先週はスペインで行われたトレイル世界選手権・Penyagolosa Trailsを取材し、レポートをお送りしました。ややタイトな日程だったため、レース後のレポートをお届けするのが遅くなりました。このほか、同じスペインのカナリア諸島で行われたTransvulcaniaのVKとハーフマラソンでは上田瑠偉 Ruy Uedaが世界のトップ選手を相手にその実力を確かめることになりました。今週末の当サイトは星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンを取材し、現地からライブレポートをお届けします。追ってお届けするプレビュー記事や大会当日にTwitterを使ってお送りするレポートをお楽しみください。
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先週末のイベント
5月11日金曜日 – 13日日曜日: トレイル世界選手権・Penyagolosa Trails
- トレイル世界選手権 Trail World Championships (85km), Penyagolosa Trails (108k, 60k): スペイン・バレンシアから近いカステリョン・デ・ラ・プラーナで開催。85kmのコースで行われたトレイル世界選手権 Trail World Championshipsでは男子はルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto Hernando(スペイン)、女子はラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)がそれぞれ優勝。日本代表では荒木宏太 Kota Arakiが12位となる会期で空いた。詳しくは当サイトのリザルト記事をご覧ください。また、世界選手権の他に、108kmのレース「CSP」がUltra-Trail World Tourの第9戦として開催されました。 男子はダニ・アギエレ Dani Aguirreが優勝、ハビエ・ドミンゲス Javi Dominguezが2位、3位はホセ・ダビド・ルチャルド Jose David Lutzardoがトップ3でいずれもスペイン勢。女子はフェルナンダ・マシェール Fernanda Maciel(ブラジル、スペイン在住)、エンマ・ロカ Emma Roca(スペイン)、レイレ・マルチネス Leire Martinez(スペイン)が順に優勝、2位、3位に。60kmのMiMは昨年CCC優勝のヘイデン・ホークス Hayden Hawks(アメリカ)がケガからのリカバリー直後の復帰戦として優勝しています。リザルトはこちら。
5月10日木曜日 – 12日土曜日:Transvulcania
- Transvulcania (74.3k, 45k, 24.28k, VK):スペイン・カナリア諸島ラ・パルマ島で開催される大会は、スカイランニングの恒例の春のビッグイベントです。
- Transvulcania VK: 10日木曜日夕方に開催されたVKはVertical Kilometer World Circuitの第二戦。男子ではパスカル・エグリ Pascal Egli(スイス)が47分55秒、2位がスティアン・アンゲルムンド Stian Angermund-Vik(ノルウェー)、そして3位に上田瑠偉 Ruy Uedaが優勝のエグリから13秒差で入りました。スカイランナー・ワールドシリーズの上位常連の二人を相手に引けを取らない実力を確かめることになりました。女子は昨シーズンはドーピングによる3ヶ月の失格期間があったバーティカルキロメーターの女王・クリステル・デワル Christel Dewalle(フランス)が大会新記録の56分52秒で優勝。2位に昨年のVKWCチャンピオンのラウラ・オルゲ Laura Orgue(スペイン)が続きました。このVKを昨年優勝(59分28秒)している吉住友里 Yuri Yoshizumiは層の厚い上位陣に続く1時間1分29秒の5位でした。リザルトはこちら。
