DC Weekly 2019年11月19日 – マウンテンランニング世界選手権、TNF50、科野の国、四国中央、Everest Trail Race

先週末はアルゼンチンで開催されたWMRAマウンテンランニング世界選手権がハイレベルなレースとなりました。レースの結果のほか、来月に東京で開催のTokyo Verical Raceや来年のGolden Trail Raceについても紹介します。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2020年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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(写真・WMRAマウンテンランニング世界選手権で優勝したジム・ウォルムズレイのフィニッシュ。Photo by © WMRA)

大会についての情報

12月14日、東京・大岳山で「Tokyo Vertical Race」開催

12月の東京で新レースが開催されます。「Tokyo Vertical Race」は奥多摩の大岳山に南側の檜原村・大嶽神社から登って山頂でフィニッシュする3.5km 950mD+のレース。ハセツネCUPでもおなじみの大岳山はケーブルカーで登る北側の御岳山を経由するのが一般的ですが、今回のコースはケーブルカーなどができる前の古道をたどるというのがコンセプト。現在エントリー受付中です。

来年2020年のGolden Trail Seriesが発表に

Salomonがサポートするトレイルランニングのレースシリーズ「Golden Trail Series」は3年目となる2020年のシリーズ日程を発表しました。シリーズを構成するのは40km前後の豊かな自然の景観と背後のストーリーを持つレースで、いずれも世界トップクラスの選手によるハイレベルなレースとなることで注目されています。2020年のレースは今年2019年と同じ6つのレースがラインナップされていますが、最終戦はアルゼンチン・パタゴニアで開催のK42 Adventure Marathonとなります。このレースは先週末WMRAマウンテンランニング世界選手権が開催されたばかりで、来年も世界のトップ選手が集まる熱いレースとなりそうです。

  • 5月24日 Zegama – Aizkorri(スペイン・セガーマ、42km 2736mD+)
  • 6月28日 Marathon du Mont-Blanc(フランス・シャモニー、42km 2780m+)
  • 7月19日 Dolomyths Run(イタリア・カナゼイ、22km 1700mD+)
  • 8月9日 Sierre – Zinal(スイス・シエーラおよびツィナール、31km 2200mD+)
  • 8月23日 Pikes Peak Marathon(アメリカ・マニトウスプリングス、42km 2382mD+)
  • 9月19日 Ring of Steall(スコットランド・キンロックリーベン、29km 2382mD+)
  • 11月7日 Final: K42 Patagonia(アルゼンチン・ビジャ・ラ・アンゴストゥーラ、42km 2184mD+)

先週末のイベント

11月14日木曜日 – 16日土曜日:Haría Extreme

Haría Extreme Lanzarote (94k, 44k, 19.5k, 13k)

スペイン・カナリア諸島のランサローテ島で開催。94kmは男子がクリストファー・クレメンテ Cristfer Clemente、女子はアナ・クリスティナ・コンスタンティン Ana Cristina Constantinが優勝。来年2020年はWMRAマウンテンランニング世界選手権がこの大会で開催されます。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

11月15日金曜日 – 16日土曜日:マウンテンランニング世界選手権、Oxfam Trail Walker Hong Kong

WMRA Mountain Running Championships 2019

アルゼンチンのビジャ・ラ・アンゴストゥーラ Villa La Angosturaで開催の大会、K42 Adventure Marathonにおいて今年のマウンテンランニング世界選手権が開催されました。これまでは6km前後のジュニアレースと12km前後のシニアレースからなる「マウンテンランニング世界選手権」と42km前後の「マウンテンランニングロングディスタンス世界選手権」は別々に開催されていましたが、今年は初めて同じ週末に同じ場所で開催されました。先週ご紹介していた有力選手にはケニアの選手が含まれていましたが、ケニアおよびウガンダの代表選手がビザに関する理由で今回の世界選手権には参加しませんでした。大会全体のリザルトはこちら

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DC Weekly 2023年2月13日 Tarawera、The Coastal Challenge、くだまつ笠戸島、牟岐五剣山

15日金曜日には14.7km 754mD+のクラシックディスタンスが開催されました。前夜からの雨で、選手はコース上の渡渉セクションでは腰近くまで水に使って川を渡ることに。女子はアメリカの24歳、グレイソン・マーフィ Grayson Murphyが1時間15分で優勝。21秒差でフランスのエリス・ポンセ Elise Poncetが2位、3位はフィリパ・ウィリアムズ Phillipa Williams(イギリス)。男子は2016年にこの世界選手権で優勝しているアメリカのジョー・グレイ Joe Grayが1時間5分で優勝して2度目の世界チャンピオンに。チェーザレ・マエストリ Cesare Maestri(イタリア)が8秒差の2位、3位のマレク・キャラシナ Marek Chrascina(チェコ)はグレイから44秒差でした。日本から参加の宮地藤雄 Fujio Miyachiは男子73位(1時間28分)。当サイトではレースを終えた宮地さんとのインタビューをポッドキャストで公開しています。上位3人の順位によるポイントの合計による国別ランキングは女子でフランスが金、チェコが銀、イギリスが銅、男子でチェコが金、アメリカが銀、イタリアが銅となりました。

