今年のUTMB開催中にシャモニーでお披露目されたGarminのfēnix 6シリーズ。当サイトも提供していただいたfēnix 6Xを実際に試して、レビュー記事の前編では新機能を中心に紹介しました。
その後もこの最強のスポーツウォッチをランニングの間はもちろん、寝ている間も(睡眠の時間と質を記録できる)身につけ続けています。この間、腕から外すのは週1回くらいの充電とランニングの後のシャワーと一緒に洗う時だけ。
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Garmin fēnix 6 シリーズのレビュー後編では、実際に当サイトの中の人がランニングや普段の生活の中で使って感じていることをご紹介していきます。
*レビュー前編でご紹介していたソーラー充電でバッテリー稼働時間がさらに伸びるfēnix6X Pro Dual Powerが12月19日に発売されることが発表されました。
トレイルランニング中は充実のナビゲーション機能が活躍
まずはアクティビティを選択、カスタマイズも可能
fēnix 6 シリーズを手にした人にとってまず気になるのはランニングウォッチ、とりわけトレイルランニングをする時のランニングウォッチとしての機能でしょう。
fēnix 6 シリーズの本体には最初からランニング、トレイルランニング、バイク(自転車)、トライアスロン、ハイキング、ウォーキング、プールスイム、カヤック、スキーなどなどたくさんの「アクティビティ」が登録されていて、それぞれのスポーツに適した運動中にディスプレイへ表示するデータや、GPSなどバッテリーに影響する項目などが予め設定されています。
僕の場合は最初から登録されているアクティビティ「トレイルランニング」を複製したアクティビティについてディスプレイに表示するデータを一部設定し直したオリジナルの「アクティビティ」を作って、普段のランニングやトレイルランニングで使っています。トレイルランニングを始めたばかりの頃に使っていた「Forerunner 310XT」の頃からの設定に慣れてしまっていて、その頃からの設定を引きずっています。ディスプレイの1枚目に時刻、高度、心拍数、距離を並べ、2枚目には総上昇量、総下降量。続いてラップについての情報のページが続き、気温とバッテリーレベル、日の出と日の入りの時刻をまとめたページ。最後に地図のページが来るようにしています。かつてはトレーニングで目標の心拍数を決めて走ったり、フルマラソンを走るときに1kmのラップ中のペースを見ながら走ったり、といったこともしていたんですね(今はあまりしていません)。
この他にも、スマートフォンアプリ「Connect IQ」からGarmin製またはサードパーティ製の様々なアプリをダウンロードして設定できるようになっています。
Garminの真骨頂、充実のナビゲーション機能
今回はPCブラウザ版のGarmin Connectを使ってあらかじめコースを作り、このコースをfēnix 6シリーズに読み込んでナビゲーションをしてもらいながら走ることにしました。
Garmin ConnectはPCブラウザ版、モバイル版ともにコース作成機能を備えていて、Googleマップをみながらスタート地点を選び、ポイントを順に指定していくと道なりにコースを作成してくれます。ユーザーが通ったことのあるコースのヒートマップを参照してくれるので、ロードだけでなくトレイルも大体人が通れるハイキングコースや登山道を選んでくれます(ただ、実際に安全に通れるか、通行不可とされていないか、は現地で確認する必要はあります)。そのほかにも例えばスタート地点と目的地を選んでその間のコースはおまかせでコースを設定するとか、「スタート地点から北に向かって帰ってくる10kmのループコース」と指定するとコースを設定できたり、とかなり細かいことができます。もちろん、自分が実際に走ったアクティビティを元にコースを設定したり、別途ダウンロードしたレースのコースのGPSログを読み込んでコースを設定することもできます。
ウォッチから「アクティビティ」を選択するとディスプレイ上部に「▲オプション」の表示。ウォッチのUPボタンを押せばオプション設定画面に入ります。「コース」からはGarmin Connectに登録してあるコースを読み出してfēnixにナビゲーションしてもらって走ることができます。この他にもディスプレイに表示するデータの変更や差し替え、スクリーンに表示するデータの数を変更できたり、インターバルなどのトレーニングメニューを呼び出したりも可能。設定できる項目はたくさんありますが、直近に設定した三項目が最初に表示されてよく変更する項目には簡単にアクセスできる、といった工夫もしてあります。