- Media Marathon Transvulcania:12日土曜日に、74.3kmのUltra Marathonのコースの前半部をコースとする24,28kmで2,097mD+、689mD-という登り基調のレースとして開催。男子では2時間13分34秒で優勝したスティアン・アンゲルムンド Stian Angermund-Vik(ノルウェー)にわずか9秒差の2位を上田瑠偉 Ruy Uedaが勝ち取りました。スペインのアリツ・アヘア Aritz Egeaが3位、4位がパスカル・エグリ Pascal Egli(スイス)。このレースは注目度の高いメインイベントの74kmのUltramarathonほどには選手層は厚くなく、注目度も高くありませんでしたが、上位選手はいずれもワールドシリーズのSky Classicカテゴリーで上位を占めている欧州のトップ選手ばかり。その中で好レースで2位を手にしたことは上田にとっては大きな自信になったでしょう。2週後の27日日曜日のワールドシリーズのレースであるZegama Marathonでの活躍が期待されます。女子のレースはラウラ・オルゲ Laura Orgue(スペイン)が優勝、昨年のOCC優勝のエリ・ゴードン Eli Gordon(スペイン)が2位に。吉住友里 Yuri Yoshizumiはトップから22分差の8位という結果でした。リザルトはこちら。
- Transvulcania Ultramarathon:MIGU RUN Skyrunner World Seriesのシリーズ戦(Sky Extraカテゴリー)となっている74.33km 4350mD+ 4057mD-。男子はペレ・オーレル Pere Aurell(スペイン)が7時間37分で優勝、下りで差を詰めたドミトリ・ミチャエフ Dmitry Mityaev(ロシア)が56秒差の2位、ティボー・ガリビエ Thibaut Garrivier(フランス)が3位になりました。4位にマルコ・デ・ガスペリ Marco De Gasperi(イタリア)、5位にグザビエ・テベナール Xavier Thevenard(フランス)など事前に上位が見込まれた選手はいずれもトップ3を逃すという意外な展開でした。一方の女子のレースは予想通りのイーダ・ニルソン Ida Nilsson(スウェーデン)が8時間40分でこの大会で3回目の優勝を果たしました。女子2位はモニカ・コマス Monica Comas(スペイン)、3位はケリー・ウルフ Kelly Wolf(アメリカ)でした。リザルトはこちら。
5月12日土曜日 – 13日日曜日:Aso Round Trail、Penang Eco 100
- Aso Round Trail (109k, 43k):熊本県の阿蘇カルデラの外輪山を中心としたコースをぐるっと一周するコースで開催。109kの男子優勝は石松元剛で15時間27分20秒。5分差の2位は永田務、永田から27分差で3位は山田琢也でした。女子は昨年優勝の吉田広美が17時間44分09秒で連覇を達成。4分差で2位に上宮逸子、上宮から30分差で3位に湯浅綾子でした。リザルト速報はこちら。
- Penang Eco 100 ( 100 miles / 100 km / 50 km ):マレーシアのペナン島の向かい側のマレー半島側の町、Bukit Mertajamで開催。Asia Trail Masterのシリーズ戦です。100kmの男子は終盤にトップを走っていたジョン・エリス John Elisを抜いたアレッサンドロ・シェルパ Alessandro Sherpaが優勝、エリスが2位になりました。同じく100km女子はマリアケ・デッケルス Marieke Dekkers(オランダ、ベトナム在住)が優勝しています。
5月12日土曜日:比叡山、Ice Age、UROC
- Mt.Hiei International Trail Running Race (50k、50mile):滋賀県大津市の比叡山で開催。比叡山の根本中堂をスタート、フィニッシュするコース。昨年から設けられた50マイル(80km)は制限時間が11時間30分とややタイトなこともあり、完走者は男子は約4分の1の15人、女子は3人中一人に止まりました。男子優勝は小寺晃弘 Akihiro Koteraで9時間26分29秒。20分差の2位に鈴木雄介 Yusuke Suzuki、3位はジョー・グラント Joe Grant(アメリカ)でした。女子は浅原かおり Kaori Asaharaのみが完走者で11時間5分でした。50km男子は伊藤健太 Kenta Itoが5時間57分で優勝。2位に松原克博 Katsuhiro Matsubara(6時間1分)、3位に長田豪史 Goshi Osada(6時間20分)。50km女子は石本恵里香 Erika Ishimotoが7時間17分で優勝。2位に山室宏美 Hiromi Yamamuro(7時間26分)、3位は中島知美 Tomomi Nagajima(7時間40分)でした。リザルトはこちら。
