2021年夏、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は未だ克服していません。しかしトレイルランニングにおいては、大規模な大会を開催する環境が戻りつつあります。
8月23日から29日の日程で2021年のUTMB®︎ Mont-Blancがシャモニーのほか、モンブランを囲む仏・伊・瑞の参加国にまたがるエリアで開催されます。世界のトレイルランニングの最高峰と謳われ、トップ選手から一般ランナーまで多くの人が目標とするビッグイベントも、昨年2020年の大会はCOVID-19に開催を阻まれました。今年の大会については、早くからシャモニーで開催することが発表されていましたが、コロナ禍の収束が見通しづらい中で具体的にどのような形式で開催されるのか、注目されていました。
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大会ディレクターのイザベル・ポレッティさんは仏 Trails Endurance誌のインタビューで「パス・サニテール Pass Sanitaire」(衛生パス)が導入されたことで、今年の大会は従来とほぼ同様に開催できる」としています。
6月にフランスで導入されたパス・サニテールはワクチン接種証明、48時間以内のウィルス検査での陰性証明、または感染症からの回復証明のいずれかがあれば発行され、1000人以上が参加するイベント会場への立ち入りで必要となりました。ワクチン非接種者にとって不便となることに反対の意見はありながらも、その後7月にはEUなど欧州圏内での移動に必須とされ、8月からはカフェ、レストラン、ショッピングセンター、飛行機、バスにも提示と確認が必要になりました。この頃から、トレイルランニング大会においてもパス・サニテールの提示を選手に求めた上でコロナ前と同様の規模の大会を開催する例が増えています。また、海外からの観光客が海外でのワクチン接種証明書によってパス・サニテールを取得する仕組みも最近始まった模様です。今回のUTMB®︎ Mont-Blancにおいても、パス・サニテールは選手がレースに参加するのはもちろん、ボランティアやメディア関係者などが大会会場に入る場合に提示が必要とされています。
とはいえ、日本から海外への渡航は渡航先に関わらず帰国時に14日間の自己隔離が課されるなど、負担が大きいのが現状。日本からUTMB®︎への参加者は近年では300人ほどに達していましたが今回は30人に満たず、その三分の一は海外在住の日本人の皆さん。エントリーはしていても渡航を見送る方もおられるでしょうから、日本から出発して今年のUTMBに参加するのは10人ほどとなりそうです。他にも中国などアジア各国からのエントリーが例年よりずっと少なくなっており、来年または再来年に出場を延期したランナーの出場枠について6月に再エントリーの期間が設けられました。
今回のUTMB®︎ Mont-Blancでは日程前半の23日月曜日から25日水曜日は1日3回(日本時間午後7時、深夜12時、早朝午前4時)、その日のハイライト映像が配信され、アーカイブで後から見ることもできます。PTLやMCC、TDS®︎についてはこのハイライト配信で見ることができます。
8月26日木曜日から29日日曜日まではOCC、CCC®︎、UTMB®︎のレースの模様がライブストリーミング配信されます。ライブ配信は日本語チャンネルも設けられ、今回も当サイトの岩佐がシャモニーでMCを務めます。スタートからレースの経過速報はもちろん、コース上での各選手の様子、印象的なシーンのプレイバックを日本語でご紹介します。今回も途中でゲストをお迎えするかもしれません。
この記事では8月23日月曜日朝にスタートするPTL®︎、同じ月曜日に行われるMCC、水曜日のTDS®︎、木曜日のOCC、金曜日朝スタートのCCC®︎について、みどころと注目選手を紹介します。大会のメインイベント・170kmのUTMB®︎は8月27日金曜日午後5時(日本時間土曜日午前12時)にスタート。見どころは明日ご紹介する予定です。
今回のUTMB®︎ Mont-BlancのレポートはColumbia Montrailのご協力でお送りします。
恒例のDogsorCaravanのUTMB®︎レポートはColumbia Montrailのご協力でお送りします。ウェブサイトの記事のほか、Twitter、Instagramへの投稿、YouTubeへのVlog投稿といった形で今回のUTMB®︎ Mont-Blancの様子をお届けする予定です。
さらに、大会期間中にColumbia MontrailのInstagramアカウントからスペシャルなコンテンツをお届けする企画もあります。
さらにさらに、当サイトをご覧のUTMB®︎ Mont-Blancファンの皆さんに、岩佐からお土産プレゼントという企画も予定しています。詳しくは追って発表しますので、こちらもどうぞお楽しみに!
