吉住友里がOCC女子4位に・TDS、OCC、CCC 2017リザルト

UTMB-2016-logo-Columbia金曜日に開催された171kmのUTMB®に先行して、3つの姉妹レースが開催されました。水曜日の119kmのTDS®︎、木曜日の56kmのOCC、金曜日朝の101kmのCCC®︎の各レースの結果をこの記事ではご紹介します。近年は171kmのUTMB®︎と同様に、これらの姉妹レースはそれぞれのコースの距離や特性に強みを持つ選手が集まるハイレベルな大会となっています。その中のOCCでは日本の吉住友里 Yuri Yoshizumiが4位となって注目を集めました。昨年のCCC®︎で2位の上田瑠偉 Ruy Uedaは今回OCCに出場しましたが、レース前半をリードしつつも26位という結果に終わりました。


(写真・吉住友里 Yuri Yoshizumiが女子4位で56kmのOCCをフィニッシュ。Photo by Koichi Iwasa of DogsorCaravan.com)

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当サイトはUTMB®︎の大会パートナーのColumbia MontrailMountainHardwearのご協賛によりレポートをお送りしました。

TDS®︎: 昨年のCCC優勝のランヌ、コトカが優勝

119km 7,250mD+のTDS® (Sur les Traces des Ducs de Savoie)は水曜日にイタリア側のクールマイユール Courmayeurからモンブランを時計回りに進んでシャモニーへと向かうコースで行われました。水曜日は天候が崩れた翌日以降とは異なって晴れ、気温が高めというコンディションでした。TDSのコースはUTMBの他のレースとは重なるところが少なく、UTMBやCCCと比べると前後に選手の少ないTDS®︎はトレイルを走る楽しさが満喫できるレースです。今年はUltra-Trail®︎ World Tourの”Pro”レーベルになっています。

UTWT-Ultra Trail World Tour logoTDS®︎の男子のレースでは15km地点となるLac Combalでミシェル・ランヌ Michel Lanne(フランス)が先頭に立つと50kmのBourg Saint Mauriceの街には単独トップで到着。2番手にはダニエル・ユング Daniel Jung(イタリア)が続きました。しかしLes Contamines(95km)から始まるCol de Tricot(102km)までの標高差約1000mの急な登りでユングは遅れを取り始め、ここで2番手が入れ替わります。代わって2番手となったのはシルバン・カミュ Sylvain Camusアントワン・ギュイヨン Antoine Guillonの二人。カミュは序盤からトップ10圏内を走っていましたが、ギュイヨンは最初は20位前後からいつものように徐々に順位を上げ始めるスマートなレースを今回も披露。Col de Tricot(102km)にはランヌの11分後に二人揃って到着。標高差1000mを駆け下りたLes Houches(111km)ではランヌは12分のリードを維持して、そのままシャモニーに14時間33分でフィニッシュして優勝。昨年のCCCに続いてUTMBのレースで2年連続優勝となりました。

TDSの男子トップ3。優勝のミシェル・ランヌ(中)、2位タイのアントワン・ギュイヨン(左)とシルバン・カミュ。

その後、二番目にはカミュとギュイヨンが手を携えてタイでフィニッシュ。しかしそれはランヌからわずか3分後。Les Houchesから7kmの概ねフラットなトレイルで一気に差を縮めていました。場合によっては最後の逆転があったかもしれない、緊迫したレースでした。4位にはイオン・アスピロス Ion Azpiroz Azpiroz(スペイン)、5位にフランシスコ・ロドリゲス Francisco Javier Rodriguez Bodasが続き、終盤まで2番手だったダニエル・ユング Daniel Jungが6位でした。

