2022年 CCC プレビュー #UTMB

世界のトレイルランニングの最高峰、UTMB Mont-Blancが来週、8月21日日曜日から28日日曜日の日程で開催されます。今年からUTMB Mont-Blancは「UTMBワールドシリーズ」のファイナルと位置付けられ、55kmの「OCC」、100kmの「CCC」、そして170kmの「UTMB」の三つは各カテゴリーのシリーズチャンピオンを決めるレースとなります。

今年も、8月25日木曜日から28日日曜日まではOCC、CCC®︎、UTMB®︎のレースの模様が「UTMB LIVE」においてライブストリーミング配信されます。ライブ配信の日本語チャンネルでは当サイトの岩佐がMCを務めます。

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木曜日のOCCについて紹介した記事に続いて、この記事では8月26日金曜日午前9時(日本時間同日午後4時)スタートの100kmのCCCについて紹介します。同日午後6時(日本時間土曜日午前1時)スタートの170kmのUTMBの見どころも続く記事でご紹介する予定です。

CCC

100km 6,100mD+のコースで行われるCCCは170kmのUTMBの後半部分にあたり、クールマイユールから反時計回りでシャモニーを目指します。スタートは8月26日金曜日午前9時(日本時間同日午後4時)、制限時間は26時間30分、参加定員は1900人です。

CCC 女子

今年のCCCの女子選手の優勝候補はズバリ二人。ルース・クロフト Ruth CROFT (NZL) とブランディーヌ・リロンデル Blandine L’HIRONDEL (FRA) です。クロフトは2015年のCCCで男女総合8位となって優勝し、その後はOCCで2018年、2019年と連覇。その後、ウェスタンステイツでは昨年の2位に続いて今年は優勝を果たし、100マイルでもその強さを発揮しています。CCCで2度目の優勝を果たし、来年は170kmのUTMBを目指すことになるのか。 【追記・ルース・クロフトは今年のCCC出場を見送ります。2022.08.19】一方リロンデルは2019年のトレイル世界選手権のチャンピオンで昨年、初めてUTMB Mont-Blancにデビューし、OCCを大会新記録で優勝しました。100kmという距離はこれまでレースの経験はありませんが、注目です。

さらに昨年のCCCで2位のアビー・ホール Abby HALL (USA)、9位のメーガン・マッケンジー Megan MACKENZIE (RSA) 、昨年のOCCで3位、今年のMarathon du Mont-Blancで2位のケイトリン・フィールダー Caitlin FIELDER (NZL)、昨年のOCCで5位のエリサ・デスコ Elisa DESCO (ITA)、同6位のヘンリエッテ・アルボン Henriette ALBON (NOR)、同9位で今年のウェスタンステイツで7位のテイラー・ノウリン Taylor NOWLIN (USA)と、昨年のUTMB Mont-Blancで活躍した選手が多数エントリーしています。2018年CCCで3位のイーダ・ニルソン Ida NILSSON (SWE)も今年のCCCにエントリーしています。

加えて、今年のCCCには北米の女子有力選手が多数エントリーしています。

  • ジャズミン・ローサー Jazmine LOWTHER (CAN): 今年4月のCanyons by UTMB 100kmで優勝。
  • ハンナ・オソースキ Hannah OSOWSKI (USA): 2022年Gorge Walterfalls 100kで優勝。
  • ラディア・アルバートソン-ジュンカンス Ladia ALBERTSON-JUNKANS (USA): 2019年Bandera 100kで2位、2022年Chuckanut 50k優勝、Canyons by UTMB 100kmで4位。
  • ターラ・フラガ Tara FRAGA (USA): 2022年Gorge Walterfalls 100kで2位。
  • エミリー・シュミッツ Emily SCHMITZ (USA): 2021年OCCで11位、2022年Trail du Saint-Jacque by UTMB 72kで2位、Val d’Aran by UTMB®︎ 55kで2位。
  • ケイシー・リックタイ Kaci LICKTEIG (USA): 2016年ウェスタンステイツ優勝、2018年UTMBで10位。ウェスタンステイツでは2021年10位、2022年18位。【追記・リックタイは先月すでにCCC出場を見送ることを明らかにしています。2022.08.22】
  • エリン・クラーク Erin CLARK (USA): 2022年Bandera 100kで2位。
  • ヘレン・ミノ – フォークナー Helen MINO FAUKNER (USA): 2021年Broken Arrow Skyrace 52kで2位。
  • ケリー・ウルフ Kelly WOLF (USA): 2021年Broken Arrow Skyrace 26kで5位、2022年MIUT 85優勝、Lavaredo Ultra-Trail by UTMB 81kで優勝。
  • サンディ・ナイペイバー Sandi NYPAVER (USA): 2018年Run the Rut 50kで優勝、2021年Broken Arrow Skyrace 52kで4位。
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ヨーロッパからも次の選手に注目。