PTL®︎
三人一組でコースマークがない約300kmのコースを自らナビゲーションして進む一種のアドベンチャーイベント。メンバーの山岳アクティビティの経験を申告して大会に認められるのが参加資格で、定員は最大300人。13回目となる今回のPTL®︎には64チームがエントリーしていて人数では150人程度が参加します。
PTL®︎のコースは毎年異なりますが、例年はシャモニーをスタート・フィニッシュとしていたのが今年はオルシエール Orsières(スイス)をスタートしてシャモニーをフィニッシュするのが大きな変更点です。距離は302.2km、累積獲得高度は約25,000mD+となります。8月23日月曜日午前8時(日本時間同日午後3時)にスタートし、制限時間は152時間30分です。
MCC
2018年に始まり、今回が3回目のMCCは大会ボランティアとモンブラン山麓地域の住民の皆さん、および大会パートナーを通じてエントリーできるレース。ポイントなどによるエントリー資格も設けられていません。コースはスイスのマルティニ Martigny-Combeをスタートしてシャモニーでフィニッシュする40km 2,300mD+で、制限時間は10時間。8月23日月曜日午前10時(日本時間同日午後5時)スタートで、昨年からスタートは2時間繰り下がっています。制限時間は10時間。
TDS®︎
イタリア側のクールマイユール Courmayeurをスタートして時計回りでシャモニーに向かうTDS®︎は2009年に始まりましたが、前回2019年からボーフォーテン山系やボーフォール Beaufortのエイドステーションをなどの新しいセクションが加わり、145km 9,100mD+のレースへと生まれ変わりました。これに合わせて制限時間もそれまでの33時間から前回は42時間、そして今回は44時間へと伸びました。開催日も前回までは水曜日の早朝だったのが、今回は8月24日火曜日午後3時に繰り上がりました。定員は1600人。
来年2022年から始まるUTMB®︎ World Seriesの中ではUTMB®︎、CCC®︎、OCCがシリーズのファイナルとして他のシリーズ戦に参加することでエントリーの抽選券が得られることとなりました。しかしこのTDS®︎についてはシリーズには含まれず、これまでのエントリーの仕組みを踏襲するとしています。
TDS®︎ 女子
2019年のUTMB®︎では初挑戦の100マイルのUTMB®︎を4位でフィニッシュしたエカテリーナ・ミチャエワ Ekaterina MITYAEVA(ロシア)は今回はTDS®︎を選びました。今年は6月に90km du Mont-Blancで3位、7月のMontreaux Trail FestivalのMXALPS 70kmで3位に。アルプスのトレイルで準備を重ねた様子が伺えます。今回の優勝候補といえそうです。
ホーリー・ページ Holly PAGE(イギリス)はスカイランナー・ワールドシリーズで2018年にクラシック・カテゴリーで優勝、2019年に9位。40km前後の距離のレースに集中して取り組んで結果を残しています。さらに長い距離のレースでは2019年のCCC®︎で9位、同年のManaslu Mountain Trail Race 141kmで2位となっていて、今回のTDS®︎の活躍が期待されます。
マルティナ・バルマソイ Martina VALMASSOI(イタリア)はスキーモー選手としてのキャリアを持つアスリートで、彼女もこれまで40km前後のレースに取り組むことが多かった選手。今回は初の100km超のレースへの出場となります。昨年の90km du Mont-Blancで2位になっていて、今年はLavaredo Ultra Trailの78kmのレースで優勝しています。
日本からは星野由香理 Yukari Hoshinoがエントリーしていますが、出場を見送ります。
- ジウディッタ・トリーニ Giuditta TURINI (イタリア):2021年90km du Mont-Blancで2位。
- カメリア・メイフィールド Camelia MAYFIELD (アメリカ):Western Statesで2019年5位、2021年8位
- ローリー・ボジオ Rory BOSIO (アメリカ):UTMB®︎で2013年、2014年に連覇、2019年8位。2018年TDS®︎で2位。
- ミラ・ライ Mira RAI (ネパール):2018年Hong Kong 100で2位、2018年Lavaredo Ultra Trailで4位。
- マノン・ボアール Manon BOHARD (フランス):2019年90km du Mont-Blancで4位、同年のMIUT 85kmで2位。
- メレディス・エドワーズ Meredith EDWARDS (アメリカ):2016年TDS®︎で2位、2019年Oman by UTMB®︎で2位。 2020年Tushars 100kで優勝。
