[DC] 有力選手紹介・ウルトラトレイル・デュ・モンブラン Ultra-Trail du Mont Blanc® 2015 プレビュー

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今年も来週の8月24日月曜日にPTL®のスタートで開幕するウルトラトレイル・デュ・モンブラン / Ultra-Trail du Mont Blanc®。世界的なトレイルランニングのお祭りとしてフランス・シャモニーをはじめとするモンブラン周辺の各地がトレイルランナーで賑わいます。競技としても170kmのUTMB®など4つのレースに世界各国から有力選手が集まり、ハイレベルなレースが展開されます。この記事ではUTMB®を中心に今回のウルトラトレイル・デュ・モンブランに出場する注目の有力選手を紹介します。


当サイトはこれからUTMBの開催されるシャモニーへ入り、UTMBウィークの期間中に各レースの結果や有力アスリートのインタビューを当サイトの記事として紹介していく予定です。また、Twitterアカウント / @DogsorCaravanを中心にFacebookページの更新もお楽しみに。

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MHW-montrail - logoレースのライブ速報については、28日金曜日午前9時(日本時間同日午後4時)にスタートするCCCのレース展開を英語でお届けします。28日金曜日午後6時(日本時間29日土曜日午前1時)UTMBは、レース全体の状況を日本語で随時お伝えしながら、日本から参加の有力選手の表情やレース展開をレース中盤となる土曜日朝(日本時間同日午後)からお伝えしていきます。

今年の当サイトのUTMBの現地レポートは、今年から新たに大会パートナーとなったMountainHardwearmontrailのご協賛によりお送りします。

UTMB 170km / 10,000mD+

UTMB-LogoUTMBは100マイルのトレイルランニングの事実上の世界選手権として世界からトップクラスのランナーを集めています。そして毎年、才能に恵まれた新しい世代のアスリートの活躍が話題となります。今年のUTMBでは特に男子でアメリカからスピードのある選手がそろいます。初のアメリカ人ランナーによる優勝があるのかどうかにも注目です。そして、日本から参加のランナーのトップ10入りにも期待したいところです。

女子 / women

ヌリア・ピカス / Núria PICAS (Buff、スペイン)は2013年、2014年にUTMBでローリー・ボジオ / Rory Bosioに次ぐ準優勝。今回のUTMBでは優勝候補の筆頭だといえます。日本のファンにとっても昨年のUTMFでの優勝で印象に残りますが、その後もスペインのUltra Pirineu (104k)、Transgrancanaria (130k)、Buff® Epic Trail (109km)などで優勝しています。

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ヌリア・ピカス / Núria PICAS

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ナタリー・マクレア / Nathalie Mauclair

ヌリア・ピカスと並んでトップ5の表彰台を目指す選手としてまず挙がるのはナタリー・マクレア / Nathalie Mauclair (Mizuno、フランス)。Grand Raid Reunionで2013年、2014年と連覇。IAUトレイル世界選手権では2013年と今年で連覇。UTMBでは昨年3位となっています。当サイトとしてはヌリアとナタリーの闘志あふれたレース展開に期待したいところです。アメリカのステファニー・ホウ / Stephanie Howe (The North Face)は昨年2014年のWestern Statesで優勝、今年は3位。50マイルのレースではカリフォルニアのハイレベルなレースであるLake Sonomaで今年優勝、TNF Endurance Challenge San Franciscoで3位。昨年、一昨年と優勝したThe North Faceのチームメイト、ローリー・ボジオに続けるか。

カロリーヌ・シャヴェロ / Caroline Chaverot (HOKA、フランス)は今シーズンに入ってTransgrancanaria (130k)で2位、Nivolet Revard (48km)で優勝、Tecnica-Maxi-RaceでのIAUトレイル世界選手権 (83km)で2位。直近ではLavaredo Ultra Trail (126km)、Eiger Ultra TrailのE101 (98k)で優勝。今年のUTMBに向けて上り調子といえそう。ウクスエ・フライエ / Uxue Fraile Azpeitia (Vibram、スペイン)は昨年のUTMBで5位。その後のGrand Raid Reunionで3位、今年に入ってZegama-Aizkorri (42km)で7位。2012年と2013年のトル・デ・ジアン優勝のフランチェスカ・カネパ / Francesca Canepa (イタリア)も上位を狙えそうです。