今回もスマートな走りが光ったベテラン、アントワン・ギュイヨン。

日本からこのTDS®︎に参加した大瀬和文 Kazufumi Oseは積極的に攻める走りを見せました。序盤は20位前後でしたが、Bourg Saint Maurice(50km)から5kmで標高差1200mD+を登ったFort de la Platteには7位で到着。Les Contamines(95km)にも8位で到着し、このままトップ10でフィニッシュするかと思われましたが、そのあとの最後の登りを登りきったCol de Tricot(102km)に15番目で到着したあと突然のリタイア。チェックポイントにたどり着いたところで体がふらついてしまい、気づいたら救護テントの中だったといい、ここでいわゆるドクターストップとなり、無念のリタイア。なお、その後は回復して自力で下山したとのことです。

大瀬和文がFort de la Platteには7位で到着。5kmで標高差1200mD+を登る急坂。

女子のレースは昨年のCCCチャンピオン、ミンミ・コトカ Mimmi Kotoka(スウェーデン)が圧倒的な実力で後続を寄せ付けませんでした。Lac Combal 15kmで早くも2番手に6分差で、結局シャモニーには15時間47分でフィニッシュ。これは男女総合で10位となるタイムで女子2位とは2時間24分という大差でした。女子2位はモー・ゴベール Maud Gobert(フランス)でした。3位はハンガリーのベテラン、イルディコ・ヴェルミシャー Ildiko Wermescher。ヴェルミシャーはLac Combalでは女子17位でしたが、その後先行する選手をじわじわと捉えていき、Les Contamines(95km)では2番手のゴベールに24分差の3位に浮上。山から降りたLes Houches(111km)ではゴベールからわずか1分半に。52歳とは思えないヴェルミシャーの底力を見せつけました。4位はキアラ・ベルティノ Chiara Bertino (イタリア)、5位に21歳のルーシー・バーソロミュー Lucinda Bartholomew(オーストラリア)、6位にメラニー・ルセ Mélanie Rousset(フランス)となりました。日本の上宮逸子 Itsuko Uemiyaは11位(21時間28分)、黒田清美 Kiyomi Kurodaは19位(23時間10分)でした。

昨年のCCCに続いて、今年のTDSでも優勝したミンミ・コトカ。

女子2位のモー・ゴベールがテクニカルなトレイルを下る。

TDS®︎ リザルト

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男子 Men

  •  1. ミシェル・ランヌ Michel Lanne (TEAM SALOMON) 14:33:09 (フランス)
  •  2. アントワン・ギュイヨン Antoine Guillon (TEAM GLOBETRAILERS) 14:36:14 (フランス)
  •  2. シルバン・カミュ Sylvain Camus (TEAM GARMIN) 14:36:14 (フランス)
  •  4. イオン・アスピロス Ion Azpiroz Azpiroz (HOKA ONE ONE SPAIN) 14:42:19 (スペイン)
  •  5. フランシスコ・ロドリゲス Francisco Javier Rodriguez Bodas (TIERRA TRAGAME) 15:10:22 (スペイン)
  •  6. ダニエル・ユング Daniel Jung (GORE RUNNING WEAR) 15:29:25 (イタリア)
  •  7. パスカル・ギゲ Pascal Giguet 15:36:20 (フランス)
  •  8. リヒャルト・ズボラネク Richard Zvolanek 15:39:40 (スロバキア)
  •  9. エマヌエレ・ルドビシ Emanuele Ludovisi (D+TRAIL) 15:44:24 (イタリア)
  •  10. ジャン・ブルネ Jean Burnet (CMBM) 15:49:38 (フランス)