「Connect IQ」からダウンロードできる「Strava Routes」というアプリはStravaの中に自分が登録しているコースをfēnixに読み込んでナビゲーションしてもらいながら走ることができるというもの。Garmin Connectに登録しているコースでなくてもfēnixに読み込めるというのが肝で、例えば他社製のウォッチで貯めてきた自分のログを活用できるわけです。
驚いたのは「ナビゲーション」のメニュー。これは目的地を設定するとfēnixに内蔵されている地図機能を使って現在地からのルートを割り出して、車のナビと同じように行動中に案内してくれるという機能。目的地については駅などの交通機関だけでなく各種のお店なども登録されていて、例えばGoogle Mapで表示されるような各種の施設(山や山小屋も含まれます)とほぼ同様のポイントが登録されています。ポイントを探すには現在地の「周辺」を選ぶと近くのポイントが表示される他、業態を選択してからポイントを選んだり、名前をタイプ(接続しているスマートフォンの「Garmin Connect」アプリからタイプできます)して検索することも可能。ただ、ウォッチでメニューを操作したり、選択肢を一覧するのはスマートフォンに比べるとやりづらいのは確か。とはいえ、例えば大雨などで天候が厳しかったり、バイクやスキーでいちいちスマートフォンを取り出せないといった場合には、ウォッチだけで場所を指定してナビゲーションできるのはありがたい機能のはず。目的地を予めウォッチで探しておいて「ポイント登録」しておくこともできるので、うまく活用すればfēnixだけでナビゲーションできる機能はかなり活用できそうです。
アクティビティ中はどのデータを表示していても、道を曲がるときには音と振動でアラートが出て、ディスプレイに何メートル先でどちらに曲がるかを表示。曲がるポイントにつくともう一度アラートとディスプレイ表示で知らせてくれます。ただ、街の中で細かく左右に角を曲がるようなところを走る場合には、ちょっとしたタイミングのズレで曲がる場所を通り過ぎてしまったりすることも。都心のようにビルでGPSの受信が遅れたりする場合もうまくいかないことがあるかもしれません。ただ、見晴らしのいい郊外や山であればバッチリ、ナビゲーションを活用できそうです。
設定しているコースから外れてしまった場合にはウォッチから音と振動で「オフコース」のアラートが出ます。この場合は進んできた道を戻ります。コース上まで戻ると「オンコース」と知らせてくれるので、そこから正しい方向に進みます。よく知っているコースで意図的に近道をした場合はコースに戻ったところで「オンコース」と知らせてきます。
山でも街でもレースでも。家族も安心の「LiveTrack」機能と万が一のための事故検出、援助要請機能
準備ができたらスタートボタンを押してランニングをスタート。するとスマートフォンから「LiveTrack in Progress」の表示が。この「LiveTrack」機能はスマートフォンを身につけて接続した状態のままfēnixでアクティビティをスタートすると、予め登録してある相手(例えば家族)に電子メールでアクティビティを開始したことを通知する機能。家族は電子メールの中にあるリンク先からリアルタイムに自分が地図上のどこを走っているか確認できます。例えば、トレイルランニングで山に行く場合でも携帯電話の電波が届くところなら、自分がどこにいるかを登録相手に伝えることができるわけです。自宅の近くでランニングをする場合にも、いつから走り始めたか、どこを走っているかを登録相手は確認できます。Stravaに連動させることもできるので、同様の機能でStravaのSummit会員が利用できる「Beacon」機能を通じて設定した相手先に所在を伝えることもできます。この「LiveTrack」機能、僕の家族には大変好評です(正直にいうと、僕としてはいつどこを走っているかあまり知られたくないこともあるんですが)。
この他fēnix 6シリーズではウォッチを装着中に転倒や衝突といった事故に遭った場合を自動的に検出して予め登録した緊急連絡先にメールで自動的に連絡する「事故検出」機能、急に体調を崩すなどして電話連絡もできない緊急事態にウォッチのボタンを押せば緊急連絡先にメールで連絡できる「援助要請」機能も設けられています。これはfēnix 5シリーズにはなかった新機能となります。この機能も一度試して見ましたが、援助要請のメッセージを受け取った家族は「一目で何か大変なことだと分かったからドキッとした」とのことでした。万が一の場合にもうっかりスルーされずにすみそうです。ただし、いざという時にこの機能が起動するには、ウォッチだけでなくスマートフォンも携帯している(ウォッチがスマートフォンにBluetooth接続された状態を維持している)必要があります。