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続く注目の女子選手は次のみなさん。

  • ニコール・スチューダー / Nicole Studer (アメリカ):テキサス州在住で地元テキサス州で毎年1月に開催のRocky Racoon 100で2013年から三連覇中。今年のWestern Statesで6位。
  • フェルナンダ・マシェール / Fernanda Maciel (The North Face、ブラジル):昨年はUTMFで2位、UTMBで4位。今年のLavaredo Ultra Trailで3位。
  • ダーシー・ピセウ / Darcy Piceu (HOKA、アメリカ):コロラド在住で、著名な山岳トレイルレース・Hardrock 100の上位常連。2013年と2014年に同大会で優勝、今年は2位。
  • ジル・フォウラー / Gill Fowler (オーストラリア):2013年のUTMBで6位。オーストラリアで昨年のGreat Oceans Walk 100kmで優勝のほか多くの大会で上位入賞。今年はLavaredo Ultra Trailで4位。
  • デニス・ジンマーマン / Denise Zimmermann (Salomon、スイス):2014年のトル・デ・ジアンで3位、Grand Raid Reunionで7位。Eiger Ultra Trail E101で2014年3位、今年5位。
  • Amy Sproston Prerace 2014 Hasetsune

    エイミー・スプロストン / Amy Sproston

    エイミー・スプロストン / Amy Sproston (MountainHardwear/Montrail、アメリカ) :昨年のハセツネ・カップで優勝。2013年にはアメリカのWestern States、Lake Sonomaでそれぞれ3位。今年のTNF100 Australiaで2位でした。
  • シルビア・トリゲロス / Silvia Ainhoa Trigueros Garrote (スペイン):2013年UTMBで5位。
  • リサ・ボルザーニ / Lisa Borzani (イタリア):昨年のTDS、トル・デ・ジアンを連戦してそれぞれ2位に。今年1月のVibram HK 100で3位。
  • デニス・ボーラッサ / Denis Bourassa (patagonia、アメリカ) :昨年のWasatch 100で4位、2014年Western Statesで7位。
  • ショナ・ステファンソン / Shona Stephenson (inov–8、オーストラリア):UTMFで2013年に2位、2014年6位。UTMBでは昨年10位。今年のTNF100 Australiaで3位。

男子 / men

まず今年の優勝争いを占ってみましょう。欧州勢はUTMBや山岳レースの経験豊富なスペインの3人、ルイス、ミゲル、トフォルに注目です。ルイス・アルベルト・ヘルナンド / Luis Alberto Hernando Alzaga ( adidas、スペイン)はTransvulcaniaで2014年、2015年と優勝。昨年のスカイランニング世界選手権となったMont Blanc 80kで優勝しているほか、42kmのZegama-Aizkorriでも2013年に2位、2014年に3位。UTMBでは昨年上位グループで走りながらグラン・コル・フェレでリタイアしています。今年は雪辱なるか。ミゲル・ヘラス / Miguel Angel Heras Hernandez (Salomon、スペイン)はTransvulcaniaで2010年、2011年に優勝、アメリカでも2010年のTNF EC Championships San Franciscoで優勝するなど欧州以外のレースでの活躍してきましたが、近年は足の故障で苦しむレースが増えていました。UTMBでも上位を走りながらリタイアするレースが多かったですが、2013年には準優勝でフィニッシュしています。トフォル・カスタナー / Tofol Castaner Bernat (Salomon、スペイン)は昨年のUTMBで2位。2012年にはCCCで優勝している43歳のベテランです。欧州以外でも昨年2014年のTNF EC Championships San Franciscoで4位と様々なレースを経験していることは強みでしょう。

