ランナーにとって、必要最小限のアイテムを快適に身につけることができるランニングバンドはこだわりたいアイテムです。当サイトの筆者が今使っているランニング用の小さいバッグは使い始めてもう10年ほど経っていて、あちこち傷んできています。でも、使い勝手のよさでなかなか代わりが見つからないんですよね。
そんなことを考えていたら「Naked(ネイキッド)の2種類のランニングバンドを使い比べしてみませんか」とお声がけいただきました。
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上が二代目の「Naked Running Band」、下は軽量小型の「**Naked SL Running Band** 」
好評のオリジナルモデルの二代目となる太い方と、より軽快な細い方を試しましたが、どちらも快適でやっと10年使ったランニングバッグから卒業できそうです。
伸縮性と耐久性を備えたメッシュ素材によりシンプルな構造ながら必要十分な機能を実現
Nakedはアメリカ・西海岸初のランニング・ギアのブランド。トライアスリートで起業家でもある兄と、トレイルランナーでデザイナーでもある弟の兄弟がブランドの理念として掲げるのは「シンプレクシティ simplexity」。自然がシンプルでエレガントに変化していく裏側には、複雑で目に見えない仕組みが働いている。Nakedのすべての製品はこの理念に向けて作られている、といいます。
Nakedのランニングバンドは同社が最初に発売したアイテムで、現在はオリジナルから進化した二代目の「Naked Running Band」と、より軽量で小型の「Naked SL Running Band 」の二つのモデルが販売されています。
「Naked Running Band」は伸縮性と耐久性を兼ね備えたエクゾパワーメッシュ Naked® Exopower meshを素材として輪状になった製品。パンツを履くように輪の中に足を入れて、バンドを腰の位置に引き上げます。バンドはストラップやバックルは使わずにメッシュ素材の伸縮だけで固定されるため、ランニング中の揺れやズレが抑えられるというわけです。こうした構造のため、胴回りに応じて十二段階ものサイズが用意されています。
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Naked Running Band
バンドの幅は一番太いところで約13cm。メッシュ素材は表裏の二層で、その二層の間はポケットとして収納に使えます。バンドは前と右後ろ、左後ろの3箇所が縦に縫いとめられていて、ポケットは左右と後ろの三つに分かれます。
ポケットの口に当たるバンドの上辺にはジッパーもベルクロもないのですが、表側のメッシュ生地が少し高くなっています。このデザインによって、ベルトを身につけた状態ではジッパーなどなくてもメッシュの伸縮性のみでポケットから物が飛び出すことはない、というわけ。さらにそれぞれのポケットの外側には黄色いループ状のタブが縫い付けてあり、これを引っ張ることで簡単にポケットを開くこともできる。シンプルでありながら必要十分な機能を実現しています。
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黄色のタブを使えばポケットを大きく開くことができる。
ポケットは三つ合わせると2リットル以上の容量があります。へそを中心に右と左にそれぞれ配置されたポケットにはソフトフラスコ、レインジャケット、エナジーバーなどが余裕で収まるほか、左側のポケットにはキーホルダーが縫い付けてあるので、鍵なども安心してキープできます。背中のポケットは左右のポケットより少し狭めで、スマートフォンを入れるのにちょうどよいサイズです。
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おへそを中心に左右に大きなポケット、背中のポケットとあわせて三つのポケットがある。
このほか、前面には2箇所にレース時にナンバーカードを留められるホルダーがあり、背面にはロゴ入りのゴムバンドが縦に2箇所。これはトレッキングポールを挟み込むほか、やや嵩のあるジャケットを細長く畳んで左右に通すことが想定されています。ゴムバンドの内側には滑り止めのシリコン加工もされています。
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Naked Running Bandのゴムバンドを使ってジャケットを固定したところ。
もう一つのモデル「Naked SL Running Band 」は短い距離のレースやフィットネスのためのエクササイズを想定して、より軽量小型になっています。バンドの幅が約10.5cmと細身なことと、トレッキングポールやジェケットを挟み込むゴムバンドがないほかは、上記の「Naked Running Band」と同じ素材、構造となっています。ポケットの容量はあわせて1.5L以上となります。
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Naked SL Running Band
ポケットは見かけによらない大容量だがフィット感が高くて走っても快適、サイズ選びが重要