女子 Women

  •  1. ミンミ・コトカ Mimmi Kotka (SALOMON) 15:47:07 (スウェーデン)
  •  2. モー・ゴベール Maud Gobert (UA MAURIENNE) 18:11:54 (フランス)
  •  3. イルディコ・ヴェルミシャー Ildiko Wermescher (MAMMUT PRO TEAM) 18:20:05 (ハンガリー)
  •  4. キアラ・ベルティノ Chiara Bertino (PODISTICA TORINO) 18:49:57 (イタリア)
  •  5. ルーシー・バーソロミュー Lucinda Bartholomew 19:04:06 (オーストラリア)
  •  6. メラニー・ルセ Mélanie Rousset (TEAM WAA) 19:06:22 (フランス)
  •  7. クリステル・バセロー Christelle Bassereau (CAP GARONNE) 19:17:52 (フランス)
  •  8. ケイティ・ロビー Katie Roby (MDC) 19:37:44 (イギリス)
  •  9. ナタリー・アンリク Nathalie Henriques (FOULEES SAUSSINOISES) 19:45:08 (フランス)
  •  10. ロクサーヌ・アルディエ Roxane Ardiet (Cévennes Trail Club) 20:18:32 (フランス)
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日本関係

早朝のLac Combalを笑顔で走る上宮逸子。

  •  11. 上宮逸子 Itsuko Uemiya 21:28:55 (日本)
  •  19. 黒田清美 Kiyomi Kuroda 23:10:30 (日本)

OCC: 吉住友里が4位となる快挙

木曜日に開催されたOCC (Orsières Champex Chamonix)はスイスのオルシエール Orsièresからシャモニーへと向かう56km 3,500mD+のレースです。

男子のレースはTrient(26km)までティボー・バロニアン Thibaut Baronian(フランス)と上田瑠偉 Ruy Uedaがリードし、その約1分後にマルク・ラウエンスタイン Marc Lauenstein(スイス)が続きます。

Trientの手前でコースのほぼ中間となるForcrazでティボー・バロニアンとともに先頭を走る上田瑠偉。

日本のファンにとっては上田が日本人として初めてUTMB®︎のレースで優勝するか、と期待が高まりました。しかし、事前のインタビューで話していた通り、スカイランニングのレースに焦点を絞ってきた今年の上田は56kmのレースには「準備不足」でした。TDS®︎の行われた前日から一転して雨の1日となり、OCCのコースの山の上は低音と強風の厳しい状況になったこともあり、上田はTrientからの登りで先頭争いから離脱。代わってラウエンスタインがバロニアンに追いつきます。二人はArgentière(44km)までしばらく並走しますが、残りはシャモニーまで約8kmの下りを残すだけのFlégère(49km)にはラウエンスタインがバロニアンに4分のリードでトップに。そのままラウエンシュタインが優勝しました。振り返ってみればラウエンスタインが前後の選手の様子をみながら最後にスパートをかけて優勝するという展開でした。3位はイバン・カンプス Ivan Camps(スペイン)、4位にマリオ・オルメド Mario Olmedo Sancha(スペイン)、5位にダビデ・チェラズ Davide Cheraz(イタリア)、6位にティボー・ガリヴィエ Thibaut Garrivier(フランス)が続きました。上田瑠偉は26位でフィニッシュしています(レース後のインタビューを以下からご覧いただけます)。

OCCで優勝したマルク・ラウエンスタインは冷静なレース展開をみせた。

上田瑠偉 Ruy Ueda OCC 2017 レース後インタビュー #UTMB2017

2017.09.04
女子のレースは今年5月のトレイル世界選手権・Trails Sacred Forest 55kで僅差の2位となったアマンディーヌ・フェラート Amandine Ferrato(フランス)と、ご存知スカイランニングのクィーン、エミリー・フォスバーグ Emelie Forsberg(スウェーデン)がリードして始まりました。二人に続いた3番手のエリ・ゴードン Eli Gordon Rodriguez(スペイン)との差は4分まで広がっていました。ところが大きな山登りを二つこなしたあとのVallorcine(36km)では先頭のフォスバーグから30秒ほどでフェラートとゴードンが続いて通過。ここから8kmの高低差の小さいトレイルで一気にゴードンが先頭に。Argentière(44km)ではゴードンはフォスバーグに3分ものリードを奪っていました。ここからFlégère(49km)までの登りでもゴードンはリードを広げてそのまま優勝。スペイン国内のトレイルレースで活躍するゴードンが国際的なレースで勝ち星をあげました。