登りセクションであとどれくらい頑張ればいいか教えてくれるClimbPro機能
ランニング中はあらかじめ設定したディスプレイで距離や標高、心拍数を確認しながら走ります。コースのナビゲーション中は通常に加えて、地図やClimbPro、コース高低図の中で自分がどこにいるか、といったデータを表示するページが追加され、手元で見ることができます。ClimbProはコース上の登りセクションを検知して、そのセクションの距離と獲得高度をディスプレイ上に表示。さらにそのセクションのどこまで自分が進んでいるかと登りの速度を表示してくれます。これはトレイルランニング中だけでなく登山中のモチベーションを保つのにも役立ちますね。
音楽機能はSpotify、Amazon、LINE、AWAなどに対応
最近のGarminのウォッチの機能の目玉の一つが音楽が聴ける機能。fēnix 6シリーズは32MBのメモリーを内蔵していて、ウォッチに曲を保存してBluetooth接続のワイヤレスイヤホンで聴くことができます。曲の保存のやり方としては、PCアプリのGarmin Expressを経由して音楽のファイルをウォッチに転送するということもできますが、スムーズなのはサブスクリプション型の音楽サービスとの連携機能を使うことでしょう。Connect IQから対応する音楽アプリをウォッチにインストールします。アカウントを持っているSpotifyを試しましたが、メニューからスマートフォンアプリと同様におすすめのアルバムやプレイリスト、自分で作ったプレイリストを選ぶことができ、WIFIに繋がっている状態で曲のデータをダウンロードします。あとはアクテビティのディスプレイに「音楽」を加えておけば、ランニング中にプレーヤーを操作して音楽を聞いたり曲を選んだりすることができました。音楽サービスとしてはSpotifyの他にLINE Music、AWA Musicなども。最近Amazon Musicもアプリが公開されたので試しましたが、僕のPrime Musicのアカウントではプレイリストは表示されず。Unlimitedのアカウントであれば使えるでしょう。
僕の場合はランニング中であってもスマートフォンを身につけていることが多いです。音楽を聴くならスマートフォンのアプリで曲やプレイリストを探してワイヤレスイヤホンで聴くのが、正直なところ自然ではあります。ただ、雨が降っているとかバイクやスキーでスマートフォンはしっかりしまっておきたい時には、ウォッチから音楽を聴ける機能は光ります。音楽機能はアクテビティ中以外でもウィジェットやコントロールから呼び出して使えます。
なお、アクテビティ中に音楽を聴くのは周囲の音が聴こえなくなって危険という場面もあります。それでも完全ワイヤレスイヤホンなら片耳だけイヤホンをつけることができるし、例えばAirPods Proならノイズキャンセルのイヤホンの外音取込みモードを使うと周囲の音も自然に聞こえます。
走り終えたらデータをじっくり確認
無事に走り終えてストップボタンを押すとアクティビティは一時停止に。そのまま「保存」を選ぶとアクティビティは終了。「再開」を選べばアクティビティは再開。「あとで再開」というメニューもあり、いったん通常のウォッチ画面に戻ってゆっくり食事や休憩をしてからアクティビティを再開することもできます。
アクティビティを終了すると、そのデータをfēnixからGarmin Connectのクラウドにアップロードします。これはBluetoothでスマートフォンと接続することでアップロードするのですが、あらかじめfēnixにWIFIのアクセスポイントを設定しておけば自動的にWIFI経由でアップロードも可能。自宅のWIFIを設定しておけば、帰宅してシャワーを浴びている間に(実際は浴びる前に)アップロードは完了しています。
あとはスマートフォンのGarmin Connectアプリでも、PCのウェブ版Garmin Connectでも自由にアクティビティのコースや、ラップ、心拍数などなど詳細なデータを確認することができます。
fēnix 6Xを使うようになってからは充電の頻度が以前よりグッと減りました。旅先で走るとしても二、三泊程度であれば旅行中に充電する必要は感じないでしょう。ビジネス中心の出張旅行でタイミングをみて走る程度であれば1週間でも大丈夫なはず。いざというときにバッテリーが空っぽということにならないよう、残量を通常のウォッチ表示で意識するようにしています。
秒を常時表示可能、ウィジェットも見やすく
Garminのウォッチだったらランニングやハイキングの機能が充実しているのはわかっているけれど、それ以外の機能はどうなの?という方は多いでしょう。スマートウォッチとしての機能もfēnix 6になってさらに充実してきました。
