2022年TDS：ルドヴィック・ポムレが円熟の勝利、マルティナ・ヴァルマソイが初勝利

2021年のUTMBで4位のルドヴィック・ポムレ Ludovic Pommeret（FRA）が8月23日に開催されたTDS（145km 9,100mD+）において、18時間37分で優勝しました。ポムレは2位のホアキン・ロペス Joaquin Lopez（ECU）の19時間32分、3位のエリアス・カディ Elias Kadi（FRA）び19時間49分に1時間弱の差をつけてシャモニーでフィニッシュラインを超えました。2016年のUTMBで優勝したルドヴィック・ポムレは10回目の参加となるUTMB Mont-Blancで2度目の優勝を果たしました。

TDS男子優勝のポムレ（中）、2位のロペス（左）、3位のカディ。All Photos by UTMB World Series

慎重にスタートしたポムレはスタート直後のシェクルイ峠では25位でした。93km地点のボーフォールから次々とランナーを追い越していきます。UTMBワールドシリーズで最も経験豊富なランナーの一人として、素晴らしいパフォーマンスを見せました

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家族に囲まれ、感動の瞬間を過ごした後、ルドヴィックは話しました。「プレッシャーはないし、自分の仕事でもないし、証明することもない。今いる家族も、去っていった家族も、僕のモチベーションのひとつなんだ。準備の面では、良いコーチがいる。妻がUTMBとTDSの試走を同じ週に手伝ってくれたんだ。妻は『145キロを無駄にしたわけじゃない、あきらめないで行きなさい』と言ってくれたんです」。

女子はイタリアのマルティナ・ヴァルマソイ Martina Valmassoi が22時間42分で優勝し、今シーズンのイタリアで行われた様々なレース（KV、20K、50K）での優勝に続く好調ぶりを発揮しました。クラウディア・トレンプス Claudia Tremps (ESP) が22時間59分、カタリーナ・ハルトムート Katharina Hartmuth (GER)が23時間22分でそれぞれ2位、3位となりました。

TDS®︎女子優勝のマルティナ・ヴァルマソイ Martina Valmassoi

レースを終えたマルティナはインタビューに答えました。「エイドステーションであまり座らないようにしていたんだけど、そうすると戻れないから。『なぜ私はこんなことをしているのだろう』と思う瞬間がありました。コートニー・ドウォルター（注・UTMBを2019年、2021年と連覇）は私を誇りに思ってくれるでしょう。今回は肉体的、精神的にかなり追い込みました。2回道に迷いましたが、かなりリラックスして走れました。第2走者がどこにいるかなんて気になりません。コンタミンまできてから、2番の選手はどこを走ってるの？と聞きました。これ以上ペースを上げられないと思ったので」。

TDS®︎女子優勝のマルティナ・ヴァルマソイ Martina Valmassoi

このほか、23日は午後の早い時間帯に新設のレース、ETCがイタリア側のクールマイユールで行われました。15km 1300mD+のレースに774人のランナー（うち43％が女性）が挑戦し、ヤン・マガリット・ソレ Jan Magarit Solé (ESP) が1時間24分で優勝、ケガからの復帰を果たしました。2位には上田瑠偉 Ruy Ueda (JPN)が、3位はベルギー人のマクシミリアン・ドリオン Maximilien Drion (BEL) でした。女子はモロッコのイクラム・ラーサラ Ikram Rharsalla (MAR) 選手が1時間49分で優勝、ペリーヌ・アバディ Perrine Abadie (FRA)、ナディア・レ Nadia Re (ITA)を抑え、上位3人は2分30秒以内の僅差でフィニッシュしています。

明日8月25日木曜日は、UTMBワールドシリーズのファイナルとなるOCCが開催されます。ライブ中継が行われるこの大会にはUTMBインデックスが男子800以上、女子700以上の男女151名が出場し、2023年からのUTMBワールドシリーズの決勝大会としての位置づけが明確になりました。

OCCの有力選手やコースを紹介するプレビュー記事はこちらから。

2022年 TDS、OCC プレビュー #UTMB

OCCのレースの模様は25日木曜日の午前7時45分（日本時間同日午後2時45分）からUTMB LIVE (live.utmb.world) でライブ配信されます。