UTMB® 2016 今回の有力選手は?各レース・プレビュー

UTMB-2016-logo-Columbia来週、8月22日月曜日から28日日曜日までの一週間は、ヨーロッパアルプスの主峰、モンブランに注目が集まります。UTMB®︎(旧称 Ultra-Trail du Mont Blanc)は世界を代表する山岳エリアを、自分の足で一周するというコンセプトが世界中のトレイルランニング・ファンの人気を引きつける人気イベントです。欧州だけでなく世界中から有力選手を集めるレースは自らの力を世界の舞台で試したいランナーには格好の舞台です。一般的なランナーにとっても海外のトレイルランニングレースへの最初の一歩として大きな目標となっています。

この記事では今回のUTMB®を中心に注目の有力選手を紹介します。

Sponsored link



MHW-montrail - logo(写真・2015年CCCで先頭集団を走る上田瑠偉。Photo by Koichi Iwasa of DogsorCaravan.com)

当サイトは今シーズンからUTMB®︎の大会メディアパートナーに加わり、今年も8月22日月曜日から28日日曜日まで開催される大会の模様を現地からお届けします。当サイトの記事のほか、速報はTwitterアカウント / @DogsorCaravanFacebookページも合わせてご覧ください。

当サイトのUTMBの現地レポートは、大会パートナーのMountainHardwearmontrailのご協賛によりお送りします。

UTMB

UTWT-Ultra Trail World Tour logo
シャモニーをスタート・フィニッシュ地点として、フランス・イタリア・スイスの三ヶ国をめぐる170km / 10,000mD+のUTMB®はこの大会のメインイベント。8月26日金曜日午後6時(日本時間27日土曜日午前1時)にシャモニーをスタートします。これまでのコースレコードは男子が20時間11分44秒(2014年、フランソワ・デンヌ / François D’Haene)、女子が22時間37分26秒(2013年、ローリー・ボジオ / Rory Bosio)となっています。

女子 / Women

今年のUTMBはUltra-Trail World Tourのシリーズ戦など国際的なレースで上位に入っている有力選手が例年にも増して揃った印象。特にアメリカから比較的多く参加しているほか、欧州でもフランス、スペイン以外の各国からそれぞれの地元で活躍するアスリートが集結しています。日本から参加する有力選手にとってトップ10に入って表彰台に立つことは容易ではありませんが、それぞれの実力を出し切ってほしいところです。

優勝候補の5人

女子のローリー・ボジオ / Rory Bosio(アメリカ)はウェスタンステイツで上位に入るアメリカで知られていたランナーですが、2013年のUTMBで男女総合で7位という圧倒的な結果を残し、いつもに笑顔を絶やさないキャラクターとあわせて一気に世界に知られる存在になりました。その後2014年UTMBでも優勝したのち、昨年はテレビのドキュメンタリー番組で忙しい一年でした。今年は6月のLavaredo Ultra Trailに出ていますが、女子14位とレースとしては目立った結果を残していません。このレースに向けて準備が順調なら、優勝候補の筆頭といえるでしょう。フランスのCaroline Chaverot / カロリーヌ・シャヴェロは先月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで圧倒的な勝利を収めた際にご紹介した通り、昨シーズンから欧州のレースで勝利を重ねていて勢いのある長距離トレイルランナーで、今回のUTMBで勝つ可能性も十分あるでしょう。今年は3月のTransgrancanaria、4月のMIUT(マデイラ)、6月の80km du Mont Blancで優勝しています。UTMBには今回が初挑戦ながら、2013年にCCCで優勝しています。同じく、欧州の長距離山岳レースで最近目にする機会が増えたのはアンドレア・ヒューザー / Andrea Huser。UTMBでは2014年に7位でしたが、翌年2015年のTDSでは大会新記録で優勝(16時間35分29秒)。今年もTransgrancanariaで2位、MIUTで2位、Lavaredo優勝、Eiger Ultra Trail優勝と精力的にレースに出場。8月2週目にSwiss Irontrail 200kに出て優勝していて、このUTMBへのリカバリーさえできていれば優勝争いの一角を占めそうです。「闘魂」と染め抜かれた日の丸のヘッドバンドで昨年9月のUTMFを優勝したウシュエ・フライエ / Uxue Fraile Azpeitia(スペイン)は昨年のUTMBで2位。UTMBでは一昨年2014年には5位でフィニッシュしています。今年もTransgrancanariaで3位、Lavaredoで2位と好調で、彼女も優勝争いに加わることになりそうです。もう一人、アメリカからの参加で目が離せないのはマグダレナ・ブーレ / Magdalena Boulet。女子マラソンでオリンピック出場経験のあるブーレは昨年のウェスタンステイツで優勝、その後のCCCで2位でした。その後は今年のウェスタンステイツでリタイアするなどケガとの闘いに苦しんでいましたが、果たして今回はどうか。そのスピードが生かせれば、今回初挑戦となるUTMBでの優勝の可能性も十分ありそうです。