Nakedの二つのランニングバンドをレビューのために送っていただいたのですが「フィット感が重要なので、サイズはしっかり測った方がいいです」とのこと。腰回りの長さをメジャーで測って十二段階のサイズの中から選ぶのですが、普通のウエストではなく、「おへその2cm下、女性なら5cm下の胴囲」を測るのがミソ(もちろん、息を止めてお腹を引っ込めたりするのはなしです)。このサイズ選びがバンドの着用感に影響するので、可能なら取扱店で試着してサイズを選んだ方がよさそうです。
まずは二代目「Naked Running Band」を試してみたのですが、左右のポケットの収納力にびっくり。500mlのソフトフラスクは中が満杯の状態でポケットに収まります。さらに、薄手のトレイルランニング用のレインジャケットも余裕で収まりました。もう入らないかな、と思いながらも、フラスクの前後の隙間にエナジージェルやヘッドライトなどの小物を押し込むと余裕で収まります。メッシュ素材の生地のおかげか、もう一つ入るかなと思ってもすんなり収まることに驚きました。
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伸縮性の高いメッシュ素材のおかげでちょっとポケットの口が開いていてもしっかりホールドされている(上)。ポケットの隅の方にもスペースがあるので、見た目以上に多くのアイテムを入れることができる。
背中のポケットにはスマートフォンを入れたところちょうどよいフィット感。代わりにレインジャケットも入れてみましたが、こちらもちゃんと入ります。ゴムバンドのループに三つ折りのトレッキングポールを差し込んでみましたが、これもしっかり固定できました。ただ、背中のポケットにジャケットを入れた状態でトレッキングポールを固定するとちょっと窮屈な感じがします。ポールホルダーとして使うなら背中のポケットはスマホくらいがよさそうです。
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背中のポケットにスマホを入れたところ。一見収まりきっていないように見える(上)が、ポケット外側の素材の方が縦に長いので、しっかり口を閉じることができた(下)。
「Naked SL Running Band 」も試しますが、容量が大きい「Naked Running Band」に入れたのと同じものが収まってしまったのでちょっとびっくり。ただ、ポケットの口はやや開き気味。ちょっと動いたくらいでこぼれ出そうな感じはしませんが、エナジージェルの数を控えめにして調整した方が良さそうです。
実際に走り始めると、最初のうちは腰回りの圧迫感が少し気になりますが、すぐに慣れます、たくさんモノを入れた状態でも揺れを感じないのですが、別の日にあまりモノを入れない状態でも揺れないことにも気づきました。
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走っているうちに汗をかきますが、バンドのメッシュ素材自体はほとんど水を含まないので、意外と肌はサラッとしています。バンドをランシャツの下にするか上にするか、という難問がありますが、シャツの下にして素肌と触れるようにしても快適です。ランシャツと素肌の通気性も損なわないのもいいですね。
シンプルでありながら高機能、レース本番から手ぶらの散歩まで幅広く活用できる
「Naked Running Band」と「Naked SL Running Band」を試してみて、筆者もようやく10年使ったランニングバッグを引退させることができそうです。
メッシュ素材のランニングバンド、というアイディアはシンプルで簡単に作れそうに思えます。でも装備をポケットに入れても揺れずに身につけた時にフィット感を損なわない、というのは、簡単ではないはず。Nakedを試着して試走してみるとそれがあっさりと実現しているあたりは、「シンプレクシティ」というブランドのこだわりがあるからでしょう。
あえて、Nakedのランニングベルトについて気になる点を挙げるなら、一つは収納しているものが多すぎると肌への圧迫感が気になること。伸縮性のある素材で大容量が収納できるのでたくさん入れてしまいたくなりますが、例えばレースで使うのであれば本番を想定して事前にテストをしておきたいところです。
もう一つ気になる点としては、ベルトを回してポケットの位置を変えるのが難しいこと。筆者の場合、使い古してきたランニングバッグではスマホを入れた背中のポケットをクルッと前に持ってきてから、スマホを取り出したりしまったりしていました。Nakedのランニングベルトの場合はメッシュ素材にテンションをかけて腰に固定することでフィット感を高めているので、簡単に前後を入れ替えることは難しいです。この辺りは使い方に慣れていきたいと思います。
素材選びやデザインにこだわり試行錯誤を重ねることで、シンプルでビューティフルな製品を作り出すNakedが作る二つのランニングベルト。レースから日々のランニング、さらには手ぶらでお出かけするときの小物入れがわりにも便利に活用できそうです。
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