  • マルセラ・ワシノワ Marcela VASINOVA (CZE) : 2021年スカイランニング世界選手権優勝、2022年Hochkönig Skyrace 32kで優勝。
  • ヨハンナ・アンティラ Johanna ANTILA (FIN) : 2022年Transgrancanaria 61kで2位、Lavaredo Ultra-Trail by UTMB 81kで2位。
  • ベロニカ・バドビチョワ Veronika VADOVICOVA (SVK) : 2019年Izu Trail Journeyで優勝、2020年Hong Kong 100kで2位。
  • カトリーン・ゲッツ Kathrin GÖTZ (SUI): 2021年MaXi Race 83kで優勝。
  • マリオン・デレスピエール Marion DELESPIERRE (FRA) : 2021年UTMBで4位。

CCC 男子

昨年、UTMB Mont-Blancのレースに初めて登場し、OCCで優勝したジョナサン・アルボン Jonathan ALBON (GBR) は現在最強のトレイルランナーのひとりです。そのアルボンが今回のCCCで自身が走るレースとしては最長の100kmを走ります。とはいえ、最近では昨年10月にTempliers 81kで優勝しており、距離が長いといっても不安はなさそう。2019年のトレイルランニング世界選手権のチャンピオンであり、今年は6月のMarathon du Mont-Blanc、Stranda Fjord Trail Race 25kで優勝しています。

アルボンに挑むのはヘイデン・ホークス Hayden HAWKS (USA)。UTMB初挑戦の2017年のCCCで優勝、その後は2018年のTDS、2019年のUTMBでDNFとなったのち、昨年のOCCで5位。今シーズンは6月のウェスタンステイツでジム・ウォルムズレイに続いて2位。今回のCCCではアルボンを相手に2度目の勝利を目指します。

今年のUTMBには中国のトップ選手たちが戻ってきます。シェン・ジアシェンJiasheng SHEN (CHN) は2018年のOCCで6位に続いて2019年のCCCで5位。世界に中国勢の活躍を印象付けた選手の一人です。コロナ禍で海外レースの機会が減り、昨年5月の甘粛省での事故以来、中国のアスリートはトレイルランニングのレースから遠ざかっていました。今年の夏からはヨーロッパのレースで再び活躍する選手が現れるようになり、シェンもその一人です。6月のLavaredo 121kでは3位、7月のTrail Verbier St. Bernard 46kで優勝、Eiger Ultra-Trail E101で優勝と、ブランクは感じさせない結果を出しています。

昨年のCCCで3位のティボー・バロニアン Thibaut BARONIAN (FRA) は今年もCCCにエントリー。今シーズンはGolden Trail World SeriesのレースでZegamaの6位、Mont-Blancの5位、Strandaの6位と上位をキープしています。今回のCCCでもレースをリードする存在。このほか、昨年のCCCで4位のアンドレアス・ライテラー Andreas REITERER (ITA)、同じく8位のアベル・カレテロ Abel CARRETERO ERNESTO (ESP) 、9位のバプテスト・シャサーニュ Baptiste CHASSAGNE (FRA) が再びCCCのスタートラインに立ちます。

日本のファンには2013年ハセツネCUPチャンピオンのダコタ・ジョーンズ Dakota JONES (USA) の名前が目を惹くことでしょう。しばらくレースから離れていましたが、30代になって今シーズンはCanyons by UTMB 50kで優勝、Zegama-Aizkorriで11位、そして先月のHardrock 100では3位となっています。UTMB Mont-Blancには初登場です。【追記 ダコタ・ジョーンズはCCCを見送ります。2022.08.26】

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加えて、次の選手にも注目です。

  • デビッド・シンクレア David SINCLAIR (USA) : 2022年Canyons by UTMB 100kで2位、Broken Arrow Skyrace 52kで優勝、Speedgoat by UTMB 50kで優勝。
  • ペーター・エングダール Petter ENGDAHL (SWE) : 2021年OCCで3位、2022年MaXi-Race 40kで2位。
  • アンドレウ・シモン Andreu SIMON AYMERICH (ESP) : 2022年mozart 100 105kで2位、Val d’Aran by UTMB 105kで優勝。
  • アンネシュ・カレビック Anders KJAEREVIK (NOR) : Penyagolosa MiM 60kで2022年に3位、同年Tenerife BlueTrail 73kで優勝。
  • ダミアン・ウンベール Damien HUMBERT (FRA) : 2022年Hochkönig Skyrace 32kで2位、Minotaur Skyrace 33kで優勝、High Trail Vanoise 43kで優勝。
  • アリツ・エヘア Aritz EGEA CACERES (ESP) : 2022年Transgrancanaria 62kで2位、Penyagolosa MiM 60kで2位。
  • ヤン・ロンフェイ Longfei YAN (CHN) : 2015年HK100kで優勝、2017年CCCで31位、2022年 Val Tho Summit Games 42kで3位。
  • ジャンフィリップ・チュミ Jean-Philippe TSCHUMI (SUI) : Eiger Ultra-Trail E101 で2019年と2021年に優勝、2022年に2位。
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