20130831-Rory-Bosio-UTMB

2013年UTMBで女子優勝、男女総合で7位でフィニッシュしたRory Bosio / ローリー・ボジオ。

カロリーヌ・シャヴェロ / Caroline Chaverot

20150828-Magdalena-Boolet-P8281587

マグダレナ・ブーレ / Magdalena Boolet

トップ10圏内

UTMBの表彰式で表彰台に登るのは男子トップ10人に対して女子はトップ5人でしたが、今年から女子も10人が表彰台に登ります。上記の4人に加えて表彰台に登りそうな女子選手を見てみましょう。

フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel

フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel

ジャスミン・パリス / Jasmin Paris

ジャスミン・パリス / Jasmin Paris

フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel(ブラジル)は昨年のUTMFで2位など日本でもおなじみの選手ですが、UTMBでは2010年と14年にそれぞれ4位となっています。先月のBuff Epic Trail 105kでは5位でした。【追記・フェルナンダ・マシェールは体調不良のためUTMB出場を見送ります】ジャスミン・パリス / Jasmin Paris(イギリス)の名前を当サイトが初めて聞いたのは先月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで3位になった時でした。母国イギリスのフェルランニングでは2015年にウェールズのDragon’s Back Raceで女子優勝、男女総合で2位。スコットランドのテクニカルな山岳レース、Glen Coe Skylineで2位に。UTMBには初登場ですが、今度はシャモニーでファンを驚かせるレースをするかもしれません。イタリアのフランチェスカ・カネパ / Francesca Canepaは2012年、13年のトル・デ・ジアン連覇で有名になりましたが最近は国際的なレースでの活躍は少なく、今年7月のEiger Ultra Trailでは6位でした。アメリカのアライザ・ラピエール / Aliza Lapierreは昨年のUTMFで2位。同じく昨年のウェスタンステイツで4位と、Transgrancanariaで8位と、米国内だけでなく海外のレースでも活躍しています。今回初挑戦のUTMBでもトップ10圏内を走ることになりそうです。先月のBuff Epic Trail 105kで9位だったジェンマ・アレナス / Gemma Arenas Alcazar(スペイン)は昨シーズンのスカイランニングのシリーズ戦で頭角を現してきたランナーです。

これも読む
DC Weekly 2023年10月4日 Nice Côte d’Azur by UTMB, Ultra Pirineu, Spartathlon, 奥三河パワートレイル

トップ20位圏内

Kaori Niwa Square2

丹羽薫 / Kaori Niwa

今回のUTMB女子はさらに有力選手の名前が続きます。ここでは便宜的にトップ20位圏内としましたが、これらの選手が過去のレースで上に名前をあげた有力選手を上回る成績を上げていることもあります。日本から参加する丹羽薫 / Kaori Niwaがどんなレースを見せるかにも期待がかかります。

  • エミリー・ルコント / Emilie Lecomte(フランス):レユニオンで2009年、12年優勝、15年2位。2014年トル・デ・ジアン優勝。
  • フェデリカ・ボイファバ / Federica Boifava(イタリア):Dolomiti Skyrun 130k、Dolomiti Extreme Trail 53kで2014、2015年優勝。
  • デニス・ジマーマン / Denise Zimmermann(スイス):昨年のUTMBで3位。
  • Amy Sproston Prerace 2014 Hasetsune

    エイミー・スプロストン / Amy Sproston

    エイミー・スプロストン / Amy Sproston(アメリカ):今年のウェスタンステイツで2位。日本でも2014年ハセツネカップ優勝、昨年のUTMFで9位。UTMBでは2012年の短縮版UTMBで8位。

