上田瑠偉が準優勝、ミシェル・ランヌ、ミンミ・コトカが優勝・CCC 2016リザルト UTMB® 2016

UTMB-2016-logo-Columbiaトレイルランニング界のプリンス・上田瑠偉 Ueda Ruyがまた一つ階段を登りました。8月22日月曜日から28日日曜日までのモンブラン周辺ので開催されているUTMB®︎(旧称 Ultra-Trail du Mont Blanc)で、26日土曜日に101km / 6,100mD+のCCC®が開催され、日本の上田瑠偉が僅差で選手が前後する中で闘志あふれる走りを見せて12時間15分でフィニッシュして2位に入りました。®︎における日本のアスリートの活躍としては2009年UTMBでの鏑木毅の3位に並ぶ快挙です。


MHW-montrail - logo(写真・ 2016のトップ3人、左から2位の上田瑠偉 、優勝のミシェル・ランヌ 、3位のジュリアーノ・カバーロ Giuliano Cavallo。 by Koichi Iwasa DogsorCaravan.com)

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トレイルランニングのオンラインメディア・DogsorCaravan.comは今シーズンからUTMB®︎の大会メディアパートナーに加わり、今年も現地から大会の模様をお届けしています。当サイトのUTMBの現地レポートは、大会パートナーであるMountainHardwearmontrailのご協賛によりお送りしています。

稀に見る暑さの中、緊迫したレース展開に

今週のシャモニーを始めとするモンブラン周辺のエリアは天候に恵まれ、大会期間中を通して標高1000mあたりでも気温が30℃を超えるという予報。大会側からは暑さ対策の十分行うように参加者に呼びかけることになりました。CCCがイタリアのクールマイユール / Courmayeurを26日金曜日午前9時(日本時間同日午後4時)にスタートしてからも強い日差しと暑さは変わらず。

クールマイユール / Courmayeurをスタートした各ランナーはUTMBとは異なり、ループ上の尾根沿いのコースに登ってから14.7k ベルトーネ / Ref. Bertoneへ。上田瑠偉はこの最序盤から先頭集団を100mほどリードします。その後にはモリッツ・アウフデルハイデ / Moritz Auf Der Heide、ディミトリオス・テオドラカコス / Dimitrios Theodorakakos、ミシェル・ランヌ / Michel Lanneが続きます。その後、テオドラカコス、上田、ランヌが一緒に進む展開となりますが、テオドラカコスはリタイア。コース上の絶景ポイントであるグラン・コル・フェレ(32km地点)からランヌがリードし、上田が追うレースになりました。

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15k地点のBertone、トップで上田瑠偉が到着、1:46。数十メートル差でMichel Lanneが2番手で続く

La Fouly(47km地点)ではランヌの上田に対するリードは5分ほどでしたが、Champex-Lac(56km地点)では18分にまで拡大。エイドでは軽くコーラを飲んで補給の入れ替えを済ませてすぐに先に進むランヌに対して、上田はエイドでしっかり補給しながら、暑さで体調がよくないと話します。昨年、初挑戦のCCCも今年と同じような猛暑で、胃腸を壊し、足の攣りに苦しんで減速した記憶が蘇ります。

しかし、今年に上田はここでレースを諦めませんでした。72km地点のTrientではランヌとの差を10分まで縮め、「体の動きはいい」と力強く話しました。しかし、その後も波はあり、最後の大きな登りが始まるCol des Montets(86km地点)ではランヌとの差は20分まで拡大。一方で背後には1分差でジュリアーノ・カバーロ / Giuliano Cavallo(昨年のCCCで7位)が迫るというピンチを迎えます。しかしここからTête Aux Vents(90km)までの標高差700mの登りで上田が攻めるパワーハイクを見せました。Tête Aux Ventsではランヌに9分差まで迫り、最後のエイドとなるFlégère(93km)では6分差まで詰め寄ります。

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Col des Montets 86kを上田瑠偉 Ruy Ueda2位、トップのランヌから20分で通過。差が開き、背後には3位のGiuliano Cavalloが1分差で迫る。

結局、優勝はミシェル・ランヌ / Michel Lanne、12時間10分でシャモニーにフィニッシュ。2位の上田瑠偉は12時間15分で5分差まで縮めてフィニッシュ。2014年スカイランニング世界選手権・Mont Blanc Marathonでキリアンに次いで2位となるなど、地元シャモニーのトップ選手として知られるランヌを最後まで追い詰めるアグレッシブな走りを見せた22歳の上田は大きな注目を集め、シャモニーに集まったトレイルランニングファンに拍手喝采を浴びました。三位のジュリアーノ・カバーロ / Giuliano Cavalloは上田のわずか4分後にフィニッシュ。四位のクレマン・モリエ / Clément Mollietまでトップからはわずか15分の差で、今年のCCCは緊張感あふれる名レースとなりました。

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ミシェル・ランヌ Michel Lanne ( Running )が #CCC 20162を12:10:04で優勝。シャモニー在住の山岳救助隊員でスカイランニングでの実績豊富なトップアスリート。

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中盤で上田瑠偉を追い詰めた一人、4位のクレマン・モリエ / Clément MOLLIET。

