【追記あり】DC Weekly 2022年7月18日 Hardrock 100、Badwater 135、Eiger、野沢温泉

【Badwater 135について追記しました。】国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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先週末開催のイベント

7月11日月曜日 – 13日水曜日

Badwater 135

アメリカ・カリフォルニア州のデスバレーからマウントホイットニーまでの135マイル(217km)の灼熱のコースを走るウルトラマラソン。男子のレースは石川佳彦 Yoshihiko Ishikawa(JPN)が23時間8分で制し、大会記録を更新した2019年に続いて二度目の優勝となりました。2位はイバン・ペナルバ Iván Penalba Lopez(ESP)で24時間2分、3位は昨年のチャンピオン、ハーベイ・ルイス Harvey Lewis(USA)で27時間16分でした。

Badwater 135で二度目の優勝を果たした石川佳彦(左から二人目)とサポートクルーの皆さん。Photo by Badwater 135

Badwater 135で二度目の優勝を果たした石川佳彦(左から二人目)とサポートクルーの皆さん。Photo by Badwater 135

女子ではアシュレイ・ポールソン Ashley Paulson(USA)がペナルバに続く総合3位の24時間9分でフィニッシュして優勝。2019年にパトリシア・ベレズノウスカ Patrycja Bereznowska(POL)が記録した24時間13分を上回る大会新記録となります。女子2位にはジョー・マンタ Georgia Jo Manta(GRC)が28時間45分、3位にパム・スミス Pam Smith(USA)が30時間11分となりました。ポールソンはウルトラマラソン、トライアスロンのプロアスリート、コーチですが、過去の経歴や今回の記録の終盤のタイムが速すぎるなどの理由から不正を疑うブログ記事が公開され、大会のFacebookページで議論となっています。これに対して大会主催者は感情的な反応を控えてアスリートのパフォーマンスを讃えるよう呼びかけています。【追記・その後、不正の可能性を指摘したブログにおいてGPSファイルなどを仔細に検討した結果、不正はなかったとの見解が明らかにされました。こうした状況を受けて大会Facebookページではポールソンの女子大会新記録での優勝を讃える投稿をしています。2022.07.27】

The Marathon Investigation website operator has completed his detailed analysis of Ashley Jensen Paulson’s…

Posted by Badwater on Sunday, July 24, 2022

リザルトはこちら

7月13日水曜日 – 17日日曜日

Eiger Ultra Trail by UTMB (250k, 101k, 51k, 35k, 16k)

スイス・グリンデルワルトを拠点にアイガー山麓のトレイルをコースとする大会で、今年からUTMB®︎ World Seriesに加わりました。E101女子は28歳のカタリナ・ハートマス Katharina Hartmuth(GER)が13時間37分で優勝。エマ・プーリー Emma Pooley(AUS、スイス在住)が14時間56分、サラ・アマン Sara Ammann(SUI)が15時間15分でトップ3でした。シャン・フージャオ Fuzhao Xiang(CHN)16時間11分で4位に。男子はシェン・ジアシェン Jiasheng Shen(CHN)が10時間44分で優勝、このコースで大会記録を17分上回る新記録となりました(これまでの記録は2017年のステファン・ハンゲルシュミットの11時間1分)。前回2019年優勝のジャンフィリップ・チュミ Jean-Philippe Tschumi (SUI)が2位、ユン・ヤンチャオ Yanqiao Yun(CHN)が11時間35分で3位でした。中国勢ではチャオ・ジアジュ Jiaju Zhaoが5位、ロー・カンファ Canhua Luoが7位になっています。

Eiger Ultra Trail by UTMB®︎のE101を大会新記録で優勝したシェン・ジアシェン Jiasheng Shen。Photo by Eiger Ultra Trail by UTMB®︎

Eiger Ultra Trail by UTMB®︎のE101を大会新記録で優勝したシェン・ジアシェン Jiasheng Shen。Photo by Eiger Ultra Trail by UTMB®︎

二人または三人のチームで250km 20,000mD+のコースを100時間以内で走破するE250では丹羽薫いいのわたるのチームが五番目のフィニッシャーとしてグリンデルワルドにフィニッシュ。野間陽子鈴木潤子福井奈穂のチームも84時間台でフィニッシュしています。

