ハセツネCUP・日本山岳耐久レース 2023 プレビュー #ハセツネ

今年も10月8日日曜日に日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)が開催されます。東京・あきる野市の五日市中学校をスタートして、あきる野・奥多摩の山岳コース 71.5km をぐるりと一周して五日市に戻るコースで開催される大会は、1993年の初開催以来多くのランナーに愛され、今日では事実上のトレイルランニングの日本選手権といえる存在感を持っています。昨年はコロナ禍を経て4年ぶりとなる第30回大会が開催されました。

今年は第31回として大会が開催されます。当サイト・DogsorCaravanでは大会公式YouTubeチャンネルで予定されているライブ配信に全面協力します。このため、恒例のTwitterでライブ速報はお送りできませんが、ライブ配信で大会当日のレースの模様をお楽しみください。

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今回のハセツネCUPのコースやフォーマットは次の通りです。昨年は記念すべき30回大会としてコースを2周する「ハセツネダブル」が開催されましたが今年は行われません。

  • コースは五日市中学校をスタートしてあきる野・奥多摩の山岳コースを一周して五日市会館へと戻る71.5km(GPSによる実測は65.4km程度、累積獲得高度 3,850mD+)。
  • コース上での補給は第二関門(月夜見第二駐車場、42km地点)の1.5リットルの給水所とコース後半の三ヶ所(大岳山荘、綾広の滝、御岳神社)の天然水の水場のみ。
  • 参加定員は2,000名。
  • 昨年に続いて「エリートの部」を設定。条件は大会優勝経験、ITRAパフォーマンスインデックスで男子550および女子500以上、などに一部変更。
  • スタートは昨年のエリートと一般のウェーブ、従来の自己申告によるブロック分けに代わって、エリートに続いてITRAパフォーマンスインデックスによるブロック分けを実施し、一斉スタート。
  • コースのうち、秩父多摩甲斐国立公園の特別保護地区となる三頭山の前後の約1.9km(大沢山手前にあるコースと「深山の路」の合流点からコースと「コマドリの路」の合流点まで)を歩行区間に設定。一般の部の選手についてはこの区間を走らずに歩くことがルールに加わりました。
  • スタートは10月8日日曜日午後1時、制限時間は24時間。

現在のハセツネCUPの大会記録は男子が7時間1分13秒(上田瑠偉 Ruy Ueda、2014年)、女子が8時間41分49秒(髙村貴子 Takako Takamura、2022年)です。

今年のハセツネCUPの有力選手

女子

髙村貴子 Takako TAKAMURA2008年から破られることのなかった櫻井教美の8時間54分7秒を上回る大会新記録で優勝したのが髙村貴子 Takako TAKAMURA (ITRA 717) です。ハセツネCUPには2015年の3位でデビューして翌年からは優勝を重ね、4年ぶりの昨年で四連覇となりました。この大会では男女を通じて四連覇を成し遂げたのは高村が初めてです。優勝回数では5回で間瀬ちがや(1999年、2000年、2001年、2004年、2007年)と櫻井教美(2002年、2003年、2005年、2006年、2008年)が並んでいます。高村がレジェンドの二人に並ぶことになるのか、注目されます。昨年のハセツネCUP以降はWMTRC世界選手権には11月のチェンマイ、6月のインスブルックに日本代表として出場し、チェンマイではショートで14位になっています。国内では今年春のハセツネ30Kで優勝、9月の全日本スカイランニング選手権・スカイで優勝したのも記憶に新しいところです。

楠田涼葉 Suzuha KUSUDA Photo by © 計測工房

高村とともにレースをリードすることになりそうなのは楠田涼葉 Suzuha KUSUDA (685) です。楠田はOSJ新城32kで昨年の2位に続いて今年は優勝。昨年のフェアリートレイル40kの優勝で今年のインスブルックでのWMTRC世界選手権に日本代表メンバーとして出場しています。最近では9月の全日本スカイランニング選手権・スカイで高村に続く銀メダルを獲得しています。ハセツネCUPには今回が初挑戦です。

昨年のハセツネCUPで3位の相原千尋 Chihiro AIBARA (671) は今シーズンは善通寺五岳山空海トレイル45k、鬼が城pクストレイル50kと四国のレースを制したのちに、4月のウルトラトレイルマウントフジのKAI 68kで優勝しています。最近では全日本スカランニング選手権となっていたOSJ安達太良山50kで3位という結果でした。