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ルイス・アルベルト・ヘルナンド / Luis Alberto Hernando Alzaga

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ミゲル・ヘラス / Miguel Angel Heras Hernandez

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グザビエ・テベナール / Xavier Thevenard

フランスからは2013年のUTMBで25歳で見事優勝を勝ち取ったグザビエ・テベナール / Xavier Thevenard。まだ若手ですが、2010年のCCC、昨年2014年のTDSでも優勝しています。レースの結果はうまくいくときとそうでないときの差が大きいですが、UTMBは慣れたフィールドのはず。今年はアメリカから多くの力のあるランナーが集まっていますが、その中でも特に注目したいのはセイジ・カナディ / Sage Canaday (HOKA、アメリカ)。陸上競技のアスリートとして活躍し、フルマラソンのPRは2:16:52というスピードの持ち主で、ユタ州のテクニカルな山岳コースで知られるSpeedgoat 50kで2013年から今年まで三連覇。昨年のTNF EC Championship San Franciscoで優勝。欧州でも2013年、2014年のTransvulcaniaでそれぞれ3位。ただ、100マイルのレースは今回が初挑戦で持ち前のスピードがモンブランの山岳コースでどれだけ発揮できるか。同じくアメリカのデイビッド・ラニー / David Laney (NIKE、アメリカ)もスピードに定評のあるランナーで2013年にトレイルを走り始めて地元オレゴン州のWaldo 100kやChuckanut 50kで優勝。アメリカの1月の100kmのイベント、Bandera 100kでは昨年今年と連覇。100マイルのレースは今年のWestern Statesが初めてで8位でした。

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なお、ロブ・クラール / Rob Krar (アメリカ)、アントン・クルピチカ / Anton Krupicka (アメリカ) は今回のUTMB出場を見送っています。

さらに表彰台のトップ10圏内を狙いそうなのは次のアスリートの皆さん。

  • ライアン・サンデス / Ryan Sandes (Salomon、南アフリカ):昨年のUTMFで2位となり日本でもおなじみ。昨年はその他にもTransgrancanariaで優勝、Western Statesで5位などでUTWT年間2位。このほかにも世界各地のレースにチャレンジして実績を残していますが、意外にもUTMBは今回が初出場です。
  • Gediminas-Grinius-Face

    ジェディミナス・グリニウス / Gediminas Grinius

    ジェディミナス・グリニウス / Gediminas Grinius (inov–8、リトアニア):昨年のUTWTシリーズ戦でLavaredo Ultra Trailでの3位、UTMBで5位などで年間3位となって注目を集めました。今年もTransgrancanariaで優勝、Western Statesで4位と快調。
  • ファビアン・アントリーノス / Fabien Antolinos (フランス):2012、2013年とフランスの全国選手権ともいわれるTempliersで優勝。昨年のIce Trail Tarentaiseで2位。昨年のUTMBで上位を走りましたが後半に入ってリタイアしています。
  • ジュリアン・ショリエ / Julien Chorier (HOKA、フランス):日本のファンにはUTMFでの2012年優勝、2013年2位の活躍で知られているジュリアン。最近では2014年のHardrock 100での2位、今年のTNF 100 Australiaで8位、Western Statesで6位。UTMBでは2008年に3位、2013年に6位という結果を残しています。
  • Sebastien-Chaigneau-Face

