトレイルで開催。女子はビアンカ・タルボトン Bianca Tarbotonが4時間45分の大会新記録で優勝、男女総合7位の好成績でした。男子はジョアート・バン・ヘールデン Johardt Van Heerdenが4時間16分で優勝。ライアン・サンデス Ryan Sandesが4時間24分で2位でした。リザルトはこちら

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10月8日金曜日 – 10日日曜日

Gran Trail Penalara (104k, 61k, 11k)

スペイン・マドリード近郊の名山、ペニャララ山(2428m)のピークを踏む山岳トレイルレース。104kmの男子ではユーリ・ピクー Yuriy Pikhが12時間16分で優勝。このほか、61kmのレースにパウ・カペル Pau Capellが出場し、3位でフィニッシュした模様です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

10月8日金曜日 – 9日土曜日

Ultra SkyMarathon Madeira (55k)

北大西洋のマデイラ島(ポルトガル)で開催。例年の5月末から先週末に延期して今年の大会が行われました。9日に行われたスカイランナー・ワールドシリーズの55kmのレースでは男子ではマルタン・アンタマッテン Martin Anthamatten(スイス)が6時間11分、女子はメイ・エラースティ Mayi Errasti(スペイン)が7時間16分で優勝。同日開催の23kmのレースでは吉住友里 YOSHIZUMI Yuriが2時間35分で優勝。2位に25分差での圧勝でした。吉住は前日のVKにも出場して3位になっています。リザルトはこちら。スカイランナーワールドシリーズは10月24日のSkyrace des Matheysins(フランス)の25kmが次のレースとなります。

23kmのSantana SkyRaceで女子優勝の吉住友里 YOSHIZUMI Yuri。Photo by 吉住友里

23kmのSantana SkyRaceで女子優勝の吉住友里 YOSHIZUMI Yuri。Photo by 吉住友里

10月9日土曜日 – 10日日曜日

OSJ Koumi 100

八ヶ岳の東麓、松原湖高原スケートセンターを会場に、32kmの周回コースを5周する100マイルレース。概ね穏やかで走りやすいコンディションの中でレースが行われました。男子のレースは4周目を終えた時点で澤柳匠、鬼塚智徳、白川裕登が2分以内の僅差。エイドを出て5周目に入る時点では3人に続いていた長尾暁人も加わって4人が1分以内という接戦に。しかし、この5周目で鬼塚智徳が単独でリード。2位以下を20分も引き離して21時間53分でフィニッシュして優勝。現在のコースとなってからの大会新記録となりました(これまでの記録は22時間30分8秒<田中裕康、2017年>。前回優勝の白川裕登が22時間13分で2位、長尾暁人が22時間34分で3位でした。女子は市村浩美に大淵千鶴が続いていましたが、3周目で大淵がリードを奪います。結果は大淵千鶴が26時間59分で優勝、こちらも大会記録を3時間以上短縮して更新(これまでの記録は30時間8分1秒<黒田清美、2020年>)。市村浩美が19分差の27時間18分で2位。3位は星野由香理で28時間1分でした。リザルト速報はこちら

当サイトではYouTubeでのライブ配信番組 DC Weekly LIVE+で男子優勝の鬼塚智徳さんとのインタビューをお送りします。

尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター

群馬県の尾瀬岩倉ホワイトワールドで開催。1日目の9日に行われたスカイスピード(700m, 300mD+)はスカイランニング日本選手権のスピード種目のレースでした。結果は男子で渡辺良治が5分23秒、女子で高校生の小林華蓮が6分32秒でそれぞれ優勝。渡辺はスピードの日本選手権で四連覇、小林は昨年に続いて二連覇でした。2日目の10日は5kmで1000mを駆け上がるバーティカルキロメーターでした。日本選手権の女子のレースを制したのは楠田涼葉で54分15秒、2位の上田絢加は11秒差の54分26秒。3位は高橋友理奈で55分42秒でした。