昨年のIAU100km世界選手権にも日本代表として出場した太田美紀子 Mikiko OTA (624) は今年6月のサロマ湖100kmで優勝し、この時の7時間28分39秒で自身の100kmのPRを更新しました。トレイルランニングでの活躍でも知られた存在ですが、ハセツネCUPでは2018年に女子4位、10時間38位で完走した経験を持ち、昨年は9位で11回目の完走を成し遂げています。豊富な経験で上位入りが期待されます。

仲田潔子 Kiyoko NAKATA (638) はFTR 100 秩父奥武蔵 100kで2021年の3位に続いて昨年は優勝。昨年のハセツネCUPでは17位でしたが、FTRのような走りでさらに上位も狙えるでしょう。

続いて次の選手の皆さんにも注目です。

  • 長野安那 Anna NAGANO (618) : 2023年全日本スカイランニング選手権・スカイウルトラ(OSJ安達太良山50k) で2位。2022年4100D野沢温泉37kで2位、小谷トレイルオープン29kで2位。2018年ハセツネCUPで21位。
  • 岩井絵美 Emi IWAI (620) : 2023年奥信濃100kで3位、ハセツネ30kで3位、2022年ハセツネCUPで21位。
  • 中野沙知 Sachiko NAKANO (618) : 2022年甲州アルプスオートルート54kで優勝、2023年志賀高原100で2位、2022年ハセツネCUPで11位。
  • 高橋実世 Miyo TAKAHASHI (591) : 2022年ハセツネCUPで12位。2023年ウルトラトレイルマウントフジKAI 68kで8位。
  • 清水明子 Akiko SHIMIZU (588) : 2023年奥信濃100kで6位、OSJ ONTAKE 100kで5位。
  • 池内明子 Akiko IKEUCHI (585) : 2023年ウルトラトレイルマウントフジKAI 68kで10位、4100D野沢温泉65kで3位、2022年ハセツネCUPで13位。
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エリートの部ではなく一般の部でエントリーしている有力選手

  • 冨井菜月 Natsuki TOMII (627) : 2023年ハセツネ30kで6位、4100D野沢温泉37kで優勝、白馬国際28kで優勝。

男子

川崎雄哉 Yuya KAWASAKI

昨年のハセツネCUPチャンピオン、吉野大和 Yamato YOSHINO は今年6月のWMTRC世界選手権での負傷からのリカバリーの途中であり、今回のハセツネCUPを見送ります。今年の優勝候補として最初に挙げるべきは2016年のハセツネCUPチャンピオンの川崎雄哉 Yuya KAWASAKI (850) でしょう。昨年のハセツネCUPでは吉野に続く2位で、今年はウルトラトレイルマウントフジ・FUJIで準優勝という結果を残しています。この間、WMTRCにも日本代表として出場しています。経験豊富な川崎が今年のハセツネで二度目の栄冠を手にする可能性は高そうです。

今年のウルトラトレイルマウントフジ・KAI68kで鮮やかな勝利を勝ちとった田村健人 Kento TAMURA (853) も今年のハセツネCUPの優勝候補の一人です。青山学院大陸上競技部出身で昨年からトレイルランニングに取り組み始め、ハセツネCUPにも11位でデビュー。今年はハセツネ30kで3位のほか、中央アルプス38kで2位、4100D野沢温泉37kで3位、白馬国際28kで2位となっています。

小笠原光研 Koken OGASAWARA

もう一人の優勝候補として名前を挙げるべきは小笠原光研 Koken OGASAWARA (844) です。今シーズンはハセツネ30kで優勝、中央アルプス38kと4100D野沢温泉37kでは優勝と田村を上回る好成績を上げています。初挑戦となる今年のハセツネCUPではレースの行方を握る走りを見せることになりそうです。

この3人のレースに食い込む力を持つ選手たちが続きます。

まずは昨年のハセツネCUPで4位の木村大志 Hiroshi KIMURA (799) 。昨年11月の甲州アルプスオートルート108kで優勝し、今年は7月の志賀高原100で4位でした。9月の信越五岳100マイルでは初の100マイルレースを3位でフィニッシュしています。笠木肇 Hajime KASAGI (797) は日本代表選考レースとなってハイレベルなレース展開になった昨年の霧島えびのエクストリーム33kで3位。今年はハセツネ30kで5位、FunTrails Round 皆野50kで優勝、全日本スカイランニング選手権・スカイで上田瑠偉に続く2位でした。2018年のハセツネCUP優勝の三浦裕一 Yuichi MIURA (794) は昨年はハセツネダブルに挑戦して3位でした。その後は志賀高原エクストリーム55kで優勝、今年の球磨川リバイバル169kで2位となっています。