    セバスチャン・セニョー / Sebastien Chaigneau

    セバスチャン・セニョー / Sebastien Chaigneau (The North Face、フランス):こちらも日本のファンには有名。2013年はUTMFで3位、アメリカのHardrock 100で優勝。その後レース中に体調を崩すことが増え、昨年後半からはレースから遠ざかっていました。今年は6月のMont Blanc 80kで10位となっています。UTMBでは2009年に2位、2011年に3位となっています。
  • ホルヘ・マラヴィラ / Jorge Maravilla (HOKA、アメリカ):2012年Western Statesで8位。今年は2月のTarawera (103k)で2位となっています。
  • セス・スワンソン / Seth Swanson (The North Face、アメリカ):地元モンタナ州を中心に活躍していたが2014年のWestern Statesで2位となり注目を浴びる。その後、Cascade Crest 100で優勝、今年のSean O’Brienで2位、Western Statesで2位。今回が初めての米国外でのレースとなります。
  • ライアン・ゲルフィ / Ryan Ghelfi (NIKE、アメリカ):昨年のWaldo 100kで3位、Run Rabbit Runで4位。地元オレゴン州を中心に活躍するスピードランナー。
  • ダニエル・ガルシア / Daniel Garcia Gomez (New Balance、スペイン): 今年のTransvulcaniaで2位。
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    ハビエ・ドミンゲス / Javier Dominguez Ledo

    ハビエ・ドミンゲス / Javier Dominguez Ledo (Vibram、スペイン):2013年のUTMBで3位。昨年2014年のGrand Raid Reunionで5位。
  • イヴァン・オルティッツ / Iván Ortiz Carrión (スペイン):スペイン国内の40–100kmのトレイルレースで活躍。UTMBには初挑戦。

さて、まだまだアスリートの名前は続きます。次のみなさんは世界トップレベルのエリートクラブといえるトップ20を狙える皆さん。

欧州
最近のUTWTのシリーズレースで活躍するソンドル・アムダール / Sondre Amdahl (ノルウェー)、ジェライ・デュラン / Yeray Duran Lopez (スペイン)。かつてUTMBで表彰台の常連だったカルロス・サー / Carlos Sa (ポルトガル)。ロードのウルトラマラソンなどでも活躍するエリック・クレーバリー / Erik Clavery (フランス)といった名前が続きます。

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北米
アダム・キャンベル / Adam Campbell (カナダ)は2012年のUTMFで準優勝、昨年のHardrockで3位。ジェフ・ブラウニング / Jeff Browining (アメリカ)はアメリカの100マイルレースでいくつも優勝していますが、おそらく今回が初めての国外レース。ジョー・グラント / Joe Grant (アメリカ)は昨年日本のUTMFに出場しています。ラース・ケレントロン / Lars Kjerentroen (アメリカ)は昨年のLeadvilleで6位という実績を持っています。

アジア・オセアニア
ニュージーランドのバジャン・アームストロング / Vajan Armstrongはニュージーランド、オーストラリアのレースで活躍していますが、最近ではスイス・ダボスのSwissalpine K78で3位。オーストラリアのアンドリュー・タッキー / Andrew TuckeyはTNF 100 Australiaで2013年3位、2012年2位。UTMBでも昨年6位となっています。香港のトレイルランナー、ストン・ツァン / Siu Keung TsangはUTMBでは2008年に44位、2010年の短縮版で21位、2013年、2014ねんはそれぞれ総合18位。ネパール国籍でフランス在住のサンゲ・シェルパ / Sange Sherpaは最近、Eiger Ultra Trail E101で4位となり注目されています。

