受賞者発表「DogsorCaravan Award 2023」

「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)はトレイルランニング、スカイランニング、マウンテンランニング、ロードを含むウルトラマラソンにわたる幅広い分野において、日本を拠点に活動した選手で最も優れたパフォーマンスをみせた選手を称える賞です。

今年も女性、男性についてそれぞれ「本賞」を一名、「特別賞」を若干名、選出。選考にあたるのは当サイトの編集人である岩佐幸一です。この記事での受賞者の発表に先立って、12月24日に候補者(ノミニー)を発表しています。

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2023年 DogsorCaravan Award 候補者ノミネート

2023.12.24

ポッドキャスト「Run the World」では当サイトの岩佐とポッドキャストレギュラーメンバーのナミネムさん、智也さんによる今年の候補者(ノミニー)、そして本賞と特別賞の受賞者選考の模様を公開しています。

DogsorCaravan Award・本賞

女性の部・仲田光穂 Miho NAKATA

仲田光穂 Miho Nakata (Photo © IAU)

2023年DogsorCaravan Awardは仲田光穂さんが受賞しました。今シーズンの仲田さんは5月の川の道フットレース(513km)を76時間3分で完走して男女総合で優勝。弘前24時間走で246.953kmを記録して女子優勝、総合2位。7月末のIAU100kmアジアオセアニア選手権では7:27で金メダルを獲得しました。加えて12月1-2日のIAU24時間走世界選手権(台北)で世界記録を更新して優勝したことは、仲田さんのアスリートとしてのキャリアに燦然と輝く栄誉をもたらしただけでなく、世界のウルトラランニングの歴史にその名前を刻む成果としてこれから語られることでしょう。仲田さんが台北で記録したのは270.362kmで、これまでの女子の世界記録である270.116km(カミラ・ヘロン、2019年)を246m上回りました。昨年12月の台湾での東呉大学ウルトラで記録した自己ベストの256.024kmを14km以上上回ったことになります。

仲田さんは2021年に続いて二度目のDogsorCaravan Awardの受賞です。

男性の部・川崎雄哉 Yuya KAWASAKI

川崎雄哉 Yuya Kawasaki

男性の部では川崎雄哉さんが2023年DogsorCaravan Award本賞に選ばれました。川崎さんは4月のウルトラトレイル・マウントフジ・FUJIで準優勝。優勝した中国のトップ選手、チョウ・ジアジュ選手を中盤以降は独りで追う積極的なレース展開を見せました。ハセツネCUPでは歴代3位となる7時間20分で2016年に続いて二度目の優勝を勝ち取りました。日本のトレイルランニング界で注目される二つの大きなイベントでの印象に残るパフォーマンスを残した一年でした。このほか、6月のWMTRC世界選手権には前身となる世界選手権から数えて5回連続で日本代表選手として出場しています。

川崎さんはDogsorCaravan Awardでは2016年に特別賞を受賞しており、今回が初の本賞受賞です。

DogsorCaravan Award・特別賞

女性の部

2023年に素晴らしい成績を挙げた選手として、3人の女性アスリートを選びました。五十音順で紹介します。

秋山穂乃果 Honoka AKIYAMAさんは6月にインスブルック・ステューバイで開催されたWMTRC世界選手権・ロングで9位となりました。世界トップクラスのアスリートが集まる世界選手権での上位入りを果たしています。

髙村貴子 Takako TAKAMURAさんはハセツネCUPで前人未到の五連覇、昨年自らが更新した大会記録に続く9時間切りの快挙を達成しました。新コースで開催されたハセツネ30Kも制し、この日本のクラシックレースでの活躍が光りました。

宮﨑喜美乃 Kimino MIYAZAKIさんはTarawera Ultramarathon by UTMB 100マイルで2位、Istria by UTMB 100マイルで優勝、Hardrock 100で4位、UTMBで15位と、100マイルのレースに絞って好成績を残したシーズンとなりました。果敢に海外レースに挑む姿はインスピレーションをもたらしました。

男性の部

男性の部では素晴らしい成績を挙げた3人のアスリートを選びました。五十音順で紹介します。

小田切将真 Shoma OTAGIRIさんは今シーズンはスカイランナー・ワールドシリーズに参戦し、オーストリアのHochkönig Skyraceで3位、フランスのSkyrace du Mercantour 30kmで2位、オーストリアのSchlegeis 3000 SKYRACEで5位となりました。欧州の有力選手が集まるハイレベルなレースでに参加しての上位入賞は快挙です。

長田豪史 Goshi OSADA さんは奥信濃100の100km、阿蘇ボルケーノ115km、FTR100K秩父奥武蔵など100kmクラスのレースに加え、OSJ新城ダブル64KやOSJ奥久慈50Kでも優勝。中でも奥信濃100でのサブ10での完走は印象に残る結果です。

ウルトラマラソンではサロマ湖100kmで日本新記録となる6時間6分7秒で優勝した山口純平 Jumpei YAMAGUCHIさんを特別賞に選出。世界記録までおよそ30秒に迫る記録は日本のアスリートに大いに刺激を与えました。

参考・これまでのDogsorCaravan Award

2019年に「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)から改称しました。

  • 2013年:原良和さん、大石由美子さんが本賞、山ノ内はるかさん、宮原徹さん、神流町のうめこさんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2014年:上田瑠偉さん、大石由美子さんが本賞、西田由香里さん、星野由香理さん、松本大さん、望月将悟さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞は相馬剛およびFuji Trailheadさん(ノミネート受賞者発表
  • 2015年:土井陵さん、丹羽薫さんが本賞、星野由香理さん、宮﨑喜美乃さん、松本大さん、小原将寿さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞はパワースポーツ・滝川次郎さん(ノミネート受賞者発表
  • 2016年:大杉哲也さん、吉住友里さんが本賞、高村貴子さん、丹羽薫さん、上田瑠偉さん、川崎雄哉さんが特別賞(ノミネート受賞者発表
  • 2017年:上田瑠偉さん、丹羽薫さんが本賞、高村貴子さん、吉住友里さん、小川壮太さん、三浦裕一さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2018年:三浦裕一さん、高村貴子さんが本賞、吉住友里さん、立石ゆう子さん、荒木宏太さん、城武雅さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2019年:吉住友里さん、上田瑠偉さんが本賞、高村貴子さん、立石ゆう子さん、星野由香理さん、浅原かおりさん、藤澤舞さん、石川佳彦さん、小原将寿さん、大瀬和文さん、喜多村久さんが特別賞を受賞(受賞者発表
  • 2020年:コロナ禍により中止
  • 2021年:仲田光穂さん、上田瑠偉さんが本賞、吉住友里さん、板垣成美さん、秋山穂乃果さん、森下輝宝さん、近江竜之介さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2022年:髙村貴子さん、土井陵さんが本賞。秋山穂乃果さん、向井成美さん、吉住友里さん、上田瑠偉さん、西村広和さん、吉野大和さんが特別賞(ノミネート受賞者発表
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