  • ジュリエット・ブランシェ / Juliette Blanchet(フランス):2013年UTMBで8位。2014年レユニオン3位、2015年TDS3位、今年のEiger Ultra Trailで3位。
  • アリッサ・サンローラン / Alissa St Laurent(カナダ):2015年Canadian Death Race男女総合優勝、Cascade Crest 100優勝、2016年ウェスタンステイツ5位。
  • ジョエル・ヴォート / Joelle Vaught(アメリカ):2015年Tarawera 100kで8位、ウェスタンステイツ14位。
  • クリスティナ・ベス / Cristina Bes Ginesta(スペイン):2015年TDS2位、2014年CCCで2位。
  • プイヤン・チョウ / Pui Yan ‘Wyan’ Chow(香港):昨年2015年のVibram HK 100優勝。
  • ジャネッサ・テイラー / Janessa Taylor(アメリカ):今年のBandera 100kで2位。
  • エレーヌ・オギ / Helene Ogi(スイス):Eiger Ultra Trailで昨年6位、今年5位。
  • イルディコ・ウェルミシャー / Ildiko Wermescher(ハンガリー):2014年UTMB6位。今年はZugspitz Ultraで2位、Eiger Ultra Trailで4位。
  • シルケ・コースター / Silke Koester(アメリカ):Bighorn 100で2015年優勝、2016年3位。
  • マリー・マクノートン / Marie Mcnaughton(ニュージーランド、香港在住):今年のHK 100で7位、Ultra Trail Australiaで6位、Lavaredoで5位。
  • マヌエラ・ヴィラセカ / Manuela Vilaseca(ブラジル):UTMBで2013年に8位、2015年10位。
  • ベッキー・ニクソン / Becky Nixon(イギリス、ニュージーランド在住):Northburn 100で2014年、2015年に2位。
  • サリー・マクレー / Sally Mcrae(アメリカ):ウェスタンステイツで2014年10位、2015年7位、今年2016年11位。
  • 丹羽薫 / Kaori Niwa(日本):2015年Transvulcaniaで8位、UTMFで4位。先月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで12位。

男子 / Men

UTMB男子は2012年から交互に優勝しているフランソワ・デンヌ / François D’Haene、グザビエ・テベナール / Xavier Thevenardが今年は出場しません(グザビエは後述のとおり、OCCにエントリーしています)。王者の二人がいないところにアメリカから多くのアスリートが参戦。男子で初めてアメリカからUTMBのチャンピオンが誕生するかもしれません。日本から参加の奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiya、小原将寿 / Masatoshi Obara、大瀬和文 / Kazufumi Oose、土井陵 / Takashi Doiにはまずはトップ20入りに期待です。なお、石川弘樹 / Hiroki Ishikawaはエントリーリストに名前はあるものの、今回の出場を見送ります。

優勝争いは一強+混戦

ルイス・アルベルト・ヘルナンド / Luis Alberto Hernando

ルイス・アルベルト・ヘルナンド / Luis Alberto Hernando

今年こそルイス・アルベルト・ヘルナンド / Luis Alberto Hernando Alzaga(スペイン)がUTMBで優勝を果たすか?それが男子のレースの最大の注目点となるでしょう。昨年のUTMBを21時間57分で2位となっているヘルナンドは、今回の出場選手の中でも一段高い実績を残しているといえます。今年はTransvulcaniaと先月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで優勝。先日のBuff Epic Trailでは、今シーズンは出場するレースを絞り込んで一つ一つ結果を出していくようにしている、と話していました。次のねらいがこのUTMBなら3回目の挑戦で初めての優勝となる可能性は高そうです。

ヘルナンドに果敢に挑みそうなのはザック・ミラー / Zach Miller。2013年のJFK 50で全く無名のザック・ミラーが優勝して以来、2014年春にはLake Sonoma 50で優勝、昨年はCCCで優勝し、12月のTNF 50 Championshipでも優勝しています。現在27歳で100マイルには今回初挑戦。思い切った走りがどんな結果になるかはわかりませんが、いい方向に転べば驚きの結果を出すかもしれません。ザック・ミラーと同じTeam Nike Trailのチームメイトであるデビッド・レニー / David Laneyティム・トレフソン / Tim Tollefsonも揃って今年はUTMBに参戦。レニーは昨年のUTMBで最終盤に一気に順位を上げ、上位選手を次々にかわして3位に入るという目覚ましいレースを見せました。今回も最後まで目が離せない選手です。昨年のCCCで2位だったトレフソンも今回が初の100マイルですが、上位が期待されます。