日本選手権VK女子チャンピオンとなった楠田涼葉。Photo by © 計測工房

日本選手権VK女子チャンピオンとなった楠田涼葉。Photo by © 計測工房

男子は近江竜之介が41分35秒でチャンピオンに。昨年の自らのタイムを5秒上回って日本選手権で二連覇。2位に宮川朋史が42分32秒、3位に小田切将真で43分51秒でした。

日本選手権VKとユース選手権の男子チャンピオンとなった近江竜之介。Photo by © 計測工房

日本選手権VKとユース選手権の男子チャンピオンとなった近江竜之介。Photo by © 計測工房

同じレースで行われたユース選手権は女子では小林華蓮が57分27秒でチャンピオンに、そして冨田にこ(1時間0分41秒)、佐俣明香莉(1時間1分8秒)がトップ3に。男子は近江がチャンピオンで星野誉貴(44分36秒)、松本祥汰(45分50秒)が続いています。リザルトはこちら

ユース選手権VK女子チャンピオンの小林華蓮。Photo by ©石山匠

日本のスカイランニング関連イベントでは10月24日に北信越選手権の魚沼アルプススカイレース、10月30-31日の烏帽子VK・スカイレースが続きます。

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Indiana 100

アメリカ・インディアナ州アルビオンのChain O’ Lakes State Parkで開催される20マイル×5周の100マイルの他、100km、50マイルのレースが行われました。リザルトはこちら

10月9日土曜日

京都一周トレイルグランドトラバース (60km)

京都一周トレイルの北山コース、東山コースを走るイベントで制限時間は12時間。9月4日から延期されて開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

3 Peaks Race

イングランド北部、ヨークシャーデールズ国立公園の中にある三つの山をコースにしたフェル・ランニングのレース。リザルトは大会ウェブサイトから。

10月10日日曜日

Kilometro Vericale Chiavenna-Lagunc

イタリア北部、キアヴェンナで開催される距離3.3kmで標高差1000mを登るバーティカルキロメーターのレースでMountain Running World Cupの今年の最終戦でした。レースは女子はアンドレア・マイヤー Andrea Mayr(オーストリア)が35分41秒で1位、3位にフランチェスカ・ゲルフィ Francesca Ghelfi(イタリア)が39分16秒、3位にサラ・マコーミック Sarah McCormack(アイルランド)が39分56秒。男子はイタリア勢がトップ3を占め、アンリ・アイモンド Henri Aymonod(31分40秒)、ティツィアーノ・モイア Tiziano Moia(32分18秒)、ナディル・マゲ Nadir Maguet(32分40秒)が表彰台に立ちました。このレースで今年のMountain Running World Cupはショートアップヒル、クラシック、ロングディスタンスの全16レースが終了して閉幕。獲得ポイントで決まるランキングで3種目の総合では女子チャンピオンにジョイス・ンジェル Joyce Muthoni Njeru(ケニア)、男子チャンピオンにアンリ・アイモンド Henri Aymonod(イタリア)が決まりました。このほか各種目についてもチャンピオンが決まりました。この日のレースの結果はこちら(公開され次第リンクします)。W杯の結果はこちら

W杯最終戦のKilometro Vericale Chiavenna-Laguncで男子優勝のアンリ・アイモンド Henri Aymonod(イタリア)。Photo by WMRA

W杯最終戦のKilometro Vericale Chiavenna-Laguncで男子優勝のアンリ・アイモンド Henri Aymonod(イタリア)。Photo by WMRA

今週末開催のイベント

10月9日土曜日 – 24日日曜日

Takahara 3Peak’s Mountain Race

栃木県矢板市・塩谷町。たかはら花畑キャンプ場を拠点とし、26kmのコースを16日間のいずれかの日(複数回の挑戦も可能)に完走するというタイムトライアル形式のレース。

10月15日金曜日 – 17日日曜日

Penyagolosa Trails (108k, 60k)