- ジュリエット・ブランシェ Juliette BLANCHET (フランス):UTMB®︎で2016年4位、2018年6位、2019年17位。TDS®︎では2015年に3位に。2020年L’Echappee Belleで優勝。
- イルディコ・ベルミシャー Ildiko WERMESCHER (ハンガリー):UTMB®︎で2014年6位、2016年7位、2018年7位、2019年9位。TDS®︎で2017年3位。最近ではGrossglockner Ultra-Trail 83kmで3位に。
TDS®︎ 男子
トム・エバンス Thomas EVANS(イギリス)はUTMB®︎では2018年にCCC®︎で優勝。翌年のWestern Statesでは3位となっています。今回は100マイルのUTMB®︎で世界の頂点を目指すかと思いきや、TDS®︎を選びました。昨年2月のTarawera 102kmで優勝してからはレースの記録はありませんが、今回のTDS®︎®︎では優勝に最も近い選手でしょう。2018年のトレイル世界選手権(スペイン)では3位になっています。
クリストファー・クレメンテ Cristofer CLEMENTE MORA(スペイン)はトレイル世界選手権で2017年(イタリア)に2位、2018年(スペイン)にも2位。UTMB®︎では2019年にCCC®︎で8位でした。これまで100kmを超えるレースにはあまり出ていませんでしたが、今年6月のTrail 100 Andorra 125kmで2位になっており、今回のTDS®︎に向けた準備は整っているようです。
スペインのボルハ・フェルナンデス Borja FERNÁNDEZ FERNÁNDEZは国際的な大会での記録はあまり多くありませんが、スペインの40km前後のレースでは多くの好記録を残している選手です。今年に入ってからは2月にTransgrancanaria 41kmで5位、Tenerife Bluetrail 71kmで2位となっています。今回はキャリアを通じて初の100km超のレースとなるようです。
- ロブ・カー Rob KRAR (アメリカ):2014年、2015年にWestern Statesで優勝、2018年Leadville Trail 100で優勝。
- ダニエル・ユング Daniel JUNG (イタリア):2017年TDS®︎で6位、2021年Grossglockner Ultra-Trail 83kmで優勝。
- シーメン・ワストルンド Simen Hjalmar WÄSTLUND (スウェーデン):2020年Fjällmaraton 100Kで優勝、2021年Transgrancanariaで12位。
- ゴーティエ・アリヨー Gautier AIRIAU (フランス):2019年 Royal Ultra Skymarathonで2位、2018年OCCで10位。
- マルタン・ケラン Martin KERN (フランス):2021年 90km du Mont-Blancで優勝、2019年UTMB®︎で12位。
- サントス・ルエダ Santos Gabriel RUEDA (アルゼンチン):2019年TDS®︎で9位、2021年Patagonia Run 100miles 3位。
- マルコス・ゴンザレス Marcos RAMOS GONZÁLEZ (スペイン):2020年Canfranc-Canfranc 100kmで優勝、2021年Tenerife Bluetrailで12位。
- ベノワ・ジロンデル Benoit GIRONDEL (フランス):2018年 Diagonale des Fous優勝、2021年Swiss Canyon Trail K111優勝。
- トフォル・カスタニェール Tofol CASTANER BERNAT (スペイン):TDS®︎で2018年4位、2019年10位。
- タイラー・グリーン Tyler GREEN (アメリカ):2019年Javelina Jundred 100で2位、2021年Black Canyon Ultra優勝、2021年Western Statesで2位。
- アントワーヌ・ギュイヨン Antoine GUILLON (フランス):2020年 100 miles Sud de Franceで優勝、2017年TDS®︎で2位、2015年TDS®︎で3位。
OCC
55km 3,500mD+のOCC (Orsières Champex Chamonix)は50km前後の距離を得意とする選手の頂点を決めるハイレベルなレースとしてその存在を確立しています。コースはスイスのオルシエール Orsièresをスタートして、ロードやダブルトラックのトレイルで約10kmを登ってシャンペ Champex-Lac(10km)へ。以降は概ねUTMB®︎と同じですが、コル・デ・モンテ(37.5km)から先のフレジエール Flégère(49km)まではUTMB®︎とは異なります。スタートは8月26日木曜日午前8時15分(日本時間同日午後3時15分)。制限時間は14時間30分で参加定員は1200人です。