カスタマイズ性が高いウォッチフェイス、常に秒が表示されて普通の腕時計のように
アクティビティをしていない時に表示されているのがウォッチフェイス。表示するディスプレイは半透過メモリインピクセル(MIP)で、バックライトを点灯しない限り光を発しないので、バッテリー消費が抑えられて太陽光の下でも見やすくなっています。レビュー前編でも紹介したようにfēnix 6Xでは直径35.56 mm(280×280ピクセル)とfēnix 5Xの直径30.5mm(240×240ピクセル)からはグッと大きく、解像度も高くなりました。
ウォッチの本体にもアナログ文字盤風、ゴツいクロノグラフ風、シンプルなデジタル表示などのウォッチフェイスが入っているのですが、最近僕が気に入っているのはサードパーティ製でスマートフォンアプリ「Connect IQ」からダウンロードできるウオッチフェイス。例えば「Data Lover」というウォッチフェイスは数字で時刻、日付をデジタル表示する他に天候や心拍数やその日の歩数などをいろいろカスタマイズして表示。こうしたサードパーティ製ウォッチフェイスのダウンロードは無料ですが、機能の限定や「trial」の表示を外すには作者に「寄付」をすると送られてくるコードをGarmin Connectのウォッチフェイス設定画面で入力する必要があります。「Data Lover」は3ユーロをPayPalで送金するとアプリの作者からコードが送られてきました。このあたりの課金の仕組みがまだこなれていないのと、ウォッチフェイスの設定や機能の説明は英語のみという場合が少なくないあたりが少々ハードルが高いかもしれません。
さらにウォッチフェイスの設定次第では日時の表示に秒を加えて、1秒毎に時間が過ぎゆくのを確認できます(ただし、バッテリー稼働時間がやや短くなります)。これは些細なことのようですが、常時表示ができるようになったApple Watch Series 5でも、常時表示状態では秒針は動きません。バッテリーの制約が大きいはずのスマートウォッチでありながら普通の腕時計に近い形で違和感なく使えるのは僕にとっては大きなメリットです。
三分割で見やすくなったウィジェット選択画面、Body Battery機能が面白い
ウォッチフェイスからスマートウォッチとしての各種の機能を呼び出す方法はウィジェットとコントロールの二つ。ウィジェットは天気、日の出・日の入り、コンパス・高度・気圧、VO2Max、前回アクティビティ、ステップ数などなどのデータを表示できる機能です。ウォッチのUPボタン、DOWNボタンを押すとウィジェットの選択画面に切り替わりますが、fēnix 6シリーズではディスプレイを上下に3分割してそれぞれの各ウィジェットのエッセンスとなるデータを表示。ボタンでスクロールして選択すると、そのウィジェットが立ち上がってさらに詳細なデータが確認可能になりました。fēnix 5ではこのディスプレイの3分割がなかったので、何のウィジェットを入れていたかが分からなくなりがちでした。ウィジェットの追加や削除、並べ替えといった編集操作もウィジェットの選択画面からすぐにできるようになりました。もちろん、スマートフォンのGarmin Connectアプリからもこうした操作はできるのですが、ちょっとした変更を手元ですぐにできるのはやはり便利です。
とはいうもののライフトラッキング関係のデータはその日だけでなく、過去からの推移を見たいので、スマートフォンかPCでGarmin Connectをよく開いて見返しています。心拍数、ステップ数などなどのデータが取れるのですが、僕はGarminの体重計、「Index Smart Scale」(日本では発売されておらず海外の通販サイトで個人輸入しました)も使っていて、体重を測るたびに自動的にWIFI経由で体重関係のデータがGarmin Connectにアップロードされています。睡眠のトラッキングももちろんやっていて、就寝時間と起床時間を見返す他、三段階で示される睡眠の深さ(「深い」、「浅い」、「レム」)をみて、眠りが浅い時や睡眠時間が短い時はもう少し生活リズムを整えよう、と考えたりしています。
最近加わった機能でユニークなのが「Body Battery」という指標。これは心拍数の変動やストレスの度合い、睡眠の質、アクティビティの程度を総合的に考慮して計算される「体に蓄えられたエネルギー」を0から100で表したもの。朝起きて、通勤や仕事などでストレスを感じたり、長時間のランニングをするとBody Batteryの量が下がっていきますが、リラックスして自由に過ごしたり、昼寝をしたり、そして一晩寝たりするとBody Batteryが回復します。体感的にも疲れているなと感じるときはバッテリーの値が低くなっています。これも後から見返してみるとどんな時にバッテリーが落ちているか分かるので、自分の体調をタイミングよく整えよう、と考えるようになりました。