ザック・ミラー / Zach Miller

ザック・ミラー / Zach Miller

デイビッド・レニー / David Laney

デイビッド・レニー / David Laney

昨年のUTMFで優勝したゲディミナス・グリニウス / Gediminas GriniusもUltra-Trail World Tourのシリーズ戦を中心に近年目覚ましい結果を残しているランナーで、今年もTransgrancanaria、Lavaredoでそれぞれ2位。UTMBでは2014年に5位でデビューし、昨年は上位を走りながら終盤にリタイア。今年は表彰台の上位を争うことになるでしょう。ジェイソン・シュラーブ / Jason Schlarbは先月、アメリカのHardrock 100でキリアンとともにタイで優勝したばかり。UTMBでは2014年に4位となるなどアメリカ以外での実績が豊富です。スペインのトフォル・カスタニャー / Tofol Castaner Bernatは今年44歳になるベテランですが、UTMBでは2014年に2位となっているほか、最近でも2014年のTNF 50 Championshipで4位、昨年のTempliersで3位、今年のMIUTで2位とコンスタントに結果を残しています。今年のUTMBでもベテランらしい粘り強さを発揮するかもしれません。アンディ・サイモンズ / Andrew Symonds(イギリス、フランス在住)はしばらくケガでレースから遠のいていましたが、今年は6月にLavaredoで優勝したのち、7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kでもヘルナンドに次ぐ2位でその健在ぶりを発揮。立て続けでの出場となる今回のUTMBでも勢いに乗れば上位を走ることになりそう。そして、ライアン・サンデス / Ryan Sandes(南アフリカ)の名前もここに上げなければならないでしょう。2014年のUTMFで2位となって日本でも知られるサンデスでしたが、2015年のシーズンはケガなどでレースの結果はほとんど出ていません。しかし2016年はTaraweraで3位、Ultra Trail Australiaで4位と復活の兆しを示しています。今回のUTMBでの復活を期待しているファンは多いでしょう。

Gediminas-Grinius-Face

ジェディミナス・グリニウス / Gediminas Grinius

ライアン・サンデス / Ryan Sandes

アンディ・サイモンズ / Andy-Symonds

アンディ・サイモンズ / Andy-Symonds

トップ10圏内

次にあげる選手も優勝争いに絡む可能性がある人たちばかりですが、あえてトップ10圏内を狙う選手たちとして紹介しましょう。

Miguel-Heras-Face

ミゲル・ヘラス / Miguel Angel Heras Hernandez

ハビエ・ドミンゲス / Javier Domiguez Ledo

ハビエ・ドミンゲス / Javier Domiguez Ledo

ディドリク・ヘルマンセン / Didrik Hermansen(ノルウェー)は昨年2015年にTransgrancanariaで3位、Lavaredoで優勝。その後のUTMFではリタイアしていますが、今年に入ってからもTransgrancanariaで優勝し、ウェスタンステイツで2位となるなど活躍ぶりが目立ちます。今回、初めてのUTMBでもサプライズがあるかもしれません。ハビエ・ドミンゲス / Javier Dominguez Ledo(スペイン)は2013年に3位となって注目されて以来、2014年にはレユニオンで5位、今年は7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trailで3位と順調に結果を残しています。ミゲル・ヘラス / Miguel Angel Heras Hernandez(スペイン)も欧州、アメリカの両方で様々な結果を残している選手ですが、怪我のためにエントリーしていたレースに出場しなかったり、出場しても途中でリタイアすることが少なくありません。しかし、2013年にグザビエ・テベナールに続いて2位でフィニッシュしたUTMBでは見事なレースを見せました。スタートラインに立てば、レースをリードすることになるに違いありません。