OCC 女子
2019年のトレイル世界選手権(ポルトガル)で優勝したブランディーヌ・リロンデル Blandine L’HIRONDEL(フランス)をはじめ、OCCにはスカイランナー・ワールドシリーズやGolden Trail World Seriesで活躍する選手が揃います。リロンデルも昨年のアソーレスでのGolden Trail Championshipで3位のほか、今年はOlla de Nuriaで4位、Marathon du Mont-Blancで3位、Sierra-Zinalで4位に。
昨年のアソーレスでのGTCで準優勝のレイチェル・ドレイク Rachel DRAKE(アメリカ)も今年はOCCに。前回2019年のUTMB®︎ではCCC®︎で7位でした。今シーズンはGTWC開幕戦のOlla de Nuriaに出て6位になっています。
2019年のスカイランナーワールドシリーズチャンピオンのシェイラ・アビレス Sheila AVILÉS CASTAÑO(スペイン)はシリーズ戦のLivigno、Skyrun Comapedrosaで優勝したほか、トレイル世界選手権で3位、マウンテンランニング世界選手権(アルゼンチン)で5位でした。今シーズンはスカイランニング、Golden Trail Seriesのどちらにも出場していません。今回のOCCでどんな走りを見せるか注目です。
日本からは吉住友里 Yuri YOSHIZUMIが今回のOCCにエントリーしています。UTMB®︎に初登場の2017年にOCCで4位、そして2019年には同じくOCCで3位となる快挙だったのは記憶に新しいところ。今回のOCCではそれ以上の順位に期待がかかります。昨年2020年はアソーレスでのGTCで世界のトップ選手が揃う中で24位だったほか、12月にはIzu Trail Journeyを2位でフィニッシュしています。
エリサ・デスコ Elisa DESCO(イタリア)は2019年のスカイランナーワールドシリーズで3位。今シーズンはLavaredo Ultra Trailの48kmで優勝。UTMB®︎のレースには初登場です。
このほか、中国からは2018年のCCCで優勝し、2019年のUTMB®︎では前半のレースをトップ集団でリードしたヤオ・ミャオ Miao YAO、2019年Hong Kong 100優勝のルー・チャンチュン Yangchun Luがエントリーしていますが、中国からの海外渡航に厳しい制約があることから今回の出場は見送るとみられます。
- マチルダ・サーニュ Mathilde SAGNES (フランス):2020年Golden Trail Championshipで11位。
- ジセラ・カリオン Gisela CARRION (スペイン): 2019年Livignoで3位、Zegama-Aizkorriで4位。2020年Golden Trail Championshipで25位。
- ケイトリン・フィールダー Caitlin FIELDER (ニュージーランド):2019年OCCで6位、Tarawera Ultramarathon 50kmで2020年、2021年ともに優勝、2021年Marathon du Mont-Blancで7位。
- ジャスミン・ニュニジ Jasmin NUNIGE (スイス):2021年Swissalpine Davos K68で優勝。
- アンナ・コメット Anna COMET PASCUA (スペイン):2017年CCC®︎で9位、2019年OCCで4位。2020年L’Echappee Belle 57kmで2位、Ultra-Trail Cote d’Azur Mercantour 45kmで2位。
- テイラー・ノウリン Taylor NOWLIN (アメリカ):2018年Lake Sonoma 50で2位、2019年Broken Arrow Skyrace 52kで4位。
- バージニア・ペレス Virginia PEREZ MESONERO (スペイン):2021年Transgrancanaria 41kmで優勝。
- エリ・ドベルグスダル Eli Anne DVERGSDAL (ノルウェー): 2019年Marathon du Mont-Blancで3位、2021年Grossglockner Ultra-Trail 35kmで優勝。
- イングビルド・カスペルセン Yngvild KASPERSEN (ノルウェー):2019年Transvulcania 24kmで優勝、Pikes Peak Marathonで2位。
OCC 男子
今回のOCC男子のレースは有力選手の層が厚く、TDS®︎®︎やCCC®︎よりも激しいレースになりそうな予感です。