チーム Nadeshiko Japon(野間陽子、鈴木潤子、福井奈穂)のフィニッシュ。Photo by Eiger Ultra Trail by UTMB

チーム Nadeshiko Japon(野間陽子、鈴木潤子、福井奈穂)のフィニッシュ。Photo by Eiger Ultra Trail by UTMB

E101には昨年のE51で優勝のやジェイソン・シュラーブ Jason Schlarb(アメリカ)に加え、、、シェン・ジアシェン Jiasheng Shen、と中国のトップ選手が揃ってエントリー。女子のE101にはシャン・フーチャオ Xiang Fuzhaoもエントリーしており、中国勢の活躍が見込まれます。

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7月15日金曜日 – 16日土曜日

DoloMyths Run(58.7km, 27.6km, 22km, VK)

イタリア北部・カナゼイで開催。Golden Trail National Seriesのイタリアシリーズの 22kmのDoloMyths Run Skyraceの男子はダビデ・マニーニ Davide Magnini(ITA)が2時間0分で優勝、ペトロ・マム Petro Mamu(ERI)が20秒差の2時間1分で2位、スティアン・アンゲルムンド Stian Angermund(NOR)が2時間2分で3位でした。女子はマルティナ・バルマソイ Martina Valmassoi(ITA)が2時間39分で優勝し、2時間42分でステファニー・クロール Stephanie Kroell(AUT)が2位、セシリア・バッソ Cecilia Basso(ITA)がわずか6秒差の2時間42分で3位でした。58.7kmのUltraのレースはアンドレアス・ロイタラー Andreas Reiterer(ITA)が6時間18分、エリサ・デスコ Elisa Desco(ITA)が8時間11分で男女それぞれの勝者となっています。リザルトは大会ウェブサイトから。

Zugspitz Ultratrail (108km, 82km, 68km, 50km, 24km)

ドイツ南部のオーストリアとの国境の町、ガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch-Partenkirchenを拠点に開催。Ultratrail (108km 5,120mD+)ではトーマス・アンゲタム Thomas Ungethüm(GER)が13時間16分、ラダ・スタルゼロバ Lada Štalzerová(CZE)が15時間20分で男女それぞれのレースで優勝。リザルトはこちら

Photo by Zugspitz Ultratrail

Photo by Zugspitz Ultratrail

7月15日金曜日 – 17日日曜日

Hardrock 100

アメリカ・コロラド州シルバートン。コロラド州南部のサンフアン山脈で開催される山岳トレイルランニングレース。100マイルのレースでキリアン・ジョルネ Kilian Jornet(ESP)が21時間36分、コートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter(USA)が26時間44分で男子、女子それぞれのレースで大会記録を更新して優勝しました。キリアンの記録は自身による今回と同じ時計回りの記録(2014年、22時間41分)を上回っただけでなく、昨年の反時計回りでフランソワ・デンヌが記録した21時間45分をも上回りました。そし出場した5回のこのレースで全て優勝したことになります。コートニーは2009年にダイアナ・フィンケルが記録した27時間18分以来の新記録となります。

男子のレースはキリアン、フランソワ・デンヌ François D’Haene(FRA)、ダコタ・ジョーンズ Dakota Jones(USA)の3人がリードし、70マイル過ぎからはキリアンとフランソワの二人に。残り10マイルとなったのちにキリアンが先行するという展開でした。2位のフランソワはキリアンに15分差の21時間51分、3位のダコタは23時間6分でフィニッシュしました。

女子ではコートニーが後続選手へのリードを広げ続けて男女総合7位でフィニッシュ。レース後半に2位に浮上したステファニー・ケース Stephanie Case(CAN)が33時間52分でフィニッシュ。続いて地元シルバートン在住のハンナ・グリーン Hannah Green(USA)が34時間26分で3位に。前半に2位だったダーシー・ピセウ Darcy Piceu(USA)は4位でフィニッシュしました。

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ピレネー山脈で開催されたVal d’Aran by UTMB®:Raúl CriadoとOihana KortazarがPDA部門で優勝