翌日の土曜日は41.5km 2184mD+のロングディスタンスが行われました。女子は下馬評には上っていなかったルーマニアのクリスティナ・シミオン Cristina Simionが3時間49分で優勝。続いたのはともにフランスのアデリーヌ・ロシュ Adeline Roche(3時間51分)、ブランディーヌ・リロンデル Blandine L’Hirondel(3時間52分)。リロンデルは今年のトレイル世界選手権(ポルトガル)のチャンピオンです。男子はアメリカのスター選手、ジム・ウォルムズレイ Jim Walmsleyが終始リードを守って3時間12分で優勝して世界チャンピオンのタイトルを手にしました。48秒差の2位でフランチェスコ・パピ Francesco Puppi(イタリア)が続き、3位には今年のスカイランナー・ワールドシリーズで上田瑠偉に続く年間2位となったオリオル・カルドナ Oriol Cardona(スペイン)がウォルムズレイに8分差の3時間20分で3位でした。国別団体女子は前日に続いてフランスが金、スペインが銀でルーマニアが銅。男子はスペインが金でアメリカが銀、イタリアが銅でした。

(中止)Oxfam Trail Walker Hong Kong

香港・マクレホーズトレイルで開催。4人のチームで100kmのコースを制限時間48時間で踏破するOxfam Trail Walkerのイベントです。しかし民主派による抗議デモが続く中で、この週からは交通網の機能が失われる事態となり、大会は中止と発表されました。こうした中でも一部の参加者は自主的にコースを進んでいた模様です。

11月16日土曜日:科野の国、TNF 50、Chimera、Wendover

科野の国ラウンドトレイル(32k, 9k)

長野県千曲市。ロング32km男子では加藤晟人 Akihito Katoが3時間8分で優勝、50秒差で須賀暁 Satoru Sugaが2位に。やや開いて岩井竜太 Ryuta Iwaiが3時間15分で3位になりました。女子は枝元香菜子 Kanako Edamotoが3時間55分で優勝、2位の小林華蓮 Karen Kobayashiとは12分半の大差をつけました。3位は棚田のぞみ Nozomi Tanadaで4時間32分でした。リザルトはこちら

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DC Weekly 2021年12月20日 TOKYO八峰 、マレーシア

The North Face 50 mile Championship

アメリカ・サンフランシスコ郊外のマリン・ヘッドランズで開催。大規模な山火事による大気汚染などを受けて昨年は中止だったので、2年ぶりの開催でした。アメリカのトップ選手によるハイレベルなレースが展開されるこの大会ですが、今年は例年に比べると控えめなレースとなりました。女子はイオウ・ワン YiOu Wangが後半にリードして7時間21分で優勝。2位は7時間38分でアン・マリー・マッデン Anne-Marie Madden(カナダ)、3位は7時間39分でアディ・ブラシー Addie Bracy。男子ではセバスチャン・スペーラー Sébastien Spehler(フランス)が6時間27分で優勝。2位はダレン・トーマス Darren Thomas(6時間32分)、3位はティボー・ガリビエ Thibaut Garrivier(フランス)で6時間35分。昨年のUTMF優勝のディラン・ボウマン Dylan Bowmanは6時間55分で6位でした。リザルトはこちら

Chimera 100

カリフォルニア州南部、クリーブランド国立森林公園で開催の100マイルのレース。リザルトはこちら

Wendover Woods 50m

ロンドン郊外のウェンドーバーの森の中の10マイルの周回コースを5周する80km。リザルト速報はこちら

11月17日土曜日:上毛町

修験道トレイルin上毛町(31k, 9k)

福岡県上毛町。9kmのショートコースが今年から加わりました。リザルトはこちらに掲載される見込みです。

四国中央スカイラン (4.8km/+850m)

愛媛県四国中央市。「霧の森」を会場とする秋のバーティカルレースとして今年初開催でした。今年のスカイランニング西日本選手権・VKのレースでした。女子は吉住友里 Yuri Yoshizumiが43分14秒で優勝、2位に山本愛 Megumi Yamamoto(45分16秒)、3位に若林綾 Aya Wakabayashi(46分33秒)。男子は近江竜之介 Ryunosuke Ohmiで32分36秒。2位に薬師寺裕人 Yuto Yakushiji Yuto(34分59秒)、3位に高橋学 Manabu Takahashi(35分35秒)という結果になりました。リザルトはこちら