ITRAのパフォーマンスインデックスでいえば、ヘイデン・ホークス Hayden HAWKS(アメリカ)が優勝候補の筆頭に来るといえます。2017年のCCC®︎で優勝したのち、UTMB®︎では2018年にTDS®︎、2019年にUTMB®︎にエントリーしましたがどちらもDNFでした。今回はOCCで優勝を狙っていることでしょう。昨年2020年はBlack Canyon Ultraで優勝、JFK 50で大会新記録で優勝とコロナ禍の中で好成績を挙げました。今年のWestern Statesは8位でした。
レミ・ボネ Rémi BONNET(スイス)は今回がUTMB®︎のレースには初登場。スカイランニング、Golden Trail Seriesではおなじみで昨年はSierra-Zinalで3位、今年のOlla de Nuriaは2位、Marathon du Mont-Blancでは4位となっています。
2019年のスカイランナー・ワールドシリーズチャンピオン、上田瑠偉 Ruy Uedaも今年のOCCに参戦します。UTMB®︎での上田は2015年にCCC®︎で47位、2016年にCCC®︎で2位、2017年にOCCで26位。今回は一層経験を積んで、各地のレースで競い合ってきた選手たちとのレースとなります。今シーズンは7月のスカイランニング世界選手権でVKの優勝、スカイの3位を勝ち取っています。
2019年のスカイランナーワールドシリーズで2位のオリオル・カルドナ Oriol CARDONA COLL(スペイン)はUTMB®︎のレースには初登場で、昨年はアソーレスでのGolden Trail Championshipで6位。
ジョナサン・アルボン Jonathan ALBON(イギリス)は2019年のトレイル世界選手権チャンピオンでスカイランナーワールドシリーズでは3位。コロナ禍の中ではレースから離れていたようで、このOCCが久々のレースとなるようです。
ロビー・シンプソン Robbie SIMPSON(イギリス)はJungfrau Marathonで2016年、2018年、2019年に優勝。8月7日のSierra-Zinalではキリアンに次いで2位となっています。シンプソンも今回がUTMB®︎のレースに初登場です。
エルハウジン・エラザウィ Elhousine ELAZZAOUI(モロッコ)は昨年のアソーレスでのGTCで4位、今年はDolomyths Skyrunで2位。今回のOCCでも注目選手の一人です。
パスカル・エグリ Pascal EGLI(スイス)は2019年のMt. Awa Skyrace(13位)ではケガで力を発揮できませんでしたが、その後、レースにも出るようになり、今年6月のMarathon du Mont-Blancでは17位となっています。
- ニコラ・マルタン Nicolas MARTIN (フランス):2020年Golden Trail Championshipで9位、2018年OCCで7位。
- ステファン・ウェンク Stephan WENK (スイス):2020年Sierra-Zinalで5位、2021年Swissalpine Davos K68で2位。
- アントニオ・マルチネス Antonio MARTÍNEZ PÉREZ (スペイン):2019年トレイル世界選手権で8位、2021年Lavaredo Ultra Trail 48kmで優勝。
- トマス・カルダン Thomas CARDIN (フランス):2021年Trail des Passerelles du Monyeynard 42km・トレイルフランス選手権優勝。
- ジア・エレンジャErenjia JIA (中国):2018年OCC優勝【COVID-19による海外渡航の制約から見送り】
- シモン・ゴセラン Simon GOSSELIN(フランス):2021年Montreaux Trail Festival優勝。
- ロベルト・デロレンジ Roberto DELORENZI(スイス):2019年OCCで18位。
- マルク・ピンサチ Marc PINSACH RUBIROLA(スペイン):2019年Limone Extremeで8位
- ダビデ・チェラズ Davide CHERAZ(イタリア):2020年Trail du Ventoux 45kmで5位、2021年Dolomyths Run 60kmで2位。
- ルオ・タオ Tao LUO(中国):2019年OCCで3位、2021年Ultra Trail Chongyi 50kmで優勝【COVID-19による海外渡航の制約から見送り】
CCC®︎