さらにトップ10圏内として次の名前が続きます。

  • ライアン・スミス / Ryan Smith(イギリス、アメリカ在住):昨年のUTMBで8位。
  • トーマス・ロルブランシェ / Thomas Lorblanchet(フランス):フランスのスピードに定評があるランナーで2012年にLeadville 100で優勝。ウェスタンステイツでは2015年に5位、2016年に4位。
  • ジュリアン・ショリエ / Julien Chorier(フランス):2012年のUTMF優勝のほか、UTMBでは2008年の3位、2010年の4位、2013年の6位、Hardrock100で2011年優勝、2014年2位。今年はTransgrancanariaで7位になっています。
  • ファビアン・アントリーノス / Fabien Antolinos(フランス):昨年のUTMBで5位。今年のMIUTで4位。
  • アルノー・レジョン / Arnaud Lejeune(フランス):昨年のUTMFで2位、今年のEiger Ultra Trailで4位。
  • ステファン・ヒューゲンシュミット / Stephan Hugenschmidt(ドイツ):2014年Transvulcaniaで5位、Zugspitzで優勝。今年はSwiss Irontrail T121で優勝。

トップ20位圏内

上記ですでに20人近くの名前が挙がっていますが次の30人弱もトップ20位圏内に入る可能性があるランナーです。

  • ジョルディ・ベス / Jordi Bes(スペイン): 2014年TDSで3位。
  • パウ・バルトロ / Pau Bartolo(スペイン): 2015年TDS優勝。
  • ルドビク・ポムレ / Ludovic Pommeret(フランス):2014年レユニオン2位、日本のハセツネカップで優勝。
  • オーレリアン・コレ / Aurélien Collet(フランス):2014年レユニオン3位、2016年Transvulcania9位。
  • ジェラルド・モラレス・ラミレス / Gerard Morales Ramirez(スペイン):2015年Buff Epic Trailで2位、Ultra Pirineu 110kで7位。
  • ディエゴ・パゾス / Diego Pazos(スイス):今年の80km du Mont Blanc、Eiger Ultra Trailで優勝。
  • マヌエル・アングイタ / Manuel Anguita Bayo(スペイン):今年7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで4位。
  • フランセスク・ソレ / Francesc Sole Duocastella(スペイン):Andorra Ultra Trailで2014年、2015年に優勝。
  • セバスチャン・カミュ / Sébastien Camus(フランス):2015年レユニオンで2位、今年のMIUTで3位。
  • ブライアン・ルゼッキ / Brian Rusiecki(アメリカ):2016年Vermont 100優勝、2014年UTMBで18位。
  • ライアン・カイザー / Ryan Kaiser(アメリカ):2015年ウェスタンステイツで11位、2016年Hardrock100で5位。
  • ジウリオ・オルナティ / Giulio Ornati(イタリア):2014年CCCで5位。
  • アレクサンドル・メイヤー / Alexandre Mayer(フランス):昨年のUTMBで9位。
  • ズデネック・クリズ / Zdenek Kriz(チェコ):今年7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで5位。
  • UTMBを12位でフィニッシュした土井陵 / Takashi Doi。