リザルトはこちら

Vermont 100

アメリカ北東部、バーモント州で開催される100マイル、100kmのトレイルランニングレース。リザルトはこちら

7月16日土曜日 – 17日日曜日

OSJ Ontake 100(100k, 100マイル)

長野県王滝村。2008年にはじまった日本の長距離トレイルレースの名大会です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

Tahoe Rim Trail 100(100mile, 50mile, 55k)

アメリカのカリフォルニア州とネバダ州にまたがるタホ湖のネバダ州側、カーソンシティのウェスタンネバダ大学をスタート、フィニッシュとするループコースで開催。リザルトはこちら

Cameron Ultra(100km, 60km, 30km, 15km)

マレーシア・パハン州のキャメロン・ハイランズ。この大会の100kmのレースでマレーシア在住の喜多村久 Hisashi Kitamuraが12時間1分で優勝。北村さんはAsia Trail Masterのシリーズ戦で2年以内に70kmまたは累積4500mD+のレースを6つ以上完走したアスリートに与えられる「グランドマスター」の称号から、さらに完走レース数を重ねた選手に認められる最上位の「フォー・スター・グランドマスター」のタイトルの初獲得者となりました。

Asia Trail Masterの初めての「フォー・スター・グランドマスター」となった喜多村久 Hisashi Kitamura。 Photo by Asia Trail Master

Asia Trail Masterの初めての「フォー・スター・グランドマスター」となった喜多村久 Hisashi Kitamura。 Photo by Asia Trail Master

7月16日土曜日

La Montee du Nid d’Aigle 19.5km

フランス・サンジェルべで今回で35回目となる山岳マラソン大会が行われます。マウンテンランニングのW杯レースでした。レースはパトリック・キプネゴ Patrick Kipnego(KEN)とジョイス・ンジェル Joyce Muthoni Njeru (KEN)が男女それぞれのレースを制しました。男子ではキプネゴとフィレモン・キリアゴ Philemon Ombogo Kiriago(KEN)の二人が前半7kmまで並走しますが、キプネゴが先行して1時間38分で優勝。大会記録を5分半縮めて大会新記録でした。6分差の1時間45分でキリアゴが2位、テオドール・クライン Théodore Klein (FRA)が1時間46分で3位でした。女子はンジェルが終始リードして2時間0分でフィニッシュ。2006年に遡る大会記録を6分上回り新記録となりました。ブランディーヌ・リロンデル Blandine L’Hirondel(FRA)が2時間2分で2位、カミラ・マグリャーノ Camilla Magliano(ITA)が2時間6分で3位。リザルトはこちら

La Montee du Nid d’Aigleで女子の大会記録を16年ぶりに更新して優勝したジョイス・ンジェル Joyce Muthoni Njeru。Photo by Marco Gulberti / WMRA

La Montee du Nid d’Aigleで女子の大会記録を16年ぶりに更新して優勝したジョイス・ンジェル Joyce Muthoni Njeru。Photo by Marco Gulberti / WMRA

Laugavegur Ultra Trail (55k)

アイスランドで開催される55kmのP2P(Point to Point)形式の「ロイガヴェーグル・ウルトラトレイル」。レースは男子がアーナー・ペツールソン Arnar Pétursson、女子はアンドレア・コルベインスドッティル Andrea Kolbeinsdóttirがそれぞれ優勝しています。

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7月17日日曜日

The 4100D マウンテントレイル in 野沢温泉(65km, 37km, 14km)

長野県・野沢温泉村。Golden Trail National Seriesのジャパンシリーズの第3戦となった37kmのレースの男子では小笠原光研が3時間26分で優勝。6分差でサイラス・ジュイが2位(3時間32分)、大瀬和文が3位(3時間37分)でした。女子は秋山穂乃果が4時間16分でこのレースを制し、長野安那が2位(4時間38分)、澤田由紀子が3位(4時間55分)で続くという結果でした。65kmでは三浦裕一(6時間55分)、板垣成美(7時間39分)が男女それぞれのチャンピオンとなっています。リザルトはこちら。ゴールデントレイルナショナルシリーズの次のレースは8月7日の小谷トレイルオープンとなります。

