「DogsorCaravan」では日本の「トレイルランニング」において特に賞賛に価するパフォーマンスをみせた選手を讃える「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)を2013年から昨年2018年まで6回にわたって選びました。
今年2019年については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)を選ぶこととします。この変更にあわせて、選考の対象について当サイトが主に紹介している競技分野全体に広げることとします。すなわち、従来に加えてロードを含めたウルトラマラソンやマウンテンランニングが対象に加わります。
Sponsored link
DogsorCaravan Awardの選考にあたってはインターネット上での投票は行わず、当サイトの編集人、岩佐幸一が独りでその責に当たります。
2019年DogsorCaravan Awardは、12月31日(火)に当サイトの記事として発表します。
以下、今年のDogsorCaravan Awardへの変更にあたっての趣旨を説明します。
名称と実体の差からくる違和感を解消
当サイトを現在の形で運営するようになってまもなく、一年を振り返る企画にわかりやすい名前を選んだ結果が「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」でした。以来、このスポーツに関わりの深い方々にアンケートを行ったり、信頼できる友人の皆さんと率直な意見を交えて相談したり、候補者としてノミネートした選手の皆さんについてインターネット上で広く読者の皆さんから投票していただくなどの取り組みをしてきました。ただ、それらを参考にしつつも最後は当サイトの岩佐の判断により受賞者を選考してきました。
年を追うにつれてこの企画について関心を持ってくださる方が増え、選考対象となる選手の皆さんからはこの企画が励みになるといううれしいお話を聞く機会もありました。しかし、そうして注目が集まるにつれて読者や選手の皆さまが「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という名前から期待されることに、この企画が応えられていないと感じることが増えました。
第一に「トレイルランニング」を対象とするというとき、その言葉の意味はITRAによる定義と同様に広く考えてきましたが、最近ではそれが適切でないというご指摘を受けることがあります。
第二にトレイルランニングというスポーツの認知度が高まるにつれて「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という言葉の持つ重みもそれだけ増してきます。当サイトのような小さなメディアが最後は一人で選んでいる賞の名称としては、身の程を超えて大げさすぎる、といわれても仕方ありません。この賞をよりしっかりした体制の元で運営することで僭称の謗りを拭うこともできるかもしれませんが、その主宰者となることは当サイトにとっていささか荷が勝つのが実情です。
近年感ずる企画の名称と実体のこのような落差を解消するため、名称を「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)に改めることとします。
異なる各分野のパフォーマンスの素晴らしさをあえて比較する、という趣旨から選考対象を拡大
「トレイルランニング」という言葉から連想される競技は今や一つではなく、選手もそれぞれ軸とする分野を中心にして活躍することが多くなりました。スカイランニング、トレイルランニング、100kmや100マイルのウルトラトレイル、バーティカルキロメーターなどなど。日本ではまだあまり知られていないマウンテンランニングもこれからここに加わるでしょう。ロードのウルトラマラソンについては「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では対象としていませんでしたが、距離という点でウルトラトレイルと共通しているところがあり当サイトでは随時話題を紹介しています。
選手のパフォーマンスの比較は客観的である必要がある、とするなら分野の異なる競技の結果を比較することはできないでしょう。しかし、当サイトが日頃ご紹介しているレースなどの結果をみていると、主観的ではあるが異なる分野の結果を見比べて注目すべき結果を挙げることもできると考えます。
「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)では異なる分野の中から最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選ぶ、という趣旨を改めて確認します。さらに「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の名称を返上するのを機に、選考の対象を当サイトが関心を持って紹介している競技の各分野全体とします。これにより、ロードのウルトラマラソンが対象に加わります。
読者投票は行わず、パフォーマンスに基づいて選ぶことを明確に
「DogsorCaravan Award」を選ぶにあたっては、その1年間のレースなどで日本を拠点に活動した選手で、各地の大会などで最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選びます。タイム、順位、レースの内容といった要素に注目しますが、世界選手権、日本選手権、シリーズ戦などの目立ったタイトルのかかる大会だけでなく、幅広い大会やFTKでの結果も勘案します。この選考基準については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」から変わりません。
これまで「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では、読者の皆さんにこの選考基準を共有した上で一緒に一年を振り返る機会としてインターネット上の投票の機会を設けてきました。ただ、この投票が必ずしも意図した通りには機能していないのではないか、というご意見を聞く機会が増えていました。このため、今回は読者の皆さんによる投票は行わないこととします。
年の瀬が迫る中での恒例企画の大幅な変更となり、楽しみにしていただいている読者の皆さまには申し訳ありません。大晦日に発表する今年のDogsorCaravan Awardをどうぞお楽しみに。
参考・これまでの「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)
- 2013年:原良和さん、大石由美子さんが本賞、山ノ内はるかさん、宮原徹さん、神流町のうめこさんが特別賞を受賞(ノミネート、受賞者発表)
- 2014年:上田瑠偉さん、大石由美子さんが本賞、西田由香里さん、星野由香理さん、松本大さん、望月将悟さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞は相馬剛およびFuji Trailheadさん(ノミネート、受賞者発表)
- 2015年:土井陵さん、丹羽薫さんが本賞、星野由香理さん、宮崎喜実乃さん、松本大さん、小原将寿さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞はパワースポーツ・滝川次郎さん(ノミネート、受賞者発表)
- 2016年:大杉哲也さん、吉住友里さんが本賞、高村貴子さん、丹羽薫さん、上田瑠偉さん、川崎雄哉さんが特別賞(ノミネート、受賞者発表)
- 2017年:上田瑠偉さん、丹羽薫さんが本賞、高村貴子さん、吉住友里さん、小川壮太さん、三浦裕一さんが特別賞を受賞(ノミネート、受賞者発表)
- 2018年:三浦裕一さん、高村貴子さんが本賞、吉住友里さん、立石ゆう子さん、荒木宏太さん、城武雅さんが特別賞を受賞(ノミネート、受賞者発表)