[DC] ダコタ、キャメロン、エイミー。海外勢が上位独占となるか? ハセツネ2013 プレビュー #Hasetsune

【追記・キャメロン・クレイトンの写真を追加しました。】

今週末の10月13日(日)に今年もハセツネこと日本山岳耐久レースが東京・奥多摩で開催されます。あきる野市の五日市中学校のグラウンドをスタートして三頭山、そこから東へ御前山、大岳山、御岳神社を経て五日市会館へ向かう71.5kmのトレイルランニングレース。

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今年も様々な有力選手が集まるこのハセツネの有力選手の紹介記事を書こう、と思ったところ、参加者に送付されている冊子に既に充実した内容の紹介記事が。

なあんだ、じゃあどうしようかな、と思ったものの、以下では当サイト独自の視点から今年の有力選手を紹介します。

【注・現時点で得られる最新の情報をもとに以下の記事をまとめています。取り上げるべき選手の抜け漏れや出場取りやめなどの情報がありましたら、コメント欄でお知らせください。】

Women/女子

エイミー・スプロストンがリードするか

まずは女子から。女子はAmy Sproston/エイミー・スプロストン(Montrail/MHW)が圧勝というのが順当だろう。アメリカのオレゴン州在住のエイミーは6月に東京で行われた柴又100Kで優勝(Meghan Arbogastと同着)、総合3位。その後行われたWestern Statesでも女子3位に入る等、その実力はアメリカの女子トレイル・ウルトラランニング界ではトップレベルにある。トレイルだけではなくロードのウルトラも多く走っているランナーであることから、ハセツネのような日本の特徴あるレースでどこまで活躍できるか不透明な部分はあるかもしれない。しかし、女子ランナーの競技水準の高いアメリカでトップクラスのエイミーに実力という点でかなう女子ランナーは今年のハセツネにはいない。

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今年のWestern States前日のエイミー・スプロストン。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

日本のランナーも今年は実力者が勢揃い

その後には、昨年上位に入った佐藤光子(昨年優勝)、江田良子(昨年2位)、西田由香里(昨年3位)は今年も上位に入ることが期待できる。当方として注目したいのは、2009年のハセツネ優勝者で今シーズンからレースに復帰している星野緑(La Sportiva)。今年は八ヶ岳スーパートレイル100kや上州武尊山スカイビュートレイル50kで優勝するなど実力を発揮しつつあり、慣れたハセツネでは上位入りが狙える。そしてLeah Daugherty/リア・ダーティ(La Sportvia)は今年から住む日本で積極的にトレイルレースに出場しており、道志村、富士登山競走で優勝した姿が印象に残る。目新しい日本のトレイルを楽しむ前向きな姿勢が好成績につながるかもしれない。2011年優勝の(La Sportiva)はケガとの闘いが続くが今年夏のUTMBで念願の100マイルレースを完走した。そこからのリカバリーの程度によっては今回も上位争いに絡んでくるだろう。

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昨年のハセツネで優勝した佐藤光子。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

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今年の富士登山競走で優勝したリア・ダーティ/Leah Daugherty。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

注目のランナー

日本でも海外でもトレイルランニングレースではベテランの女子ランナーが長く活躍しているが、若手の女子選手にも注目したい。その点では昨年は序盤に先行しすぎて7位に終わった山ノ内みなみがどのような走りをみせるか注目だ。彼女は現在20歳、今年のハセツネで女子最年少のランナーでもある。さらに昨年5位の福田由香里、6位の千葉恵子、今年のUTMFで4位の網蔵久美子も注目したい若手だ。
もちろん、ベテランにも注目。特にハセツネの上位常連で昨年4位の松井一葉の名前は年齢順に並ぶ参加者名簿のかなり後ろの方になる。今年も力強い走りに期待したい。

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昨年のハセツネで序盤をリードする山ノ内みなみ。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

Men/男子

ダコタとキャメロンが引っ張る展開か

結論からいえば、アメリカからやってくる昨年優勝のDakota Jones/ダコタ・ジョーンズ(Montrail/MHW)と新鋭のCameron Clayton/キャメロン・クレイトン(Salomon)の二人が今年もレースをリードするだろう。公式冊子の記事はハセツネの優勝カップを日本人選手の手に取り戻すことにご執心のようだが、このように海外の力のある選手が活躍して競い合ってくれることは当方としては大歓迎だ。

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ダコタは昨年のハセツネの優勝者で7時間22分というタイムで大会記録を9分更新。そのレースの模様や彼の人柄については当サイトでも詳しく紹介した(レース後のインタビューダコタ自身のレースレポート)。今シーズンのダコタはややレースからは離れていたが、9月28日にコロラド州で開催された100kmのトレイルレースで、キリアンをはじめとして多くの有力ランナーが集まって激しいレースとなったUROCで2位に入り、その強さには揺らぎがない。若干22歳の彼は今年もハセツネの注目の的だ。

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昨年のハセツネを走るダコタ・ジョーンズ/Dakota Jones。Photo by Sho Fujimaki