OCCの女子トップ3。優勝したエリ・ゴードン(中)、2位のエミリー・フォスバーグ(左)、3位のアマンディーヌ・フェラート。

エミリー・フォスバーグはUTMBでも人気。雨の中、多くの観衆から声援が飛んだ。

この3人に続いたのが日本の吉住友里 Yuri Yoshizumi。最近はもっぱらバーティカルキロメーターに集中していて、50kmを超える距離に備えた練習はしていないという吉住はこの日のレースについて、「山の上の寒さが想像以上だった」といいます(レース後のインタビューは下のリンクから)。最終盤のFlégère(49km)の下りでは、後ろに続くイニェス・マルケス Inês Marques(ポルトガル)に差を詰められましたが、見事4位でフィニッシュ。フィニッシュラインでは吉住のTransvulcania VKや香港のMSIG Lantau VKでの優勝を知る人たちもいて、世界レベルの実力を持つ吉住の快挙を讃えていました。5位にはマルケス、6位にはローリー・ボジオ Rory Bosio(アメリカ)が入り、2013年、2014年のUTMBチャンピオンのフィニッシュに会場は大いに沸きました。日本関係では夫妻での四万十川ウルトラマラソン男女優勝でも知られる原朋子 Hara Tomokoが16位(7時間29分)になっています。

スタートからまもないロードの登りを走る吉住友里。大柄な男性ランナーが歩く横を駆け抜ける。

女子4位!吉住友里 Yuri Yoshizumi OCC 2017 レース後インタビュー #UTMB2017

2017.09.04

OCC リザルト

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男子 Men

  •  1. マルク・ラウエンスタイン Marc Lauenstein (SALOMON) 05:19:34 (スイス)
  •  2. ティボー・バロニアン Thibaut Baronian (Salomon) 05:23:58 (フランス)
  •  3. イバン・カンプス Ivan Camps (ASS. ESP. MOUNTAIN RUNNERS DEL BERGUEDA) 05:27:14 (スペイン)
  •  4. マリオ・オルメド Mario Olmedo Sancha 05:28:45 (スペイン)
  •  5. ダビデ・チェラズ Davide Cheraz (TEAM SALOMON ISOSTAD) 05:28:57 (イタリア)
  •  6. ティボー・ガリヴィエ Thibaut Garrivier (Terre de Running Lyon) 05:29:00 (フランス)
  •  7. トマス・アンジェリ Thomas Angeli (ASICS) 05:29:11 (フランス)
  •  8. ガウティエ・アイリオ Gautier Airiau (MERIBEL SPORT MONTAGNE) 05:32:19 (フランス)
  •  9. ディエドリク・カルコーン Diederick Calkoen 05:37:46 (オランダ)
  •  10. ロビン・カテット Robin Cattet (TEAM HOKA) 05:37:51 (フランス)

日本関係

  •  26. 上田瑠偉 Ruy Ueda (COLUMBIA) 06:00:36 (日本)

女子 Women

  •  1. エリ・ゴードン Eli Gordon Rodriguez (TEAM SEGURARTIC CATALANA OCCIDENTE) 06:12:16 (スペイン)
  •  2. エミリー・フォスバーグ Emelie Forsberg (SALOMON) 06:20:01 (スウェーデン)
  •  3. アマンディーヌ・フェラート Amandine Ferrato 06:29:50 (フランス)
  •  4. 吉住友里 Yuri Yoshizumi (YND) 06:41:27 (日本)
  •  5. イニェス・マルケス Inês Marques (U.F. COMERCIO E INDUSTRIA) 06:42:35 (ポルトガル)
  •  6. ローリー・ボジオ Rory Bosio (THE NORTH FACE) 06:44:58 (アメリカ)
  •  7. クリスティーナ・ブラスケス Cristina Blazquez Villacastin 06:51:30 (スペイン)
  •  8. ステファニー・マニボス Stéphanie Manivoz (TEAM CIMALP) 07:00:20 (フランス)
  •  9. エスター・カサフアナ・レイエス Ester Casajuana-Reyes (ROCA FORADADA-RAIDLIGHT) 07:02:29 (チリ)
  •  10. ミラ・デュラン・ロドリゲス Mila Duran Rodriguez (TRCARESTA) 07:09:05 (スペイン)
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日本関係