スペインのカステリョー・デ・ラ・プラーナ Castelló de la Planaで開催、108kmのCSPがUltra-Trail World Tourのイベントとなります。昨年はコロナ禍で中止、今年は例年の4月開催から延期されて開催となります。

(中止)Ultra-Trail Ninghai (105k, 55k, 25km, 12k)

中国浙江省寧波市寧海県。浙江の渓谷エリアや竹林をコースとする108km 5,045mD+のレースがUltra-Trail World Tourのシリーズ戦になっていますが、中止とすることが先月発表されました。5月の甘粛省でのトレイルランニング大会での事故以来、中国では大会が開催されていない状況が続いています。

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DC Weekly 2022年2月16日 Coastal Challenge, Black Canyon

10月16日土曜日 – 17日日曜日

Mt.Rokko Cannonballrun (100k, 50k)

六甲全山縦走路を走る人気の大会。今回も須磨浦公園から宝塚までの片道のみの56km、往復の112kmをソロ、あるいは二人や数人のグループで走るなどいくつかのカテゴリーで開催されます。

Salomon Cappadocia Ultra-Trail (119k, 63k, 38k)

トルコでも最も有名な観光地、世界遺産のカッパドキアを走る大会。玄関口となるウルギュップを起点に、ギョレメなどの主なポイントとつないだコースとなっています。119kmのレースがUltra-Trail World Tourのレースとなります。

(中止)Seoul 100k (100k, 50k)

韓国の首都・ソウルの周りをグルリと時計回りで一周する100kmと50kmのコースで行われる大会。通常の形式での開催は見送られましたが、大会のコースを16日、17日、23日の自ら選んだタイミングで走るタイムトライアル形式のバーチャルレースが行われます。

10月16日土曜日

Autumn 100

イギリス・ロンドンから西に行ったテムズ川に面したGoringとStreatleyの二つの村を拠点にした100マイルのレース。累積獲得高度は1,170mD+。

Oil Creek 100

ペンシルベニア州のオイルクリーク州立公園で開催。クリーク(川)の両岸のトレイルを一周する約50kmの周回コースを3周する100マイルです。

(中止)美ヶ原トレイルラン(80km, 45k, 15k)

長野県長和町。美ヶ原を中心に標高2000mの山岳エリア、中山道の和田宿、長門牧場などを通るコースで開催される大会。今年は5月開催予定からこの週末に延期されていましたが、その後中止となっています。

10月17日日曜日

南アルプスマウンテンマラソン

南アルプスの南端に位置する静岡県川根本町で開催。昨年からロゲイニング形式のオリジナルのルールに基づくナビゲーションレースに生まれ変わったイベントとなっています。

(中止)秋吉台カルスト TRAIL RUN(39k)

山口県美祢市。カルスト台地として有名な秋吉台で開催。リアルのレース開催は見送られ、スマホアプリを使って身近なコースで参加できるオンライン大会が12月1-19日に行われます。

(中止)Japan Trophy 峠100

神奈川県山北町。ウルトラマラソンのコンペティティブな競技イベントを志向するJapan Trophyの一戦として予定されていましたが、開催は見送られました。

(中止)小辺路 TRAIL JOURNEY in 十津川

京都市。鞍馬から花脊峠を越えた先の花脊の山村を会場にして開催。今年も大会は中止に。

(中止)山村都市交流の森 花背トレイルラン(25k, 16k)

京都市。鞍馬から花脊峠を越えた先の花脊の山村を会場にして開催。こちらも大会は中止に。

(中止)峨山道トレイルラン(73k)

富山県南砺市。古道「道宗道(どうしゅうみち)」をベースとするコースで今年は第6回大会が予定されていましたが、中止になっています。

(中止)市川三郷 四尾連稜線トレイルラン(35km/16km/8km)

山梨県市川三郷町で開催の35km、16km、8kmのレース。今年の開催は見送られています。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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