2021年 UTMB®︎・CCC®︎・TDS®︎・OCC リザルト #UTMB

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コロナ禍で昨年は中止となったUTMB®︎ Mont-Blancが、一年のギャップなどなかったかのように帰ってきました。

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先月末のUTMB®︎ Mont-Blancでは当サイトの岩佐が大会公式ライブ配信の日本語チャンネルにMCとして出演しました。今回もUTMB®︎についてDogsorcaravanでは現地からレポートできなかったので、改めてUTMB®︎の4つのレースについてその結果をまとめます。

スタートの熱気、エイドの応援、シャモニーでフィニッシャーを迎える観客の皆さんの温かい声援は一昨年までと同じでした。ただ、日本を含めアジア各国では海外の渡航にまだ制限があり、アジアからの参加者はごく少数に限られました。来年は日本からも多くの皆さんがUTMB®︎に参加できることを期待したいと思います。

(写真・UTMB®︎で史上初の4度目の優勝を果たしたフランソワ・デンヌ。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc)

TDS®︎:深夜の事故でレースは一部打ち切りになるも300人弱の選手がレースを続ける

前回2019年大会から中盤に新しいセクションが加わってコースが145km 9,100mD+となったTDS®︎は、従来の水曜日早朝から火曜日午後3時にスタート時刻が繰り上がりました。

男子のレースはスタートから50kmのBourg Saint-Mauriceでもエリック・セバスチャン・クログビク Erik-Sebastian Krogvig(ノルウェー)とセス・スワンソン Seth Swanson(アメリカ)を先頭に上位6人が1分以内という僅差。そこから標高差1700mを登るコース中盤の難所、Passeur de Pralognan(62km)ではクログビクがリードして1分後にベノワ・ジロンデル Benoit Girondel(フランス)、ダニエル・ユング Daniel Jung(イタリア)が続くという展開に。女子ではリードしていたエカテリーナ・ミチャエワ Ekaterina Mityaeva(ロシア)に50km地点でマノン・ボアール Manon Bohard(フランス)が追いついて並ぶことに。

しかし、深夜12時30分過ぎにPasseur de Pralognanからの急な下りでチェコのランナーが滑落する事故が発生。ヘリコプターを使った救助が行われたものの、滑落した選手は亡くなったことが発表されました。レースは事故現場で救助を行う一方、代替ルートの設定も難しいことから、後ろに続いていた約1200人の選手はBourg Saint-Mauriceへと引き返してレースは打ち切りとなり、大会が用意したバスにより順次シャモニーに戻ることになりました。

レースの打ち切りまでに現地を通過していた293人はレースをそのまま続行。男子のレースでは上位3人が入れ替わりながら進んだ後、Col du Joly(115km)までにクログビクがジロンデルに10分差をつけてリード、ユングがリタリア。そのままクログビクが18時間49分で優勝し、ジロンデルが9分差の2位に。終盤のContamines(124km)で3位に浮上したアルトゥール・ジョワイユ・ブイヨン Arthur Joyeux-Bouillon(フランス)が2位に35分差の3位となりました。優勝したクログビクは今年6月のLavaredo Ultra Trailで3位。UTMBでは2016年のTDS®︎、2018年のCCC®︎でリタイアしていて、今回は会心の勝利となりました。ジロンデルは2018年のレユニオン Diagonale des Fousでの優勝で知られます。女子はボアールとミチャエワがリードして、続いていたマルチナ・ヴァルマソイ Martina Valmassoi(イタリア)は99kmでリタイア。ミチャエワはCol du Joly(115km)までにペースを落として先頭をボアールに譲ることとなります。そのままボアールが23時間11分で優勝。UTMBを含め国際的な大会ではまだ知られていなかったボアールにとっては大きな成果となりました。2位には今年の90km du Mont-Blancで2位のジウディッタ・トゥリーニ Giuditta Turini(イタリア)が1時間差で続き、3位にはイルディコ・べルミシャー Ildiko Wermescher(ハンガリー)が入りました。ベルミシャーは50代のベテランながら前回2019年のUTMB®︎での9位に続いて今年はトップ3入りという快挙でした。

TDS®︎優勝のエリック・セバスチャン・クログビク Erik-Sebastian Krogvig。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

TDS®︎優勝のエリック・セバスチャン・クログビク Erik-Sebastian Krogvig。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

TDS®︎女子優勝のボアール(中右)、2位のトゥリーニ(右端)、3位のべルミシャー(中左)、4位のミチャエワ(左端)。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