そしてキャメロン・クレイトン。彼の名前はアメリカでもまだ耳新しい。それもそのはずで、コロラド大学で長距離走やクロスカントリーの選手だった彼が初めてトレイルレースを走ったのは昨年9月のRun Rabbit Run 50。このコロラドの人気の50マイルレースでGeoff Roes(2010年のWestern States優勝)の大会記録を2分破って優勝。さらに有力選手がしのぎを削ることで知られる12月のThe North Face Endurance Challenge 50 Miles Championship (San Fancisco)で3位になって注目を集めるようになり、今年はアメリカやヨーロッパのレースなど文字通り世界中のレースに出場して好成績を収めている。今年のWestern Statesで序盤をトップでリードしながらもリタイアするなどまだ不慣れなところがあるのは間違いないが、アメリカのトレイルランニング界でも最も注目されているランナーの一人だ。前述のUROCではダコタに次いで3位に入っている。同じコロラド州ボルダーに住むダコタとキャメロンの二人がハセツネで再び一緒に走ることになるが、今度はどちらが勝つか。順当にいけば昨年もこのレースを走っているダコタだろうが、当方としては25歳のキャメロンが勢いに乗って今年のハセツネで新しいヒーローとなると予想する。

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初めての東京、 SALOMON SUUNTO iciclub神田店を訪ねるキャメロン・クレイトン。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

上位入りをうかがう日本のランナー

アメリカの二人に優勝争いでからむ可能性があるのは、昨年上位の近藤敬仁(La Sportiva)、(La Sportiva)、相馬剛(ZEN)、山田琢也(Montrail/MHW)、(Salomon)だろう。近藤敬仁は国内のトレイルレースでは出場すれば優勝という手強い存在だが、昨年のハセツネではダコタに三頭山でちぎられてしまった。その経験がどこまで活きるだろうか。菊嶋啓はその実力についてランナー仲間では評価が高いが、最近は腸脛靭帯炎(ITBS)に悩まされてレースで実力が発揮できない場合が多かった。故障が克服できていれば、このハセツネで力を爆発させるかもしれない。最近、独立して富士山をフィールドとしたガイドをはじめた相馬剛は二度ハセツネで優勝し、昨年は序盤で出遅れながらも4位に入賞。昨年のレース後のインタビューではダコタの活躍を冷静に受け止めつつ7時間切りを展望して今後もハセツネにチャレンジしていきたいと話したのが印象に残る。心機一転の今年、どんな活躍をみせるか。山田琢也はいつも着実なレース展開だが今年4月のUTMFでは予想外の展開で初めてのDNFという結果に終わった。そうした経験が今回どう活きるかが注目だ。小川壮太は昨年のフランスでのNivoret Revardで2位に入ってから、海外レースに積極的にチャレンジし、国内でもUTMFで初めての100マイルを完走している。そうした経験がハセツネという日本のクラシックレースでどのように発揮されるだろうか。

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昨年のハセツネを2位でフィニッシュした近藤敬仁。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

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昨年4位でフィニッシュした相馬剛。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

有力だが懸念の残るランナー

初のハセツネ参戦となる(La Sportiva)は今年8月にアメリカで最も伝統ある人気レースの一つ、Pikes Peak Marathonで優勝して注目を集め、このハセツネでもダコタとキャメロンとトップ争いができる実力を持つが、Pikes Peakの活躍の代償として足底筋膜炎に悩んでいるという。奥宮俊祐(Montrail/MHW)は毎年ハセツネで活躍しているが、8月末のUTMBからどの程度リカバリーできているか。(La Sportiva)も9月のイタリアでのトル・デ・ジアンを走ったばかり。膝を傷めてのリタイアだったので、故障からのリカバリーには少し時間がかかるかもしれない。トル・デ・ジアンといえば8位という好成績だった小野雅弘(TECNICA)もハセツネにエントリーしている。昨年までの大会記録保持者の後藤豊(La Sportiva)は最近はケガに悩む姿をレースでみることが多い。

このハセツネでブレイクしそうなルーキー

さらに比較的最近トレイルレースを走るようになった若手ランナーはにも注目したい。美済津修(La Sportiva)は今年のSTYで優勝の25歳。貝瀬淳(Asics)は今年は2週前の上州武尊山スカイビュートレイルで2位。今年はハセツネに焦点を合わせているとのこと。は大学時代に駅伝選手として活躍後、2011年からトレイルレースに出場するようになり、今年もえびの高原、おんたけスカイで優勝。も大学時代は駅伝で活躍し、今年はIzu Trail Journey3位、八ヶ岳スーパートレイル100k2位。こうしたスピードのあるランナーが上位に食い込むのは最近のトレイルレースの傾向であり、ハセツネも例外ではないだろう。

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9月の上州武尊山スカイビュートレイルを走る貝瀬淳。Photo by 上州武尊山スカイビュートレイル実行委員会

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3月のIzu Trail Journeyを4位でフィニッシュした大瀬和文。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

トップ10をうかがうランナー

昨年のハセツネでトップ10入りしている加藤淳一(MONTURA)、伊東努渡辺裕治横内宣明も今年のレースにエントリーしている。さらに各地のレースで活躍する山室忠(Montrail/MHW)、中川政寿(Montrail/MHW)、倉田文裕礒村真介井原知一平山賢一(Salomon)、栗原孝浩村井涼武藤尚一郎もハセツネに登場する。

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昨年のハセツネをフィニッシュした礒村真介。手前は島田哲。Photo by Koichi Iwasa / DogsorCaravan.com

当サイトでは、10月13日(日)午後1時スタートのハセツネをレーススタートから上位選手のフィニッシュまで、Twitterなどでリアルタイムで速報するほか、レース前後の選手の表情、上位選手のインタビュー等をお送りします。

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