日本
そして日本から参加の中では、野本哲晃 / Tetsuaki Nomotoは昨年のUTMFで7位。トレイルでは他にもおんたけウルトラなどで活躍しており、海外では今年のTNF 100 Australiaで12位でした。今回は意外にも初めてのUTMB完走を目指します。奥宮俊祐 / Shunsuke Okunomiya (MountainHardwear/Montrail) は国内では昨年のハセツネカップ3位など活躍しており、最近は海外でも昨年のVibram Hong Kong 100で7位、Eiger Ultra Trail E101で昨年今年と6位となっています。UTMBは2013年に40時間超でフィニッシュしています。小原将寿 / Masatoshi Obara (inov–8) は今年はITJ、峨山道で優勝。昨年のUTMBでは46位。小川壮太 / Sota Ogawa (Salomon) は当サイトでもレポートしている王滝50kで優勝、美ヶ原80kで2位と今シーズンは順調。最近の海外レースではスカイランニングアジア選手権50kで9位となっています。プロとなって環境を変えた成果に期待です。大瀬和文 / Kazufumi Oose (Salomon) は国内のレースに積極的にチャレンジして結果を残しており、昨年はUTMFで19位、UTMBで22位。トップ10にどこまで近づけるかに注目。小林慶太 / Keita Kobayashi (The North Face) は昨年のUTMFで8位。今年はITJ8位、スパトレイル2位、TNF 100 Australiaで22位でした。土井陵 / Takashi Doiは昨年のUTMFで15位となり注目されましたが、その後も今年のITJで6位、7月の上州武尊山120kで優勝と長距離トレイルレースで活躍しており、その勢いがどう発揮されるか。そして、日本から初めて2005年にUTMBに挑戦してレースの存在を日本に知らせたリビング・レジェンド、石川弘樹 / Hiroki IshikawaがUTMBに出場します。10年ぶりのUTMBに何を想うのか当サイトでもお話を聞く予定です。

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野本哲晃 / Tetsuaki Nomoto

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奥宮俊佑 / Shunsuke Okunomiya

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小原将寿 / Masatoshi Obara

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小川壮太 / Sota Ogawa

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大瀬和文 / Kazufumi Oose

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小林慶太 / Keita Kobayashi

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土井陵 / Takashi Doi

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石川弘樹 / Hiroki Ishikawa

なお、出場者リストに名前があるものの、原良和 / Yoshikazu Hara、山屋光司 / Koji Yamayaは今回のUTMBへの出場を見送るとのことです。

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CCC® 101km / 6,100mD+

女子 / women

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ルース・クロフト / Ruth Croft

優勝候補はアメリカのマグダレナ・ブーレ / Magdalena Boulet (HOKA) でしょう。アメリカ代表選手として2008年の北京オリンピックに出場した経験を持つスピードランナーで、トレイルを走り始めたここ数年で出場したレースの多くで優勝を重ねており、今年のWestern Statesでも優勝しています。そのマグダレナ・ブーレを追うのは、ルース・クロフト / Ruth Charlotte Croft (The North Face、ニュージーランド)。台湾在住のルース・クロフトは昨年の富士登山競走で優勝し、その後のKinabalu Climbathonで優勝。今年は故国ニュージーランドのTawaweraで2位、7月のスイスのSierra Zinalで8位という結果を残しています。さらにアメリカからは今年のTransvulcaniaで4位となっているアリシア・シャイ / Alicia Shay (NIKE) も上位を狙います。日本から出場する2013年信越五岳優勝の今泉奈緒美 / Naomi Imazumiは最近では今年のTNF 100 Thailand 50k優勝のほかはトレイルレースからは遠ざかっていますが、今回のCCCでは表彰台に上るトップ5に入る可能性は十分にありそうです。

男子 / men

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上田瑠偉 / Ruy Ueda

男子ではやはり気になるのは昨年のハセツネカップを大会新記録で優勝し、当サイトの日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを受賞、今最も注目を浴びるトレイルランナー、上田瑠偉 / Ruy Ueda (MountainHardwear/Montrail) がどんな走りをCCCでみせるか、でしょう。結論からいって、上田瑠偉がトップ10入りして表彰台に立つ可能性はかなり高いといえそうです。

まず、今回のCCCではアメリカからスピードに強みを持つNIKE TRAILのチームメンバーが出場し、彼らがレースをリードする可能性が高そうです。昨年のLake Sonoma 50、一昨年2013年のJFK 50というアメリカでも注目度の高かったレースを制しているザック・ミラー / Zach Miller (NIKE、アメリカ)は今年、Transvulcaniaで5位。クリス・バーゴ / Chris Vargo (NIKE、アメリカ)も昨年同様に有力選手が集まったUROC 100kで優勝するなど100kmまでのスピードレースで好成績を重ねています。ティム・トレフソン / Tim Tollefson (NIKE、アメリカ)も昨年のUSATFトレイル50km選手権で優勝するなど50km前後の距離に強いランナー。ポール・ハミルトン / Paul Hamilton (Smartwool / Altra、アメリカ)も同様です。もちろん、アメリカのトレイルランナーにとってモンブランはしばしば鬼門となっているので何が起こるかわかりませんが、彼らのレース展開が他の選手にも影響するでしょう。