TDS®︎女子優勝のボアール(中右)、2位のトゥリーニ(右端)、3位のべルミシャー(中左)、4位のミチャエワ(左端)。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

女子 Women

  • 1 Manon BOHARD 23:11:14 (FRA)
  • 2 Giuditta TURINI 24:11:25 (ITA)
  • 3 Ildiko WERMESCHER 24:29:12 (HUN)
  • 4 Ekaterina MITYAEVA 24:31:13 (RUS)
  • 5 Marie DOHIN 24:48:54 (FRA)
  • 5 Sophie GRANT 24:48:54 (GBR)
  • 7 Marta WENTA 25:00:46 (POL)
  • 8 Basilia FÖRSTER 25:28:57 (ITA)
  • 9 Flavie BRUYNEEL 26:23:52 (FRA)
  • 10 Anete SVILPE 26:47:37 (LAT)
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男子 Men

  1. Erik-Sebastian KROGVIG 18:49:58 (NOR)
  2. Benoit GIRONDEL 18:59:19 (FRA)
  3. Arthur JOYEUX-BOUILLON 19:34:38 (FRA)
  4. Alban BERSON 19:56:27 (FRA)
  5. Marcos RAMOS GONZÁLEZ 20:05:30 (ESP)
  6. Gautier AIRIAU 20:16:50 (FRA)
  7. Seth SWANSON 20:42:51 (USA)
  8. Guillaume BERTHIER 20:45:44 (FRA)
  9. Peteris GRIVINS 20:48:31 (LAT)
  10. Tyler GREEN 21:03:41 (USA)

OCC:男女ともにトレイル世界選手権チャンピオンが大会新記録で優勝

55km 3,500mD+のOCCはUTMB®︎ Mont-Blancへの入門レースである一方、ミドルディスタンスのトレイルランニングレースの有力選手が集まるレースとして存在感を増しています。来年から始まるUTMB®︎ World SeriesにおいてもUTMB®︎、CCC®︎とともにファイナルと位置付けられており、今年のOCCにもそれを先取りするようにスカイランニングやGolden Trail Seriesで活躍する選手がエントリーしていました。

木曜日午前8時15分に第一ウェーブのエリート選手がスタートすると、女子のレースは2019年のトレイル世界選手権(ポルトガル)で優勝したブランディーヌ・リロンデル Blandine L’HIRONDEL(フランス)がリード。Champex(9km)までの登りで既に2番手に1分51秒の差を広げており、そのままリードを広げ続けて5時間45分8秒の大会新記録で優勝(それまでの記録は2019年のルース・クロフトによる5時間50分14秒)。リロンデルを追っていたマチルド・サニエス Mathilde SAGNES(フランス)が22分差の2位でフィニッシュ。3位はアンナ・コメット Anna COMET(スペイン)とケイトリン・フィールダー Caitlin Fielder(ニュージーランド)が競り合った結果、Flégère(49km)からの下りで前に出たフィールダーがトップ3に滑り込みました。前回2019年OCCで3位の吉住友里 Yuri YOSHIZUMI(日本)は40位という結果でした。

OCC優勝のリロンデル(中)、2位のサニエス(左)、3位のフィールダー。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

OCC優勝のリロンデル(中)、2位のサニエス(左)、3位のフィールダー。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

男子は最初の登りを終えたChampexでトップから1分以内に上田瑠偉 Ruy UEDA(日本)を含む15人が続きます。エイドを出てからはジョン・アルボン Jonathan Albon(イギリス)と上田が先頭を走る場面もありましたが、次の登りのピークの先にあるLa Giète(20km)ではロビー・シンプソン Robbie Simpson(イギリス)が先頭に。しかし、下りに強いアルボンがTrient(25km)ではリードしており、その後も登りでシンプソンが抜くと下りでアルボンが抜き返す展開に。結局、Flégère(49km)への登りが終わりに近づいたところでアルボンがスパートをかける形となり、得意の下りで差を広げて男子の優勝を手にしました。アルボンの5時間2分57秒も大会新記録(これまでの記録は2019年のスティアン・アンゲルムンドによる5時間19分24秒)となりました。2019年のトレイル世界選手権のチャンピオンがコロナ禍の間にケガの手術をうけたブランクを感じさせない鮮やかな走りを見せました。2位のシンプソンはマウンテンランニングのW杯で活躍するアスリートで3週前のSierre-Zinalでキリアンに次ぐ2位となったばかり。3位にはペーター・エンダール Petter Engdahl(スウェーデン)が入りました。上田瑠偉は男子22位でした。