女子では前評判通りスウェーデンのミンミ・コトカ / Mimmi Kotkaが終始レースをリードし、13時間42分で優勝。コトカは昨年のIAUトレイル世界選手権・MaXi 84kで8位となっていました。二位のジョー・ミーク / Jo Meekはロードのウルトラマラソンでも活躍するスピードランナーで昨年のTNF 50 Championshipで8位でした。3位のテレサ・ニームズ / Teresa Nimes Perezは2014年のTDSで優勝しています。

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女子優勝のミンミ・コトカ Mimmi Kotokaが #CCC 20162を13:42:46で優勝。男女総合の14位。

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女子2位のジョー・ミーク Jo Meek。

世界の大舞台でたくましさを感じさせた上田瑠偉

日本のトレイルランニング界で最近最も才能を感じさせるアスリートである上田瑠偉は現在22歳。陸上の名門・佐久長聖高を経て、早稲田大学では同好会で競技を続けていましたが、大学生だった2013年にトレイルランニングに出会います。その直後に出場した2013年ハセツネカップでは6位。翌年の2014年には7時間1分の大会新記録で優勝して、注目の人物となりました。同年には当サイトの日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー稲葉賞を受賞しています。今年春、社会人となってからはスカイランニングのレースに積極的に取り組んでいて、国内の上田VKでは3位、7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trail 42kで12位、8月のスカイランニング・ユース世界選手権・Gran Sasso Skyraceで優勝して世界チャンピオンに、と立て続けに世界の舞台で結果を残しています。この間、アメリカの100kmレース、Gorge Waterfalls 100kでも優勝しています。

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UTMBといえば、世界のトレイルランニングレースの中で、その頂点に立つ名レースとして知られ、とりわけ競技のレベルはどんどん高くなっています。それは101kmのCCCについても例外ではありません。そうしたCCCで2位という結果は世界のトレイルランニング界の中で上田瑠偉がトップクラスの実力を持つことを世界に知らしめることになりました。

 

上田自身のこれまでのレースの経験をみても、昨年のCCC、そして今年のBuff Epic Trail 42kではレースの途中でトップを走りながらも、ちょっとした不調から順位を落とすという内容でした。今回はレースをリードするのみならず、暑さでペースを落としながらも落ち着いてコントロールして立て直す、というたくましさを感じさせるレース展開。スピードという才能に、粘り強さや経験から学べる柔軟さといった力も兼ねそなえることで、年を追うごとに強さを増していると感じさせます。これからも上田瑠偉の挑戦と活躍から目が離せないシーズンが続きそうです。

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Champex Lac 55kに2位、6:06で上田瑠偉 Ruy Ueda、トップから18分。暑さで胃が落ち着かないと話す。

レース後のフィニッシュラインでのインタビューで「来年は(170km)のUTMBに出るか?」との質問に対して上田は「まだ若くて100マイルを走るのは早いと思っている。でもいつかは(170km)のUTMBに挑戦したい」と話していました。世界の頂点の中でさらに高くそびえる事実上の世界選手権、UTMBで上田がその才能を発揮する日が待ち遠しいと感じました。

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上田瑠偉のCCC2016のフィニッシュ。

CCC 2016 リザルト

大会全体のリザルトはこちらから。

男子

  1. ミシェル・ランヌ / Michel Lanne 12:10:04 (Salomon, FRA)
  2. 上田瑠偉 / Ruy Ueda 12:15:20 (Montrail / MountainHardwear, JPN)
  3. ジュリアーノ・カバーロ / Giuliano CAVALLO 12:19:21 (Salomon, ITA)
  4. クレマン・モリエ / Clément MOLLIET 12:25:30 (HOKA OneOne, FRA)
  5. ヴァンサン・ヴィエ / Vincent VIET 12:52:11 (FRA)
  6. ペター・レストープ / Petter RESTORP 12:54:03 (SWE)
  7. ジュリアン・ルフラン / Julien LEFRANC 12:56:31 (FRA)
  8. オスカー・バリウーソ / Oscar BARRIUSO PASCUAL 13:00:59 (ESP)
  9. トールベルガー・ジョンソン / Thorbergur JONSSON 13:03:44 (ISL)
  10. ジョナサン・ティエリ / Alberto PELAEZ SERRANO 13:11:13 (FRA)

• 19. 松永紘明 / Hiroaki MATSUNAGA 13:55:04 (The North Face, JPN)

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松永紘明 / Hiroaki MATSUNAGAは19位でフィニッシュ。昨年よりも順位を上げ、タイムも昨年を上回る13時間55分。

女子

  1. ミンミ・コトカ / Mimmi Kotka 13:42:46 (SWE)
  2. ジョー・ミーク / Jo Meek 14:09:34 (Scott Running, GBR)
  3. テレサ・ニームズ / Teresa NIMES PEREZ 14:14:01 (The North Face, ESP)
  4. カロリーヌ・ベノワ / Caroline BENOIT 14:28:32 (FRA)
  5. ラケル・マルティネス / Raquel MARTINEZ RODRIGUEZ 15:09:22 (ESP)
  6. リア・ベイコワ / Yulia BAYKOVA 15:31:52 (, RUS)
  7. マニカラ・ライ / Manikala RAI 16:04:38 (NEP)
  8. ホーリー・ラッシュ / Holly RUSH 16:05:39 (, GBR)
  9. バージニア・オリベリ / Virginia OLIVERI 16:14:51 (Salomon, ITA)
  10. マルティナ・キアルボ / Martina CHIALVO 16:24:26 (ITA)
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