4月14日、15日の週末は日本国内も強い雨、風で愛知こどもの国が中止、北九州平尾台はコースを短縮して開催されました。しかしこの週末は日本だけでなく、オースラリアのBuffalo Stampedeや中国のUltimate Tsaiguでも制限時間の繰り上げがありました。一方アメリカではカリフォルニアのLake Sonoma 50で、アメリカでもっとも注目されているトレイルランナーのあの人がまた好記録を出しました。
今週末の当サイトは粟ケ岳バーティカルキロメーターを新潟県三条市からレポートします。
Sponsored link
先週末のイベント
4月6日金曜日 – 16日月曜日:MDS
- Marathon des Sables (240km/5days):モロッコ南部のサハラ砂漠で開催される6つのステージからなる合計250kmのステージレース。Ultra-Trail World Tourのシリーズ戦です。選手のこのDC Weeklyでは第二ステージの結果までお伝えしていました。レースにカウントされないチャリティステージとなる第6ステージを前に13日金曜日にレースの結果は確定しました。女子はアメリカのマグダレナ・ブーレ Magdalena Bouletが初めてのMDSを順調に走り切って、2位のブーチラ・エリクセン Bouchra Eriksen(デンマーク)に累計タイムで1時間25分差をつけました。3位はジェンマ・ゲーム Gemma Game(イギリス)。MDSで優勝経験を持つ、ナタリア・セディカ Natalia Sedykh(ロシア)は大会初日に必携装備の非携帯で1時間のペナルティを受けながらもそのペナルティを挽回しようと健闘。最後はペースを落としたものの、トップから3時間15分差の4位になりました。男子はモロッコのランナー、ラシッド・エルモラビティ Rachid El Morabityが6回目の優勝。昨年同様、ラシッドの弟であるモハメド・エルモラビティ Mohamed El Morabityが2位、兄とは累計タイムで26分差でした。3位にはメリール・ロベール Mérile Robert(フランス)が入り、アブデルカデル・エルムアジス Abdelkader El Mouaziz(モロッコ)が4位、ゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)が5位でした。このほか、トレイルランニング関係では男子6位にレミジオ・フアマン Remigio Huaman(ペルー)、男子9位にマヘール・バクハウゼン Majell Backhausen、男子15位にアルノー・レジューン Arnaud Lejeune(フランス)などが入っています。リザルトはこちら。
4月13日金曜日 – 15日日曜日:Buffalo Stampede
- Buffalo Stampede (75k, 42k, 20k, Grand Slam): オーストラリア・ビクトリア州のマウントバッファロー国立公園で開催。メルボルンから車で約3時間のところで開催される今年で5回目となる大会は例年は暑さとの戦いとなる大会ですが、今年は大雨と寒気に見舞われることとなり、土曜日に開催の75kmのレースは上位がフィニッシュし始めた午後3時半に天候悪化が見込まれるため中止に。日曜日の42kmのレースはコース上で落石があることから、コースが一部変更されて距離が約4km短くなりました。75kmでは女子はルーシー・バーソロミュー Lucy Bartholomewが10時間37分で、男子はマーチン・ケーン Martin Kernが8時間55分で優勝。短縮された42kmのレースは女子がステファニー・オーストン Stephanie Austonが4時間16分、男子はドミニク・ペリー Dominic Perryが3時間44分で優勝しました。リザルトはこちら。
4月14日土曜日 – 15日日曜日:Ultimate Tsaigu、Vietnam Jungle Marathon