OCC優勝のアルボン(中)、2位のシンプソン(左)、3位のエンダール。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

OCC優勝のアルボン(中)、2位のシンプソン(左)、3位のエンダール。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

女子 Women

  1. Blandine L’HIRONDEL 05:45:08 (FRA)
  2. Mathilde SAGNES 06:07:35 (FRA)
  3. Caitlin FIELDER 06:10:07 (NZL)
  4. Anna COMET PASCUA 06:12:45 (ESP)
  5. Elisa DESCO 06:18:33 (ITA)
  6. Henriette ALBON 06:27:53 (NOR)
  7. Candice FERTIN 06:28:35 (FRA)
  8. Jasmin NUNIGE 06:33:15 (SUI)
  9. Taylor NOWLIN 06:33:30 (USA)
  10. Virginia PEREZ MESONERO 06:34:06 (ESP)
  • 40 吉住友里 Yuri YOSHIZUMI 01:13:19(日本)
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男子 Men

  1. Jonathan ALBON 05:02:57 (GBR)
  2. Robbie SIMPSON 05:05:35 (GBR)
  3. Petter ENGDAHL 05:08:31 (SWE)
  4. Thomas CARDIN 05:14:45 (FRA)
  5. Hayden HAWKS 05:20:30 (USA)
  6. Nicolas MARTIN 05:21:50 (FRA)
  7. Peter FRAŇO 05:27:56 (SVK)
  8. Antoine CHARVOLIN 05:28:45 (FRA)
  9. Kevin VERMEULEN 05:29:06 (FRA)
  10. Moritz AUF DER HEIDE 05:33:38 (GER)
  • 22 上田瑠偉 Ruy UEDA 05:51:17(日本)

CCC®︎:100km初挑戦の選手たちの活躍が光る

27日金曜日午前9時にクールマイユールをスタートしたCCC®︎は101km 6,100mD+のコースで行われるレース。スタート地点が例年の市庁舎前ではなく、Dolonneのスポーツセンターの前に変更されていました。今回は100kmのレースに初挑戦という選手の活躍で注目を集めました。

男子では前回のOCC優勝で今シーズンはGolden Trail World SeriesでMarathon du Mont-Blancを含め三連勝のスティアン・アンゲルムンド Stian ANGERMUND(ノルウェー)が初の100kmへの挑戦で注目されていました。予想に応えてスタートからGran Col Ferretを越え、Champex(54km)までレースをリードしますが、腰に違和感が出てきたといい、その後81km地点でリタイア。Champexからの登りでアンゲルムンドを追い越してLa Giète(66km)をトップで通過したのは、前回2019年のCCC®︎で2位だったティボー・ガリビエ Thibaut GARRIVIER (フランス)でした。昨シーズンは故障で走れなかったというガリビエの今日の走りは会心の出来で、2019年に2位だった時の自身のタイムを15分半縮めて10時間23分26秒で優勝を果たしました。そのガリビエの後を追っていたのは、こちらも今回が初の100kmとなるティボー・バロニアン Thibaut BARONIAN(フランス)。しかし、レース終盤に入るVallorcine(81km)に2位でやってきたのはスコット・ホーカー Scott Hawker(ニュージーランド)。2019年の100マイルのUTMB®︎で3位のホーカーが冷静な走りでその後も2番手をキープしてフィニッシュ。3位にバロニアンが続くことになりました。レース序盤でアンゲルムンドを2番手集団で追っていたルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto HERNANDO ALZAGA(スペイン)はChampexでリタイアしています。

CCC®︎優勝のガリビエ(中)、2位のホーカー(左)、3位のバロニアン。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

CCC®︎優勝のガリビエ(中)、2位のホーカー(左)、3位のバロニアン。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

女子はチェコなど東欧のレースで活躍しながらも国際的な大会ではまだ注目されていないペトラ・チェフチコバ Petra ŠEVČÍKOVÁ(チェコ)がリードし、その後を前回のCCC®︎で2位のアマンダ・バシャム Amanda Basham(アメリカ)が追います。しかしバシャムは順位を下げてその後71km地点でリタイア。Arnouvaz(26km)ではチェフチコバに3分差でマルタ・モリスト・コディナ Marta MOLIST CODINA(スペイン)、さらに5分差でアビー・ホール Abby HALL(アメリカ)が続くことになります。しかしTrientを出てからの登りでモリスト・コディナがチェフチコバに追いつき、Les Tseppes(74km)ではモリスト・コディナが首位に。さらにTete aux Vents(89km)ではアビー・ホールがチェフチコバに5分半の差をつけて2位に浮上。シャモニーへはモリスト・コディナが12時間50分でトップでフィニッシュして優勝、13分半の差でアビー・ホールが2位、3位にチェフチコバという結果になりました。モリスト・コディナは今年に入ってUltra Sierra Nevada 61km、Tenerife Bluetrail 71kmで優勝していますが、100kmは初挑戦。アビー・ホールは前回のCCC®︎8位から今年はトップ3に入る好成績となりました。 チェフチコバは今回のCCC®︎でのトップ3入りで世界のトップ選手の一人として知られることになりそうです。