  •  16. 原朋子 Hara Tomoko 07:29:14 (日本)

CCC®︎: アメリカのホークス、ギャラハーがそれぞれ男女で優勝

UTWT-Ultra Trail World Tour logoCCC® (Courmayeur Champex Chamonix)はクールマイユールから概ねUTMB®︎のコース後半を使って行われる101km 6,100mD+のレースです。CCC®︎はUltra-Trail®︎ World Tourの”Serie”レーベルのレースとなります。今回はスタート前日に、悪天候の予報のためコース終盤の最後のピークとなるTête aux Ventsを登らないコースに変更されました。大会当日のイタリア・クールマイユールは爽やかな快晴で雨の予兆など感じさせませんでしたが、この日の夜(UTMBのスタート後)はフランス側は雪混じりの雨となりました。この日の深夜以降にフィニッシュするランナーにとっては厳しいコンディションとなりました。

クールマイユールからRefuge Bertoneまで、UTMBでは標高差600mほどを直登しますが、CCCではロードのセクションを経て稜線を半周してから到着します。今回の男子のCCCは15km地点となるRefuge Bertoneではまだ混戦模様で、先頭集団が固まったのは22km地点のRefuge Bonattiまで来てから。昨年からトレイルを走り始めたばかりの新鋭、ヘイデン・ホークス Hayden Hawks (アメリカ) が先頭に立ちます。そして続くのはルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret (フランス)、ラシッド・エル・モラビティ Racid El Morabity(モロッコ)といった面々。しかし、Gran Col Ferret(32km)に到着するまでにはホークスとポムレの二人が先行し、エル・モラビティは2分半の差で3位。Team HOKAのチームメイトでアメリカの新鋭とフランスのベテランの二人は一緒にLa Fouly(42km)まで降りて来ますが、ここからはホークスが一人で先行し始めます。残る約70kmをヘイデンは快調に走りきり、10時間24分でCCCの優勝を勝ち取りました。

2番手を走っていたポムレを捉えたのはポーランドのマルチン・スビレク Marcin Świerc。昨年のスカイランニングのレース、High Trail Vanoise 67kで2位、今年のWMRAマウンテンランニング長距離世界選手権・Giir di Mont 30kで9位のスビレクはChampex Lac(56km)から800mほどを登るLa Giete(67km)のチェックポイントではポムレに1分先行して2位に浮上します。そのままスビレクは2位でフィニッシュ。優勝したホークスとは18分差ですが、2位に浮上してからのホークスとの差はさほど広がっておらず、その走力の高さがうかがえます。3位にはポムレ、4位には今年のMathon des Sablesで初挑戦で2位となったイギリスのトーマス・エバンス Thomas Evans、5位にスカイランニングの上位常連、トム・オーウェンス Tom Owens(イギリス)、6位にアイスランドのトールベルガー・ジョンソン Thorbergur Jonssonが入りました。7月のウェスタン・ステイツで優勝したライアン・サンデス Ryan Sandes(南アフリカ)は21位でフィニッシュしています。