11月7日木曜日-19日火曜日:Everest Trail Race

Everest Trail Race by the ELEMENTS

ネパールのヒマラヤ山脈の麓で開催される6日間のステージレースは今年で9回目の開催でした。コースとなるのはソルクーンブ Solukhumbu郡の標高2000-4100mのエルアで1日のコースは30km前後で合計約170km、26,000mD+をカバーすることになります。食事やテントを除く個人装備を携行するスタイルとなります。6ステージ総合ではスマン・クルン Suman Kulung(ネパール)、アンナ・コメット Anna Comet(スペイン)がそれぞれ男女の優勝者となりました。このほか男子ではヘラルド・モラレス Gerard Morales(スペイン)、ハンス・スメズロド Hans Smedsrod(ノルウェー)、女子ではマヌエラ・ビラセカ Manuela Vilaseca(ブラジル) 、ヌリア・ドミンゲス Nuria Dominguez(スペイン)がそれぞれ2位、3位に続きました。来年2020年は11月6日から18日の日程で開催されることが既に決まっています。

Photo by © Ian Corless

Photo by © Ian Corless

今週末開催のイベント

11月23日土曜日 – 24日日曜日:びわ湖バレイ

びわ湖バレイスカイラン/Biwako Valley SkyRun(13.5km, VK)

滋賀県・びわ湖バレイを会場に開催。昨年は6月に開催されていた「びわ湖バレイスカイレース」がリニューアルした形で11月に開催。土曜日のバーティカル(4.3km 900mD+)、日曜日のスカイレース(13.5km 1300mD+)はともにスカイランナー・ジャパンシリーズのそれぞれVKシリーズ、スカイシリーズの最終戦となっています。さらにバーティカルについては10月に中止となった尾瀬岩鞍VKに代わってスカイランニング日本選手権(VKおよびユース)ともなっています。日本選手権は来年2020年のスカイランニング世界選手権(スペイン)の日本代表選考レースともなっています。

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三浦裕一・2023年 ハセツネCUP 大会前インタビュー

土曜日のバーティカルには女子では吉住友里、高村貴子、立石ゆう子、須藤吉仕子、秋山穂乃果、上田絢加などがエントリー。男子では皇帝・宮原徹新牛込崇史、藤飛翔、横山忠男といった上位常連に加えて今年のワールドシリーズ王者の上田瑠偉が参戦。

日曜日のスカイレース女子は高村貴子のほか、上田絢加、須藤吉仕子、枝元香菜子に注目。男子は上田瑠偉を中心としたレースとなるでしょうが、10月の志賀高原32k(スカイランニング日本選手権)優勝の上正原真人、同二位の近藤敬仁がどこまで迫るか。今回は前日のVKに続いて宮原徹、新牛込崇史もエントリーしています。

11月23日土曜日:100kmアジア・オセアニア選手権、バルセロナ、JFK50

Barcelona Trail Races (76k)

カタルーニャのバルセロナ市内をスタート・フィニッシュ地点とする都市型のトレイルランニング大会。76kmのコースはバルセロナ近郊のコルセローラ自然公園の二つのループコースから構成されています。

IAU 100kmアジア・オセアニア選手権

100kmのロード・ウルトラマラソンのアジア・オセアニア選手権は今年は中東のヨルダン南部、紅海に面したリゾート地であるアカバ Aqabaで開催されます。二つのループをそれぞれ4周、5週するというコース。日本からは6月のサロマ湖100kで上位に入った板垣辰矢、山内英昭、藤澤舞、太田美紀子、安曇樹香が日本代表選手として参戦します。

JFK 50

アメリカ・バージニア州で開催。ジョン・F・ケネディ大統領が軍人に体力の鍛錬を求めたことをきっかけに1963年に始まった伝統ある人気の大会で、コースは前半のアパラチアン・トレイルを通るテクニカルなトレイル、後半のスピードが求められる川沿いの未舗装路という構成。今年は57回目の開催。

11月24日日曜日:生駒、石和・春日居、錦江町、CM50

(中止)上野原秋山トレイルレース(20k)

山梨県上野原市。今年の第7回大会は先月の台風19号のコースへの影響から中止とすることが発表されています。

生駒チャレンジ登山大会

大阪府交野市の私市水辺プラザを会場に大阪府山岳連盟が開催する大会。トレイルランの上級の部は私市から高安山までの生駒山脈を縦走する32kmのコースとなります。

石和・春日居温泉郷 富士山眺望トレイルラン&ウォーク(30km/11km)

山梨県笛吹市の春日居スポーツ広場を拠点に開催される大会は今年で6回目となります。

錦江町でんしろうトレイル(30k)

鹿児島県錦江町で開催。花瀬でんしろう館を拠点に30kmと18kmのレースが開催されます。

Clark-Myamit Falls Trail Ultra (82k, 60k)

フィリピン、ルソン島のマニラ郊外で開催される50マイルレース。米軍クラーク基地跡地を繋ぎ、ピナツボ火山のカルデラ火口を通るというコースです。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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