加えて、トップ10入りが期待される選手は次の通り。

  • 喜多村久 Hisashi KITAMURA (790) : 2022年ITJ70kで18位、2023年Amazean Jungle Thailanda by UTMB 100kで準優勝、Borneo Ultra Trail Marathon 106kで優勝、TMBT 109kで2位。
  • 下家悟 Satoru GEYA (789) : 2023年那岐ピークス58k優勝、フェアリートレイル60k優勝、Deep Japan Ultra 80kで優勝。
  • 上正原真人 Masato KAMISHOHARA (787) : 2022年Hochkönig Skyrace 32kで16位、2023年Matterhorn Ultraks 25kで12位。2023年全日本スカイランニング選手権・スカイウルトラ(OSJ安達太良山50k)で2位。
  • 宮川朋史 Tomofumi MIYAGAWA (783) : 2022年ハセツネCUPで9位。2023年比叡山50kで優勝、4100D野沢温泉37kで6位、上田スカイレースでバーティカルとスカイの両方で優勝。
  • 吉原稔 Minoru YOSHIHARA (763) : ハセツネCUPで2017年に2位、2022年に5位。2022年ウルトラトレイルマウントフジ・KAI69kで8位。
  • 名取将大 Masahiro NATORI (760) : 2022年ハセツネCUPで10位、スリーピークス八ヶ岳トレイル39kで優勝。
  • 小林海仁 Kaito KOBAYASHI (775) : 2022年ハセツネCUPで15位、2022年4100D野沢温泉37kで4位、信州戸隠トレイルラン36kで優勝、2023年志賀高原100で7位。
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さらに次の選手の皆さんに注目です。

  • 町田知宏 Tomohiro MACHIDA (773) : 2022年甲州アルプスオートルート54k優勝、2023年ウルトラトレイルマウントフジ・KAI68kで10位。
  • 菊嶋啓 Kei KIKUSHIMA (772) : ハセツネCUPで2016年2位、2023年7位。2023年奥信濃100kで6位。
  • 岩井竜太 Ryuta IWAI (753) : 2022年ハセツネCUPで12位。2023年白馬国際28kで4位。
  • 伊藤康 Ko ITO (755) : 2021年甲州アルプスオートルート68kで優勝、2022年同108kで3位。2022年ハセツネCUPで21位。
  • 荒木宏太 Kota ARAKI (755) : 2016年ハセツネCUPで3位、2022年霧島えびのエクストリーム33kで4位。
  • 薬師寺裕人 Hiroto YAKUSHIJI (750) : 2023年奥武蔵ロングトレイル105kで2位。
  • 奥宮俊祐 Shunsuke OKUMIYA (747) : 2022年ハセツネダブルで6位、2023年KAI68kで6位、奥信濃100kで8位。
  • 吉井将晃 Masaaki YOSHII (747) : 2023年ハセツネ30kで7位、2023年中央アルプススカイライン38kで4位。
  • 栗原孝浩 Takahiro KURIHARA (740) : 2020年スカイライントレイル菅平22kで2位、2022年ハセツネCUPで40位。
  • 堀江謙一 Kenichi HORIE (741) : 2022年千羽海崖35kで2位、2023年奥四万十トレイルレース松葉川35kで2位、2017年ハセツネCUPで7位。
  • 東翼 Tsubasa AZUMA (739) : 2022年比叡山50マイルで4位、ハセツネCUPで13位、2023年那岐ピークス31kで優勝。
  • 広出靖之 Yasushi HIRODE (736) : 2022年神鍋パノラマトレイル42kで優勝。
  • 東徹 Toru HIGASHI (736) : 2013年ハセツネCUP優勝、2022年同35位、2022年広島恐羅漢トレイル28kで優勝。

エリートの部ではなく一般の部でエントリーしている有力選手

  • 板垣辰矢 Tatsuya ITAGAKI (790) : 2023年茨城100kウルトラ、富士五湖チャレンジ100kで優勝、サロマ湖100kで2位。2022年富士山麓トレイルラン10kで2位、ITJ70kで3位、2023年白馬国際28kで3位。
  • 青木純 Jun AOKI (751) : 2023年ウルトラトレイルマウントフジ・KAI68kで8位、FunTrails Round 皆野30kで優勝、OSJ奥久慈30kで優勝。
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