注目のGarmin Payは対応する銀行、カード会社、使えるお店の拡大に期待
ウォッチフェイスから各種の機能を呼び出すもう一つの方法がコントロール。ウォッチ左上のLightボタンを長押しするとディスプレイの円周に沿って機能が並ぶコントロールの表示を呼び出せます。ウォッチの電源オンオフ、バッテリー節約モードのオンオフ、タイマー、スマートフォンの呼び出し(部屋の中でスマートフォンを見失ったとき便利)、フラッシュライト(ディスプレイ全体を白く光らせる)などなどの機能をサッと呼び出せます。なお、このコントロールの画面はアクティビティ中でも呼び出すことができます。
コントロールから呼び出せる注目の機能はGarmin Payです。内蔵のチップによりウォッチをお店の端末にかざすだけで非接触のキャッシュレスで支払いができます。Garmin Payは以前から日本でも使えるようになっているのですが、対応するクレジットカード・デビットカードは三菱UFJ-VISAデビットだけでした。しかし、今年11月にジャパンネット銀行のVISAデビットカードもGarmin Payに登録できるようになりました。
僕もジャパンネット銀行の口座を持っていてキャッシュカードと一つになったVISAデビットカードが手元にあるので早速、Garmin Payを使ってみました。近くのローソンに立ち寄り、登録を済ませたウォッチのコントロールからウォレットを起動(コントロールはアクティビティ中でも呼び出せるのでランニング中でも買い物ができます)。ローソンでお店の人には「VISAのタッチ決済で」と伝えて端末にウォッチをかざして、無事にドリンクを買えました。支払い額がジャパンネット銀行の口座から即時引き落とされたことを知らせるメールがすぐに届きました。
ウォッチのコントロールからウォレットを呼び出す時、数字4桁のパスコードを入力するのですが、数字の選択はタッチスクリーンではなく、UP・DOWNボタンを操作するのが少々煩わしいところ。ただ一度パスコードを入力してロックを外すと、しばらくの間はウォッチフェイス表示に戻ってまたウォレットを呼び出してもロックが解除された状態が保たれるようです。ということはお店に入る前に解除してすぐ買い物を済ませれば、もたつかずに済むということになりそう。
今のところ三菱UFJ、ジャパンネット銀行ともにVISAデビットによる決済なので使えるお店はどちらも同じ。現在、様々なキャッシュレス決済サービスが登場して使える場面を競うように広げていますが、国内でVISAデビットが使えるお店は競合相手に比べるとやや限られます。僕の日常的な行動範囲では今のところはローソンとマクドナルドの各店で使うことになりそうです(ただ海外ではVISAのタッチ決済が用いる規格が主流で、世界中で広く使えるそうです)。このためかローソンでも「Garmin Payで」では通じず、「VISAのタッチ決済で」と言ったら一度聞き返されながらも通じました。
おそらくfēnix 6シリーズが搭載している非接触型決済用のチップは国際規格のType A/Bで、日本で有力なFeliCa規格は利用できなさそう。この辺りが日本で利用できるシーンが絞られる理由なのでしょう。しかし東京オリンピックに向けてVISAは日本でのビジネスに力を入れるでしょうし、今後日本でGarmin Payが使える場面が増えることに期待したいと思います。
トレイルランナー必携のfēnix 6シリーズ、大きすぎるようなら6Sはいかが?
以上、レビュー後編ではGarmin fēnix 6Xを使っている僕が個人的にご紹介したいことをいくつか取り上げました。正直、まだまだ注目の機能があってキリがありません。トレイルランニングをはじめ、スポーツやアウトドアアクテビティに積極的に取り組んでいる人にとって、fēnix 6シリーズは全部入りスマートウォッチの決定版といえる存在です。
とはいえ、現在様々なメーカーから次々と発売されるスマートウォッチのなかでは少々大振りなのは確かです。そう感じる場合は、シリーズの中では小ぶりなfēnix 6Sという選択があります。レビュー前編でご紹介した通り、fēnix 5Sよりもコンパクトでケースは薄くなりました。バッテリー稼働時間もほとんどの場合で十分と感じるはず。
僕の場合はiPhone、iPad、MacBookとApple製品に囲まれていて、Apple Watchとの両刀遣いを続けることになりそう。これからもGarminが開発する今後の新モデルに期待しながら、右腕と左腕に何をつければ最も便利で愉快な毎日を過ごせるか考え続けたいと思います。