2016年の大晦日となりました。冬晴れのいいお天気が続く中、雪山に、あるいはいつもの山にお出かけの方もおられるかもしれません。この記事では当サイトの記事へのアクセスが集中した出来事を通じて、今年のトレイルランニング・スカイランニングでの出来事を振り返ってみたいと思います。
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(写真・今年のUTMB®︎、55kmのOCCを辛くも完走した当サイトの岩佐。)
アクセス数の多かったイベント
まずは今年の当サイトの記事の中でアクセスが集中したイベントから。
1月・UTMF開催日発表、トレイルランニング・フォーラム
二つの出来事の間に直接の関係はありませんが、同時期だったためアクセスが集まりました。2016年の年明けには9月にウルトラトレイル・マウントフジが開催されることが発表されました。結局9月開催された大会は風雨のために短縮・中止されることに。次回の大会は2018年の春に時期を改めることとなり、2017年中は大会が開催されないことがすでに発表されています。
日本におけるトレイルランニングの競技団体の必要性を訴えている当サイトでは、国内の関連する動きを追っています。今年1月には「日本トレイルランナーズ協会」が開催するイベントをレポートして注目を集めました。競技団体の組織化や事業化に関してはその後目立った動きに乏しいのが現状です。 また1月に香港で行われたHong Kong 100は大会終盤に香港を襲った寒波により大会が切り上げて中止になるという出来事があり、その過程で日本から参加した選手の安否確認が遅れたことが話題になりました。3月・トル・デ・ジアン開催権を巡る争いが表面化?
早春には日本でも人気の200マイルのトレイルランニング大会、トル・デ・ジアン Tor des Geants(イタリア)に関する話題を紹介しました。これまで大会を全面的にバックアップしていた地元の自治州政府が、トル・デ・ジアンの前週にほぼ同じコースを逆回りする「4K」という大会を開始すると発表。大会スポンサーも二分されることになりました。結局9月には予定通りに二つの大会が一週間ずらして開催。その後、4Kの方は2017年は大会を行わないことは発表しています。
4月・ハセツネ30k、失格
ハセツネ30kは秋のハセツネCUPの姉妹レースで、コースは林道・舗装路のパートが多く、この大会である程度の成績でフィニッシュすると秋のハセツネCUPに優先エントリーできる特典があることで知られています。今年のハセツネ30kではトップでフィニッシュした選手が男女ともに必携装備品を携帯してなかったことから失格になるというハプニングがありました。
5月・東海自然歩道FKT
日本のトレイルランニングのリビング・レジェンド、石川弘樹さんが東京・高尾から大阪・箕面までの東海自然歩道を一気に走るFKT(最速走破記録)に挑戦し、17日と10時間でフィニッシュ。当サイトでは出発前のインタビュー、毎日の経過速報、フィニッシュ後のインタビューをお送りして注目を集めました。レースとは異なる形でのトレイルランニングの一つの形を、石川さんが自ら日本で実証してみせました。必要な荷物は背負いつつも途中で商店に立ち寄って買い食いが普通という日本流スタイルに慣れた目からは、アメリカ流のサポーテッド(サポートあり)FKTがどのように映るか、この辺りも石川さんの期待した反応ではなかったかと思われます。
7月・アンドラ・ウルトラトレイル、スカイランニング世界選手権
7月には欧州へ。ピレネー山脈の中で1週違いで開催されたアンドラ・ウルトラトレイルとスカイランニング世界選手権・Buff Epic Trailを相次いで取材しました。
アンドラ・ウルトラトレイルでは日本の山本健一さんが2位になる活躍。日本からも当サイトのレポートを通じて多くの声援が山本さんに送られました。UTMBを凌ぐ本格的な山岳トレイルランニングレースへの関心が高まりました。
スカイランニング世界選手権・Buff Epic Trailには日本からも代表選手団が参戦。日本は国別表彰で3位となる活躍ぶりで、スカイランニングにおける日本の存在感を示した形となりました。8月・トランスジャパンアルプスレース(TJAR)
富山湾から静岡市・大浜海岸まで北・中央・南アルプスを縦走するというスケールの大きな大会を今年も当サイトでは毎日のダイジェストをお届けして注目を集めました。今やトレイルランニングのコミュニティだけではなく、日本中の関心を集める一大イベントとなっています。今回は4連覇を果たした望月将悟さんがついに5日を切る大会記録を更新したことでも話題になりました。
8月・UTMB
当サイトにとっては夏の恒例となっているシャモニーへのUTMB取材旅行。今年も快晴で暑すぎるほどの天候の中で開催されました。日本のアスリートでは上田瑠偉さんがCCCで2位に入る快挙。170kmのUTMBでは丹羽薫さんが女子8位で表彰台に立ちました。大会全体をみてもUTMBではルドビック・ポムレ、カロリーヌ・シャヴェロというベテランがレースを制したこと、ティム・トレフソン、ザック・ミラーといったアメリカの若手が上位を占めたことが話題になりました。
9月・UTMF
5回目の開催となったウルトラトレイル・マウントフジは雨のために100マイルのUTMFが短縮されて40キロあまりの道の駅・麓でフィニッシュ、雷雨の中をスタートしたSTYは大会が中止という結果となりました。悪天候という不運の中で大きなトラブルもなく大会を終えられたという点では、大会運営の努力が実ったことは間違いありません。しかし、コースから魅力的な自然の中のトレイルがだんだん減り、序盤に大幅なランナーの渋滞を招いた交通規制は昨年のまま、海外からの有力選手の参加とそれに伴う大会への注目度は低迷、といった大会をめぐる状況には変わりがありませんでした。再び春に開催時期を改める次回2018年の大会に期待が高まります。
10月・ハセツネCUP
日本を代表するトレイルランニング大会で、事実上の日本選手権とされるこの大会は今年も新たなヒーローを生み出しました。今年はUTMFの他にも海外の著名レースへの出場を優先する選手が多かった中で、男子は初出場の川崎雄哉さん、女子は昨年3位の高村貴子さんが優勝。
12月・日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー(TROYJ 2016)
当サイトが主催して今年一番のパフォーマンスをみせたアスリートを選ぶ日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー。4回目の今年は一般投票の結果を重視した選考の結果、稲葉賞(本賞)は大杉哲也さん、吉住友里さんと関西在住の二人が選ばれました。小さな賞ではありますが、他にはまだ類のない賞として関係者の間では話題のこの企画、来年はさらに工夫を重ねて開催したいと思っています。
当サイトのお送りしたライブ速報
今年も国内外のトレイルランニング大会の現場からTwitterやFacebookを使って写真や動画とともにリアルタイムで大会の様子をお伝えしました。上の記事にある他では次の大会についてお伝えしました。
当サイトでは国内外のトレイルランニング大会の取材へ招待、ご協賛を歓迎しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。
レースレポート
今年も国内外のトレイルランニング大会に出場した皆さんからレポートを寄稿していただきました。中でも異色だったのは井上聡さんの四国八十八ヶ所通し打ちのレポート。大きな反響を呼びました。
今年もよろしくお願いいたします
トレイルランニングのオンラインメディアとして国内外の話題をご紹介する当サイト、DogsorCaravan.com(ドッグスオアキャラバン)は今年も新たなチャレンジをしながら運営していきます。読者の皆様、ご関係者の皆様のご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。