UTMB®︎のコース後半をコースとする101km 6,100mD+のコースで行われるCCC®︎は、100マイルのUTMB®︎の入門として2006年にスタートしましたが、その競技レベルは高まっていてUTMB®︎と同様に注目されるレースになりました。今年も170kmのUTMB®︎のスタートに先立って8月27日金曜日午前9時(日本時間同日午後4時)にクールマイユールをスタートします。制限時間は11時間、参加定員は1900人。
CCC®︎ 女子
今年6月のWestern Statesで2位という好成績を挙げたルース・クロフト Ruth Charlotte CROFT(ニュージーランド)。初めての100マイルに続いてシャモニーでは100マイルのUTMB®︎への挑戦を期待する声もあったと思いますが、今回はCCC®︎を選びました。クロフトは2015年のCCC®︎で優勝したのち、2018年、2019年とOCCを連覇。今年に入ってからもWestern Statesで渡米する前に2月にTarawera Ultramarathonで男女総合でトップでフィニッシュ。5月にUltra-Trail Australia 50kmで優勝しています。今回のCCC®︎も優勝はかなり確実といえるでしょう。
ルース・クロフトを追うことになりそうなのは、今年に入ってからUltra Sierra Nevada 61km、Tenerife Bluetrail 71kmとスペインの大会で優勝を重ねている マルタ・モリスト Marta MOLIST CODINA(スペイン)。そして2019年のLimone Extremeで3位、2020年Golden Trail Championshipで7位となって今年はMarathon du Mont-Blancで5位、Dolomyths Runで2位など積極的にレースを走っているマルセラ・バシノバ Marcela VASINOVA(チェコ)にも注目。スペインのエリ・ゴードン Eli GORDON RODRIGUEZは2017年のOCCのチャンピオンで2018年のOCCではクロフトに続く2位になっています。ゴードンは100kmを超えるレースには初挑戦となります。
アメリカからもCCC®︎に有力選手がエントリーしています。前回2019年のCCC®︎で2位のアマンダ・バシャム Amanda BASHAMが今回再びCCC®︎にエントリーしています。イオウ・ワン Yiou WANGは2019年11月のTNF 50 Championshipで優勝。2015年にはOCCを21位でフィニッシュした経験も持ちます。アビー・ホール Abby HALLは2019年のCCC®︎で8位となったのち、TNF 50 Championshipで4位に(遡って2018年11月には来日してFunTrails 100Kの51kmを2位で完走しています)。今年のWestern Statesは14位でした。
- ドミニカ・ステルマック Dominika STELMACH(ポーランド):2020年Chudy Wawrzyniec 80kmを男女総合2位で優勝。
- アン・シャンパーニュ Anne CHAMPAGNE(カナダ):2019年Quebec Mega Trail 110kmで優勝、2019年Grand Raid Reunion 113kmで優勝。
- タン・ジンヤン Jingyan TANG(中国):2021年Ultra Trail Chongyi 100kmで優勝【COVID-19による海外渡航の制約から見送り】
- リア・インリン Leah YINGLING(アメリカ):2021年Canyons 100Kで6位。
- ダニエラ・オームス Daniela OEMUS(ドイツ):2021年Marathon du Mont-Blancで4位。
- ワルワラ・シカノワ Varvara SHIKANOVA(ロシア):2021年Dagestan Wild Trail 117kmで2位。
CCC®︎ 男子
今シーズンのGolden Trail World SeriesでOlla de Nuria、Marathon du Mont-Blanc、Dolomyths Runと三連勝のスティアン・アンゲルムンド Stian ANGERMUND(ノルウェー)が今年のCCC®︎に参加します。現時点では40km前後の中距離のトレイルランニングレースでは世界最強のアスリートの一人といえるアンゲルムンドは2019年にOCCで優勝しています。そのアンゲルムンドにとって次はCCC®︎に出るのは自然な流れですが、100kmを超える距離は初挑戦となります。CCC®︎で最も注目の選手といえます。
ヨーロッパからはGolden Trail World SeriesでOllaで5位、続くMont-Blanc、Dolomyths、Sierra-Zinalでいずれも6位のティボー・バロニアン Thibaut BARONIAN(フランス)も参戦。バロニアンはOCCで2016年に3位、2017年に2位となっていますがCCC®︎は今回が初めて。