    土井陵 / Takashi Doi

    土井陵 / Takashi Doi(日本):2015年UTMBで11位、24時間21分。2015年上州武尊山で優勝、2016年美ヶ原80kで優勝。

  • 奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiya(日本):昨年のハセツネカップ優勝、Eiger Ultra Trailで2014年、15年に6位。今年のEiger Ultra Trail 51kで8位。2013年UTMBを40時間41分でフィニッシュ。
  • 小原将寿 / Masatoshi Obara(日本):昨年のUTMFで5位、今年の奥三河パワートレイル70kで優勝。UTMBでは2014年に41位、26時間22分でフィニッシュ。
  • サンゲ・シェルパ / Sangé Sherpa(ネパール、フランス在住):2015年UTMF7位、Eiger Ultra Trailで4位。
  • 大瀬和文 / Kazufumi Oose(日本):2015年UTMF6位、2016年HK100で7位、奥三河パワートレイル70kで3位。UTMBでは2014年に24時間31分で22位、2015年は29時間54分で完走。
  • 藤岡正純 / Masazumi Fujioka(日本、アメリカ在住):2015年Bighorn100で6位、2016年Chuckanut 50kで6位。UTMBでは2014年28時間27分、2015年に30時間51分で完走。
  • ジェズ・ブラッグ / Jez Bragg(イギリス):2010年の「やり直し」UTMB優勝。
  • ジョン・ティッド / John Tidd(アメリカ、スペイン在住):UTMBでは2011年から15年までトップ20位を維持し、13年には9位に。後半に確実に順位をあげるスマートな走りを見せるベテラン。
  • ニコラ・バッシ / Nicola Bassi(イタリア):今年のAndorra Ultra Trailで山本健一に続いて3位。
  • シン・ジェドク / Jae Duk Sim(韓国):韓国のスーパーウルトラランナーで世界各地のレースに精力的に出場、日本でもハセツネカップ優勝経験を持つ。
  • ティモ・マイヤー / Timo Meyer(ドイツ):日本もベースに活動しており、2013年Tarawera100kで6位、2014年のHURT 100で2位、STYで4位、2015年信越五岳で7位。
  • 横内宣明 / Noriaki Yokouchi(日本):2016年のUltra-Trail Tai Mo Shan (UTMT) 100 Mileで4位。UTMBでは2013年に37時間33分でフィニッシュ。
Okunomiya-interview-Hasetsune2015

奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiya

Masatoshi Obara

小原将寿 / Masatoshi Obara

Kazufumi-Oose-Square

大瀬和文 / Kazufumi Oose

CCC

クールマイユールからシャモニーまで、UTMBの後半部となる101km / 6,100mD+のCCC®︎は今後UTMBで活躍するランナーがデビューを飾ることも多いレースです。UTMBが始まる8月26日金曜日の午前9時(日本時間同日午後4時)にクールマイユールをスタート。コースレコードは男子が11時間21分16秒(2014年、パウ・バルトロ / Pau Baltolo)、女子が12時間54分53秒(2015年、ルース・クロフト / Ruth Charlotte Croft)です。

女子 / Women

女子のCCCで注目はミンミ・コトカ / Mimmi Kotka(スウェーデン)。昨年のIAUトレイル世界選手権・MaXi Race 84kで8位となっているほか、2014年ではノルウェーのウルトラマラソン、Ultravassan 90kで2位となっています。 さらにロードのウルトラマラソンでは上位常連のジョー・ミーク / Jo Meek(イギリス)は2014年のIAU 100k世界選手権で4位、2015年のTNF 50マイル選手権で8位。同じくイギリスのホーリー・ラッシュ / Holly Rushは2014年Ultravassan 90kのチャンピオンです。この3人が優勝候補となりますが、日本からのエントリーでは今泉奈緒美 / Naomi Imaizumiの名前があります。もし参加するなら上位が期待できるでしょう。

男子 / Men

Ruy-Ueda-square

上田瑠偉 / Ruy Ueda

男子のCCCは日本のファンにとって注目の上田瑠偉 / Ruy Uedaが出場します。昨年の雪辱を晴らせるか?日本からは松永紘明 / Hiroaki MatsunagaもCCCに出場します。有力選手を見てみましょう。

優勝候補としてはまずミシェル・ランヌ / Michel Lanneを挙げなければならないでしょう。シャモニーの山岳救助隊員が本業のランヌは40km前後のスカイランニングのレースで活躍しており、2014年のスカイランニング世界選手権・Mont Blanc Marathonではキリアンに次いで2位。スペインのZegama-Aizkorriでは2014年6位、2015年7位。最近では今年のMaXi-Race 84kで3位。山岳コースのスキルとスピードを備えたベテランです。そして、アイスランドのトールベルガー・ジョンソン / Thorbergur Jonssonはアイスランドのトレイルレース、Laugavegur Ultra Marathon 50kで2014年、15年に優勝しているランナーで、昨年のIUAトレイル世界選手権・MaXi Race 84kでは9位。今年に入ってからはスイスのScenic Trail 54kで2位。国際的なレースでの実績が少なく比較が難しいですが、今回のCCCで世界を相手に力を試すことになります。そのほか、ディミトリオス・テオドラカコ / Dimitrios Theodorakako(ギリシャ)も昨年のTransvulcaniaで6位、今年のUltra Skymarathon Madeira 55kで優勝。こちらも今回のCCCが世界へのデビューです。フランスのクレマン・モリエ / Clément Mollietは昨年のCCCで14時間17分で完走、21位でしたが、今年に入ってフランスのLa 6000Dの65kmで2位になっています。この4人が上田瑠偉 / Ruy Uedaとともに先頭を争うことになると思われます。