- Ultimate Tsaigu (100k, 65k, 50k):中国・浙江省の臨海市で開催。100kmのコースの累積獲得高度は6,400mD+。Asia Trail Masterの大会でした。100kmのレース「UTGK」はリャン・ジン Jing Liang 梁晶が14時間51分で優勝。リャン・ジンは1月のHong Kong 100でトップでフィニッシュしながら失格となっていましたが、このレースでは無事結果を出しました。2位はシェ・ビン Bin Xie 谢斌で約3分差の14時間54分。3位はトップから73分と大きく開いてピーター・ノボトニー Petr Novotny(チェコ、台湾在住)が16時間4分。なお、このUTGK 100kのレースは悪天候のためか制限時間が繰り上げられた模様で、男子は405人が出場して完走したのは24人、女子は60人のうち二人だけでした。女子優勝はシェン・リピン Liping Zheng 郑丽萍で19時間、27分。準優勝はもう一人の完走者のシェ・ウェンフェイ Wenfei Xie 谢雯菲で19時間54分でした。このほか、50kmの男子ではヤン・ロンフェイ Longfei Yan 闫龙飞が4時間16分で優勝、2位は2週後のUTMFにエントリーしているデン・グオミン Guomin Deng 邓国敏で4時間25分。65kmの男子では台湾のチョウ・チン Ching Chou 周青が8時間21分で優勝しています。リザルトはこちら。
- Vietnam Jungle Marathon (70k, 42k, 21k): ベトナム・ハノイの南140kmにあるプーロン自然公園で開催。こちらもAsia Trail Masterの大会。リザルトはこちら。
4月14日土曜日:SVD Takasu、Lake Sonoma
- Snow Vertical Down – Takasu (5k downhill):岐阜県郡上市高鷲町の高鷲スノーパークで開催の予定でしたが今年は例年より融雪が早く、コースに十分な雪がなかったことから4月10日に大会の中止が発表されていました。
- Lake Sonoma 50m: アメリカ、カリフォルニア州のソノマ湖周辺のトレイルで開催される50マイルは6月のウェスタンステイツへの出場権がかかったGolden Ticket Raceの最終戦でした。男子のレースはジム・ウォルムズレイ Jim Walmsleyが5時間51分で優勝。これは彼自身が2016年に作った大会記録を9分上回るもの。圧倒的な実力を発揮したレースとなりました。2位には6時間18分でジャレド・ヘイゼン Jared Hazen、3位はマリオ・メンドーザ Mario Mendozaで6時間25分でした。ウェスタン・ステイツへの出場権は優勝のウォルムズレイと3位のメンドーザが既に獲得しているため、2位のヘイゼンと4位になったエリック・センズマン Eric Senseman(6時間33分)が獲得しました。女子はキーリー・ヘニンガー Keely Henningerが終始レースをリードして7時間13分で優勝。歴代2位となる好タイムです。2位はテイラー・ノウリン Taylor Nowlinが7時間45分、カメリア・メイフィールド Camelia Mayfieldが7時間45分で2位、3位になり、ヘニンガーがウェスタン・ステイツ出場権を辞退したことから、二人が出場権を手にしました。リザルトはこちら。
4月15日日曜日:奥武蔵もろやま、愛知こどもの国、平尾台
- 新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン(23.7km/13km):埼玉県毛呂山町で開催。スポーツエイドジャパンが開催する4つの大会からなる「新緑の奥武蔵 トレイルランシリーズ 2018」の開幕戦でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
- 愛知こどもの国トレイルランレース(24k/16k/8k): 愛知こどもの国(愛知県西尾市)で開催予定でしたが、雨と強風のため大会当日の早朝に中止と発表されました。
- 北九州・平尾台トレイルランニングレース(40k/17k): 福岡県北九州市。北九州国定公園・平尾台で開催される大会。こちらも雨と強風のためにコースをロングコース約33km、ショートコース約15kmに短縮して開催されました。ロング男子は小林誠治が2時間28分で優勝、2位に山本浩平(2時間36分)、3位に 天野真也(2時間48分)。女子ロングは石本恵里香が3時間0分で優勝し、2位に長由衣(3時間15分)、3位に服部淳美(3時間17分)という結果でした。リザルトはこちら。
今週末のイベント
4月20日金曜日 – 21日土曜日:Zion 100
- Zion 100 (100m, 100k, 50k, 21k):アメリカのユタ州、ザイオン国立公園で開催される100マイルなどの大会です。
4月21日土曜日 – 22日日曜日:Iznik, Mt. Apo, TNF 100 China, TNF100 Taiwan