アンドレウ・サイモン Andreu SIMON AYMERICH(スペイン)は今最も勢いのある若手アスリート。2019年にはすでにトレイル世界選手権で9位、OCCで2位となっていますが、2021年もTransgrancanaria 41km、Tenerife Bluetrail 71kmで優勝、Lavaredo Ultra Trailでは2位になり、100km超のウルトラトレイルでも才能を発揮。今回のCCC®︎をリードする選手の一人でしょう。
前回、2019年のCCC®︎チャンピオンのルイス・アルベルト・ヘルナンド Luis Alberto HERNANDO ALZAGA(スペイン)は今年もCCC®︎を選びました。2016年から2018年までトレイル世界選手権を三連覇、2016年のスカイランニング世界選手権チャンピオンというレジェンドは100マイルのUTMB®︎でも2015年に2位になっています。
アメリカからは2019年のLake Sonomaで優勝、Western Statesで2位の若手、ジャレド・ハーゼン Jared HAZENがUTMB®︎に初登場でCCC®︎を走ります。今年のWestern Statesでは優勝候補の一人とみられながらその力を発揮できませんでしたが、モンブランでの活躍に期待。
今年のWestern Statesでは前回2019年と同じ7位でフィニッシュしたステファン・カーシュ Stephen KERSHの粘り強さが話題になりました。2020年のJFK 50で2位となっています。マット・ダニエルス Matt Danielsは今年のWestern Statesでは途中棄権でしたが2019年には4位になっています。二人ともUTMB®︎には初登場です。
今年のHardrock 100で好タイムで2位となったディラン・ボウマン Dylan BOWMANもCCC®︎にエントリーしています。Hardrockからは6週間で100kmのレースを走ることになりますが、リカバリーが十分なら優勝争いに食い込むことでしょう。2017年のUTMB®︎で7位、2018年のTDS®︎で2位になった時はいずれもスマートなレース展開が印象的でした。
2019年のCCC®︎で5位のシェン・ジアシェン Jiasheng SHEN、2018年Hong Kong 100優勝のヤン・ロンフェイ Longfei YAN、2020年Hong Kong 100悠長のヨウ・ペイチャン Peiquan YOUはいずれも今回のCCC®︎で最も注目されるべき選手ですが、目下のCOVID-19に伴う中国からの渡航規制から参加を見送ることになるでしょう。
また、日本からは2018年ハセツネCUPチャンピオンの三浦裕一 Yuichi MIURAがエントリーしていますが、今回は出場を見送ります。
- アンドレアス・レイタラー Andreas REITERER (イタリア):2021年Le Porte di Pietra 72kmで優勝。
- アリツ・アゲア Aritz EGEA CACERES (スペイン):2021年Val d’Aran by UTMB®︎ 105kmで優勝。
- ティボー・ガリビエ Thibaut GARRIVIER (フランス):2019年CCC®︎で2位
- ダコタ・ジョーンズ Dakota JONES (アメリカ):2018年Pikes Peak Marathonで優勝
- リカルド・モンタニ Riccardo MONTANI (イタリア):2020年Swissalpine Davos K68優勝、2019年OCCで14位。
- リカルド・ボージアリ Riccardo BORGIALLI (イタリア):2020年Golden Trail Championshipで15位。
- ペレ・オーレル Pere AURELL (スペイン):2021年Transgrancanariaで2位。
- アンドレ・ロドリゲス Andre RODRIGUES (ポルトガル):Le Porte di Pietra 72kmで2位。
- マルコ・デ・ガスペリ Marco DE GASPERI (イタリア):2021年Lavaredo Ultra Trailで6位。
- サンティアゴ・メスキータ Santiago MEZQUITA (スペイン):2019年CCC®︎で17位、2018年OCCで2位。
- フアンホセ・ソモハノ Juan Jose SOMOHANO (スペイン):2019年CCC®︎で6位、2020年Transgrancanaria 42kmで2位。
UTMB®︎ Mont-Blanc観戦に役立つリンク
- UTMB® 大会ウェブサイト
- 大会の競技規則、必携装備品の一覧
- LiveTrail®
- 大会の公式Twitterアカウント @UTMBMontBlanc
- 大会公式Instagramアカウント
- 大会の公式Facebookページ
- 各レースのコース詳細図、高低図、エイドステーション・チェックポイントの一覧と通過予定時刻の目安