女子のレースでは昨年のスカイランニング世界選手権・Skyカテゴリー優勝、今年のSWS・Sky Extremeカテゴリー年間チャンピオンのマイテ・マイオラ Maite Maiora(スペイン)がGran Col Ferret(32km)を経てLa Fouly(42km)まで後続を4分リードしていました。しかし、ここからChampex Lac(56km)までの走りやすい区間でクレア・ギャラハー Clare Gallagher(アメリカ)がマイオラを捉えます。Champex Lacでは2分だったギャラハーのリードはここからの大きな山のアップダウンに入って拡大してTrient(72km)では約12分まで拡大。マイオラも次のCatogneの登りくだりでプッシュしてVallorcine(83km)ではギャラハーに3分差まで迫りました。しかしこの日のアメリカのトレイルランナーとスペインのスカイランナーの勝負は前者の勝ちでした。ギャラハーが残る17kmで再びリードを広げて12時間13分、2位のマイオラに12分差で優勝を手にしました。

この日は3位にライア・カニェス Laia Canes(スペイン)、4位にキーリー・ヘニンガー Keely Henninger(アメリカ)、5位にケリー・ウルフ Kelly Wolf(アメリカ)と女子トップ5のうち3人がアメリカの選手に。男子優勝のホークスと合わせて、アメリカ勢の強さを印象付けました。来年以降、これらの選手がUTMBでアメリカ旋風を巻き起こすことになるかもしれません。

CCC®︎ リザルト

全体のリザルトはこちらから。

男子 Men

  •  1. ヘイデン・ホークス Hayden Hawks (HOKA ONE ONE) 10:24:30 (アメリカ)
  •  2. マルティン・スビエルク Marcin Świerc (SALOMON SUUNTO TEAM POLAND) 10:42:49 (ポーランド)
  •  3. ルドビック・ポムレ Ludovic Pommeret (TEAM HOKA) 10:50:47 (フランス)
  •  4. トーマス・エバンス Thomas Evans (COMPRESS SPORT) 10:57:44 (イギリス)
  •  5. トム・オーウェンス Tom Owens (SALOMON) 11:03:48 (イギリス)
  •  6. トールベルガー・ジョンソン Thorbergur Jonsson (66 NORTH) 11:14:22 (ISL (Iceland))
  •  7. ニコラ・ボービエ Nicolas Bouvier-Gaz (TEAM NEW BALANCE) 11:18:33 (フランス)
  •  8. マイケル・ジョーンズ Michael Jones (WWW.APEXRUNNING.CO) 11:31:50 (イギリス)
  •  9. オーレリアン・コレ Aurélien Collet (HOKA ONE ONE) 11:33:10 (フランス)
  •  10. ホルヘ・マラビラ Jorge Maravilla (HOKA ONE ONE) 11:36:14 (アメリカ)
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女子 Women

  •  1. クレア・ギャラハー Clare Gallagher (THE NORTH FACE) 12:13:57 (アメリカ)
  •  2. マイテ・マイオラ Maite Maiora Elizondo (LA SPORTIVA TEAM) 12:26:41 (スペイン)
  •  3. ライア・カニェス Laia Canes (TEAM SPORTHG-AMLSPORT) 12:47:39 (スペイン)
  •  4. キーリー・ヘニンガー Keely Henninger (NIKE) 12:51:59 (アメリカ)
  •  5. ケリー・ウルフ Kelly Wolf (UNDER ARMOUR) 13:52:00 (アメリカ)
  •  6. デルフィーヌ・アベニール Delphine Avenier (CMBM) 14:03:16 (フランス)
  •  7. ホーリー・ラッシュ Holly Rush (TEAM ASICS) 14:10:53 (イギリス)
  •  8. トレーシー・ディーン Tracy Dean (RAIDLIGHT UK) 14:26:22 (イギリス)
  •  9. アナ・コメット Anna Comet Pascua (DYNAFIT-THE ELEMENTS-UNIO EXCURSIONISTA VIC) 14:34:09 (スペイン)
  •  10. フランチェスカ・プレット Francesca Pretto (SUMMANO COBRAS) 14:42:24 (イタリア)
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