CCC®︎女子優勝のモリスト・コディナ(中)、2位のホール(左)、3位のチェフチコバ。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

CCC®︎女子優勝のモリスト・コディナ(中)、2位のホール(左)、3位のチェフチコバ。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

女子 Women

  1. Marta MOLIST CODINA 12:50:48 (ESP)
  2. Abby HALL 13:04:14 (USA)
  3. Petra ŠEVČÍKOVÁ 13:21:10 (CZE)
  4. Eszter CSILLAG 13:43:10 (HUN)
  5. Katarzyna SOLIŃSKA 13:49:13 (POL)
  6. Meryl COOPER 14:18:49 (GBR)
  7. Agnese VALZ GEN 14:18:56 (ITA)
  8. Sara ESCOBAR CARRON 14:22:54 (SUI)
  9. Megan MACKENZIE 14:27:06 (RSA)
  10. Federica ZUCCOLLO 14:37:00 (ITA)
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男子 Men

  1. Thibaut GARRIVIER 10:23:26 (FRA)
  2. Scott HAWKER 10:47:52 (NZL)
  3. Thibaut BARONIAN 10:53:08 (FRA)
  4. Andreas REITERER 10:57:05 (ITA)
  5. Hugo DECK 10:58:10 (FRA)
  6. Janosch KOWALCZYK 11:06:13 (GER)
  7. Riccardo MONTANI 11:16:38 (ITA)
  8. Abel CARRETERO ERNESTO 11:16:54 (ESP)
  9. Baptiste CHASSAGNE 11:18:56 (FRA)
  10. Pere AURELL 11:30:17 (ESP)

UTMB®︎:ドウォルターが二連覇、デンヌが4度目の優勝

ウェーブスタートが導入されたことから、第一ウェーブのエリート選手のスタートはこれまでよりも1時間早く27日金曜日午後5時。スタート後の夜にCol du Bonhomme(45km)での低気温や強風が見込まれたことから選手には通常の必携装備に加えてコールドウェザーキットの追加が指示されました。ただ、全体としては概ね天候に恵まれた大会となりました。

女子のレースは前回2019年のチャンピオン、コートニー・ドウォルター Courtney DAUWALTER(アメリカ)がリードし、CCC®︎優勝(2016年)、TDS®︎優勝(2017年、2018年)の ミンミ・コトカ Mimmi KOTKA(スウェーデン、フランス在住)、2019年CCC®︎3位で今年のLavaredo Ultra Trail優勝のカミーユ・ブリュイアス Camille BRUYAS(フランス)が続くという展開が続きました。今回のドウォルターは後半のChampex(127km)以降で前回以上に安定した走りをみせ、22時間30分、男女総合7位でフィニッシュして二連覇を成し遂げました。前回の自身の優勝タイム(24時間34分26秒)を2時間以上上回り、総合7位は2013年のローリー・ボジオ Rory Bosioに並ぶ好記録となりました。女子2位となったブリュイアスは終盤のVallorcine(154km)への下りでコトカに追いつき、そのまま2番手をキープしてフィニッシュ。初めての100マイルのUTMB®︎への挑戦で準優勝という快挙となりました。3位のミンミ・コトカは前回20位となったUTMB®︎の後でオーバートレーニング症候群で一度はレースから離れていましたが、力強い復活を印象付ける結果となりました。2018年に4位の丹羽薫 Kaori NIWA(日本)はレース後半に着実に順位を上げて13位でフィニッシュ。一方、当サイトが注目していた有力選手ではベス・パスカル Beth PASCALL(イギリス)、オードレー・タンギー Audrey TANGUY(フランス)、マイテ・マイオラ Maite MAIORA ELIZONDO(スペイン)、ラグナ・デバッツ Ragna DEBATS(オランダ、スペイン在住)がリタイアしています。

コートニー・ドウォルター Courtney DAUWALTER。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