上田瑠偉にとっては、やはりスカイランニングのレースなどで経験豊富なミシェル・ランヌとどんなレースができるか、が最大のポイントになるでしょう。今年7月のスカイランニング世界選手権、ユース世界選手権は、昨年のCCCとあわせてよい経験となったはず。表彰台はもちろん、優勝できる可能性も十分あると当サイトは考えます。

そのほかの有力選手は次の通り。

  • デビッド・コマ / David Coma(スペイン):2014年TDSで7位。
  • シリル・コワントル / Cyril Cointre(フランス):昨年215年のTDSで2位。今年のMIUTで5位。
  • ダニエル・アギュイレ / Daniel Aguirre Ardanaz(スペイン):2016年Transgrancanaria 81kで5位。
  • ジウリアーノ・カバーロ / Giuliano Cavallo(イタリア):昨年のCCCで7位。
  • ロラン・クラバリー / Roland Claverie(フランス):昨年のSierra-Zinal 31kで22位。
  • クリストフ・ペリラ / Christophe Perrillat(フランス):2014年CCCで2位。
  • オーレリアン・デュナンパラズ / Aurélien Dunand-Pallaz(フランス):2014年スカイランニング世界選手権・80km du Mont Blanceで7位。
  • ルイス・フェルナンデス / Luís Fernandes(ポルトガル):今年のUltra Skymarathon Madeira 55kで3位、MIUTで7位、スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで8位。
  • 松永紘明 / Hiroaki Matsunaga(日本):2015年UTMFで10位、CCCで23位。今年1月のUltra-Trail® Tai Mo Shanで3位。
Hiroaki-Matsunaga-CCC

昨年、23位でCCCをフィニッシュした松永紘明 / Hiroaki Matsunaga

TDS、OCC

TDS®︎は119km / 7,250mD+のテクニカルなパートが多いUTMB以上に難度の高いコースとなっていて、24日水曜日の午前6時(日本時間同日午後1時)にクールマイユールをスタートします。

Lisa-Borzani-square

リサ・ボルザニ / Lisa Borzani

TDSの女子はイタリアの長距離トレイルレースの第一人者、リサ・ボルザニ / Lisa Borzani(イタリア)が出場。今年7月にはAndorra Ultra Trailで優勝したばかりですが、今回はTDSで優勝を狙います。そのほか、2012年UTMFで優勝しているネレア・マルチネス / Nerea Martinez Urruzola(スペイン)もTDSにエントリーしています。

男子のTDSはUTMBに負けない賑やかな顔ぶれです。まず、ヘス・ヘルナンデス / Jessed Hernandez Gispert(スペイン)は2015年Zagama-Aizkorriで6位となる実力の持ち主。イタリアのフランコ・コレ / Franco Colleは昨年のアメリカ・モンタナで開催されたThe Rut 50kで優勝。パウ・カペル / Pau Capell(スペイン)は今シーズンはUltra-Trail World Tourのレースに出ており、HK100で4位、Transgrancanariaで4位、Ultra Trail Australiaで優勝しています。中国のユン・ヤンキャオ / Yanqiao Yunも今年のUltra Trail Australiaで3位。スペインのジェライ・デュラン / Yeray Duran Lopezは先月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 105kで6位。ソンドル・アムダール / Sondre Amdahl(ノルウェー)は昨年UTMFに出場して4位でした。

グザビエ・テベナール / Xavier Thevenard

グザビエ・テベナール / Xavier Thevenard

OCCは今回が3枚目の55km / 3,500mD+のレースでCCCやUTMBがスタートする前日、25日木曜日の午前8時15分(日本時間同日午後3時15分)にスイスのオルシエールをスタート。こちらは、2013年、2015年のUTMB優勝者、グザビエ・テベナール / Xavier Thevenardがエントリーしています。テベナールは2010年にCCCで優勝、2014年にはTDSでも優勝しており、今回のOCCで優勝すればUTMBのレースで4冠を達成することになります。

ウルトラトレイル・デュ・モンブラン / UTMB観戦に役立つリンク

この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link