- Ice Age 50m:アメリカ・ウィスコンシン州のアイス・エイジ・トレイルで開催。1982年から続く歴史ある大会です。
- Ultra Race of Champions (UROC) 100k / 50k /25k:全米から実力ある選手を集めて、トレイルランニング、ウルトラマラソンのチャンピオンを決める、というコンセプトで開催される大会で、バージニア州のブルーリッジ・マウンテンズで開催されました。リザルトはこちら。
5月13日日曜日:道志村、奥四万十、山の里
- 道志村トレイルレース(41k/20k):山梨県道志村。大きなアップダウンのあるトレイルは日本でも有数の難易度の高いコースです。41kmは当サイト独自集計の男子総合では矢部達也 Tatsuya Yabeが優勝(5:23:19)、2位は栗原健誌 Kenji Kurihara(5:38:29)、3位はリチャード・コグラン Richard Coghlan(5:39:31)でした。同じく女子は大石由美子 Yumiko Oishiが6:31:11で優勝、福田恵里佳 Erika Fukudaが2位(6:36:54)、鈴木栞奈 Kanna Suzukiが3位(7:15:22)でした。ハーフの20kに出場した宮原徹 Toru Miyaharaは2:22:23の大会新記録で優勝。2位は新牛込崇史 Takashi Shinushigomeで2:36:36でした。リザルトは大会ウェブサイトに掲載されています。
- 奥四万十トレイルレース in 松葉川(35km):高知県四万十町。一斗俵沈下橋や松葉川温泉のある松葉川地区をメイン会場に前夜祭も充実。奥宮俊祐さんがプロデュースする大会です。男子は熊井康が3:52:04で優勝、2位に三島康生が3:52:15、3位は町田知宏で3:56:43。女子優勝は高橋彩(5:17:56)、2位に佐々木りか(5:40:05)、3位に栗原麻由美(5:51:27)でした。リザルトはこちら。
- トレイルランニングin山の里(30kなど):兵庫県赤穂郡上郡町で開催。ピュアランド山の里周辺の遊歩道と林間トレイルを組合わせた未舗装の特設コース約3kmの周回コースで行われる大会です。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。
- Lotte World Tower International Sky Run:高層ビルを駆け上るバーティカルランのレースでシリーズ戦のVWCの開幕戦でした。昨年開催のエキシビション大会では吉住友里 Yuri Yoshizumiが女子2位になっていた大会が今年はシリーズ開幕戦となった形です。コースは全シリーズ戦の中でももっとも高く登る500mD+のコースでした。男子では日本の渡辺良治 Ryoji Watanabeが3位に。優勝したピョートル・ロボジンスキー Piotr Lobodzinski(ポーランド)の15分53秒とは1分26秒差でした。2位はマーク・ボーン Mark Bourne(オーストラリア)で16分16秒。女子はこちらもバーティカルランの女王、スージー・ウォルシャム Suzy Walsham(オーストラリア)が18分45秒で優勝しています。
今週末のイベント
5月17日木曜日 – 20日日曜日: Ultra-Trail®︎ Australia
- Ultra-Trail® Australia (100k / 50k): オーストラリア・シドニーの郊外にあるブルーマウンテンズ国立公園で開催。100k / 4400mD+のレースがUltra-Trail World Tourの第10戦となります。女子のレースはオーストラリアの選手で昨年のUTMBで5位のケリー・エマーソン Kellie Emmerson、先月のSTYで2位のマリー・マクノートン Marie McNaughton(ニュージーランド、香港在住)がエントリーしています。男子ではオーストラリアのベン・ダフュース Ben Duffus(2016年この大会で2位)やブレンダン・デイビス Brendan Daviesに加え、UTMFで6位となったばかりの大瀬和文 Kazufumi Ose、今年のHK100で8位のハリー・ジョーンズ Harry Jones(イギリス、タイ在住)、アンドリウス・ラモナス Andrius Ramonas(リトアニア、ニュージーランド在住)が上位を狙います。さらに日本からは原良和 Yoshikazu Hara、いいのわたる Wataru Iinoの活躍にも期待したいところ。余談ながら、こちらの大会はIronmanの傘下に入った模様ですが、レースディレクターをはじめとする大会の運営体制には変わりないとのこと。LiveTrailで速報を見ることができます。100kは5月19日土曜日午前6時20分(日本時間同日午前5時20分)にスタート。