- Iznik Ultra (140k, 90k, 50k, 30k, 15k, 5k):トルコ・ブルサ県の湖畔の町、イズニックを拠点に開催。140kmのコースはイズニック湖の周囲のオリーブ畑やトルコの小さな街をめぐって一周するコース。今年から30kmのレースが新たに加わりました。当サイトでは2015年の大会に参加してレポートをお送りしています。
- Mt Apo Sky Race (100k, 50k, 25k) :フィリピン・ダバオの郊外にそびえるアポ山(2,954m)へと登って下りるシンプルなコース。通常は自然保護区で立ち入りが認められていないトレイルを走ります。こちらはAsia Trail Masterの大会です。
- The North Face 100 China (100k/50k/21k): 今週末はアジアのトレイルランニングのシリーズ戦、The North Face 100のレースが二つ開催されます。こちらは中国・北京の大会で100kmのコースは累積獲得高度5,500mD+となっています。
- The North Face 100 Taiwan (50k, 20k, 10k, 5k): こちらは同じくThe North Face 100の大会で台湾・桃園市で開催されます。50kmのコースの累積獲得高度は2,600mD+。
4月21日土曜日:粟ケ岳、善光寺
- 粟ケ岳バーティカルキロメーター:新潟県三条市の八木ヶ鼻温泉・いい湯らていをメイン会場に開催。粟ケ岳山頂まで登るバーティカルキロメーターのレースは今年のスカイランナー・ジャパンシリーズの開幕戦です。このほか、トレイルランナーズカップ三条大会として15km、4kmのトレイルランニングレースも行われます。当サイトでは現地から大会の模様やレースの結果をレポートする予定です。
- 善光寺ラウンドトレイル (17k, 7k):長野市。地附山公園を会場に、善光寺の裏山となる大峰山(大峰城跡)、葛山、頼朝山、地附山をラウンドする17km 1,100mD+のコース。
4月22日日曜日:東丹沢・宮ヶ瀬、富士五湖、奥三河、さくらおろち湖、Korea 50K
- 東丹沢・宮ヶ瀬 トレイルレース(32k): 神奈川県・宮ヶ瀬湖畔から東海自然歩道最高点の姫次(ひめつぐ)まで行って帰ってくるコース。東丹沢・宮ケ瀬、道志村、八重山、北丹沢の4大会からなるNESチャンピオンシップの開幕戦です。
- チャレンジ富士五湖 ウルトラマラソン(118km、100km、71km):富士五湖をつなぐコースで行われる人気のウルトラマラソンです。昨年に続いて開催される「ウルトラマラソン世界遺産シリーズ」の開幕戦です。シリーズは昨年と同じで、富士五湖、飛騨高山、日光、白山白川郷が世界遺産シリーズ、白山白川郷と丹後がジオパークシリーズとなっています。この世界遺産・ジオパークシリーズの今年の新しい試みとして距離、獲得標高、タイム、難易度(レースの完走率)から「ウルトラポイント」が算出され、それを加算していくと段階別のステージに到達する、という仕組みが設けられました。
- 奥三河パワートレイル(66k): 愛知県新城市、設楽町、豊根村で開催。愛知県最高峰の茶臼山から湯谷温泉まで66.1kmの本格的なトレイルランニングの大会です。
- さくらおろち湖トレイルラン大会:島根県雲南市、奥出雲町。今回が6回目の開催。
- Korea 50k (58k, 27k, 10k): 韓国・ソウル近郊の東豆川(Dongucheon)市で開催され、こちらもAsia Trail Masterの大会です。58kには日本から中辻悠貴 Yuuki Nakatsuji、ソンドル・アムダール Sondre Amdahl(ノルウェー、2015年UTMFで4位)や韓国のキム・ジンワン Kim JinWan、キム・ジスブ Kim Jisub、27kmには昨年のこの大会の59kmで2位の土井陵 Takashi Doiがエントリー。このほか27km男子にシン・ジェドク Sim JaeDuk、ノ・ヘソン Noh HeeSeong、女子にキム・キフン Kim KiHyun、パク・スージ Park Sooji、ローレン・マクロー Lauren McCulloughがエントリーしています。
前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyです。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。