今週末開催のイベント

7月22日金曜日 – 24日日曜日

スカイランニング・ユース世界選手権

今回で6回目となるスカイランニング・ユース世界選手権 Youth Skyrunning World Championshipsはピレネー山脈にあるアンドラで開催。翌週のスカイランナー・ワールドシリーズのイベントとなるSkyrace Comapedrosaを前に同地でユース世界選手権が行われます。カテゴリーはユースA(15-17歳)、ユースB(18-20歳)、U23(21-23歳)の三つで、レースは22日にバーティカル(3.5km 1000mD+)、24日にスカイ(19km 1450mD+、ユースAは14km 1300mD+)が予定されています。 日本からは次の8選手が出場します(五十音順)。

  • 近江 仁之介(男・ユースB)
  • 近江 竜之介(男・U23)
  • 小林 華蓮(女・ユースA)
  • 佐俣 明香莉(女・U23)
  • 冨田 にこ(女・ユースA)
  • 松本 祥汰(男・U23)
  • 山岸 大志(男・ユースA)
  • ルブラス 恵美里(女・ユースB)

Golden Ring Ultra-Trail(100k, 80k, 50k, 30k, 20k)

ロシア・ウラジーミル州スーズダリ Suzdalで開催。観光地としても知られる「黄金の環」の都市群の一つで古代から中世の教会建築が世界遺産となっている古都をメイン会場とする大会。

7月22日金曜日 – 23日土曜日

Speedgoat Mountain Races by UTMB (50km, 28km, 11km)

アメリカ・ユタ州のスノーバード・スキーリゾートで開催。20088年に始まった大会は今年からUTMB®︎ World Seriesのシリーズ戦に加わり、50km、28km、11kmの三つのレースが行われます。

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Cascade Crest 100

アメリカ・ワシントン州のシアトル郊外で開催の100マイルのトレイルランニングレース。これまでは8月の最終週に開催されていた大会ですが、今年は1ヶ月時期を早めての開催です。

Schlegeis 3000 Skyrace (VK, 34k, 17k)

オーストリア西部、チロル州のツィラータール Zillertalで開催。34km 2400mD+の「スカイレース」がスカイランナー・ワールドシリーズのTier 2レースとなります。

7月23日土曜日 – 24日日曜日

OMM LITE / BIKE Hakuba, Otari

長野県白馬村、小谷村。ラン&ハイクでのロゲイニング形式の「LITE」と、自転車の「BIKE」の二つのイベントが行われます。

7月23日土曜日

Trans D’Havet(80k, 42k, 24k)

イタリア北部・バルダーニョをメイン会場にして開催される、80km、42kmなどのトレイルランニングレース。

7月24日日曜日

大雪山トレイルジャーニー(60k, 40k, 15k)

北海道遠軽町白滝。「大雪山ウルトラトレイル」から名前をあらためて3年ぶりの開催です。

Kushigata Wind Trail (31k, 18k)

新潟県胎内市。日本一小さな山脈・櫛形山脈で開催、というキャッチフレーズからの想像を超えるタフなコースと評判の大会。これまでの5月から時期を移して3年ぶりの開催。

牛松山バーティカルレース

京都府亀岡市。標高636mの牛松山山頂をフィニッシュとする2.0km 464mD+のコースでノーマルのレースと、このコースで二度走ってその合計タイムで競うエキスパートのレースが行われます。

霧島・えびの高原 エクストリームトレイル(65k, 33k)

宮崎県えびの市・鹿児島県霧島市、湧水町。九州で有数の長距離トレイルランニング大会として2013年から開催されている大会。昨年に続いて、当サイトの岩佐が大会のライブ配信に登場します。ショート(33km)のレースは来年6月にオーストリアで開催予定のマウンテンランニング・トレイルランニング世界選手権の日本代表選考レースとなっています。女子では岩村聖華、楠田涼葉、秋山穂乃果、男子では荒木宏太、森本幸司、河野健一、冨高一成、須賀暁、栗原健誌、横内佑太朗、町田知宏、宮川朋史に注目。65kmのロングの有力選手としては福島舞、上宮逸子、伊藤ありか、吉田広美、小野雅弘、地下翔太、鬼塚智徳、駒井令、別府浩司がエントリーしています。

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