コートニー・ドウォルター Courtney DAUWALTER。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

男子ではフランソワ・デンヌ François D’HAENE(フランス) とジム・ウォルムズレイ Jim WALMSLEY(アメリカ) がCroix du Bonhomme(46km)あたりからは二人で並んでツートップでレースをリード。この間、グザビエ・テベナール Xavier THEVENARD(フランス)が50km地点、ティム・トレフソン Tim TOLLEFSON(アメリカ)が77km地点、ドミトリ・ミチャエフ Dmitry MITYAEV(ロシア)が81km地点でそれぞれリタイア。デンヌとウォルムズレイの二人はCourmayeur(81km)には並んで到着しましたが、その後ウォルムズレイが遅れ始め、Arnouvaz(99km)を出てGran Col Ferretへと上り始めたもののエイドに引き返してリタイア。レースはGran Col Ferret(104km)をデンヌがトップで通過、10分差でオーレリアン・デュナン・パラス Aurélien DUNAND-PALLAZ(フランス)とジェルマン・グランジェ Germain GRANGIER(フランス)の二人が並んで続き、その15分後にマチュー・ブランシャール Mathieu Blanchard(フランス)が4番手で通過。デュナン・パラスがその後もデンヌに15分前後の差をキープして2番手を走る一方、ブランシャールはグランジェにChampexからLa Giète(139km)への登りで追いついて3位に浮上。その後はトップ3人の差は大きく変わらないままシャモニーにフィニッシュすることになりました。デンヌはUTMB®︎で2012年、2014年、2017年に続いて4度目の優勝。今年7月にはアメリカのHardrock 100を大会新記録で優勝しています。この日はスタート直後から脚に張りを感じていたといい、とても厳しいレースだったと振り返りました。2位のデュナン・パラスは昨年24時間の累積獲得高度に挑戦して17,218mで世界新記録となったほか、今年はTransgrancanariaで優勝。この日は序盤に脚が攣って不安を抱えながらも、懸命に2位をキープするうちに回復していったといいます。3位のブランシャールは2018年のUTMB®︎で13位、2019年CCC®︎で10位となっていましたが、今回は念願のトップ3に。フランスのテレビのリアリティ番組に出演する国民的な有名人という顔も持っています。

UTMB®︎男子優勝のデンヌ(中)、2位のデュナン・パラス(左)、3位のブランシャール。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

UTMB®︎男子優勝のデンヌ(中)、2位のデュナン・パラス(左)、3位のブランシャール。Photo by UTMB®︎ Mont-Blanc

このほか男子4位には2016年のUTMB®︎チャンピオンのルドビック・ポムレ Ludovic POMMERET(フランス)。6位のハンネス・ナンベルガー Hannes NAMBERGER(ドイツ)は今年のLavaredoで優勝して注目されましたが初の100マイルとなる今回のUTMB®︎でトップ10入り。そして前回のUTMB®︎で6位のウォン・ホーチュン Ho-Chung Wong(香港)はアジアからの渡航が難しい中で今回も10位になり、再び表彰台に立ちました。

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女子 Women

  1. Courtney DAUWALTER 22:30:54 (USA)
  2. Camille BRUYAS 24:09:42 (FRA)
  3. Mimmi KOTKA 25:08:29 (SWE)
  4. Marion DELESPIERRE 25:54:33 (FRA)
  5. Luzia BUEHLER 26:06:17 (SUI)
  6. Maryline NAKACHE 26:40:48 (FRA)
  7. Lucie JAMSIN 26:44:41 (FRA)
  8. Katie SCHIDE 27:39:45 (USA)
  9. Claudia TREMPS 27:55:36 (ESP)
  10. Emily HAWGOOD 28:36:48 (ZIM)
  • 13 Kaori NIWA 29:47:25 (JPN)

男子 Men

  • 1 François D’HAENE 20:45:59 (FRA)
  • 2 Aurélien DUNAND-PALLAZ 20:58:31 (FRA)
  • 3 Mathieu BLANCHARD 21:12:43 (FRA)
  • 4 Ludovic POMMERET 21:38:44 (FRA)
  • 5 Germain GRANGIER 21:52:47 (FRA)
  • 6 Hannes NAMBERGER 22:22:06 (GER)
  • 7 Gregoire CURMER 23:00:10 (FRA)
  • 7 Diego PAZOS 23:00:10 (SUI)
  • 9 Mathieu CLÉMENT 23:08:05 (SUI)
  • 10 Ho Chung WONG 23:17:40 (HKG)
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