5月19日土曜日 – 20日日曜日:トレニックワールド彩の国、Massanutten 100、North Downs Way 50m
- トレニックワールド 100mile & 110km in 彩の国:埼玉県越生町など。ニューサンピアおごせを拠点に奥武蔵、秩父のトレイルのコースで行われる大会で、首都圏では唯一の100マイルのトレイルランニングレースです。100マイルソロのスタートは19日土曜日午前7時。通過速報はこちらから。エントリーリストはこちら。
- Massanutten 100:アメリカ・バージニア州で開催の100マイルトレイルレース。
- North Downs Way 50m:イギリス・イングランドのロンドン南郊で開催される50マイルのトレイルランニングレース。
5月19日土曜日:TOGA天空、奥多摩、経ヶ岳、TNF100 Korea、Transylvania
- TOGA天空トレイルラン(40.5k, 31.6k, 13.9k, 8.8k):富山県南砺市利賀村。急峻な渓谷に位置する利賀村をで開催される大会。奥宮俊祐さんがゲストランナーとして出場します。
- 奥多摩(日原)トレイルラン大会(37k/10k):東京・青梅市の永山公園を起点に高水三山、棒の峰などを経て日原へと至るコース。NPO野外活動(自然体験)推進事業団が主催する大会です。
- 経ヶ岳バーティカルリミット 21K/12K:長野県南箕輪村。中央アルプスの一角をなす経ヶ岳の山頂まで往復するというシンプルながらハードなコースです。今年から設けられたスカイランニング地域選手権の一つ、中部選手権となっています。21kには今井洋二、吉田岳生、山本健一、松本大、八田康裕、鈴木龍弥、藤飛翔、近江竜之介、須藤吉仕子、田中真紀、桑原絵理、柿本恵理がエントリーしています。
- The North Face 100 – Korea (100k, 50k, 10k):平昌オリンピックが開催されて注目された韓国・江陵(カンヌン)の鏡浦湖(キョンポホ)で開催。LiveTrailの速報もあります。
- Transylvania 100k (100k, 50k, 30k, 20k):ルーマニアで開催。「ドラキュラ」に登場する城のモデルとされるブラン城をスタート・フィニッシュとするコース。
5月20日日曜日:野辺山100km、Kobo Trail、狩勝、飯能アルプス、比婆山
- 星の郷八ヶ岳野辺山高原 100kmウルトラマラソン(100k / 71k / 42k):今回が24回目の開催となる、長野県・野辺山を会場に開催されるロードのウルトラマラソン。コースのアップダウンが大きいコースで有名です。当サイトでは今回の野辺山100kmのレースを現地からライブ速報するほか、恒例のプレビュー記事、リザルト記事もお届けしますのでどうぞお楽しみに。
- Kobo Trail(55.7k/43.2k):奈良県の金峯山寺と金剛峯寺を繋ぐ55.7kmの「弘法大師の道」をコースとして開催。コースの一部は今も修験道の修行の場となっている大峯奥駈道となっています。コースディレクターは横山峰弘さん。
- 狩勝トレイルランニング(20k/10k):北海道。旧狩勝線の線路跡と林道をコースとした大会です。
- 飯能アルプス~奥武蔵丸山スーパートレイルラン(37km):埼玉県日高市、飯能市、横瀬町。高麗駅前から飯能アルプス、伊豆ヶ岳、丸山を経て武甲温泉へと至るコースです。「新緑の奥武蔵トレイルランシリーズ」の第二戦となります。
- 比婆山国際スカイラン(18.5k, 9k):広島県庄原市西城町の県民の森を会場に比婆山連峰をコースとして開催。広島県山岳連盟が主催する今年で26回目の開催。
前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。