欧州のランナーではセバスチャン・ スペーラー / Sébastien Spehler (adidas、フランス)はフランスの80kmまでのローカルレースで軒並み優勝しているほか、2013年のLavaredo Ultra Trailで優勝。ミゲル・カバレロ / Miguel Caballero Ortega (La Sportiva、スペイン)も同じようにスペインのローカルレースで活躍。ニコラ・マルタン / Nicolas Martin (フランス)は昨年初開催のOCCの優勝者。クレマン・モリエ / Clément Molliet (HOKA、フランス) はスカイランニング世界シリーズとなっているIce Trail Tarentaise (65km)で今年3位。アイスランドのトールベルガー・ジョンソン / Thorbergur Jonssonは今年のIAUトレイル世界選手権80kで9位。

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上田瑠偉にとってはこうした自分と同じくらいの力を持つ多くのランナーと一緒にトレイルを走る経験はあまりないはず。こうしたチャレンジにどのように取り組むか、注目したいところです。

なお、出場者リストに名前があるものの、山田琢也 / Takuya Yamadaは今回のUTMBへの出場を見送るとのことです。

TDS® 119km / 7,250mD+

TDSの女子はアメリカ・オレゴン州在住でローカルレースで上位入賞を重ねているジャネッサ・テイラー / Janessa Taylorとスイスのランナーで先月のEiger Ultra Trail E101で2位、先週末(TDSスタートの10日前)にSwiss Iron Trail 201kで優勝したばかりのアンドレア・ヒューザー / Andrea Huserのレースになりそう。

男子は欧州の山岳レースの経験・実績豊富なトレイルランナーが数多く揃い、ハイレベルなレースとなりそうです。スペインからは昨年のCCC優勝のパウ・バルトロ / Pau Bartolo、昨年のTDSで3位のジョルディ・ベス / Jordi Bes。フランスからはWAA TEAMの3人、アントワーヌ・ギュイヨン / Antoine Guillonシリル・コワントル / Cyril Cointreクリストフ・ルソー / Chiristophe Le Sauxが揃って出場。アントワーヌはUTMFで2013年7位、2014年4位に入賞していますが、2013年のTDSで2位という実績も持っています。他にもUTMFで2013年10位、2014年5位のリオネル・トリベル / Lionel Trivel (HOKA)も出場。リオネルは2012年のTDSで2位となっています。

OCC 53km / 3,300mD+

OCCの女子はアメリカのイオウ・ワン / YiOu Wangがリードすることとなりそう。2012年に全米オリンピック代表選考マラソンで注目され、現在カリフォルニアを中心にトレイルのレースにも出場して注目されています。

男子では今年のIAUトレイル世界選手権80kで優勝したシルバン・コー / Sylvain Court (フランス)や昨年のOCCで3位、今年6月のAndorra Ultra Trailの43kmで優勝したマルク・ピンサチュ / Marc Pinsach Rubirola (Dynafit、スペイン)をはじめとしてヨーロッパでこの50kmに自信のあるランナーが集まっています。その中で、アメリカのディラン・バウマン / Dylan Bowman (The North Face)がどんなレースをみせるかに注目したいところ。ディラン・バウマンは今年は2月のTarawera 100k、5月のTNF 100 Australiaで優勝しています。ヨーロッパ対アメリカの対決の行方が気になるところです。

ウルトラトレイル・デュ・モンブラン / UTMB観戦に役立つリンク

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